JPS6226011Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鏡面を有する蓋体でコンパクト本体を
開閉自在に塞ぐようにしたコンパクトに関し、携
帯の際等に蓋体の鏡面がコンパクト本体に収納し
た化粧品で汚れる惧れがなく、しかも蓋体の鏡面
に顔等を面倒な蓋体の開放操作を要さず映すこと
ができるようにしたものである。

従来のコンパクトには、白粉などの化粧品やパ
フを収納したコンパクト本体に、下面側に鏡面を
有する蓋体を、コンパクト本体の上端開口を開閉
するように回動自在に枢着したものがある。従つ
て従来のこの種のコンパクトは、蓋体の閉鎖時に
その鏡面がコンパクト本体の内側に向くので、携
帯の際等に蓋体の鏡面にコンパクト本体内の化粧
品が付着して該鏡面が汚れる惧れがあり、また鏡
面で顔等を映す場合には、その都度蓋体を開放操
作しなければならず、非常に煩わしかつた。

本考案は上記問題点を解消したもので、その特
徴とするところは、化粧品を収納する上端開口状
のコンパクト本体と、上面側に鏡面を有する蓋体
とを備え、蓋体は、コンパクト本体にその上端開
口を開閉自在に塞ぐように後方移動自在でかつ鏡
面が前側に位置する起立状態に回動可能に設けら
れ、蓋体とコンパクト本体との間に、コンパクト
本体の後部に蓋体を前記起立状態で係脱自在に係
止する係止機構が設けられ、蓋体の下面側に、パ
フを着脱自在に保持する保持部材が蓋体の閉鎖時
にコンパクト本体内に収納されるように設けられ
ている点にある。

以下、本考案を図示の実施例に従つて説明する
と、第１図乃至第７図において、１はコンパクト
本体で、合成樹脂により底壁２と前壁３と後壁４
と左右一対の側壁５とを有する上端開口の長方箱
形に形成されている。６はコンパクト本体１の下
部に形成した化粧品収納部で、ここに白粉等の化
粧品７が収納されている。８は蓋体で、本体１の
側壁５上端間に本体１の上端開口を開閉自在に塞
ぐように前後摺動自在に設けられている。この蓋
体８は上面側に鏡面９ａを有する合成樹脂製の鏡
板９と該鏡板９を取囲む合成樹脂製の取付枠１０
とを備えて成り、鏡板９は取付枠１０に内嵌固着
されている。

１２は本体１の各側壁５内面に凹設したレール
溝で、側壁５の上下方向中央部に後端部から前端
部に亘つて前後方向に形成した水平溝１３と、該
水平溝１３の前端から前上り方向に傾斜した傾斜
溝１４と、傾斜溝１４の上端から前方に折曲した
前部溝１５とを有する。１６は蓋体８前端部の両
側に外方突設した左右一対の第１摺動突部で、該
突部１６はレール溝１２に夫々摺動自在に係合さ
れている。１７は左右一対の第２摺動突部で、蓋
体８の前部に取付片１８を介して左右方向外方に
突設され、レール溝１２に摺動自在に係合されて
いる。そして、蓋体８の前方摺動時に第１摺動突
部１６が前部溝１５に係合すると共に第２摺動突
部１７が水平溝１３前端に係合して、蓋体８は本
体１上端開口を塞ぐように水平状に保持され、後
方摺動時には摺動突部１６，１７が水平溝１３に
係合して、蓋体８はその鏡面９ａが前側に位置す
るように後上り方向に傾斜した起立状態に保持さ
れるようになつている。

２１は没入部で、前壁３上部の左右方向中央部
を後方に没入して成る。２２は没入部２１の起立
壁２３中央部に形成した弾性係止片で、起立壁２
３に左右一対の切込み２４を設けることにより構
成している。２５は蓋体８前端部に没入部２１に
対応して没入形成した凹欠部、２６は蓋体８の凹
欠部２５の縁部に下方突設した係合突部で、蓋体
８の前方摺動時に没入部２１の弾性係止片２２上
端に係脱自在に係合するようになつている。２７
は合成樹脂によりＬ字形に形成した押圧操作体
で、没入部２１の枢支孔２８に枢着突部２９を介
して前方に倒伏回動自在に枢着され、該押圧操作
体２７の上部後端には前方摺動時の蓋体８が後方
から接当するようになつている。

３１は側壁５内面の上部後端に没設した係止凹
部、３２は蓋体８の後端両側に係止凹部３１に対
応して外方突設したストツパ片で、該ストツパ片
３２は蓋体８の前方摺動時に係止凹部３１に後側
から係合し、係止凹部３１前縁への接当により蓋
体８の前方摺動をその閉鎖位置で規制する。

３５は本体１の底壁２後端部に一体に上方突設
した係止突片で、蓋体８を前記起立状態で係止す
べく蓋体８の前縁部を係脱自在に係合するように
構成されている。而して蓋体８前縁部及び係止突
片３５等で、本体１の後端部に蓋体８を起立状態
で係脱自在に係止する係止機構３６を構成してい
る。

３７は蓋体８の下面側に設けた保持部材で、蓋
体８の取付枠１０に突設した複数個の保持片３８
から成り、パフ３９を蓋体８との間で着脱自在に
保持できると共に、蓋体８の閉塞時に本体１内に
収納されるように構成されている。

上記実施例の構成によれば、第１図及び第２図
に示す如く蓋体８が閉塞した状態から、蓋体８を
開放する場合、まず押圧操作体２７を後方に押圧
すると、蓋体８が押圧操作体２７により後方へ押
圧され、第７図に鎖線で示す如く弾性変形した弾
性係止片２２から係合突部２６が簡単に外れ、蓋
体８が後方摺動可能になる。その後蓋体８を後方
に押圧又は引張してゆくと、第２摺動突部１７が
水平溝１３を後方摺動すると共に、前部溝１５に
係合していた第１摺動突部１６が傾斜溝１４を通
つて水平溝１５に入り、この間に蓋体８が第４図
に鎖線で示す如く矢印ａ方向に回動して、鏡面９
ａが前側に位置する起立状態になる。その後蓋体
８はこの起立状態で後方摺動し、第５図に示す如
く蓋体８前縁部が係止突片３５に係合することに
より、蓋体８は本体１の後端部で起立状態に係止
され、本体１は開放状態になる。従つてこのとき
保持部材３７からパフ３９を取出し可能になり、
鏡面９ａで顔等を映しながら化粧品７によりパフ
３９を使用して化粧することができる。

次に蓋体８を閉鎖する場合は、蓋体８を前方に
押圧して前方摺動させればよく、開放の場合の略
逆の動作を経て、第１図及び第４図に示す如く第
１摺動突部１６が前部溝１５に係合すると共に第
２摺動突部１７が水平溝１３に係合し、蓋体８は
水平状に保持されて本体１の上端開口を塞ぎ、保
持部材３７及び該保持部材３７に保持されたパフ
３９は本体１内に納まりよく収納される。このと
き鏡板９の鏡面９ａは蓋体８の上面側にあるの
で、携帯の際等に本体１内に収納した化粧品７が
鏡面９ａに付着して汚れる惧れがなく、また蓋体
８を開放操作することなく閉鎖したままで、鏡面
９ａにより顔等を映すことができ、非常に便利で
ある。

第８図は他の実施例を示し、レール溝１２を水
平溝１３と水平溝１３の後側中途部から傾斜溝１
４を介して二又状に分かれた上部溝４１とで構成
し、摺動突部１６，１７が水平溝１３の後端部に
係合することにより蓋体８が本体１の後端部で水
平状態から起立状態に回動するようにしたもので
ある。その他の点は前記実施例と同様であり、同
様の作用効果を奏する。

なお、前記実施例では係止機構３６を係止突片
３５等により構成しているが、この係止突片３５
を設けず、例えば水平溝１３後端部の溝幅を小さ
く形成して摺動突部１６，１７が水平溝１３後端
部にきつく係合するようにし、摺動突部１６，１
７及び水平溝１３後端部により係止機構３６を構
成するようにしてもよい。

以上のように本考案によれば、蓋体は上面側に
鏡面を有するので、携帯の際等にコンパクト本体
に収納した化粧品が鏡面に付着して汚れる惧れが
なく、また蓋体を開放操作することなく閉鎖した
ままで鏡面により顔等を映すことができ、非常に
便利である。しかも、本体の後端部に、蓋体をそ
の鏡面が前側に位置する起立状態で係止して、本
体の上端開口を開放できるので、従来通り何ら不
都合もなく鏡面で顔等を映しながら本体に収納し
た化粧品により化粧することができる。更に蓋体
の下面側に、パフを着脱自在に保持する保持部材
が蓋体の閉鎖時に本体内に収納されるように設け
られているので、パフの収納及び取出しを楽にな
すことができると共に、本体内にパフを化粧品に
対して重層状に納まりよく収納でき、その実用的
効果は著大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す蓋体閉鎖状態
の斜視図、第２図は同蓋体開放状態の斜視図、第
３図は同分解斜視図、第４図は同蓋体閉鎖状態の
側断面図、第５図は同蓋体開放状態の側断面図、
第６図は同背断面図、第７図は第１図のＡ−Ａ線
断面図、第８図は他の実施例を示す側断面図であ
る。 １……コンパクト本体、７……化粧品、８……
蓋体、９ａ……鏡面、３６……係止機構、３７…
…保持部材、３９……パフ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧品を収納する上端開口状のコンパクト本体
   と、上面側に鏡面を有する蓋体とを備え、蓋体
   は、コンパクト本体にその上端開口を開閉自在に
   塞ぐように後方移動自在でかつ鏡面が前側に位置
   する起立状態に回動可能に設けられ、蓋体とコン
   パクト本体との間に、コンパクト本体の後部に蓋
   体を前記起立状態で係脱自在に係止する係止機構
   が設けられ、蓋体の下面側に、パフを着脱自在に
   保持する保持部材が蓋体の閉鎖時にコンパクト本
   体内に収納されるように設けられていることを特
   徴とするコンパクト。