JPH0121607Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、口紅、アイシヤドウ等の化粧料を収
納するコンパクト等の化粧料収納用具に関し、特
に、化粧料を配置したとき中皿を使用時に用具本
体内からスライド式に突出させることができるス
ライド式化粧料収納用具に関するものである。

〔従来技術とその問題点〕

口紅、アイシヤドウ等の固形化粧料を収納す
る、いわゆるコンパクト等の化粧料収納用具は、
第４図で示すように通常下皿４１及び下皿４１に
ヒンジで開閉自在に取り付けられた蓋４２から成
つている。蓋４２は内側面に鏡４３を取り付けて
おり、鏡で化粧具合を確かめながら化粧すること
ができるようになつている。下皿４１には、凹凸
が形成されており、凹部内には口紅、アイシヤド
ウ等目的に応じて化粧料４４や紅筆４５等が収容
されている。ところで、このような化粧料収納用
具は、蓋４２を閉じた状態のとき鏡４３が化粧料
４４のすぐ上方に位置することになるため、鏡４
３は化粧料４４や紅筆４５に付着した化粧料によ
つて汚れることが多く、蓋４２を開いて化粧をす
るたびに鏡４３を拭いてきれいにするなど非常に
煩わしい問題があつた。さらに、このような化粧
料収納用具は、蓋４２を開いた状態のとき用具全
体の重心が後方、すなわち鏡４３があるため用具
全体に占める重量の割合が比較的大きい蓋４２が
取り付けられた位置の方へ偏るため、用具は不安
定で後方へ倒れ易く、特に、念入りに化粧するた
め両手を使いたい場合に台の上などに用具を置い
て化粧するとき不都合であるという問題があつ
た。

〔問題を解決するための手段及び作用〕

本考案はこれらの問題点を解決するためになさ
れたもので、本考案は、基本的に、上面に長孔を
有し前面に開口部を有する箱状の本体内に、該長
孔を貫通して上方へ突出する突起を後端に有する
中皿を収容し、中皿上に化粧料を配置し、鏡を取
り付けた板体を前記突起に回動自在に枢着して本
体上面と両面で重なり合うことができるようにす
ることによつて構成されている。従つて、本体内
に中皿を収納した状態では収納用具は、全体が直
方体状であつて凹凸がなく携帯に便利である。ま
た、この状態で板体に取り付けられた鏡と中皿上
の化粧料とは本体上面によつて隔てられているた
め、鏡が化粧料により汚されることはない。

化粧料を使用するときには、板体を引き起こし
て突起を長孔内で前方へ滑らせるとともに板体を
中皿収納時に対し180゜回転させることにより、中
皿を本体から突出させることができ、同時に板体
内面に取り付けられた鏡が収納用具の外面に平ら
に表われる。中皿を突出させた状態でも、鏡の位
置する本体の中心位置に重心があるため、収納用
具を台などの上に置いて使用する場合にも本考案
の化粧料収納用具は安定した状態を保つ。

〔考案の実施例〕

次に図面を参照して本考案の実施例について詳
説する。

第１図は本考案に係るスライド式化粧料収納用
具を、使用時に中皿を突出させ、鏡を反転させた
状態で示す斜視図であり、第２図は中皿を突出さ
せる途中の鏡を立てた状態を示し、第３図は不使
用時に中皿を収容し鏡を伏せた状態を示す斜視図
である。

本体１は、外形がほぼ直方体状で内部に空間が
形成された箱状の容器である。本体１の上面板２
には、前後方向に、すなわち長方形状の上面板２
の２本の長辺に沿つて、それぞれ２本の長孔３が
本体内部の空間と通じるように形成されている。
本体１の前面４には、長方形状の開口部５が形成
されている。

本体１の内部には、中皿６が収容されている。
中皿６は、本体１の開口部５とほぼ一致する長方
形状の前面７を有する全体的に直方体状の部材で
あり、開口部５から突出することができる。

中皿６の上面８には、化粧料２１を収容するた
めに丸く、またはその他の形状にくりぬかれた凹
部９及び紅筆やパフ等の化粧料塗布具２２を収容
するための細長い凹部１０が形成され、凹部１０
の中央部付近には上面８から側面１１にわたつ
て、化粧料塗布具２２を取り出しやすくするため
に切欠部１２が形成されている。中皿６上に配置
される化粧料２１は、アイシヤドウ、チークカラ
ー、フアンデーシヨン、口紅等如何なるものであ
つてもよく、また、中皿６の上面８に細長い凹部
１０を数列並べることにより棒状化粧料であつて
もよい。

上面８後端の２つの角部付近には、２個の突起
１３がそれぞれ設けられている。２個の突起１３
は、本体１の内部から２本の長孔３を貫通して上
方へ突出する。突起１３の厚さａは、中皿６が本
体１内でぐらつかぬように、長孔３の幅ｂとほぼ
等しい厚さとなつている。

２個の突起１３には、板体１４の一端が回動自
在に枢着されている。この取り付けは、板体１４
の一端及び突起１３に軸棒２３を貫通させること
によつて行なつているが、板体１４及び突起１３
の一方に凸部を設け、他方にその凸部と係合する
凹部を設けることによつて行なつてもよい。

板体１４の厚さは、突起１３が長孔３から上方
へ突出する長さに等しい。また、本体１の上面板
２の前端及び後端には、板体１４の厚さとほぼ等
しい高さの段部１５及び１６が設けられている。
従つて、長孔３の長さは、段部１５から段部１６
までの長さとなつている。板体１４は、本体１と
幅が等しく且つ段部１５から段部１６までの距離
に等しい長さを有する。従つて、第１図及び第３
図で示すように板体１４を上面板２と重ね合わせ
たとき、化粧料収納用具全体の上面はほぼ平面状
になり段差が生じない。

中皿６の前面７から突起１３の後端までの長さ
（中皿６の全長）ｃは、本体１の前面４から後端
段部１６まで（長孔３の後端まで）の長さｄにほ
ぼ等しい。このため、中皿６を本体１内に完全に
収容したとき化粧料収納用具の前面には段差が生
じない（第３図参照）。

板体１４の内面１７には、鏡１８が固着されて
いる。従つて、化粧料収納時に上面板２が鏡１８
と接触することとなるので、鏡１８が衝撃によつ
て割れたり、擦れて鏡１８に傷がついたりするの
を防止するために、上面２の上にフエルトなどの
緩衝材を貼りつけてもよい。

板体１４の枢着端の反対端には、丸い凸起１９
が設けられており、凸起１９が本体１の段部１６
の内面に設けられた凹部２０又は本体１の段部１
５の内面に凹部２０と同様に設けられた凹部（図
示せず）と係合することにより、板体１４が外面
２４又は内面１７で上面板２と重なり合つたとき
板体１４は本体１の段部１５，１６間に密嵌し固
定される。

なお、上記実施例では、長孔３及び長孔３を貫
通する突起１３がそれぞれ２組形成されている
が、より安価な製品を製造するために長孔３及び
突起１３を１組だけとしてもよい。また、上記実
施例では、突起１３と板体１４との嵌まり具合を
きつくして、板体１４が如何なる角度でも停止で
きるように構成するものとするが、突起１３への
板体１４の取付部にカムを用いることによつて、
板体１４が上面２に対し段階的に所定の角度をな
して停止できるようにしてもよい。

他の実施例として、中皿６の後端と本体１内部
の後端との間に圧縮バネを配置することにより、
ワンタツチで中皿６を突出させることができるよ
うにしてもよい。

上記実施例の化粧料収納用具は、以上の構成に
より、突起１３を長孔３の後端に位置させて板体
１４の内面１７を本体１の上面板２と重ね合わ
せ、凸起１９を段部１５の内面に形成された凹部
と係合させれば、中皿６が本体１内に収納された
状態で板体１４は本体１に固定される（第３図）。

化粧料を使用するときには、凸起１９と前記段
部１５の内面の凹部との係合をはずし、板体１４
を引き起こして突起１３を長孔３内で前方に滑ら
せる（第２図）ことにより、中皿６が本体１から
突出する。さらに、突起１３を長孔３の前端に位
置させて板体１４を中皿６の収納時に対し180゜回
転させ、凸起１９を本体１の段部１６の内面に設
けられた凹部２０と係合させれば、中皿６が本体
１から突出した状態で板体１４が本体１に固定さ
れるとともに鏡１８が収納用具の外面に表われる
（第１図）。

〔考案の効果〕

本考案は、以上の構成を有し、不使用時には中
皿が本体内に収容されて収納用具全体が直方体状
をなし、外形に凹凸を有しない。従つて、本考案
の化粧料収納用具は、ハンドバツク内で場所をと
らずに収容され携帯に便利であり、またハンドバ
ツク内の他の小物等に引掛かつて破損したり化粧
料が飛び散つたりするようなことがない。中皿を
収納した状態で、鏡は内側を向いているため触れ
られたりして外部から汚されることはなく、外部
からの衝撃によつて破損する心配もない。また、
中皿上の化粧料とは本体上面板によつて仕切られ
隔てられているので、化粧料によつて内部から鏡
が汚されることもない。

鏡を開くには、意識的に板体を引き起こしたう
え突起を長孔内で前方に滑らせる必要があるの
で、従来の化粧料収納用具（コンパクト）のよう
なハンドバツクを落とすなどの軽い衝撃で蓋が開
いて化粧料が散乱するようななことがない。ま
た、板体を中皿収納時に対し180゜回転させること
により鏡は収納用具の外面に平らに横たわり固定
され、鏡が傾いたりグラグラしたりすることがな
いので化粧具合を確かめるため鏡を見やすくする
のに役立つ。本考案の化粧料収納用具は、中皿を
突出させた状態でも重心は鏡の位置する本体側に
あるため、台などの上に置いても安定した状態で
使用することができ、両手を使つて念入りに化粧
をするときに特に便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係るスライド式化粧料収納
用具の、使用時に中皿を突出させた状態の斜視図
である。第２図は、本考案に係るスライド式化粧
料収納用具の、中皿を突出させる途中の状態を示
す斜視図である。第３図は、本考案に係るスライ
ド式化粧料収納用具の、不使用時の中皿を収容し
た状態の斜視図である。第４図は、従来の化粧料
収納用具の斜視図である。 主要符号、１……本体、３……長孔、６……中
皿、１３……突起、１４……板体、１５……前端
段部、１６……後端段部、１８……鏡、２１……
化粧料、２２……化粧料塗布具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ａ 上面前後方向に内部空間と通じる長孔を
   有し、前面に開口部を有する箱状の本体； ｂ 前記本体内に収容され、前記長孔を貫通し
   て上方へ突出する突起を後端に有し、前記開
   口部から突出可能な中皿； ｃ 内面に鏡を固着し、一端で前記突起に回動
   自在に枢着されて、両面ともに前記本体上面
   と重なり合うことが可能な板体；並びに ｄ 前記中皿上に配置された化粧料； から成る化粧料収納用具。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項に記載された
   化粧料収納用具であつて、 前記中皿の全長が前記本体の前記前面から前
   記長孔の後端までの長さとほぼ等しく、前記中
   皿の前面の形状と前記開口部の形状、大きさと
   がほぼ等しく、前記中皿を前記本体内に収容し
   たとき前記化粧料収納用具前面がほぼ平面状に
   なるところの化粧料収納用具。 ３ 実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項に
   記載された化粧料収納用具であつて、 長方形状の前記本体上面の２本の長辺に沿つ
   て前記長孔を２本有し、該長孔をそれぞれ貫通
   する前記突起を２個有するところの化粧料収納
   用具。 ４ 実用新案登録請求の範囲第１項、第２項又は
   第３項に記載された化粧料収納用具であつて、 長方形状の前記本体上面の前端及び後端に前
   記板体の厚さとほぼ等しい高さの段部を有し、
   前記長孔は該段部間にわたつて形成され、前記
   板体を前記本体上面と重ね合わせたとき前記化
   粧料収納用具上面がほぼ平面状になるところの
   化粧料収納用具。