JPH043973Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、容器本体と蓋体を蝶番結合し、両
者を閉じた際に互いに係合する係止手段を設け、
前記容器本体の下方にパフを収納する下部容体を
スライド自在に設けてなるコンパクト容器に関す
る。

上記の容器は、例えば、上方の容器本体に化粧
料を収納し、下方の下部容体にパフを収納するコ
ンパクト容器として用いられている。この種の容
器においては、容器本体と蓋体との周縁における
相対向する個所に係合突部を設けて蓋体を閉じた
状態において保持できるようにしている。

しかし、上記の容器は開閉操作が容易ではない
ためこれに代えて容器本体の周縁に容器の内外方
向に摺動自在なスライド体を設けこのスライド体
の先端に斜面を設けてこの斜面により蓋体を上方
に押し上げるものも用いられている。

しかしながら、上記容器においては、容器本体
にスライド体を摺動させる摺動孔等を設けなけれ
ばならず、構造が複雑になりかつ容器本体ひいて
は容器全体の厚みが大となる欠点を有する。

本考案は、以上に鑑みて、容器本体に格別のス
ライド体を設けずとも蓋体の開閉をきわめて容易
になしうる容器を提供することを目的とする。

本考案においては、上記目的を達成するため
に、蓋体の周縁部に内向きの斜面を形成し、下部
容体の周縁部における前記内向き斜面と対応する
個所に外向き斜面を形成するものである。

次に、添付図面に基づいてこの考案の一実施例
を説明する。

１０は容器本体であつて、その周縁部１２にお
ける後部中央に切欠１４を有する。１６は蓋体で
あつてその内面における後部中央に突片１８を有
する。前記容器本体の切欠１４に、前記蓋体１６
の突片１８が嵌合して、図示を省略するヒンジピ
ンにより容器本体１０と蓋体１６とが開閉自在に
蝶番結合されている。

容器本体１０は中央部に化粧料の収納凹部２０
を有する。容器本体１０の周縁部１２におけるヒ
ンジ部とは反対側において、上下方向および外方
向に開口した切欠凹部２２が穿設されている。即
ち、切欠凹部は奥面２４と、この奥面２４と直交
しかつ相対向する左右の側面２６，２６とから形
成されている。奥面２４の上側部には係合突部２
７が形成されている。

蓋体１６の周縁部２８における前記切欠凹部２
２と対応する個所には、突部３０が設けられてい
る。突部３０の内端には係合突部３２が設けられ
ており、蓋１６を閉じた状態において、この係合
突部３２が前記の容器本体側の係合突部２７と係
合する。また突部３０の下面は内向きの傾斜面３
４をなしている。

４０は容器本体１０の下方に配した下部容体で
ある。下部容体４０の周縁部４２における左右両
側部において、上方に延長部４４が延設されてお
り前記延長部４４，４４の内面に各々溝４６，４
６が形成されている。

前記容器本体１０の周縁部１２における左右両
側部には溝４８，４８が形成され、その下端に突
条５０，５０が設けられている。

上記構成により容器本体１０の突条５０，５０
が下部容体４０の溝４６，４６に嵌合し、下部容
体４０は容器本体１０に対して内外方向に摺動自
在に組合わされている。

下部容体４０の溝４６の自由端にはストツパ５
２，５２が設けられ、これと対応して、容器本体
１０の前記溝４８，４８の自由端にも、突起状の
ストツパ５４，５４が設けられている。

下部容体４０を容器本体１０より外方に引き出
す場合において、引き出しストロークの終端近傍
においてストツパ５２，５４が相互に係合して、
下部容体４０がそれ以上に外方へ移行することを
阻止する。しかしながら、下部容体４０をより強
力に引き出すと、ストツパ５２，５４は自らの弾
性により互いに乗り越えて、下部容体４０は容器
本体１０から完全に離脱する。下部容体４０を容
器本体１０に差し込む場合には、下部容体４０を
強力に押圧するとストツパ５２，５４が相互に乗
り越えて下部容体４０は容器本体１０に対し係合
される。

下部容体４０の周縁部４２における前記蓋体１
６の突部３０に対応する個所には、起立部５６が
設けられており、その外面は外向き傾斜面５８を
なしている。

６０は蓋体１６の内面に設けた鏡、６２は容器
本体１０の収納凹部２０に収納した化粧料、６４
は下部容体４０の収納凹部６１内に収納したパフ
である。

上記容器の開閉操作を説明する。

第２図の状態において、蓋体１６は容器本体１
０および下部容体４０に対して閉じられており、
この時蓋体１６の係合突部３２と容器本体１０の
係合突部２７とが互いに係合している。また、蓋
体１６の内向き傾斜面３４と下部容体４０の外向
き傾斜面５８とは、容器本体１０の切欠凹部にお
いて互いに係合している。次に、下部容体４０を
容器本体１０に関して第２図において左方向に引
き出す。このとき、下部容体４０の傾斜面５８が
蓋体１６の傾斜面３４を押圧して、蓋体１６を上
方に押し上げて、両斜面間の係合が解除され第３
図の状態に至る。即ち、蓋体１６は、係合突部２
７，３２間の係合が離脱されることにより開放さ
れる。

図示を省略するが、下部容体４０をもとの位置
に復帰させるために、下部容体４０を第３図にお
いて右方向に移動させると、起立部５６の前記外
向き傾斜面５８に連続して設けた内向き傾斜面６
６が、蓋体１６の突部３０におけるわずかに傾斜
した外側面６８と接触し、これを押圧することに
より、蓋体１６がいつたんわずかに押し上げられ
て、起立部５６が蓋体１６の突部３０の下方に至
る。この状態において、使用者が蓋体１６を下方
に押圧することにより第２図の状態に復帰する。

斜面３４，５８は平面状ではなく湾曲面状でも
よい。また、斜面３４，５８のいずれか一方を省
略してもよい。例えば、蓋体の突部３０の下端に
は、内向き斜面３４を設け、これと係合する下部
容体の起立部５６には斜面を形成せず、断面矩形
状またはアール状としてもよい。この場合は、矩
形の角部等が斜面３４に線接触する。

また、これとは逆に、起立部５６に外向き斜面
５８を設け、蓋体の突部３０は断面矩形状等に形
成してもよい。

以上の記載から明らかなように、この考案の容
器は、容器本体の下方に配した下部容体を外方に
引き出す操作により、同時に蓋体１６を上方に押
し上げてこれを開放することを可能としたもので
あり、蓋を開放するための特別なスライド部材が
一切不要であり、簡単な構造であり、かつ安価に
提供できるものであり、併せて容器全体の厚みを
小となしうる実用性の高いものである。また、蓋
体と容器本体が蝶番結合されており、蓋体の係合
突部と容器本体の係合突部との係合は安定してい
る。そのため、係合し易く、外れ難いという効果
がある。また、ストツパー同士の係合により下部
容体が容器本体より抜脱することがない。さら
に、蓋体、容器本体を一体として下部容体から分
離することができるため、蓋体、容器本体だけで
携帯したり、販売することができ、下部容体内部
のパフの収納状態にかかわらず、蓋体と容器本体
とは係合することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す分解斜視
図、第２図は、蓋体を閉じた状態の断面図、第３
図は、下部容体をわずかに引き出し、蓋体１６を
開いた状態を示す断面図である。 符号の説明、１０……容器本体、１２……容器
本体の周縁部、１４……容器本体の切欠、１６…
…蓋体、１８……蓋体の突片、２０……容器本体
の収納凹部、２２……容器本体の切欠凹部、２４
……切欠凹部の奥面、２６……切欠凹部の側面、
２７……容器本体の係合突部、２８……蓋体の周
縁部、３０……蓋体の突部、３２……蓋体の係合
突部、３４……突部の内向き傾斜面、４０……下
部容体、４２……下部容体の周縁部、４４……延
長部、４６……下部容体の溝、４８……容器本体
の溝、５０……容器本体の突条、５２……下部容
体の溝のストツパ、５４……容器本体の溝のスト
ツパ、５６……下部容体の起立部、５８……起立
部の傾斜面、６０……鏡、６１……下部容体の収
納凹部、６２……化粧料、６４……パフ、６６…
…起立部の内向き斜面、６８……突部の外側面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 容器本体１０と蓋体１６とを蝶番結合し、両者
   を閉じた際に互いに係合する係止手段を設け、前
   記容器本体１０の下方にパフを収納する下部容体
   ４０をスライド自在に設けてなるコンパクト容器
   において、 蓋体１６の前部に設けられた突部３０と、 突部３０の内面に設けられた係合突部３２と、 突部３０の下部に設けられた内向きの斜面３４
   と、 係合突部２６と係合するように容器本体１０の
   前面に設けられた係合突部２７と、 容器本体１０の両側面に設けられた突条５０
   と、 突条５０の前端部に突設されたストツパー５４
   と、 蓋体１６の内向きの斜面３４と係合するように
   下部容体４０の前面に設けられた外向き斜面５４
   と、 突条５０が摺動するように下部容体４０の両側
   面の内側に設けられた溝４６と、 容器本体１０のストツパー５４と係合するよう
   に溝４６の後端部に突設されたストツパー５２
   と、 よりなることを特徴とするコンパクト容器。