JPH0630088Y2 - 化粧用コンパクト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は化粧用コンパクトに係る。

「従来の技術」 従来より化粧用コンパクトは種々考案されているが、例
えば容器体と、該容器体後面に後部を枢着した蓋体と
を、容器体前部に設けた係合部に蓋体前部から垂下する
フックを係合させて蓋体閉塞状態を保持させ、かつ容器
体前部に枢着した回動子下部を押込むと、その回動子が
蓋体前部を押上げて上記係合部とフックとの係合を外し
て蓋体を開放できるようにしたものが知られている。

「考案が解決しようとする課題」 化粧用コンパクトは常時携帯するものであるから、近年
さらなる薄型化が望まれている。しかしながら上記した
従来の化粧用コンパクトは、容器体に回動子を付設して
いるために、構造が複雑であり薄型化には限界があっ
た。

本考案は従来技術の課題を解決して、従来になく薄型化
した化粧用コンパクトを提供しようとするものである。

「課題を解決するための手段」 左右方向に隔壁２を設けて前室３および後室４を形成す
ると共に、隔壁前部に係合突起７を付設し、かつ前室前
壁に切欠き部６を設けた容器体１と、該容器体後面に後
部を枢着し、容器体上面開口を開閉可能とすると共に、
上記係合突起７に係合させて頂壁11から係止片12を垂下
した蓋体９と、上記容器体の前室３に収納され、胴部15
に付設した指あて突部16を上記切欠き部から突出させた
刷毛14とからなり、上記指あて突部を容器体に対して後
方向へ押込んだときに、刷毛14胴部を斜後上方へ案内し
て該胴部を介して頂壁11前部を押上げ、上記係合突起７
と係止片12との係合を離脱可能とする、斜後上方への傾
斜面付き案内台８を、上記前室内の刷毛後方に配設し
た。

「作用」 使用に際して、刷毛14の指あて突部16を容器体１に対し
て後方へ押し込むと、案内台８が刷毛胴部15を斜後上方
へ案内して該胴部を介して頂壁11前部を押し上げ、係合
突起７と係止片12との係合を離脱させて開蓋することと
なる。この開蓋と同時に刷毛14も取り出される。

不使用時には、刷毛を前室３に収納し、頂壁前部を押圧
すればよい。

「実施例」 以下に図面を用いて本考案実施例を説明する。

１は容器体であり、この容器体の前方には、左右方向に
隔壁２を設けることにより幅の狭い前室３と幅の広い後
室４を形成しており、また容器体の前壁５中央には切欠
部６を設けている。さらに隔壁前面中央上部には、係合
突起７を付設しており、この係合突起の下方には斜後上
方への傾斜面付き案内台８を隔壁前面に添って前室内に
配設している。なお、上記後室４には化粧料を充填すれ
ばよい。

９は蓋体であり、この蓋体は後部を容器体１後面に枢着
部10を介して枢着され、容器体上面開口を開閉可能とし
ている。また頂壁11前部下面からは係止片12を垂下して
おり、この係止片は係合突起７に係合されている。

なお、頂壁11下面の係止片の後方には鏡13を設置しても
よい。

14は刷毛であり、この刷毛は容器体１の前室３に載置収
納されており、胴部15に付設した指あて突部16を容器体
の切欠き部６から突出させている。また胴部後方には前
記した案内台８が位置している。上記刷毛は蓋体閉塞状
態において、刷毛の胴部上面に蓋体９下面が接するよう
設ける。また、上記案内台は、指あて突部16を容器体に
対して後方向へ押込んだときに、刷毛胴部15を斜後上方
へ案内して該胴部を介して頂壁11前部を押上げ、係合突
起７と係止片12との係合を離脱可能に設けられている。
なお、胴部両端には毛17を植設している。また、胴部上
下面の左右対称な位置には、前後方向に凹溝18、18、1
8、18を設け、かつ容器体前室３底部の左右対称な位置
に、前後方向に突条19、19を設け、刷毛14の前室３への
収納時に、それら凹溝と突条とを嵌合させることで容器
体に対する刷毛の横ずれを防止している。

「考案の効果」 本考案は以上の構成であり、刷毛14の指当て突部16を容
器体１に対して後方向へ押込むことにより、従来の回動
子と同等の開蓋させる機能を持たせており、回動子を付
設しない容器体１とすることができ、この容器体は構造
が極めて簡単で薄型化が可能となったから、従来にも増
して薄型化した携帯便利な化粧用コンパクトを提供でき
る。また、開蓋と同時に刷毛14も取り出せ、取り扱いが
便利であると共に、各構成部材が簡単であるから、製作
が容易である。更に、案内台の傾斜面を勾配の小さいも
のとすると、指あて突部の後方への押し込み力が上方開
蓋方向に大きく働き、小さい力で容易に開蓋することが
出来るが、本件考案容器では、案内台を前室内の刷毛後
方に配設したので、無駄なスペースを必要とせずに傾斜
面の勾配を小さいものとすることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案化粧用コンパクトの開蓋状態での斜視
図、第２図は蓋体をはずした状態での分解平面図、第３
図は開蓋状態での正面図である。 １…容器体、９…蓋体 14…刷毛

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】左右方向に隔壁２を設けて前室３および後
   室４を形成すると共に、隔壁前部に係合突起７を付設
   し、かつ前室前壁に切欠き部６を設けた容器体１と、該
   容器体後面に後部を枢着し、容器体上面開口を閉塞可能
   とすると共に、上記係合突起７に係合させて頂壁11から
   係止片12を垂下した蓋体９と、上記容器体の前室３に収
   納され、胴部15に付設した指あて突部16を上記切欠き部
   から突出させた刷毛14とからなり、上記指あて突部を容
   器体に対して後方向へ押込んだときに、刷毛14胴部を斜
   後上方へ案内して該胴部を介して頂壁11前部を押上げ、
   上記係合突起７と係止片12との係合を離脱可能とする、
   斜後上方へ傾斜面付き案内台８を、上記前室内の刷毛後
   方に配設したことを特徴とする化粧用コンパクト。