JPS645544Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、口紅やアイシヤドウ等の化粧料容器
を複数個収納するのに用いられて好適な化粧料等
の収納容器に関するものである。

「従来の技術」 従来、化粧料容器としてコンパクト容器以外
に、棒状固形化粧品など、たとえばアイシヤド
ウ、口紅、ほほ紅などを容器内に収容させてお
き、使用する際にこれらを繰り出すようにしたも
のや、あるいはマスカラ容器等のように塗布液を
容器内に収容させておき、使用する際に塗布刷毛
に塗布液を塗布するようにしたものなどがある。

ところで、この種のアイシヤドウ、口紅、マス
カラ等の化粧料を携帯するにあたり、これらの容
器をバツグなどにばらの状態で入れる場合があ
り、この際に化粧料が他の小物に混じつてバツグ
の中を繁雑にし、化粧料をさがすのに手間取ると
いう問題が生じる。特に、アイシヤドウ、口紅、
マスカラ等の容器はその構造上、コンパクト容器
と違つて筒状で似たような大きさのものが多く、
一層、化粧料をさがすのが面倒になるという問題
があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 本考案が解決しようとする問題点は、マスカ
ラ、口紅等の容器をバツク等に入れて携帯する際
に、これらがバツクの中で散らばつて繁雑とな
り、またこれら容器が似かよつているので、さが
し出すのが難しくなるという点である。

本考案は、このような点を解決するために、携
帯に便利で使い易い携帯用収納容器を提供するこ
とを目的としている。

「問題点を解決するための手段」 本考案は、アイシヤドウ、口紅等の化粧料容器
を複数収納する携帯用収納容器において、上端が
開口した箱形本体内に、前記化粧料容器の側部に
弾性接触してこれを複数並列状態に保持する移動
ホルダを上下方向に摺動自在に挿入し、前記本体
の両側壁に上下方向に延びる長孔をそれぞれ設
け、前記本体の上端開口を覆う蓋体に本体の前記
両側壁内面に沿つて垂下する一対の脚板を形成す
る一方、該脚板の内面に前記移動ホルダを縦回動
自在に枢着するとともに、脚板の外面に前記長孔
に嵌合する突部を設け、さらに前記本体の少なく
とも一方の側壁に蓋体および移動ホルダを上下動
させるスライドつまみを配設し、前記両側壁内面
に蓋体の脚板に嵌合する嵌合段部を形成した。

「作用」 前記構成の収納容器において、移動ホルダ内に
アイシヤドウ、口紅等の化粧料の容器を収納して
おき、蓋体の閉状態からスライドつまみを押し上
げると、蓋体および移動ホルダが上方へ摺動する
とともに、中の化粧料容器が突出し、取出し可能
となる。また蓋体を閉じる際にスライドつまみを
押し下げると、蓋体の脚板が嵌合段部に案内さ
れ、蓋体が向き上がつて閉状態となる。

「実施例」 以下、本考案の一実施例を第１図ないし第６図
を参照して説明する。これらの図において符号１
はアイシヤドウ、口紅等の化粧料容器Ｐを収納す
るための箱形本体、符号２は化粧料容器Ｐを複数
並列状態に保持する移動ホルダ、符号３は前記本
体１の開口部を覆う蓋体、符号４は前記移動ホル
ダ２および蓋体３を上下動させるための操作用の
スライドつまみ、符号５は本体１の上端に取り付
けられた上板であり、これら符号１ないし５によ
つて携帯用収納容器の主要部材を構成している。

そして、前記本体１は矩形皿状の一対の半体
６，７を互いに合致させて内部に移動ホルダ２の
収容空間を形成する構造とされ、該半体６，７の
接合により形成された両側壁８，９の上部に上下
方向に延びる長孔１０，１１が設けられている。
これら長孔１０，１１のうち、一方の長孔１０は
側壁８の内外に連通した貫通孔とされ、その上下
端近傍にそれぞれ長孔１０内に突出した突部１２
が設けられ、他方の長孔１１は側壁９内にへこん
だ凹部とされている。またこれら長孔１０，１１
が形成された両側壁８，９の内面には長孔１０，
１１を囲むようにしてＶ字形状の嵌合段部１３が
設けられている。なお、前記半体７の側板部外面
には鏡１４が貼付されている。

一方、前記移動ホルダ２は化粧料容器Ｐを保持
する円筒状の保持部１５をその軸線が平行になる
ように３個並列した状態でこれらを一体に形成し
たもので、前記本体１内に上下方向（第１図上下
方向）に摺動自在に挿入される基本構成となつて
いる。また前記各保持部１５は、その相対向する
壁部にコ字状に切欠部が形成され、該切欠部に囲
まれた弾板部１６が化粧料容器Ｐに、弾性接触し
てこれを支持する構造とされている。また、本実
施例では、前記弾板部１６の内面に前記化粧料容
器Ｐの周突条１７に係合する係止突条１８が設け
られているが、これらはかならずしも互いに係合
する必要はなく、係止突条１８が化粧料容器Ｐの
側部に弾性接触してこれを押圧保持する構造とし
ても良い。なお、実施例のように、周突条１７に
係止突条１８が係合する構成とすれば、化粧料容
器Ｐを移動ホルダ２内に挿入する際に、周突条１
７が係止突条１８を乗り越える感触が指に伝わる
ので、化粧料容器Ｐを簡単に位置決めできる便利
さがある。一方、前記移動ホルダ２の両側面（す
なわち左右の保持部１５の側面）における前記長
孔１０，１１に臨む位置には突片１９を介して中
心に取付け孔２０を有する突起軸２１が設けられ
ている。

また、前記蓋体３は、本体１の前記両側壁８，
９の内面に沿つて垂下する一対の脚板２２，２３
を有し、これら脚板２２，２３は蓋体３の閉状態
において両側壁８，９内面の嵌合段部１３に嵌合
するようになつている。そして、前記脚板２２，
２３の外面には長孔１０，１１に上下動自在に嵌
合する突部２４が設けられるとともに、一方の脚
板２２の内面には取付け軸２５が突設され、移動
ホルダ２の突起軸２１の取付け孔２０に縦回動自
在に枢着されるようになつている。また他方の脚
板２３には、第６図に示すようにその突部２４の
中心を貫通する貫通孔２６が設けられ、前記スラ
イドつまみ４の軸部２７が挿入されるようになつ
ている。

そして、この蓋体３の脚板２３に貫通するスラ
イドつまみ４の軸部２７は前記移動ホルダ２の突
起軸２１の取付け孔２０に枢着されており、また
本体１の外側からスライドつまみ４を上下動させ
ることによつて、移動ホルダ２および蓋体３の両
方を上下に操作できるようになつている。

なお、前記上板５は、本体１の各半体６，７内
面に形成された嵌合溝２８に嵌合されるようにな
つており、また上板５には化粧料容器Ｐの挿入孔
２９が形成されている。

しかして、このように構成された収納容器を使
用するには、移動ホルダ２の保持部１５に化粧料
容器Ｐを収容しておき、スライドつまみ４をもつ
て、これを上方へ蓋体３の突部２４が長孔１０の
突部１２を乗り越えるまで動せば、移動ホルダ２
および蓋体３が長孔１０，１１の長さだけ上方に
移動し、中の化粧料容器Ｐが上板５の挿入孔２９
から突出する。このとき、第２図に示すように、
蓋体３を横に倒せば化粧料容器Ｐが取り出し可能
となる。なお、蓋体３を倒す際には蓋体３の突部
２４と長孔１０の突部１２とが互いに係合してそ
の位置が固定されるので、蓋体３を安定な状態で
回転させることができ、その操作性を良好にする
ことができる。

一方、化粧料容器Ｐを収納容器内に収納する場
合には、化粧料容器Ｐを上板５の挿入孔２９から
移動ホルダ２の保持部１５内に差し込み、スライ
ドつまみ４を下降させれば良い。なおこの際、横
に倒れた状態の蓋体３はスライドつまみ４の下降
とともに下がり、その脚板２２，２３が嵌合段部
１３に突き当つて、てこの原理により蓋体３がむ
き上がり、さらに嵌合段部１３に脚板２２，２３
が案内されて最後に閉状態となる。なお、前記蓋
体３の閉状態では、蓋体３の突部２４と長孔１０
の突部１２との係合によつて上方への移動が規制
されるので、携帯時に蓋体３が移動するおそれが
なく、安定した状態で収納容器を携帯することが
できる。また、移動ホルダ２の保持部１５内に挿
入された化粧料容器Ｐは、係止突条１８を介して
弾板部１６により弾性接触状態に支持されるの
で、外部からの衝撃に対して保護された状態に保
管されることとなり、内部の化粧料の傷つきを防
止できる利点がある。

なお、本実施例では、化粧料容器Ｐが円筒状の
容器の場合について説明したが、他の形状（例え
ば角形など）にも適用できることは言うまでもな
い。

「考案の効果」 以上説明したように、本考案によれば次のよう
な優れた効果を奏することができる。

(a) アイシヤドウ、マスカラ、口紅等の化粧料容
器を複数まとめてコンパクトに収納することが
できるので、携帯に便利で、これら化粧料を使
用する際に、バツグ等からさがす手間がはぶ
け、またバツグの中を繁雑にするおそれがな
い。

(b) スライドつまみの操作によつて蓋体の開閉操
作ができ、しかも収納した化粧料容器を本体か
ら大きく突出させることができるので、化粧料
容器の取出しが簡単で使い勝手が良い。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本考案の一実施例を示す
もので、第１図は分解斜視図、第２図および第３
図は組立てた状態を示す斜視図、第４図および第
５図は縦断面図、第６図は要部の断面図である。 Ｐ……化粧料容器、１……箱形本体、２……移
動ホルダ、３……蓋体、４……スライドつまみ、
７……半体、１０，１１……長孔、１２……突
部、１３……嵌合段部、１５……保持部、１６…
…弾板部、１７……周突条、２１……突起軸、２
２，２３……脚板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アイシヤドウ、口紅等の化粧料容器を複数収納
   する携帯用収納容器において、該収納容器は上端
   が開口した箱形本体と、該本体内にその上下方向
   に摺動自在に挿入され前記化粧料容器の側部に弾
   性接触してこれを複数並列状態に保持する移動ホ
   ルダと、前記本体の上端開口を覆う蓋体とを有
   し、前記本体の両側壁には上下方向に延びる長孔
   がそれぞれ設けられ、一方前記蓋体は本体の前記
   両側壁内面に沿つて垂下する一対の脚板を有し、
   かつ該脚板の内面に前記移動ホルダが縦回動自在
   に枢着されるとともに、該脚板の外面には前記長
   孔に上下動自在に嵌合する突部が設けられ、さら
   に前記本体の長孔が形成された側壁の少なくとも
   一方には、長孔を通つて脚板の突部に回動自在に
   支持され前記蓋体および移動ホルダを上下動させ
   るスライドつまみが設けられるとともに、これら
   両側壁内面には蓋体の脚板に嵌合する嵌合段部が
   形成されていることを特徴とする化粧料等の携帯
   用収納容器。