JPH0327523Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、容器本体内に化粧料等を収納する中
皿を着脱自在に取り付けた二段式コンパクト容器
に関するものである。

「従来の技術」 従来よりコンパクト容器内の化粧料をカートリ
ツジ化して、これを取り替え可能としたコンパク
ト容器が種々提案されている。その目的とすると
ころは、容器内に収納した化粧料を使いきつた場
合、化粧料の詰められた新しい中皿と交換して再
度同一のコンパクト容器を使用しようとするもの
であり、ユーザーの金銭的負担をできる限り少な
くして、豊富な化粧料を数多くユーザーに提供し
ようとすることにある。

ところで、この種のコンパクト容器では、化粧
料を使いきつた場合、化粧料の詰められた新しい
中皿（ドラム）と交換して使用するのが一般的で
ある。この場合、容器本体内に嵌め込まれている
使用済み中皿を取り出した後、新しい中皿をセツ
トする必要がある。そこで、従来のコンパクト容
器などにおいては、中皿の取り付けに当たつて、
これをのりずけしたり、あるいは超音波溶着をし
たりしていた。一方、使用済み中皿を取り出し易
くする目的で、容器本体の底板に小孔を設けてお
き、この小孔に挿入できるピンなどを利用して中
皿を押し上げることができるように配慮されてい
る。

「考案が解決しようとする問題点」 しかしながら、このような従来構造のコンパク
ト容器では、中皿の取り付けが面倒であり、また
単に小孔を設けた構造のものでは、中皿を押し上
げるためにピン等の治具を必要とするため、これ
を携帯していなかつたり、身近に無いときなどに
中皿を押し上げて取り出すことができないという
不具合があつた。

本考案は、前記事情に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、指先などによつて、簡
単に中皿を交換することができる二段式コンパク
ト容器を提供することにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案は、このような目的を達成するために、
容器本体の後壁部に蓋体を開閉自在にヒンジ結合
するとともに、該蓋体の基端部に蝶番部材を縦回
動自在に連結し、かつ該蝶番部材に、前記容器本
体および蓋体で形成される内部空間を上下二段に
分ける中仕切を開閉自在にヒンジ結合し、さらに
前記容器本体内に化粧料等を収納する中皿を着脱
自在に設け、前記蝶番部材に、中皿の収納状態に
おいて、中皿の上面に当接しこれを容器本体内に
固定する突出部を設け、かつ前記容器本体に、蝶
番部材の突出部が中皿を押圧しているときに、蝶
番部材に弾性接触してこれの縦回動を規制する係
止舌片を設けたものである。

「作用」 コンパクト容器内に収納した化粧料収納用の中
皿を交換する場合、蓋体と中仕切を開け、次に中
仕切をさらに大きく回動させて蝶番部材を蓋体と
のヒンジ部を中心に回し、係止舌片による規制を
解除する。この操作によつて、中皿が、蝶番部材
の突出部による押圧状態から解放されて、容器本
体から取り出し可能になるものである。

「実施例」 以下、本考案の一実施例を第１図ないし第４図
を参照して説明すると、このコンパクト容器は、
矩形受皿状の容器本体１に後壁部１ａに、蓋体２
が開閉自在にヒンジ結合されるとともに、該蓋体
２の基端部に蝶番部材３が縦回動自在に連結さ
れ、かつ該蝶番部材３に容器本体１および蓋体２
で形成される内部空間を上下二段に分ける中仕切
４がヒンジ結合された基本構成となつている。

そして、前記容器本体１は、その前壁部１ｂに
凹部５が設けられ、この凹部５の奥面５ａにフツ
ク６が突設され、また矩形周壁により囲まれた収
容凹所７に、化粧料などを収容する中皿８が着脱
自在に収納されるようになつている。なお、この
中皿８について説明を補足しておくと、これは、
全体が容器本体１に対応して矩形受皿状に形成さ
れ、その周壁上部にはフランジ部８ａが設けられ
るとともに係合リブ８ｂが突設されている。

一方、前記容器本体１の前壁部１ｂの内面に
は、内方に突出する突条９が突設され、中皿８の
係合リブ８ｂに係合して、中皿８の上方への移動
を規制するようになつている。また、前記容器本
体１の後壁部１ａにはピン孔１ｃが設けられると
ともに、内外に連通する開口部１０が形成され、
さらにこの開口部１０に臨む底板部からは係止舌
片１１が延出しており、前記蝶番部材３の下端に
弾性接触してその縦回動を規制するようになつて
いる。

前記蓋体２は中仕切４の上面に載置されるパフ
Ｐを覆う如く矩形受皿上に形成されており、その
基端部には互いに平行にかつ蓋体２の周壁よりも
背の高い一対の蝶番部２ａが設けられ、該蝶番部
２ａにはピン孔２ｂが形成される。またこれら蝶
番部２ａの間には前記蝶番部材３を嵌め込むため
の切欠部２ｃが形成されている。なお、蓋体２の
前縁部には、容器本体１のフツク６に係合するフ
ツク１２を有する係止突片１３が垂設されてい
る。

さて、前記蝶番部材３について説明すると、こ
れは蓋体２と中仕切４とを縦回動自在に連結する
ものであり、全体が前記蓋体２の切欠部２ｃに収
納される大きさに形成される。また、この蝶番部
材３の上下にはそれぞれ幅方向に延びるピン孔３
ａ，３ｂが設けられるとともに、蝶番部材３の内
面には中皿８のフランジ部８ａ上面を押圧する突
出部１４が設けられている。

前記中仕切４は、本実施例にあつては容器本体
１とほぼ同じ大きさを有し、蓋体２の閉状態にお
いて容器本体１の側面に露出する構成とされ、そ
の内面には鏡１５が貼付されている。また、この
中仕切４の後縁部には蝶番部材３の両側面に沿つ
て上方に突出する一対の蝶番部４ａが設けられる
とともに該蝶番部４ａにはピン孔４ｂが形成さ
れ、前縁部には係合突片１３が挿入される切欠部
４ｃが形成されている。

なお、図中符号２０は容器本体１、蓋体２、蝶
番部材３、中仕切４などを連結するためのヒンジ
ピンである。

次に、このように構成された本実施例の作用に
ついて、第２図イないしニを参照して、説明する
と、中皿８を交換する場合、第２図イに示すよう
な閉状態から蓋体２の前縁部をもつて、これを開
方向へ回動させ、容器本体１のフツク６と蓋体２
のフツク１２との係合を解き、さらに第２図ロ，
ハに示すように、中仕切４を持つて、これを開方
向へ回動っせる。次いで、中仕切４をさらに開方
向に回動させて蝶番部材３を回すと、その回動途
中で係止舌片１１の弾性力による抵抗力が増加し
はじめる。

この抵抗力に抗して、蝶番部材３をさらに開方
向に回動させると、蝶番部材３がその下部のヒン
ジピン２０を中心に回転し、中皿８が、蝶番部材
２の突出部１４による押圧状態から解放される。
したがつて、この状態で、中皿８を指先などで後
部から持ち上げれば、これを簡単に取り外すこと
ができるものである。

一方、中皿８の収納は、前述した操作とは逆の
手順により行う。すなわち、中皿８を容器本体１
の後壁部１ａから嵌め込み、蝶番部材３を持ち上
げて、その突出部１４が中皿８のフランジ部８ａ
上面を押圧するまで、回動させればよい。この操
作によつて、蝶番部材３は容器本体１に対して垂
直に立ち上がり、その下端が係止舌片１１に弾性
接触して縦回動が規制され、中皿８が容器本体１
内に固定されることとなる。

また、この状態（すなわち、蝶番部材３が容器
本体１に対して縦回動が規制された状態）で蓋体
２、中仕切４などを開閉することにより、通常に
使用することができるものである。

また、第５図および第６図は本考案の他の実施
例を示すもので、第１図などで示した蝶番部材
３、中仕切４などに代えて、蓋体２により全体が
覆われる中仕切４′と、下端に凸部２１を有する
蝶番部材３′を取り付けたものである。

なお、本実施例にあつては、蝶番部材３′に弾
性接触する係止舌片１１に、凸部２１に嵌合する
嵌合孔２２を設け、これら凸部２１と嵌合孔２２
との凹凸嵌合によつて、蝶番部材３′の回動を規
制しているので、長期にわたつて安定した状態で
使用することができる利点がある。

なお、前述した実施例では、容器本体、蓋体、
蝶番部材、中仕切などの好適な例について説明し
たが、本考案ではこれらの形状に限定されるもの
ではない。

「考案の効果」 以上説明したように、本考案によれば、蝶番部
材によつて、容器本体および蓋体に対して、中仕
切を縦回動自在に構成し、蝶番部材に設けた突出
部により中皿を固定するようにしたので、中皿を
テコの原理により小さい力で確実に押さえること
ができ、しかもその交換を容易に行うことができ
るといつた優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の一実施例を示す
もので、第１図は、容器本体、蓋体、蝶番部材、
中仕切などの分解斜視図、第２図イないしニは作
用を説明するために示したもので、それぞれ縦断
面図、第３図は各部材を組み立てた状態を示す背
面図、第４図は要部の断面図、第５図および第６
図は本考案の他の実施例を示すもので、第５図は
背面図、第６図は要部の断面図である。 １……容器本体、２……蓋体、３……蝶番部
材、４……中仕切、８……ヒンジピン、１１……
係止舌片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体の後壁部に蓋体が開閉自在にヒンジ結
   合されるとともに、該蓋体の基端部に蝶番部材が
   縦回動自在に連結され、かつ該蝶番部材には、前
   記容器本体および蓋体で形成される内部空間を上
   下二段に分ける中仕切が開閉自在にヒンジ結合さ
   れた二段式コンパクト容器であつて、前記容器本
   体内には、化粧料等を収納する中皿が着脱自在に
   設けられ、かつ、前記蝶番部材には、中皿の収納
   状態において、中皿の上面に当接しこれを容器本
   体内に固定する突出部が設けられ、さらに、前記
   容器本体には、蝶番部材の突出部が中皿を押圧し
   ているときに、蝶番部材に弾性接触してこれの縦
   回動を規制する係止舌片が設けられていることを
   特徴とする二段式コンパクト容器。