JPS6226012Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鏡面を有する蓋体でコンパクト本体の
上端開口を開閉自在に塞ぐようにしたコンパクト
に関し、携帯の際一対の塞体の鏡面がコンパクト
本体に収納した化粧品で汚れる惧れがなく、しか
も蓋体の鏡面に顔等を面倒な蓋体の開放操作を要
さず映すことができるようにしたものである。

従来のコンパクトには、白粉などの化粧品やパ
フを収納したコンパクト本体に、下面側に鏡面を
有する蓋体を、コンパクト本体の上端開口を開閉
するように回動自在に枢着したものがある。従つ
て従来のこの種のコンパクトは、蓋体の閉鎖時に
その鏡面がコンパクト本体の内側に向くので、携
帯の際等に蓋体の鏡面に、コンパクト本体内の化
粧品が付着して該鏡面が汚れる惧れがあり、また
鏡面で顔等を映す場合には、その都度蓋体を開放
操作しなければならず、非常に煩わしかつた。

本考案は上記問題点を解消したもので、その特
徴とするところは、化粧品及びパフを収納する上
端開口状のコンパクト本体と、上面に鏡面を有す
る蓋体とを備え、蓋体は、コンパクト本体にその
上端開口を開閉自在に塞ぐように後方移動自在で
かつ鏡面が前側に位置する起立状態に回動可能に
設けられ、蓋体とコンパクト本体との間に、蓋体
をコンパクト本体の後端部に前記起立状態で係脱
自在に係止する係止機構が設けられている点にあ
る。

以下、本考案を図示の実施例に従つて説明する
と、図において、１はコンパクト本体で、合成樹
脂により底壁２と、該底壁２から上下に突出した
前後壁３，４及び左右一対の側壁５とを有する上
下端開口の長方箱形に形成されている。６は本体
１の底壁２上側に形成した収納凹部で、ここにパ
フ７が収納されている。８は本体１の各側壁５上
端部の内面に凹設した第１レール溝で、側壁５の
前端部から後端部に亘つて前後方向に形成されて
いる。９は側壁５の下部内面に凹設した第２レー
ル溝で、側壁５の前端部から下端部に亘つて前後
方向に形成した互いに平行な上部溝１０と下部溝
１１とを備えて成り、上部溝１０の前端部は下部
溝１１の前端を中心とした円弧を描くように前下
方に弯曲している。

１４は蓋体で、本体１の側壁５上端間に本体１
の上端開口を開閉自在に塞ぐように前後摺動自在
に設けられている。この蓋体１４は上面側に鏡面
１５ａを有する合成樹脂製の鏡板１５と該鏡板１
５を取囲む合成樹脂製の取付枠１６とを備えて成
り、鏡板１５は取付枠１６に内嵌固着されてい
る。１７は蓋体１４前端部の両側に外方穿設した
左右一対の摺動突部で、該突部１７は第１レール
溝８に前後摺動自在に係合され、蓋体１４は摺動
突部１７を支点にその鏡面１５ａが前側に位置す
る起立状態に回動可能である。１８は側壁５内面
の上部後端に没設した係止凹部、１９は蓋体１４
の後端両側に係止凹部１８に対応して外方突設し
たストツパーで、該ストツパー１９は水平状態に
おける蓋体１４の前方摺動時に係止凹部１８に後
側から係合し、係止凹部１８前縁への接当により
蓋体１４の前方摺動をその閉鎖位置で規制する。
２０は本体１の底壁２後端部に一体に上方突設し
た係止突片で、蓋体１４を前記起立状態で係止す
べく蓋体１４の前縁部を係脱自在に係合するよう
になつている。而して係止突片２０及び蓋体１４
前縁部により、本体１４の後端部に蓋体１４を起
立状態で係脱自在に係止する係止機構２１を構成
している。２２は蓋体１４の後端部に下方突設し
た係合舌片で、該係合舌片２２は蓋体１４の前方
摺動時に後壁４を後から前にのり越えて後壁４上
端に前側から係脱自在に係合するように構成され
ている。

２５は白粉等の化粧品２６を収納する化粧品収
納体で、合成樹脂により上端が開口した長方箱形
に形成され、該収納体２５は本体１の側壁５下部
間に該本体１の下端開口を塞ぐように水平状に収
納されている。２７は収納体２５両側の後端上部
に突設した左右一対の上摺動突部で、この上摺動
突部２７は第２レール溝９の上部溝１０に摺動自
在に係合されている。２８は収納体２５両側の後
端下部に突設した左右一対の下摺動突部で、この
下摺動突部２８は第２レール溝９の下部溝１１に
摺動自在に係合されている。而して摺動突部２
７，２８の第２レール溝９に対する前方摺動によ
り、収納体２５は本体１に対して前方に引出し自
在であると共に、引出し時に上部溝１０前端部の
弯曲傾斜によつて下摺動突部２８を支点に上面側
が前方を向く前下り方向に傾斜回動するようにな
つている。２９は化粧品収納体２５の前壁に上方
突設した係合突部で、該係合突部２９は収納体２
５の後方摺動時に前壁３下端を前から後にのり越
えて前壁３に後側から係脱自在に係合する。３０
は底壁２後端部に下方突設した係止片で、収納体
２５の後方摺動時にその閉鎖状態を保持するよう
に収納体２５の後壁上端を係脱自在に係合する。

３２は没入部で、前壁３上部の左右方向中央部
を後方に没入して成る。３３は蓋体１４前端部に
没入部３２に対応して没入形成した凹欠部、３４
は蓋体１４の凹欠部３３の前縁部に下方突設した
係合突部で、蓋体１４の前方摺動時（閉塞時）に
没入部３２の起立壁３５の上端に係脱自在に係合
するようになつている。３６は合成樹脂によりＬ
字形に形成した押圧操作体で、没入部３２の枢支
孔３７に枢着突部３８を介して前方に倒伏回動自
在に枢着され、該押圧操作体３６の上部後端には
前方摺動時（閉鎖状態）の蓋体１４が後方から接
当すると共に、押圧操作体３６に鉤形に下方突設
した係合部３９が収納体２５後壁に後方から係合
するようになつている。

上記実施例の構成によれば、化粧する場合、第
１図及び第４図に示す如く蓋体１４が閉鎖した状
態から、まず押圧操作体３６の上部を後方へ押圧
すると、蓋体１４が押圧操作体３６により後方へ
押圧され第７図に鎖線で示す如く起立壁３５から
係合突部３４が外れ、また押圧操作体３６の係合
部３９が収納体２５後壁を前方に押圧し、収納体
２５の係合突部２９が前壁３下端をのり越えるの
で、蓋体１４が後方摺動可能になると共に、収納
体２５が前方摺動可能になる。その後蓋体１４を
後方に押圧又は引張して該蓋体１４を第４図に鎖
線で示す如く後方摺動させ、摺動突部１７が第１
レール溝８の後端に達する位置で蓋体１４を矢印
ａ方向に回動すると、第５図に示す如く蓋体１４
前縁部が係止突片２０に係合することにより、蓋
体１４は本体１の後端部に鏡面１５ａが前側に位
置する後上りの起立状態で係止され、本体１の上
端開口が開放状態になる。一方、収納体２５を前
方に引張すると、摺動突部２７，２８の第２レー
ル９に対する前方摺動により、第４図に鎖線で示
す如く収納体２５が前方に引出され、上摺動突部
２７が上部溝１０前端に達する位置で、収納体２
５は第５図に示す如く上面側が前方を向く前下り
方向に傾斜する。従つてこのとき収納凹部６から
パフ７を取出し、鏡面９ａで顔等を映しながら化
粧品２６により楽に化粧することができる。

次に蓋体１４及び収納体２５を閉鎖する場合に
は、蓋体１４を水平状態になるように矢印ｂ方向
に回動しながら前方に摺動させると共に、収納体
２５を後方に押圧すればよく、開放の場合の略逆
の動作を経て、第１図及び第４図に示す如く収納
体２５は本体１に対してコンパクトに収まると共
に、蓋体１４は水平状に保持されて本体１の上端
開口を塞ぐ。このとき鏡面１５ａは蓋体１４の上
面側にあるので、携帯の際等に本体１内に収納し
た化粧品２６が鏡面１５ａに付着して汚れる惧れ
がなく、また蓋体１４を開放操作することなく閉
鎖したままで、鏡面１５ａにより顔等を映すこと
ができ、非常に便利である。

以上のように本考案によれば、蓋体は上面側に
鏡面を有するので、携帯の際等にコンパクト本体
に収納した化粧品が鏡面に付着して汚れる惧れが
なく、また蓋体を開放操作することなく閉鎖した
ままで鏡面により顔等を映すことができ、非常に
便利である。しかも、本体の後端部に、蓋体をそ
の鏡面が前側に位置する起立状態で係止して、本
体の上端開口を開放状態に保持できるので、従来
通り何ら不都合もなく鏡面で顔等も映しながら本
体に収納した化粧品によりパフを使用して化粧す
ることができ、その実用的効果は著大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は閉鎖
状態の斜視図、第２図は開放状態の斜視図、第３
図は分解斜視図、第４図は閉鎖状態の側断面図、
第５図は開放状態の側断面図、第６図は背断面
図、第７図は第１図のＡ−Ａ線断面図である。 １……コンパクト本体、７……パフ、１４……
蓋体、１５ａ……鏡面、２１……係止機構、２６
……化粧品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧品及びパフを収納する上端開口状のコンパ
   クト本体と、上面に鏡面を有する蓋体とを備え、
   蓋体は、コンパクト本体にその上端開口を開閉自
   在に塞ぐように後方移動自在でかつ鏡面が前側に
   位置する起立状態に回動可能に設けられ、蓋体と
   コンパクト本体との間に、蓋体をコンパクト本体
   の後端部に前記起立状態で係脱自在に係止する係
   止機構が設けられていることを特徴とするコンパ
   クト。