JPS646723Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はふた体と本体とが互いに摺動可能に結
合されておりふたを反転して開閉する化粧品容器
に関するものである。

従来の技術 携帯用の化粧品容器として最も一般的なコンパ
クトはふた体と本体とを蝶番によつて結合し、蝶
番の反対側で互いに係止するように構成されてい
る。従つて、ふた体および本体のそれぞれの蝶番
部と係止部との距離を正確に合わせなければなら
ず高度の寸法精度を要するばかりか、ふた体を閉
じたときは小形で携帯に便利であつても開いたと
きは手に余る大きさとなつて取扱いが不便になり
或いは体裁が悪い場合がある。

本考案の考案者、出願人は蝶番式の化粧品コン
パクトがもつている前述の問題点を解決するた
め、実願昭56−140147号（実開昭58−52114）、同
178514号（実公昭62−33717）、同192477号（実開
昭58−98011）において対応する二つの側面が互
いに平行にして化粧品を収納するくぼみが上面に
開放して設けられている本体と、本体の上面およ
び両側面を覆う頂壁部および側壁部を有するふた
体とを具え、本体の側面およびふた体の側壁部に
突起および前後方向へ延びる溝のいずれかが対向
して設けられ、この突起が溝に嵌合して本体とふ
た体とが結合された反転開閉式の容器を提案して
いる。

考案が解決しようとする問題点 前記構成の反転開閉式容器は高度の寸法精度を
要しないで成形できるとともにふた体を開いたと
き本体の下面に重ねて小形にできる利点がある
が、本体とふた体とは分離が不可能乃至困難であ
つて、新しい化粧品や異なる化粧品を使用すると
きは別個の容器を準備しなければならず経済的で
ない。また、水を含ませて使用するケーキ状化粧
料の場合、その塗布具を含水状態のまま本体に収
納したとき密閉状態となつて好ましくない。

本考案はこれらの問題を一挙に解決し、本体の
着脱交換が容易であるとともに含水性の塗布具を
使用するのに適した携帯用化粧品容器を提供する
ものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、対応する二つの側面が互いに平行に
して化粧料収納用のくぼみが上面に開放して設け
られている本体と、前記本体の上面および両側面
を覆う頂壁部および側壁部を覆うふた体とを具
え、前記本体の側面に設けられた突起と前記ふた
体の側壁部に設けられた前後方向へ延びる溝とが
嵌合して前記ふた体が前記本体に前後方向可動且
つ下面へ反転可能に結合されている携帯用化粧品
容器において、前記溝は下面へ開放し前記突起を
外す縦溝部を有しており、更に前記本体には前記
ふた体を閉じたとき通気口をもつて外部と連通す
る塗布具収納用のくぼみが前記くぼみと並んで上
面に開放して設けられている構成としたことによ
り前記問題点を解決するための手段とした。

作 用 本体とふた体のいずれかまたは両方を前後方向
へ動かして突起を溝の基端部に位置させ、突起を
中心にふた体を回動して本体の上面を露出させ
る。ふた体を180度回動して本体の下面に重ね、
或いは突起を縦溝部より抜き出して本体とふた体
とを分離する。

実施例 本考案の実施例を図面に基いて説明すると、平
面矩形にして扁平な本体１にスポンジパフのよう
な含水性の塗布具を収納する第一のくぼみ２およ
び化粧料を装填した皿を収納する第二のくぼみ３
が前後に並び且つ上面１ａへ開放して設けられて
いるとともに、その側方に上面１ａおよび先端面
１ｄに開放した凹所４が設けられ、また互いに平
行な左右の側面１ｂの先端部に突起５が設けられ
ているとともに基端部に係止突起６が形成され、
且つ凹所４の左右の互いに平行な内側面に前後方
向へ延びる案内突条７が設けられ、更に本体１の
基部に摘手８が設けられている。前記凹所４に嵌
合する補助本体９は上面に開放させて化粧品を収
納する二つのくぼみ１０，１１を有し、また左右
の側壁面には前後方向へ延びる案内溝１２が設け
られている。

ふた体１３は本体１の上面１ａおよび側面１ｂ
を覆う頂壁部１３ａおよび側壁部１３ｂを有して
いて端面形に作られ、側壁部１３ｂの内側面に
は先端部から基端部に亘つて前後方向へ延び前記
突起５をほぼ密に嵌合する溝１４が設けられ、こ
の溝１４の中央部は縦溝部１５によつて側壁部１
３ｂの下面へ開放させられ、頂壁部１３ａの裏面
の基端側ほぼ半部に鏡１６が装備されている。

前記第一のくぼみ２の底および先端にはそれぞ
れ多数の小孔および切欠きからなる通気口１７
ａ，１７ｂが設けられ、この通気口１７ａ，１７
ｂによつてふた体１３を閉じたとき第一のくぼみ
２が外部と連通するのである。

第２，３，４図は前述の本体１、補助本体９お
よびふた体１３を結合して構成された本実施例の
ふた体１３を閉じた状態を示して居り、突起５は
縦溝部１５から溝１４に挿入されてその先端部に
嵌合しているとともに係止突起６は側壁部１３ｂ
に圧接し、また案内突条７に案内溝１２が嵌装す
るとともにそれらの先端部の切欠き７ａと突起１
２ａとが互いに係合して補助本体９が凹所４に嵌
合固定されている。

ふた体１３を開くときは本体１とふた体１３の
いずれかまたは両方を前後方向へ動かして突起５
を溝１４の基端部に位置させ（第５図）、次で突
起５を中心にふた体１３を90度乃至180度回動さ
せて本体１の上面１ａを完全に露出させるのであ
る（第６図）。この状態では鏡１６が露出してい
るのでそのまま化粧を行なうことができるが、鏡
を必要としないときはふた体１３を本体１の下面
１ｃに完全に重ねて使用する（第７図）。そして、
前記と逆の操作によりふた体１３を閉じることが
できる。また、補助本体９を凹所４から引抜いて
新しい補助本体と交換することができ、本体１お
よび補助本体９は同一化粧料、異種化粧料を収納
したものが複数個ずつ準備されている。本体１は
突起５を縦溝部１５より抜き出すことによりふた
体１３と分離し新しいものと交換できる。

尚、本体１は二つの側面１ｂが互いに平行であ
ればよく、平面矩形のものに限定されないことは
言うまでもない。

考案の効果 以上のように本考案は、互いに平行な二つの側
面を有する本体の側面とこの本体の上面および側
面を覆うふた体の側壁部とに突起と前後方向へ延
びる溝とを対向して設け、この突起を溝へ嵌合す
ることによつて本体とふた体とを結合したもので
あるから、従来の蝶番式容器のように高度の寸法
精度を要することなく本体とふた体とを成形して
も完全に閉じ合せることができるばかりか、ふた
体を開くとき突起を溝に沿つて移動し回転するこ
とにより本体の上面を完全に露出させられるとと
もに、ふた体を反転して本体の下面に重ねること
により小形にして体裁を損うことなく使用するこ
とが可能であり、更にふた体と本体とは縦溝部を
利用し突起を溝から抜き出すことにより分離可能
であるので新しい化粧品または異なる化粧品を入
れた本体と容易に交換して経済的に利用できるの
である。

更に、本考案によると塗布具収納用のくぼみが
ふた体を閉じたとき外部と連通する通気口が設け
られているので、水を含んだ塗布具を収納してふ
た体を閉じたとき通気口によつて塗布具の水分が
蒸発放散され乾燥し、このため水を含ませて使用
するケーキ状化粧料或いは水乾両用の化粧料を用
いることが可能となり用途の広いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の分解斜視図、第２図
はふたを閉じた状態の一部切截した側面図、第３
図、第４図は第２図のＡ−Ａ線、Ｂ−Ｂ線に沿う
一部拡大した断面図、第５図、第６図、第７図は
ふたを開く動作説明図である。 １……本体、１ａ……上面、１ｂ……側面、
２，３……くぼみ、５……突起、１３……ふた
体、１４……溝、１３ａ……頂壁部、１３ｂ……
側壁部、１７ａ，１７ｂ……通気口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 対応する二つの側面１ｂが互いに平行にして化
   粧料収納用のくぼみ３が上面１ａに開放して設け
   られている本体１と、前記本体１の上面１ａおよ
   び両側面１ｂを覆う頂壁部１３ａおよび側壁部１
   ３ｂを有するふた体１３とを具え、前記本体１の
   側面１ｂに設けられた突起５と前記ふた体１３の
   側壁部１３ｂに設けられた前後方向へ延びる溝１
   ４とが嵌合して前記ふた体１３が前記本体１に前
   後方向可動且つ下面１ｃへ反転可能に結合されて
   いる携帯用化粧品容器において、前記溝１４は下
   面へ開放し前記突起５を外す縦溝部１５を有して
   おり、更に前記本体１には前記ふた体１３を閉じ
   たとき通気口１７ａ，１７ｂをもつて外部と連通
   する塗布具収納用のくぼみ２が前記くぼみ３と並
   んで上面１ａに開放して設けられている携帯用化
   粧品容器。