JPS6125696Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、化粧用具入れを備えたコンパクト容
器の改良に関する。

コンパクト容器は、主として携帯用であるか
ら、そのコンパクト容器自体の小形化に配慮すべ
きことはもちろんであるが、その一方では、化粧
を行なうのに直接必要なパフなどの化粧用具や数
種類の化粧料などを可能な限り一緒に収納できる
構造であることも望まれる。

従来、これらの点を考慮したコンパクト容器と
して、コンパクト容器自体を多段構造にすると共
に一つの蝶番によつて蓋体や中皿などを回動自在
に構成したものが知られている。

しかしながら、この種のコンパクト容器は、そ
の使用にあたり、蓋体の他に中皿などもその都度
開閉操作してパフなどの化粧用具を取り出す構成
であり、しかもその化粧用具の収納室は、一般に
可能な限り小さくされているため、その化粧用具
を取り出しにくく、したがつて使い勝手が悪いと
いう欠点がある。また、化粧料の使用において、
化粧料が下段にも収納されていると、中皿などを
開けたときに蓋体内面の鏡が中皿で隠されてしま
うなどの不具合もある。

本考案は、以上のような点を考慮してなされた
もので、化粧用具の取り出しが非常に便利であ
り、かつ化粧用具の取り出しおよび化粧料の使用
時においても蓋体内面の鏡をいつでも使用できる
コンパクト容器を提供することを目的とする。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

第１図ないし第５図は、本考案の第１実施例を
示すもので、これらの図において、符号１は上面
が開口した箱形の容器本体、２はこの容器本体１
の後壁３に蝶番４を介してヒンジ結合され、容器
本体１の開口部を開閉する蓋体である。

容器本体１の前記後壁３、前壁５および一方の
側壁６の高さは第３図に示すように何れも同じ高
さに形成され、他方の側壁７のみがほぼ1/2程度
の高さに形成され、また、これらの壁部で囲まれ
た容器本体１の収納室は、前記他方の側壁７の高
さと同じ高さの仕切壁８によつてその収納室の下
半部が左右二つに仕切られ、これによつて第１収
納室Ａ、第２収納室Ｂがそれぞれ形成されてい
る。また、容器本体１の後壁３および前壁５の内
面であつて、仕切壁８の上端より上方位置には、
互いに平行でかつ両側壁６，７方向に水平に延び
る一対のガイド溝９（一方のみ図示）が穿設され
ており、さらに、後壁３および前壁５の内面の互
いに対応する位置であつて、高さの低い側壁７の
上端より上方位置には一対の嵌合孔１０（一方の
み図示）が穿設されている。そして、容器本体１
内には、第２図に示すようにその収納室Ａおよび
収納室Ｂの上面開口部を覆う如く、第１中容器１
１、第２中容器１２が平面的に並べて配されてい
る。第１中容器１１は、実施例ではパフなどの化
粧用具類を収容できる偏平な箱形に形成され、か
つ、第２中容器１２と対向する縁部を自由端とし
て上方へ回動できるように、容器本体１の嵌合孔
１０に嵌合する如く側板部１１ｂ，１１ｂから突
設された突起１３（一方のみ図示）を介して容器
本体１に取り付けられている。なお、この第１中
容器１１の自由端側の端面は開口され、かつこの
開口から連続する如く第１中容器１１の上板部１
１ａにも半円弧状の切欠１４が形成されている。

また、前記第２中容器１２は、化粧料等を収容
できるように上面のみが開口した同じく偏平な箱
形に形成されていると共に、容器本体１の前後壁
５，３にそれぞれ対応する壁部１２ａ，１２ａの
外面には、ガイド溝９にそれぞれ嵌合するガイド
リブ１５（一方のみ図示）が突設され、ガイド溝
９に案内されて水平摺動自在に容器本体１に嵌め
込まれている。

また、これら第１中容器１１および第２中容器
１２は、第２図、第４図に示すようにそれぞれの
定位置において、互いに対向する縁部が当接して
おり、かつ、第２中容器の縁部（図では端面）は
下端に向けて傾斜したテーパ面１６に形成され、
一方の第１中容器の縁部、すなわち側板部１１
ｂ，１１ｂの前記テーパ面１６と対向する縁部に
は、そのテーパ面１６に面接触もしくは線接触す
る傾斜縁１７が形成されている。なお、図におい
て符号１８は第２中容器１２を摺動させる際に利
用するつまみ、１９は蓋体２の内面に設けられた
鏡、２０ａ，２０ａは蓋体を仮止めするフツクを
それぞれ示している。

このように構成されたコンパクト容器におい
て、第２中容器１２を第５図に示すように第１中
容器１１側（図中左方）へ摺動させると、第２中
容器１２のテーパ面１６と第１中容器１１の傾斜
縁１７の作用によつて、第１中容器１１の自由端
が上方へ押し上げられ、突起１３を中心に回動す
る。したがつて、第１中容器１１内に図中仮想線
で示すパフなどの化粧用具２１を入れておいても
これを容易に取り出すことができる。また、第２
中容器１２を左方へいつぱいに摺動させて第１中
容器１１を起立状態またはそれ以上に回動させて
おけば、この第１中容器１１が鏡１９の前に位置
しなくなるので、その鏡を使用するのに不具合が
生じることはない。ここで、第２中容器１２を左
方に摺動させると、下段の第２収納室Ｂが開けら
れ、また右方の定位置に戻すと第１収納室Ａが開
けられる。したがつて、下段の収納室ＡおよびＢ
内に、第２中容器１２内に入れておく化粧料と異
種もしくは同種または他の化粧用具などを入れて
おいても、その使用にあたり、これらを容易に使
用したり取り出したりすることができる。

第６図は、本考案の第２実施例を示すもので、
この実施例では、第１中容器１１内に収納するパ
フなどの化粧用具をさらに出し入れしやすいよう
に、中容器１１の底板部１１ｃにもＵ字状の切欠
２２を形成した構成としたものであり、他の部分
については先の実施例と同様である。

なお、実施例においては、テーパ面１６および
傾斜縁１７の両方を設けて第１中容器１１の自由
端を上方へ押し上げることができる構成とした
が、基本的にはテーパ面または傾斜縁のうち何れ
か一方があれば良く、要するに第２中容器の第１
中容器側への摺動時に第１中容器の自由端が押し
上げられて回動する構成であれば良い。また、ガ
イド溝９とガイドリブ１５とは互いに逆であつて
も良い。

以上詳述したように、本考案によるコンパクト
容器は、パフなどの化粧用具を収納しておくため
の第１中容器を回動自在に、第２中容器を水平摺
動自在に設け、第２中容器を摺動させることによ
つて第１中容器を押し上げて回動させるようにし
たから、そのパフなどの化粧用具をきわめて簡単
に取り出し、かつ収納することができ、また、第
１中容器は蓋体とほぼ90゜異なる方向に回動する
ので、鏡の使用に支障をきたすことがなく、いつ
でも使用できるなどの優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本考案の第１実施例を示すも
ので、第１図はコンパクト容器全体の斜視図、第
２図および第３図はそれぞれ分解斜視図、第４図
は第１図の−線に沿う断面図、第５図は作用
を説明するために示した第４図同様の断面図、第
６図は本考案の第２実施例を示す斜視図である。 １……容器本体、２……蓋体、３……後壁、４
……蝶番、６，７……側壁、９……ガイド溝、１
０……嵌合孔、１１……第１中容器、１２……第
２中容器、１３……突起、１６……テーパ面、１
７……傾斜縁、２１……化粧用具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面が開口した箱形の容器本体と、この容器本
   体の後壁にヒンジ結合され、容器本体の開口部を
   開閉する蓋体と、前記容器本体内に、容器本体の
   両側壁方向に並べて配された第１中容器および第
   ２中容器とを備え、前記第１中容器は第２中容器
   と対向する縁部を自由端として容器本体に対し回
   動自在に取り付けられ、一方、第２中容器は第１
   中容器側へ水平摺動自在に嵌め込まれ、かつ、第
   １中容器および第２中容器の相対向する縁部の少
   なくとも一方には、第２中容器の摺動時に第１中
   容器の自由端を上方へ押し上げるテーパ面が形成
   されていることを特徴とするコンパクト容器。