JPS6127524Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、パンケーキ等の化粧品を収納するコ
ンパクト体の下位にパフケースを装着したコンパ
クト容器に関するものであつて、コンパクト体に
対してパフケースが濫りに開くことなく、かつ所
定の操作により簡単に開くことができるようにす
ることを目的とするものである。

化粧品としてのフアウンデーシヨンの一種たる
パンケーキは、十分に水分を含んだスポンジ状の
パフで溶かされて、化粧される。

従つてこの種化粧品とパフとは一個のコンパク
ト容器に収納しておくことが使用上便利であつて
望ましいのであるが、使用後に水分を含んだパフ
を直接化粧品部分に収納してしまうと化粧品が溶
けてしまう不都合があり、またパフ自体も不使用
時には衛生上の観点からできる限り乾燥させてお
くことが要求される。

このことから、化粧品を収納するコンパクト体
の下位にパフを収納するパフケースを開閉自在に
装着することが考えられ、しかもこのパフケース
の開閉操作をより簡単に達成させるために、パフ
ケースをコンパクト体に対して前後方向にスライ
ド自在に組付けることが行なわれる。

このようにコンパクト体に対してパフケースを
スライド自在に組付けると、不使用時にパフケー
スが濫りに開いてしまうおそれがあり、この点を
解消するべくパフケースをスライドにしにくくす
ると、この種容器は小型であるので実際の使用時
に操作しにくくなるといつた欠点が生じる。

本考案は、上述した欠点、不都合を解消するべ
く考案された後壁を、化粧品を収納する容器本体
後端部に蝶番を介して嵌め込んでコンパクト体を
構成し、このコンパクト体に対して前後方向にス
ライド自在にパフケースを装着すると共に、開蓋
動作に伴なう蓋体の回動によつてパフケースを蓋
体の後壁により前方に押し出すようにしたもので
ある。

以下本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

図中１は四角薄箱形状の容器本体であつて、中
央部には化粧品たるパフケースを収納するドラム
が嵌め込まれる凹部２が設けられ、両側端の下端
縁には係止突条３が設けられ、また前記凹部２の
底壁４後端中央部は半抜き状に切り欠かれていて
舌片５が形成され、かつこの舌片５下面には後述
する係止部として係止突部６が膨出設されてい
る。

またこの容器本体１の後端部は切り欠き部９と
なつており、該切り欠き部９に四角平板形状の蓋
体１０後端に垂下設された後壁１１が嵌入し、該
後壁１１と容器本体１後端部とを蝶番軸を介して
連結し、蓋体１０は容器本体１に対して開閉自在
に組付けられてコンパクト体１２として構成され
ることになる。

そしてこのコンパクト体１２の下位には、パフ
Ｐを収納する四角薄箱形状のパフケース１３が前
後方向にスライド可動自在に装着されている。

すなわち上記パフケース１３の両側上端縁に
は、前述の容器本体１の係止突条３が嵌入する案
内溝１４が、後端が開口する形態で設けられてお
り、容器本体１の前端にパフケース１３後端を位
置合わせし、係止突条３を案内溝１４に嵌入して
パフケース１３を後方にまで押し込むのである
が、当該パフケース１３はコンパクト体１２とほ
ぼ同一の四角薄箱形状であるので、パフケース１
３の完全閉止状態では、パフケース１３の後壁１
５は蓋体１０の後壁１１のほぼ直下に位置するこ
ととなる。

またパフケース１３内後端部には係止壁１６が
立設されていて、パフケース１３を容器本体１に
嵌め込んで閉止させた際に、係止部としてこの係
止壁１６は前記容器本体１下面の係止突部６直後
に位置して上端部が軽く当接している。

このような構成にあつて、容器本体１に対して
蓋体１０を閉じたコンパクト体１２に、パフケー
ス１３を係止突条３と案内溝１４を介してスライ
ドさせて一体に組付けると、このパフケース１３
の完全閉止状態では、パフケース１３の係止壁１
６上端部は容器本体１の係止突部６と軽く当接し
ており、この係止部によつてパフケース１３は濫
りに前方にスライド移動することなく閉止状態が
保持されることとなる。

そして前記状態でまず容器本体１に対して蓋体
１０を開いて第２図で仮想線にて示したように回
動させると、蓋体１０の後壁１１下端はパフケー
ス１３の後壁１５後面に当接し、さらにある程度
強い力で蓋体１０を回動させると蝶番軸を支点と
して後壁１５に前方への強い圧力が加わり、前記
係止壁１６と係止突部６との係合が解かれてパフ
ケース１３は前方に押し出され、開くのである。

但し使用に際して、蓋体１０は容器本体１に対
して180゜の角度まで開くようなことはせず、120
゜適度の角度で開いて蓋体１０内面の鏡を見る形
態か通常であり、従つて蓋体１０を大きく回動さ
せなければ上記パフケース１３の押し出し作用が
得られないとなると不都合である。

それゆえに蓋体１０の後壁１１とパフケース１
３の後壁１５との相互の当接部分である何れか一
方或いはその双方に膨出部を設け、蓋体１０の回
動操作の初期に前記蓋体１０の後壁１１とパフケ
ース１３の後壁１５とが当接して速やかにパフケ
ース１３の押し出し作用が生ずるようにするとよ
いであろう。

なお、容器本体１の底壁４前端部にも半抜き状
に切り欠かれて舌片７が図示例では一対設けられ
ていて係合突部８がこの舌片７の下面に突出設さ
れているが、この係合突部８はパフケース１３を
前方に引き出してパフケースを開いた際に係止壁
１６上端部と係合し、パフケース１３の抜け出し
を防止するものである。

また、パフケース１３の案内溝１４は、後端で
は係止突条３が嵌入し得るように開口している
が、前端は前壁によつて封じられており、容器本
体１に対するパフケース１３の完全閉止状態で係
止突条３前端が該前壁に衝突し、それ以上後方に
スライドしないようになつており、蓋体１０の後
壁１１のほぼ直下にパフケース１３の後壁１５は
位置することになる。

以上の説明から明かなように、本考案では、化
粧品を収納するコンパクト体１２の下位にパフＰ
を収納するパフケース１３を前後方向へのスライ
ド可動自在に組付けた構成であるが、係止突部６
と係止壁１６との係合によつてパフケース１３が
濫りに抜け出してしまうことはなく、また上記係
合は、使用の際に第１になす操作である蓋体の開
き動作によつてパフケース１３がわずかでも前方
に押し出されることによつて解かれ、従つて極め
て簡単にパフケース１３を前方にスライドさせて
開くことができる。

よつて本考案のコンパクト容器は、一連の動作
で化粧し得る状態となるので使い易く化粧が簡単
に達成でき、構成が簡単であつて、成形が容易で
ある等、多くの優れた作用効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のコンパクト容器の一実施例を
示す分解斜視図である。第２図は蓋体を閉じたパ
フケースを閉止させた状態における中央縦断側面
図である。第３図は同じく横断正面図である。 符号の説明、１……容器本体、２……凹部、３
……係止突条、４……底壁、５……舌片、６……
係止突部、７……舌片、８……係合突部、９……
切り欠き部、１０……蓋体、１１……後壁、１２
……コンパクト体、１３……パフケース、１４…
…案内溝、１５……後壁、１６……係止壁、Ｐ…
…パフ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧品を収納する容器本体に蓋体を結合したコ
   ンパクト体の下位に、薄箱形状のパフケースを前
   後方向にスライド自在に装着したコンパクト容器
   であつて、前記蓋体の後端部に垂下設される後壁
   を前記容器本体の後端部に形成された切り欠き部
   内に蝶番を介して嵌め込み、前記容器本体の両側
   下端縁と前記パフケースの両側上端縁との何れか
   一方に係止突条を設けると共に、他方に該係止突
   条が嵌入する案内溝を設け、パフケースの完全閉
   止状態で前記蓋体の開口回動によつて蓋体後壁の
   下端部が当接してパフケースを前方に押し出す位
   置にパフケースの後壁を配し、さらに前記パフケ
   ースの閉止状態を保持する係止部を容器本体とパ
   フケースとに相互に設けて成るコンパクト容器。