JPH0445617Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、容体の後部において蓋をヒンジ結合
し、容体の前部にパフ収納室を、後部に化粧料収
納室を有するコンパクトに関するものである。

［従来の技術とその問題点］ 従来のコンパクトにおいてパフをパフ収納室か
ら取り出すには、パフ収納室とパフとの隙間に指
を入れてつまみ出さなければならないので、その
作業が困難である。

そこで、蓋の開閉とともにパフがパフ収納室か
ら浮上することが望まれ種々の方式のものが提案
されている。

その一例としては、実開昭60−143506号公報に
示されるように、パフ収納室の底部に板状の弾性
底板を配し、開蓋時に回動するヒンジ用ボスの内
面が前記弾性底板の後端を前方に押込むことによ
つて弾性底板を上方に撓ませ、パフを上方に持ち
上げさせるようなしたものがある。しかし、この
容器は、ヒンジ用ボスの内面が弾性底板の後端を
前方に押込まなければならないから、構造が複雑
である。

本考案は、上記問題点に鑑みてなされたもので
あり、簡単な機構によつてパフをパフ収納室から
浮上させ得るコンパクトを提供するものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案に係るコンパクトは、化粧料収納室の両
側部に一対のアームを配し、これらアームをその
後部において容体の後部にヒンジ結合し、前記ア
ームの前部をパフ収納室へ延長するとともに、ア
ームの前記前部にパフ押し上げ部材を架設し、蓋
の開放方向への回動時に、アームのヒンジ部より
後方側の蓋の後端部により下方へ押圧するような
したものである。

［作用］ 本考案のコンパクトにおいては、蓋を開放方向
への回動時に、アームにおけるヒンジ部より後方
側が、蓋の後端部によつて下方へ押圧され、テコ
の原理によつて押し上げ部材が上方に回動する。
このパフ押し上げ部材が上方へ回動すると、その
上に配されたパフがパフ収納室より浮上する。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を第１図〜第４図に基
づいて説明する。

１０は、本考案に係るコンパクトである。この
コンパクト１０の容体２０は、前部にパフ収納室
２１が、後部に化粧料収納室２２がそれぞれ設け
られているとともに、容体２０の後縁部２０ａ中
央には、後方へ突出したヒンジ部２３が設けられ
ている。

３０は裏面に鏡３３を有する蓋であつて、この
蓋３０の後端部３５の左右両側部にはヒンジ部３
１が対設されており、このヒンジ部３１が容体２
０のヒンジ部２３と結合し、蓋３０は容体２０に
対して回動自在である。

蓋３０の前端部３３には係合部材３４が垂設さ
れており、この係合部材３４は、容体２０の前縁
部２０ｂに設けられた係合用凹部２４に突設され
た突条２５に係合することにより蓋３０の閉塞状
態を保持する。

化粧料収納室２２には、化粧料Ａを収納した化
粧料皿２６が載置されている。この化粧料皿２６
は周囲にフランジを有しており、このフランジの
下方における化粧料皿２６の側壁外面と化粧料収
納室２２の側壁２０ｃの内面との間は、それぞれ
細長い空間２８，２８が形成されている。これら
の空間２８の後方に位置する容体２０の後縁部２
０ａは切欠され、一対の切欠部２９，２９が形成
されている。

第３図に示すように、前記空間２８，２８に
は、一対のアーム４０，４０が前後方向に配され
ており、これらアーム４０，４０の前端部４０ａ
はそれぞれパフ収納室２１へ延びている。これら
アーム４０，４０の前端部４０ａの間には、板状
のパフ押し上げ部材４１が左右方向に架設されて
おり、このパフ押し上げ部材４１上にパフＢを載
置可能である。

このパフ押し上げ部材４１の後部上面には、パ
フ保持部４２が上方へ突設されている。パフ保持
部４２の先端はパフＢを把持できるように前方へ
湾曲している。このパフ保持部４２によつてパフ
押し上げ部材４１が浮上した場合にも、パフＢが
後方に滑り落ちない。

第４図に示すように、一対のアーム４０は、後
端部４０ｂのやや前方に設けられたヒンジ部４３
において、容体２０のヒンジ部２７に結合されて
いるとともに、このアーム４０の後端部４０ｂ
は、容体２０後縁部２０ｂの切欠部２９を貫通し
て後方へ突出している。

蓋３０を開放方向へ回動すると、蓋３０の後端
部３５がアーム４０の後端部４０ｂを下方へ押圧
するので、アーム４０がヒンジ部４３を支点に回
動して、アーム４０の前端部４０ａに設けられた
パフ押し上げ部材４１が上昇する。

第２図に示すように、蓋３０を約135度より大
きく開放すると、蓋３０の後端部３５がアーム４
０の後端部４０ｂを下方へ押圧し、パフ押し上げ
部材４１がパフ収納室２１より浮上する。パフ押
し上げ部材４１が浮上すると、その上に載置され
たパフＢが取り出しやすくなる。

なお、蓋３０の後端部３５がアーム４０の後端
部４０ｂを下方へ押圧し始める蓋３０の開放角度
は適宜変更できる。

また、前記実施例において、パフ押し上げ部材
４１は板状であつたが、これに限定されるもので
なく例えば、パフが収納可能なように前面が開放
された箱状にしてもよい。

［考案の効果］ 本考案に係るコンパクトは、テコの原理による
極めて簡易な機構によつて、パフをパフ収納室か
ら浮上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係るコンパクトの一部切欠
斜視図、第２図は、第１図における−線断面
図、第３図は、第１図における−線断面図、
第４図は、蓋を閉じた状態の一部拡大縦断面図で
ある。 符号の説明、１０……コンパクト、２０……容
体、２１……パフ収納室、２２……化粧料収納
室、２３……ヒンジ部、２７……ヒンジ部、３０
……蓋、３１……ヒンジ部、３５……蓋の後端
部、４０……アーム、４０ａ……前端部、４０ｂ
……後端部、４１……パフ押し上げ部材、４３…
…ヒンジ部、Ａ……化粧料、Ｂ……パフ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 容体の後部において蓋をヒンジ結合し、容体の
   前部にパフ収納室を、後部に化粧料収納室を有す
   るコンパクトにおいて、 化粧料収納室の両側部に一対のアームを配し、
   これらアームをその後部において容体の後部にヒ
   ンジ結合し、前記アームの前部をパフ収納室へ延
   長するとともに、アームの前記前部にパフ押し上
   げ部材を架設し、蓋の開放方向への回動時に、ア
   ームのヒンジ部より後方側を蓋の後端部により下
   方へ押圧するようなしたことを特徴とするコンパ
   クト。