JPH0446650Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、蓋体を閉じた状態で保持し、且つ、
その係止を任意で解除できる係止機構が外部に露
出していない体裁のよい収納容器に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

従来より、蓋体を閉じた状態で保持し、且つ、
その係止を任意で解除できる係止機構が外部に露
出していない収納容器は、数多く提案されてい
る。特に実公昭44−4917号公報に提案されている
構成は、蓋体を器体に蝶着し、蓋体の側面後方部
に係止片を突設し、この蓋体及び器体を外枠に摺
動自在に内装し、この外枠の内側壁に、蓋体の係
止片が閉じた状態で係止する嵌着溝を刻設したも
のであつた。従つて、使用時には器体を摺動させ
て、蓋体の係止片を嵌着溝より脱出させ、蓋体を
開放可能にするものであつた。

しかし、この構成であると、係止片が蓋体の蝶
番付近に設けられているため、係止片と嵌着溝に
僅かでもガタがあると、蓋体が完全に閉じないと
いう欠点を有していた。

そこで本出願人は、実開昭61−35619号公報
（実公昭64−5543号公報）により、係止片を蓋体
の先端付近に設けて、係止片と嵌着溝との間にガ
タがあつても蓋体が完全に閉じられるようにした
構成を提案している。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、この構成の場合、蓋体を開いて使用中
に器体が少しでも後方に摺動してしまうと、蓋体
を閉じた時係止片が外枠に当接してしまい、嵌着
溝に突入できなくなり、蓋体を閉じられなくなる
可能性があつた。

〔課題を解決する為の手段〕 器体７は、上面に化粧料１及び塗布具１１を収
納する収納凹所１３を刻設し、更に先端上面に削
除部１７を設ける。

蓋体６は、幅をこの器体７の幅より細く構成す
る。この蓋体６の端部は、器体７に開く方向に弾
発された状態で開閉自在に蝶着する。この蓋体６
の先端には、前記器体７と同じ幅で、閉じた時器
体７の削除部１７に突入する係止片２０を突設す
る。

外枠２２は、前記器体７と蓋体６を摺動自在に
内装する。この外枠２２の上面には、蓋体６を開
閉可能にする開口溝２３を切り欠く。更に、両脇
に前記器体７及び蓋体６の係止片２０を保持する
庇部２４を設ける。

本考案は上記、器体７と蓋体６と外枠２２とよ
り構成し、前記器体７の外側壁及び外枠２２の内
側壁のどちらか一方に摺動制御溝２１を、他方に
この摺動制御溝２１と係合する摺動制御片２５を
設け、器体７の摺動範囲を外枠２２内に完全に収
納された状態から前記係止片２０が庇部２４より
突出するまでの範囲に限定し、更に、少なくとも
器体７が外枠２２より突出した時点で摺動制御片
２５が脱出可能に係止する係止機構を設ける。

〔作用〕

外枠２２を保持して器体７及び蓋体６を蝶着方
向、つまり後方より前方に押圧して摺動させる
と、蓋体６より突出した係止片２０が外枠２２の
庇部２４より脱出する。その結果、蓋体６は弾発
力により開き、化粧料１を塗布具１１に付着さ
せ、塗布する事ができる。

使用後、蓋体６を弾発力に抗して閉じた後、器
体７及び蓋体６を蝶着方向、つまり後方に摺動さ
せ、蓋体６の係止片２０を外枠２２の庇部２４に
係止させれば、蓋体６が閉じた状態で保持され
る。

〔実施例〕

まず、化粧料１を充填した中皿２について説明
する。中皿２は、肉厚0.6mmほどのアルミニウム
板を底の浅い皿状に成形したものである。そし
て、その外側壁上端全周には、鍔部３を突設して
おり、更に側壁に係合片４を突設している。

次にこの中皿２を収納するケース本体５につい
て説明する。ケース本体５は、縦横比の大きい長
方体形状をしており、蓋体６及び器体７とよりな
つている。そして、それぞれの端面、つまり一方
の短辺が蝶番８によつて開閉自在に蝶着されてい
る。この蝶番８には蓋体６を開く方向に付勢する
スプリング９が内装されている。

器体７は、矩形板状をしており。、上面に前記
中皿２が収納される化粧料収納所１０及び、パフ
等の塗布具１１が収納される塗布具収納所１２が
連続して設けられた収納凹所１３を刻設してい
る。この収納凹所１３は、前記中皿２全体が収納
可能の大きさとなつており、下面にも貫通してい
る。化粧料収納所１０は、塗布具収納所１２より
幅が狭く構成され、収納凹所１３の側壁に塗布具
収納所１２と化粧料収納所１０を区別する段部１
４を構成している。更に、この化粧料収納所１０
の側壁には、段部１４より始まるガイド溝１５を
刻設している。このガイド溝１５には、中皿２の
係合片４が突入係合するよう構成している。そし
て、化粧料収納所１０の上端には、中皿２の鍔部
３が突入するベランダ部１６を刻設している。そ
の結果、中皿２は収納凹所１３内を自在に摺動可
能となつている。また、器体７の蝶番８と反対側
の短辺、つまり器体７の先端面は、上方を削除し
た削除部１７になつている。

蓋体６は、幅が器体７の幅よりも狭くなつてお
り、裏面に鏡１８を貼着している。この蓋体６の
先端部裏面には、蓋体６を閉じた時、器体７の削
除部１７に突入当接する係止部１９を連設してい
る。この係止部１９には、蓋体６の側壁方向に、
器体７と同じ幅まで突出した係止片２０を設けて
いる。この係止片２０は、上面が器体７の上面と
同一面上に位置するよう構成されている。更に、
器体７の両外側壁には、、摺動制御溝２１が刻設
されている。

外枠２２は、器体７が摺動自在に内装される断
面長方形状の筒体であり、上面に蓋体６よりも僅
かに幅の広い開口溝２３を切り欠いて、器体７に
蝶着した蓋体６を開閉可能にしている。そして、
この開口溝２３の両脇が器体７を保持し、且つ、
閉じた状態の蓋体６の係止片２０が係合し、蓋体
６を閉じた状態で保持する庇部２４となつてい
る。更に、外枠２２の内側壁には、器体７の摺動
制御溝２１に係合する摺動制御片２５が突出して
いる。この摺動制御片２５は、器体７が外枠２２
内に完全に収納された時点で摺動制御溝２１の一
端に当接し、蓋体６の係止片２０が外枠２２の庇
部２４より脱出した時点で他端に当接するよう構
成している。更に、摺動制御溝２１の溝底面に
は、摺動制御片２５が乗り越える事の可能な感応
突部２６を設けている。この感応突部２６は、摺
動制御片２５が摺動制御溝２１の両端に当接する
直前に乗り越える位置に設けられている。つま
り、摺動制御片２５が摺動制御溝２１に両端に当
接した位置で係止するよう構成している。尚、こ
の摺動制御片２５の係止機構は、摺動制御片２５
が脱出可能に係止する構成であれば利用可能で、
例えばプランジヤーピンを利用した構成も可能で
ある。

更に、外枠２２の下面には、器体７の塗布具収
納所１２に貫通する通気孔２７が無数に穿設され
ている。また、外枠２２の蝶番８方向の下面縁部
には、器体７を全方向に押圧しやすいように切り
欠き２８が設けられている。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、器体７及び蓋体６を前
方に押圧して摺動させるだけでワンタツチで蓋体
６が開き、簡単に使用できるものとなつている。
しかも使用時には、器体７をその位置で係止させ
ておく係止機構を設けたため、塗布具１１に化粧
料１を付着させる摩擦力、つまり器体７を摺動さ
せる応力が働いても、不用意に器体７が摺動して
しまい、蓋体６が閉じられなくなるような事がな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例の分解斜視図。第２図
は、使用状態の斜視図。第３図は、第２図に於け
る平面断面図。 １……化粧料、２……中皿、３……鍔部、４…
…係合片、５……ケース本体、６……蓋体、７…
…器体、８……蝶番、９……スプリング、１０…
…化粧料収納所、１１……塗布具、１２……塗布
具収納所、１３……収納凹所、１４……段部、１
５……ガイド溝、１６……ベランダ部、１７……
削除部、１８……鏡、１９……係止部、２０……
係止片、２１……摺動制御溝、２２……外枠、２
３……開口溝、２４……庇部、２５……摺動制御
片、２６……感応突部、２７……通気孔、２８…
…切り欠き。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上面に化粧料１及び塗布具１１を収納する収納
   凹所１３が刻設され、更に先端上面に削除部１７
   を設けた器体７と、 幅が該器体７より細く構成され、端部を器体７
   と開く方向に弾発された状態で開閉自在に蝶着
   し、先端に前記器体７と同じ幅で、閉じた時器体
   ７の削除部１７に突入する係止片２０を突設した
   蓋体６と、 前記器体７と蓋体６を摺動自在にお内装し、上
   面に開口溝２３を切り欠いて蓋体６を開閉可能に
   構成し、両脇に前記器体７及び蓋体６の係止片２
   ０を保持する庇部２４を設けた外枠２２と、 より構成され、前記器体７の外側壁及び外枠２
   ２の内側壁のどちらか一方に摺動制御溝２１を、
   他方に該摺動制御溝２１と係合する摺動制御片２
   ５を設け、器体７の摺動範囲を外枠２２内に完全
   に収納された状態から前記係止片２０が庇部２４
   より突出するまでの範囲に限定し、更に、少なく
   とも器体７が外枠２２より突出した時点で摺動制
   御片２５が脱出可能に係止する係止機構を設けた
   事を特徴とするコンパクトケース。