JPH0445618Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、容体の前部にパフ収納室を、後部に
化粧料飛散防止用のカバーを有する化粧料収納室
を設けてなるコンパクトに関するものである。

［従来の技術とその問題点］ 従来のコンパクトにおいては、次のような２つ
の問題点がある。

まず、化粧料が飛散して蓋の裏面に装着した鏡
を汚すことを防止するためには、化粧料収納室を
カバーすることが望まれ、種々の方式のカバーが
提案されている。

そのようなコンパクトとしては、ブラスチツク
シートよりなる薄板を化粧料収納室の上面に載置
したものや、実公昭60−16325号公報に示される
ように、化粧料収納用中皿に内蓋を蝶着したもの
が知られている。

前者のコンパクトにおいては、化粧料を使用す
る際に薄板をコンパクトから取り除かなければな
らないので紛失しやすく、後者のコンパクトは構
造が複雑であつて高価にならざるえない。

従来のコンパクトにおいては、さらに、パフを
パフ収納室から取り出すには、パフ収納室とパフ
の周囲の隙間に指を入れてつまみ出さなければな
らないので、その作業が困難である。

そこで種々のものが提案されており、その一例
としては、実開昭60−143506号公報に示されるよ
うに、パフ収納室の底面に板状の弾性底板を配
し、開蓋時に回動するヒンジ用ボスの内面が前記
弾性底板の後端の前方に押し込むことによつて弾
性底板を上方に撓ませ、パフを上方に持ち上げさ
せるようなものが知られている。

このコンパクトにおいては、ヒンジ用ボスの内
面が弾性底板の後端を前方に押し込まねばならな
いから、構造が複雑である。

本考案は上記に鑑みてなされたものであり、化
粧料収納室のカバーの構造が簡単であるととも
に、そのカバーを紛失しにくいコンパクトであつ
て、かつ、簡単な構造によつてパフを取り出し得
るものを提供しようとするものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案のコンパクトは、容体の側縁上部に前後
方向に延びるガイド溝を設けるとともに、前記カ
バーの側部に前記ガイド溝と係合するガイド片を
垂設し、パフ収納室の後部にパフ押圧部材を配す
るとともに、このパフ押圧部材を前記カバーの前
部に取り付け、パフ収納室の前部底面上にパフが
乗り上げ可能な後向き斜面を設けたものである。

［作用］ 本考案のコンパクトにおいて、コンパクトを使
用していない場合は、化粧料飛散防止用のカバー
が化粧料収納室の上面を覆つているとともに、パ
フはパフ収納室に収納されている。

コンパクトを使用する場合には、化粧料の上面
を露出させるためにカバーを前方へ引くと、カバ
ーの側部に設けたガイド片がガイド溝に係合した
まま、カバーが前方に摺動する。その際、カバー
の前部に取り付けられたパフ押圧部材が、パフ収
納室に収納されているパフを前方へ押し出す。こ
れにより、パフはパフ収納室前部底面上に設けた
後向きの斜面に乗り上げパフ収納室から浮上す
る。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

本考案に係るコンパクト１０の容体２０は、前
部にパフ収納室２１を後部に化粧料収納室２２を
有している。この容体２０の後縁にはヒンジ部２
３が設けられている。容体２０の両側縁には、そ
れぞれ前後方向に延びるガイド溝２４がスリツト
状に穿設されている。

前記パフ収納室２１の前部底面上には後向きの
斜面２５が設けられている。この後向きの斜面２
５は、前方になる程高くなつて容体２０の前縁の
上部と連続しているとともに、パフ収納室２１の
全幅に設けられている（第２図と第３図）。

裏面に鏡３３が設けられている蓋３０は、蓋３
０の後縁にあるヒンジ部３１と容体２０のヒンジ
部２３を介して容体２０に対し回動自在にヒンジ
結合されている。この蓋３０の前縁には係合部材
３２が垂設されており、この係合部材３２は、容
体２０の前縁の係合用凹部２６に突設された突条
２７に係合することにより閉蓋状態を保持する。

化粧料収納室２２には、化粧料Ａを入れた化粧
料皿２８が配設されている。

この化粧料皿２８の上面前部には、板状の化粧
料飛散防止用カバー５０が配されている。このカ
バー５０の大きさは化粧料皿２８の前半分と等し
く、化粧料皿２８の上面前部を被覆している。カ
バー５０の両側縁の後部には、それぞれ前記ガイ
ド溝２４と係合可能なガイド片５１が垂設されて
いる。このガイド片５１はガイド溝２４と係合す
ることにより、ガバー５０を摺動させる際の案内
となる。

パフ収納室２１の後部には半筒状のパフ押圧部
材５３が配されている。このパフ押圧部材５３
は、パフＢと合致できるようにパフＢ側部の形状
と略等しい円弧状の縦断面を有し、その後部にお
いて簡易蝶番５２を介してカバー５０の前縁中央
部と回動自在に取り付けられている。

前記化粧料皿２８の上面後部には、板状の化粧
料飛散防止用後部カバー４０が配されている。こ
の後部カバー４０の大きさは化粧料皿２８上面の
後半分と等しく、化粧料皿２８の上面後部を覆つ
ている。後部カバー４０の後縁より一対のヒンジ
部４１が突設されており、これらヒンジ部４１，
４１と前記容体２０のヒンジ部２３とが結合さ
れ、後部カバー４０が容体２０に対し回動自在と
なつている。

上記構成のコンパクト１０を使用しない場合
は、第２図に示すように、化粧料皿２８の上面の
全ては、カバー５０と後部カバー４０とにより覆
われているため、化粧料Ａが飛散して鏡３３が汚
れることがない。

コンパクト１０を使用する場合には、第３図に
示すように、後部カバー４０を上方へ回動させて
化粧料皿２８の上面後部を露出させるとともに、
カバー５０を前方へ摺動させて化粧料皿２８の上
面を露出させる。この場合において、カバー５０
は化粧料皿２８の上面前部が露出する程度摺動さ
せるだけでよい。

カバー５０の前方への摺動により、カバー５０
の前縁に取り付けられたパフ押圧部材５３がパフ
Ｂを押し出し、パフＢを後向きの斜面２５に乗り
上げさせる。パフＢが後向きの斜面２５に乗り上
げることにより、コンパクト１０よりパフＢを取
り出しやすくなる。この場合において、パフ押圧
部材５３はカバー５０に簡易蝶番５２を介して取
付けられているため、後向き斜面２５に乗り上げ
て傾斜するパフＢの動きに合わせて回動すること
ができ、パフＢがパフ押圧部材５３と後向き斜面
２５の間に挟まれて屈曲することがない。

なお、本実施例では、化粧料飛散防止するため
にカバー５０と後部カバー４０とを設けたが、こ
れに代えて、パフ押圧部材５３を取り付けたカバ
ー５０により化粧料皿２８の上面の全てを覆うよ
うにしてもよい。

［考案の効果］ 本考案に係るコンパクトの化粧料飛散防止用カ
バーは、ガイド溝にガイド片を係合させているだ
けなので構造が簡易であり、また、カバーが紛失
することがない。

また、カバーを前方へ摺動させることにより、
パフ押圧部材がパフを後向き斜面へ乗り上げさせ
るので、容易にパフを取り出すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るコンパクトの分解斜視
図、第２図は、後部カバーとカバーが化粧料収納
室を被覆し、パフがパフ収納室へ収納されている
状態を示す縦断面図、第３図は、第１図における
−線断面図である。 符号の説明、１０……コンパクト、２０……容
体、２１……パフ収納室、２２……化粧料収納
室、２４……ガイド溝、２５……後向き斜面、５
０……カバー、５１……ガイド片、５３……パフ
押圧部材、Ａ……化粧料、Ｂ……パフ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 容体の前部にパフ収納室を、後部に化粧料飛散
   防止用のカバーを有する化粧料室を設けてなるコ
   ンパクトにおいて、 容体の側縁上部に前後方向に延びるガイド溝を
   設けるとともに、前記カバーの側部に前記ガイド
   溝と係合するガイド片を垂設し、パフ収納室の後
   部にパフ押圧部材を配するとともに、このパフ押
   圧部材を前記カバーの前部に取り付け、パフ収納
   室の前部底面上にパフが乗り上げ可能な後向き斜
   面を設けたことを特徴とするコンパクト。