JPH0355377Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、化粧料を収納した中皿の入れ替え容
易な化粧用コンパクト容器に関するものである。

＜従来の技術＞ 蓋と器体からなり、ほほ紅、アイシヤドウなど
各種化粧料を収納した中皿を器体の中皿収納部に
収納し、該中皿の大きさに対応して中皿収納部の
内部を仕切るようにした考案としては実公昭59−
4565号、実開昭59−157605号があり、前者は中皿
収納部に細杆状の仕切りを嵌合する平面コ字状の
凹処を内側に切欠形成した固定枠を取り付け、仕
切りを着脱可能としてなり、後者は中皿収納部の
側壁に、仕切りの端面に設けられた嵌合小突部と
嵌合する嵌合凹部を設け、仕切りを着脱自在に取
り付けて収納部の大きさを変更可能としている。

ところが外した細かい各仕切りをコンパクトに
収納するスペースがないので紛失やしまい忘れし
ないように保管するのが厄介であつた。

また、その他に実開昭62−126106号、同昭62−
4209号、同昭62−30709号考案なども中皿収納部
内を広、狭変更する構造であるが、これらは主と
して中皿押さえと仕切りを兼用する回動部材を収
納部内に回動可能に取り付けて中皿の収納、取り
出しに際して収納部の上面開口を広くし、あるい
は該回動部材を前後に移動させて広、狭変更する
が、これらはその構造が断面コ字あるいはＬ字状
で比較的複雑であるにもかかわらずその作用は、
単に該回動部材自体が回動して中皿の上縁を押さ
え、内部を２分するだけで、それ以上に収納部を
区分することができない。

＜考案が解決しようとする課題＞ 本考案は、器体の中皿収納部の大きさを変更で
きる中仕切り片を簡単な構造で紛失のおそれなく
保管できるようにした化粧用コンパクトを提供す
ることを目的とする。

＜課題を解決するための手段＞ 上記の課題を解決するため、本考案は１枚板状
の仕切部材の、中皿の長さに対応した部位を基部
として回動可能に中仕切片を切り起こして設け、
該仕切部材を化粧用コンパクト容器の器体内に周
側壁と平行に縦嵌して中仕切片を仕切部材に直角
に起こして該仕切部材と中仕切片を介して中皿を
各区分内に収納するようにしたものである。

＜実施例＞ 図面により本考案の実施例を説明すると、第１
図は、簡略分解斜視図で蓋１、器体２、仕切部材
４で構成している。図中、５は蓋内面に添着した
鏡、８ａ，８ｂは器体２の化粧具収納部２ｃに収
納する化粧用筆と刷毛である。

蓋１には前端に係合部１ｂを内側に突設した係
合片１ａを、後端には蝶番凸部１ａをそれぞれ設
け、器体２と回動自在に蝶着している。

器体２には、中皿収納部２ａ、化粧具収納部２
ｃ、が隔壁２ｄによつて区画して設けられ、該隔
壁２ｄはやや低く形成されて中皿の入れ替えをし
易くしている。２ｂは仕切部材縦嵌用の凹部であ
る。２ｅは、器体２の前端に設けた蓋係合凹所、
２ｇは係合突起、２ｆは器体後端の蝶番凹部で蓋
の蝶番凸部１ｃが嵌着しピンで連結される。

本考案の最も要旨とする仕切部材４は、１枚板
状で、第２図に例示する化粧料充填中皿６ａ，６
ｂの各長さに対応して板長さが設定されており、
該長さに対応してその２分の１、３分の１、４分
の一などの位置を垂直の回動基部として肉薄のヒ
ンジを設けて中仕切片４ａを切起こして形成して
いる。４a′は中仕切片４ａの抜起こし孔でここに
該中仕切片４ａを収納するものである。なお、該
中皿６ｂは中皿６ａの２倍の長さである。該仕切
部材４には中仕切片４ａの抜き起こしとは反対側
に凹部４ｂを設けて平行する他の仕切部材４の中
仕切片４ａの遊端部を嵌合するようにしてもよ
い。なお、該凹部４ｂは特に設けなくても曲げ起
こした中仕切片４ａを嵌着する両側の中皿によつ
て挟支されるが、設けることによつて確実に支持
することができる。

上記の構成、作用に係る本考案のコンパクト容
器は、第１図の器体２の場合、その内部左端の中
仕切片４ａによる前後の空間には第２図の中皿６
ａをそれぞれ収納することができる。また、該第
１図の器体外の仕切部材４を器体右端寄りの１対
の凹部２ａ，２ｂに縦嵌し中仕切片４ａを収納孔
４a′に収納すると中皿６ｂを長い空間に収納で
き、中央の区分には中皿６ａ，６ａを収納でき
る。その他中皿の縦、横の寸法を変えると、仕切
部材を縦嵌する位置および中仕切片の切起こし部
位もそれに対応した位置に設けることによつて中
皿収納部を対応して区分することができる。な
お、器体の外形は勿論、各部材の形状や大きさな
どは適宜選択すればよく、図示のものに限定され
るものではないこと勿論である。

第３図は、他の実施例を示す分解斜視図で底板
７′と仕切部材７ｂと底板から切り起こした中仕
切片７ａを複数列一体に連結成型した構成で、中
仕切片７ａを使用しない場合は第４図のように器
体の底面に突設した位置決め突部２A′に中仕切
片７ａが嵌合するようになつている。

＜考案の効果＞ 上記の構成、作用に係る本考案は、(1)、１枚板
状の仕切部材に中仕切片を切起こして設けたので
細かい中仕切片を各個に成型して準備する必要が
なく、成型、製作が容易でコストダウンとなり、
(2)、一々、中仕切片を取り付け、取り外しする手
間もなく、(3)、該中仕切片を切起こしただけの簡
単な構成であるにもかかわらず、１枚の仕切部材
で該中仕切片を回動させて仕切りとして中皿収納
部内を少なくとも３部分に区分することができ、
(4)、中皿の大きさに合わせて中仕切片の部位を設
定でき、(5)、使用時は、該中仕切片を抜き起こ
し、中皿を取り替えて該中仕切片を不使用の場合
は仕切部材の元の切起こし孔に嵌合すれば紛失の
おそれなく収納でき、収納スペースを必要としな
いから器体内を有効に利用できる。(6)、中仕切片
がヒンジを介して回動するのて中皿の寸法、形状
に歪みがあつてもそれに対応して中皿を保持する
ことができる。など実用的価値ある考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案化粧用コンパクト容器の分解
斜視図、第２図は、化粧料を充填した中皿の斜視
図、第３図は、他の実施例の分解斜視図、第４図
は、同上、組み付け状態の断面図。 １……蓋、２……器体、４……仕切部材、４ａ
……中仕切片、４a′……収納孔、６ａ，６ｂ……
化粧料充填中皿。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蓋体と器体とから成るコンパクト容器の中皿収
   納部内に、器体周側壁と平行に１枚板状の仕切部
   材を縦嵌し、該仕切部材と器体周側壁との間の中
   皿収納部に収納する中皿の長さに対応する部位を
   基部として中仕切片を該仕切部材から回動可能に
   切り起こして設け、該仕切部材と中仕切片を介し
   て各区分に中皿を収納するようにしてなる化粧用
   コンパクト容器。