JPH0451694Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、化粧料を収納する収納皿を容易に抜
脱できる様にしたコンパクトケースに関するもの
である。

〔従来の技術〕

従来より、化粧料を収納した収納皿は、コンパ
クトケースの器体に設けられた収納所に挿嵌さ
れ、粘着剤等によつて止着されていた。そして、
化粧料を使い切つてしまうと、収納凹所底面に設
けられた小孔よりピンを押し込み、収納皿を粘着
剤の粘着力に抗して押上げ、収納皿を排出した
後、新しい収納皿を装着するという煩雑な操作を
行つていた。

そこで、実開昭58−117206号公報及び同58−
117209号公報に提案された様に、傾斜面部を有し
たくさび状の摺動駒の釦を器体中枠より露出さ
せ、この釦を操作する事により摺動駒を摺動さ
せ、先端を収納皿の下に押し込み、収納皿を排出
する構成のコンパクトケースが提案されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、この摺動駒は、収納皿の交換時以外操
作しない為、飛散した化粧料がその周辺に固着し
てしまい、操作不能になつてしまう事があつた。
又、中枠に通常使用しない釦が露出している為、
美観を損なうものとなつていた。

〔問題点を解決する為の手段〕

器体１と蓋体３が蝶番４によつて開閉自在に蝶
着したコンパクトケースに於いて、 化粧料５が充填された中皿６を収納する収納凹
所７ａを穿設する。該収納凹所７ａの蝶番４側内
壁に中皿６を係止する突条１０を突設する。前端
壁１４と収納凹所７ａの間に隔壁１５を介在させ
て収納凹所７ｃを穿設する。収納凹所７ｃに収納
される係止体１９は、前記隔壁１５に穿設された
出没孔１７より出没する出没片１８を突出させ
る。更に、収納凹所７ｃに収納されるフツク体１
６は、前端壁１４に穿設された押圧孔２１を貫通
する押圧部２２を前方に突設し、該押圧部２２に
は、前端壁１４が突入し、フツク体１６を係止体
１９方向に摺動可能にする切り欠き部２８を設け
る。フツク体１６の上方には係止部２４を設け
る。そして、押圧部２２を前方に押圧し、一方が
前記係止体１９と隔壁１５との間に突入する突入
部２６となつた脚部２５ａをフツク体１３に設け
る。又、蓋体３には、前記フツク体１６の係止片
２４と係止する係合片３１を垂下させる。

本案は、以上手段である。

〔作用〕

本案は、器体１に蓋体３を閉じた時は、蓋体３
より垂下した係合片３１が器体１のフツク体１６
の係止部２４と係止する。この時フツク体１６
は、僅かに後方へ移動し、切り欠き部２８も後方
へ移動するものであり、押圧部２２が前端壁１４
に当接する為、係止体１９方向へ摺動する事が阻
止されている。

尚、該押圧部２２を押圧すると係止は解除さ
れ、蓋体３は開放できる構成となつている。

そして、蓋体３を開けた状態でフツク体１６は
脚部２５に弾発され切り欠き部２８に前端壁１４
が突入可能となり、係止体１９方向へ摺動可能と
なる。即ち、前端壁１４より突出した押圧部２２
を係止体１９方向へ押圧するとフツク体１６の突
入部２６が隔壁１５と係止体１９の間に突入し、
係止体１９を前方向へ移動させ、中皿６を係止さ
せていた出没片１８を出没孔１４より没入させて
しまうものである。この状態で中皿６の保持は解
除され、交換を容易にできるものとなる。

〔実施例〕

器体１と内面に鏡２が貼着された蓋体３は、蝶
番４によつて開閉自在に蝶着されている。そして
器体１には、化粧料５が充填された中皿６を収納
する収納凹所７ａと、パフ８を収納する収納凹所
７ｂが並列に穿設されている。

収納凹所７ａの蝶番４側内壁には、中皿６の上
端縁９を係止する突条１０が突設している。尚こ
の時、上端縁９に鍔部１１を周設した中皿６を用
いて収納凹所７ａにベランダ部１２を周設し、そ
の上方に鍔部１１を係止する突条１０を突設する
と良い。また、第６図の様に、中皿６の外側壁に
収納凹所７ａの突条１０と係止する係着部１３を
設けても良い。

尚、収納凹所７ａ，７ｂと、前端壁１４の間に
は、隔壁１５を介在させて収納凹所７ｃが穿設さ
れている。

該収納凹所７ｃには、蓋体３と器体１の開閉操
作をするフツク体１６が収納されている。該収納
凹所７ｃには、フツク体１６のみでなく、前記隔
壁１５に収納凹所７ａに貫通して穿設された出没
孔１７より出没する出没片１８を側方に突出させ
た係止体１９が納置されている。そして、係止体
１９に突出した出没片１８が収納凹所７ａへ突入
するよう弾発体２０が弾発している。

フツク体１６は、器体１の前端壁１４に外部に
貫通して穿設された押圧孔２１を通つて外部へ突
出する押圧部２２を前方に突設し、上面には前方
向に係止突部２３を突設した係止部２４が刻設さ
れている。そして、フツク体１６は、押圧部２２
を後方に押圧した時、押圧部２２及び係止部２４
を前方に弾発する様、脚部２５を設けている。フ
ツク体１６の係止体１９側の脚部２５ａは、前記
出没片１８を側方に突出させた係止体１９と隔壁
１５との間に突入する突入部２６となつている。
この突入部２６の先端は、係止体１９側に向いた
傾斜面２７を有するくさび形状をしている。更
に、フツク体１６は、応力が加わつていない状態
の時、前端壁１４が突入して、係止体１９方向へ
スライドできるように押圧部２２に切り欠き部２
８が刻設してある。又、このフツク体１６が係止
体１９方向へ不用意にスライドしたりしないよう
収納凹所７ｂ側の脚部２５ａと、前端壁１４の間
にスプリング２９を内装し脚部２５ａ方向へ弾発
しておくと良い。

器体１上面には、収納凹所７ｃを被い、且つ、
フツク体１６の係止片２４が露出する内蓋３０が
止着されている。

又、蓋体３には、フツク体１６の係止部２４に
係止する係合片３１が垂下している。

尚、収納凹所７ｃは、第６図の様に器体１の底
面３２より穿設し、底面３２より底蓋３３を止着
しても良い。

〔考案の効果〕

本考案は以上のものであり、フツク体１６を横
方向へ押圧する操作で、簡単に中皿６の抜脱、交
換を行う事ができるものである。

蓋体３閉鎖時には、フツク体１６が後方へ僅か
に移動し、フツク体１６が中皿６を抜脱する方向
へ摺動する事がなくなり、不用意に中皿６を抜脱
してしまう事もない。

又、開閉に用いるフツク体１６を中皿６の抜脱
操作に利用する為、不用なものは容器表面に現れ
ない美観的にも優れたコンパクト容器となつてい
る。

尚、実公昭52−39591号、実公昭52−39592号公
報に於いて、フツク片を左右にスライドさせる本
考案と類似した構成の提案も見られるが、これは
蓋体閉鎖時にフツク片のスライド操作を行い、携
帯中にフツク片が押圧され蓋体が不用意に開いて
しまう事故を防止する目的としたものであり、構
成、作用、効果も全く異なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例の部分分解斜視図。第
２図及び第３図は、開蓋操作時の器体の内蓋を外
した状態の平面図。第１図及び第５図は、中皿抜
脱操作時の器体の内蓋を外した状態の平面図。第
６図は、その他の実施例の部分断面斜視図。 １……器体、２……鏡、３……蓋体、４……蝶
番、５……化粧料、６……中皿、７ａ，７ｂ，７
ｃ……収納凹所、８……パフ、９……上端縁、１
０……突条、１１……鍔部、１２……ベランダ
部、１３……係着部、１４……前端壁、１５……
隔壁、１６……フツク体、１７……出没孔、１８
……出没片、１９……係止体、２０……弾発体、
２１……押圧孔、２２……押圧部、２３……係止
突部、２４……係止部、２５……脚部、２６……
突入部、２７……傾斜面、２８……切り欠き部、
２９……スプリング、３０……内蓋、３１……係
合片、３２……底面、３３……底蓋。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 化粧料５が充填された中皿６を収納する収納凹
   所７ａが穿設され、該収納凹所７ａの蝶番４側内
   壁に、中皿６を係止する突条１０を突設し、前端
   壁１４と収納凹所７ａの間に、隔壁１５を介在さ
   せた収納凹所７ｃを穿設し、 該収納凹所７ｃには、前記隔壁１５に穿設され
   た出没孔１７より出没する出没片１８を突出した
   係止体１９が収納され、更に、前端壁１４に穿設
   された押圧孔２１を貫通する押圧部２２が前方に
   突設し、該押圧部２２には、前端壁１４が突入
   し、係止体１９方向に摺動可能にする切り欠き部
   ２８を設け、上方に係止部２４を設け、且つ、押
   圧部２２を前方に押圧し一方が係止体１９と隔壁
   １５との間に突入する突入部２６となつた脚部２
   ５ａを有したフツク体１６が収納された器体１
   と、 前記フツク体１６の係止部２４と係止する係合
   片３１が垂下した蓋体３を、蝶番４によつて開閉
   自在に蝶着した事を特徴とするコンパクト容器。