JPH0118115Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、口紅やアイシヤドウ等の化粧料容器
を複数個収納するのに用いられて好適な化粧料等
の収納容器に関するものである。

「従来の技術」 従来、化粧料容器として棒状固形化粧品など、
たとえばアイシヤドウ、口紅、ほほ紅などを容器
内に収容させておき、使用する際にこれらを繰り
出すようにしたものや、あるいはマスカラ容器等
のように塗布液を容器内に収容させておき、使用
する際に塗布刷毛に塗布液を塗布するようにした
ものなどがある。

ところで、この種のアイシヤドウ、口紅、マス
カラ等の化粧料を携帯するにあたり、これらの容
器をバツグなどにばらの状態で入れる場合があ
り、この際に化粧料が他の小物に混じつて、バツ
グの中を繁雑にし、化粧料をさがすのに手間取る
という問題が生じる。特に、アイシヤドウ、口
紅、マスカラ等の容器はその構造上、コンパクト
容器と違つて筒状で似たような大きさのものが多
く、一層、化粧料をさがすのが面倒になるという
問題があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 本考案が解決しようとする問題点は、マスカ
ラ、口紅等の容器をバツグ等に入れて携帯する際
に、これらがバツグの中で散らばつて繁雑とな
り、またこれら容器が似かよつているために、さ
がし出すのが難しくなる点である。

本考案はこのような点を解決するために携帯に
便利で使い易い携帯用収納容器を提供することを
目的としている。

「問題点を解決するための手段」 本考案は、アイシヤドウ、口紅等の化粧料容器
を複数収納する携帯用収納容器において、上端が
開口した箱形本体内に、前記化粧料容器を複数並
列状態に保持する移動ホルダを上下方向に摺動自
在に挿入し、前記本体の両側壁に上下方向に延び
る長孔をそれぞれ設けるとともに、前記ホルダの
両側面に前記長孔に嵌合する突起軸を設け、一
方、前記本体の上端開口を覆う蓋体に本体の両側
壁外面に沿つて垂下する一対の脚板を設け、該脚
板の下端部を前記突起軸に縦回動自在に取り付
け、さらに前記長孔の上下端近傍に前記突起軸を
係止して突起軸の上下方向の移動を規制する突部
を設け、かつ、前記移動ホルダを、有底筒状の保
持部をその軸線が平行になるように複数個連続し
て並べてこれらを一体に形成することにより構成
し、しかも、前記各保持部の相対向する壁部に保
持部内に収納された化粧料容器の外面に弾性的に
接触する弾板部を保持部の周壁に形成された切欠
部に囲まれて設けたことを特徴としている。

「作用」 前記構成の収納容器において、移動ホルダ内に
アイシヤドウ、口紅等の化粧料の容器を収納して
おき、蓋体の閉状態からこれを上方へ真直ぐつま
み上げてたおすと、移動ホルダが上方へ摺動して
中の化粧料容器を突出させ、取出し可能となる。
また蓋体の開状態および閉状態では、移動ホルダ
の突起軸が長孔の上下端近傍の突部に係合して上
下方向への移動が規制されるので、携帯時および
蓋体の開口時には安定して操作することができ
る。

「実施例」 以下、本考案の一実施例を第１図ないし第５図
を参照して説明する。これらの図において符号１
はアイシヤドウ、口紅等の化粧料容器Ｐを収納す
る箱形本体、符号２は化粧料容器Ｐを複数並列状
態に保持する移動ホルダ、符号３は前記本体１の
開口部を覆う蓋体、符号４は本体１の上端に取り
付けられた上板であり、これら符号１ないし４に
よつて携帯用収納容器の主要部材を構成してい
る。

そして、前記本体１は左右対称な矩形皿状の半
体５，５を互いに合致させて内部に移動ホルダ２
の収容空間を形成する構造とされ、その左右両側
壁（すなわち半体５，５の側壁）には上下方向
（第１図上下方向）に延びる長孔６が設けられる
とともに、該長孔６の上下端近傍にはそれぞれ長
孔６内に突出した突部７が形成されている。ま
た、前記本体１の左右両側壁外面には上端隅部か
ら、下端中央部に斜めに延びる段部８が設けられ
ている。

一方、前記移動ホルダ２は、有底円筒状の保持
部９をその軸線が平行になるように３個連続して
並べてこれらを一体に形成したもので、各保持部
９内に前記化粧料容器Ｐをそれぞれ挿入してこれ
を内部に保持させる基本構成となつている。すな
わち、各保持部９の相対向する壁部にはコ字状に
切欠部が形成されるとともに、該切欠部に囲まれ
た弾板部１０の内面に前記化粧料容器Ｐの周突条
１１に係合する係止突条１２が設けられ、該係止
突条１２により化粧料容器Ｐの上方への抜け止め
がなされ内部に固定されるようになつている。ま
た、前記移動ホルダ２の真中に位置する保持部９
の両側面には本体１の長孔６に嵌合する突起軸１
３が突設され、該突起軸１３の中心には取付け孔
１４が形成されている。なお、該突起軸１３は前
記長孔６の上下端で突部７に係止されて上下方向
の移動が規制されるようになつている。

前記蓋体３は上側に湾曲した天板部３ａと、前
記本体１の両側壁外面に沿つて垂下する一対の脚
板３ｂとを有し、該脚板３ｂの下端部内面には移
動ホルダ２の突起軸１３の取付け孔１４に枢着さ
れる回動軸１５が設けられ、該回動軸１５を中心
に縦回動可能に構成されている。なお、前記蓋体
３の脚板３ｂは本体１の段部８に突き当たる形状
に形成され、第２図に示すように、この段部８の
反対側に回転させて蓋体３を開けるようになつて
いる。

また、前記上板４には、化粧料容器Ｐの挿入孔
１６が形成されている。

しかして、このように構成された収納容器を使
用する際には、蓋体３を第３図などに示す閉状態
から上方へ突起軸１３が長孔６の突部７を乗り越
えるまでつまみ上げ、これを第２図に示すように
横に倒す。この操作によつて本体１内の移動ホル
ダ２が長孔６の長さだけ上方に移動し、中の化粧
料容器Ｐが上板４から突出してこれらが取出し可
能となる。なお、前記蓋体３を倒す際には、移動
ホルダ２の突起軸１３と長孔６の突部７とが互い
に係合してその位置が固定されるので、蓋体３を
安定な状態で回転させることができ、その操作性
を良好にすることができる。

一方、使用後に化粧料容器Ｐを収納容器内に収
納する場合には、化粧料容器Ｐを上板４の挿入孔
１６から差し込んで、その周突条１１と保持部９
の係止突条１２とを係止させ、前述の操作と逆の
手順を踏んで蓋体３を下方へ移動させ、長孔６の
下端近傍の突部７と突起軸１３とを係合させれば
良い。この際、蓋体３は突部７と突起軸１３との
係合により、上方への移動が規制されているの
で、携帯時に蓋体３が移動するおそれがなく、安
定した状態で化粧料容器Ｐを携帯することができ
る。なお移動ホルダ２の保持部９内に挿入された
化粧料容器Ｐは、係止突条１２を介して弾板部１
０により弾性接触状態に支持されるので、外部か
らの衝撃に対して保護された状態に保管されるこ
ととなり、内部の化粧料の傷つきを防止できる利
点もある。

第６図および第７図は本考案の他の実施例を示
すもので、箱形本体１′の上端周囲に係合段部１
７を形成し、蓋体３′の天板部両側に前記係合段
部１７に係合する係合縁１８を形成したものであ
る。また化粧料容器Ｐを保持する移動ホルダ２′
の弾板部１０の内面には係止突条１２が省略され
ており、弾板部１０の弾性力だけで化粧料容器Ｐ
を支持するようになつている。

なお、本実施例にあつては、弾板部１０の弾性
力により化粧料容器Ｐを支持しているので、化粧
料容器Ｐを引張り出す際に不用意に手がはなれて
も、収納容器を逆さまにしても化粧料容器Ｐが落
下することがなく、取り出し易くまた確実に保持
できる利点がある。

さらに、第８図により本考案の別の実施例につ
いて説明すると、これは収納容器内に収納する化
粧料容器をコンパクト容器などに詰め替え可能な
角形の化粧料容器P′にしたものである。なお、本
実施例の収納容器の構成は、先のものとほぼ同様
であるが、移動ホルダおよび上板４′の挿入孔１
６は角形の化粧料容器に対応して角形に形成され
ている。そして、このような構成の収納容器にあ
つても先の２つの実施例の収納容器とほぼ同様の
作用効果を奏することができる。

「考案の効果」 以上説明したように、本考案によれば次のよう
な優れた効果を奏することができる。

(a) アイシヤドウ、マスカラ、口紅等の化粧料容
器を複数まとめてコンパクトに収納することが
できるので、携帯に便利で、これら化粧料を使
用する際に、バツグ等からさがす手間がはぶ
け、またバツグの中を繁雑にするおそれがな
い。

(b) 蓋体の開口操作により、内部の化粧料容器を
収納容器から大きく突出させることができるの
で、化粧料容器の取り出しが簡単で使い勝手が
良い。

(c) 移動ホルダの保持部に化粧料容器を差し込ん
で保持させると、化粧料容器の外面が弾板部に
より弾性接触状態に支持されるので、外部から
の衝撃に対して保護された状態に保管されるこ
ととなり、内部の化粧料の傷付きを防止するこ
とができる。しかも、このように、化粧料容器
は保持部の周壁の相対向する位置に形成された
弾板部によつて常時挾持された状態で支持され
るので、蓋体を開けて収納容器を逆さまにして
もあるいは収納容器が不用意に手から離れて
も、化粧料容器が保持部から飛び出すおそれが
なく、確実に保持できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案の一実施例を示す
もので、第１図は分解斜視図、第２図は蓋体を開
けたときの斜視図、第３図は蓋体を閉じたときの
斜視図、第４図および第５図はそれぞれ中央縦断
面図、第６図および第７図は本考案の他の実施例
を示すもので、第６図は分解斜視図、第７図は組
み立てた状態の斜視図、第８図は本考案の別の実
施例を示す斜視図である。 Ｐ……化粧料容器、１……箱形本体、２……移
動ホルダ、３……蓋体、３ｂ……脚板、４……上
板、５……半体、６……長孔、７……突部、８…
…段部、９……保持部、１０……弾板部、１１…
…周突条、１２……係止突条、１３……突起軸、
１４……取付け孔、１５……回動軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アイシヤドウ、口紅等の化粧料容器を複数収納
   する携帯用収納容器において、該収納容器は上端
   が開口した箱形本体と、該本体内にその上下方向
   に摺動自在に挿入され前記化粧料容器を複数並列
   状態に保持する移動ホルダと、前記本体の上端開
   口を覆う蓋体とを有し、前記本体の両側壁には上
   下方向に延びる長孔がそれぞれ設けられるととも
   に、前記移動ホルダの両側面には前記長孔に嵌合
   する突起軸が設けられ、前記蓋体は本体の前記両
   側壁外面に沿つて垂下する一対の脚板を有し、こ
   の両脚板の下端部が前記突起軸に枢着されて縦回
   動可能に構成されており、さらに前記長孔の上下
   端近傍には前記突起軸を係止して突起軸の上下方
   向の移動を規制する突部が設けられ、かつ、前記
   移動ホルダは、有底筒状の保持部をその軸線が平
   行になるように複数個連続して並べてこれらを一
   体に形成することにより構成されてなり、しか
   も、前記各保持部の相対向する壁部には保持部内
   に収納された化粧料容器の外面に弾性的に接触す
   る弾板部が保持部の周壁に形成された切欠部に囲
   まれて設けられていることを特徴とする化粧料等
   の携帯用収納容器。