JPH0445609Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、アイシヤドウ、ブラツシヤー、口紅
等の化粧料と、これらに使用するブラシ、筆等の
化粧具とを一緒に収納する薄形化粧料収納容器に
関する。

《従来の技術》 従来、アイシヤドウやブラツシヤー等の化粧料
し、これらに使用するブラシ等の化粧具とを一緒
に収納する容器として、蝶番によつて蓋体を容器
本体に開閉自在に結合し、蓋体および容器本体の
前端縁に設けたフツク状の突片の係合によつて該
蓋体が該容器本体を閉じるようにしたものが知ら
れている。

このような容器は、一般に、女性のハンドバツ
ク等に入れて携帯されるものであるから小さくて
かつ薄いほど便利であるが、ブラシ等の化粧用具
は使用性を考慮してある程度の長さや厚みのある
柄等を必要とするため、このような化粧具を収納
する容器もそれに見合つた長さや厚みとしなけれ
ばならないといつた事情がある。

《考案が解決しようとする問題点》 従来の蝶番による結合方式の収納容器の場合、
蓋体は容器本体の上部に重ねられるため、容器本
体の底板の厚みと蓋体の厚みとが上記の事情に加
算され、収納容器全体の厚みが増大するという問
題点があつた。

また、蝶番による結合方式の収納容器の場合、
容器本体の上面を覆う蓋体が必要であり、蓋体の
重量に困り収納容器全体の重量が増加し、しか材
料費が増加するという問題があつた。

本考案は上述のような問題に鑑みてなされたも
ので、その目的は軽量にして従来のこの種の収納
容器に比べて著しく薄く携帯に便利な薄形化粧料
収納容器を提供するにある。

《問題点を解決するための手段》 上記した目的を達成するため、本考案に係る薄
形化粧料収納容器では、薄型の容器本体に凹状切
欠部が穿設され、該容器本体の該凹状切欠部の奥
側に化粧料収納凹所が形成され、該凹所上並びに
該凹状切欠部内を前後進移動可能なスライド蓋が
装着され、該凹状切欠部内に着脱自在に化粧具が
装着され、該化粧具の取付状態では該化粧具の把
持部が露出するようにし、かつ、少なくとも該凹
状切欠部の開口側を閉塞可能な枠体が該容器本体
の外側に回動可能に枢着されてなり、該枠体が該
凹状切欠部を閉塞して該化粧具の該容器本体から
の離脱を防止するとともに、該枠体を回動するこ
とにより該化粧料を取り出し可能とした。

《作用》 化粧料と化粧具を収納している容器本体の外側
に回動自在に枢着された枠体を一定角度だけ回転
させて容器本体の側面からずらし、凹状切欠部の
開口側を開放する。そして凹状切欠部に収納され
ている化粧具を、その把持部を挟持するとともに
凹状切欠部に沿つて移動させて取り出す。

次いで、スライド蓋を凹状切欠部に沿つて移動
させる。以上の操作により、化粧料収納凹所に充
填されている化粧料が露出されるので、先に取り
外した化粧具により化粧料の使用が可能となる。

そして、本考案に係る化粧料収納容器を携行す
る際には、上記と逆の操作をすることにより簡単
に行える。そしてその操作をすることにより化粧
料収納容器は薄型のカード状となり、携帯に便利
となる。

《実施例》 以下、本考案の好適な実施例を示す図面を参照
して詳述する。

第１図〜第５図は、本考案の一実施例に係る化
粧料収納容器を示している。同図に示すように、
本実施例のコンパクト容器では平面略矩形の薄型
の容器本体１と、その容器本体１の長側面中央位
置に突出配置されたピン２を介して容器本体１の
外周に回動可能に枢着された枠体３とから大略構
成されている。

次に、各部材について詳述すると、まず、容器
温帯１には、その短側面に一端が開口され長手方
向に沿つてのびる凹状切欠部４，４が２本平行に
穿設されている。この凹状切欠部４は、平面略細
長矩形状に形成され、その奥行きは容器本体１の
長側面の長さの約半分となつている。そして、凹
状切欠部４の奥側下端部には平板状の底板部５が
容器本体に一体的に形成されている。また、凹状
切欠部４のさらに奥側には、上方が開口された凹
所６が穿設されており、この凹所６内に化粧料７
が充填されるようになつている。

さらに、凹状切欠部４の内側両側面上方部には
前後方向にのびる一条の凹状溝４ａが穿設されて
おり、その凹状溝４ａは、さらに後方に延長され
その終端は凹所６の後端部まで位置している。

また、その凹状溝４ａ内には、平板状のスライ
ド蓋８の下方両側端部に一体的に突出形成された
凸条８ａが摺動自在に挿入配置される。そして、
これら凹状溝４ａ並びに凸条８ａに案内されてス
ライド蓋８が前後進移動可能となり、このスライ
ド蓋８は平常時は凹所６の上方を被覆するととも
にさらに前方に延出して底板部５の上方をも覆う
ようになつている。これにより、底板部５とスラ
イド蓋８とにより空間部９が画成されることにな
る。

一方、上記した凹状切欠部４内には薄片状の化
粧具１０が着脱自在に装着されている。すなわ
ち、その化粧具１０は、凹状切欠部４と略同一幅
からなる略矩形の把持部１１と、この把持部１１
の先端部に配設された筆部１２とから大略構成さ
れてなり、把持部１１の両側面上方部に一体的に
突出形成された凸条１１ａを介して凹状切欠部４
に設けた凹状溝４ａに摺動自在に係合させてい
る。そして、化粧具１０を凹状切欠部４内に装着
した状態では化粧具１０の筆部１２は上記した空
間部９内に挿入配置され、外部に露出しないよう
になつている。

さらに、上記のように収納された状態において
化粧具１０の上面と下面とは夫々容器本体１の上
面と底面と面一になるように形成されている。す
なわち、把持部１１が露出している。

なお、本実施例では容器本体１の右側面に鏡１
５が貼着されている。

また、枠体３は平面略口字状に形成されてお
り、その内側形状は容器本体１の外側形状と略符
合するようになつている。そして、容器本体１と
枠体３とを同一平面上に位置させたときに枠体３
の短側面が容器本体１の凹状切欠部４の開口側を
閉塞して化粧具１０の離脱を防止し、枠体３を回
動して凹状切欠部４の開口側を開放することによ
り化粧具１０を取り出し可能とするようになつて
いる。

次に、上記実施例の作用について説明すると、
まず、第１図に示すような容器本体１と枠体３と
が面一に位置している状態（携帯時）から使用す
る場合には、枠体３をピン２を支点として角度α
だけ回転させた後（第２図参照）、化粧具１０の
把持部１１を上下から挟持し、化粧具１０を凹状
切欠部４に沿つてスライドさせて容器本体１から
化粧具１０を抜出す（第３図参照）。

次に、枠体３をふたたび回転させて容器本体１
の側面を囲繞する位置に戻し、凹状切欠部４の開
口側を閉塞する。そして、スライド蓋８を凹状切
欠部４の凹状溝４ａに沿つて開口側に摺動移動さ
せ化粧具１０を取り外した跡に移動させる（第４
図参照）。

このようにして、化粧料７が露出し、化粧具１
０により化粧料７の使用が可能となる。そして、
使用後は上記した作用と逆の操作により化粧具１
０を容器本体１内に収納し、薄型のカード状の状
態で携帯保持することができる。

また、この実施例によれば、化粧料７の使用に
際して、枠体３を支えにして容器本体１を斜めに
立てて置くことができ、鏡１５を見易くすること
ができる。

なお、上記した実施例では、枠体３を元の位置
に戻した後、スライド蓋８をスライドさせて化粧
料７を露出させているが、枠体３を元の状態に戻
すことなくスライドさせても良く、例えば、凹状
溝の溝の深さを２段にしてスライド蓋８とのみ係
合する溝部の凹状切欠部４開口側を閉塞しておく
等のスライド蓋８用のストツパ手段を設ければ、
誤つてスライド蓋８が離脱するおそれもない。

また、上記実施例ではスライド蓋８と化粧具１
０とが同一の凹溝状と係合し合つてスライド移動
するようになつているが、本考案はこれに限ら
ず、それぞれ別個の凹状溝を形成し係合し合うよ
うにしても良く、さらに凸条と凹状溝の形成箇所
を逆にしても良いことはいうまでもない。

また、容器本体１と枠体３の形状も、上記のよ
うに平面形状が長方形のものに限らず、円形、そ
の他の形状であつてもよい。

更に、凹状切欠部４も上記した実施例のように
２個に限らず、１個あるいは３個以上であつても
よい。

なおまた、上記した実施例ではピン２は、別途
形成したものを容器本体１の２つの長側面の外面
中央に配設しているが、容器本体１或いは枠体３
の所定位置に一体的い突出形成しても良い。

さらにまた、枠体３は上記した実施例にように
必ずしも平面略口字状の閉塞した形状のもの（容
器本体の外側面全周を覆うもの）に限ることはな
く、少なくとも、容器本体１の凹状切欠部４の開
口側を閉塞できる形状のものであれば任意の形状
とすることができる。

《考案の効果》 以上詳述した本考案に係る薄形化粧料収納容器
によれば、従来の蝶番結合方式の収納容器のよう
に容器上部に重ねる蓋体が不要となり、収納容器
全体を薄く、且つ軽量にすることができ、しかも
材料費が大幅に削減する。

また、化粧具をその露出した両面を挟持し容器
本体に形成した凹状切欠部に沿つて前後進移動す
るだけで化粧具の取出、挿入を行うことができる
ので、その取り扱い作業が容易となる。

さらに、容器本体に収納された化粧具は、枠体
により押えられるために、薄形化粧料収納容器の
携帯時に容器本体から抜出すおそれはない。

さらにまた、枠体を支えにして容器本体を斜め
に立てて置くことができるため、容器本体に鏡を
取付けたものの場合、鏡を見やすい状態にするこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る薄形化粧料収納容器の一
実施例における携帯時の状態を示す斜視図、第２
図は第１図に示す薄形化粧料収納容器の容器本体
の全側面を囲繞している枠体をある角度だけ回転
させた状態を示す斜視図、第３図は第２図の状態
の容器本体から化粧具を取り外した状態を示す斜
視図、第４図はスライド蓋を移動して化粧料を露
出させた状態を示す斜視図、第５図はスライド蓋
を取り外した状態を示す斜視図である。 １……容器本体、２……ピン、３……枠体、４
……凹状切欠部、６……凹所、７……化粧料、８
……スライド蓋、１０……化粧具、１１……把持
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 薄型の容器本体１にその一側面部が開口するよ
   うに凹状切欠部４が穿設され、該容器本体の該凹
   状切欠部の奥側に化粧料収納凹所６が形成され、
   該凹所上並びに該凹状切欠部内を前後進移動可能
   なスライド蓋８が装着され、該凹状切欠部内に化
   粧具１０が着脱自在に装着され、該化粧具の取付
   状態では該化粧具の把持部１１が露出するように
   し、かつ、少なくとも該凹状切欠部の開口側を閉
   塞可能な枠体３が該容器本体の外側に回動可能に
   枢着されてなり、該枠体が該凹状切欠部を閉塞し
   て該化粧具の該容器本体からの離脱を防止すると
   ともに、該枠体を回動することにより該化粧料を
   取り出し可能としてなることを特徴とする薄形化
   粧料収納容器。