JPH0535773Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、ワンタツチで蓋を開放することの
できるコンパクト容器に関する。

「従来の技術」 従来よりワンタツチで蓋を開放することのでき
るコンパクト容器として、第６図および第７図に
示す構造のもの（実開昭57−36206号公報）が知
られている。

このコンパクト容器は、化粧料等の収納凹所１
を上面に備えた容器本体２と、この容器本体２の
後壁部２ａに縦回動自在にヒンジ結合された蓋体
３とから構成されており、容器本体２の前壁部２
ｂに設けられたフツク４ａに、蓋体３の自由端３
ａに設けられたフツク４ｂが係合して収納凹所１
が閉じられ、さらに、蓋体３の自由端３ａに設け
られた挿通孔５に押釦６を奥方へ押圧摺動操作す
ることにより前記フツク４ａ，４ｂの係合を解除
して、収納凹所１を開放可能とするように構成さ
れているものである。

「考案が解決しようとする課題」 ところが、上記従来構成のコンパクト容器にあ
つては、容器本体２の前壁部２ｂにフツク４ａを
有する突起部７が突設されているため、収納凹所
１を開放して化粧料をパフ等ですくい取る際にパ
フが突起部７に引つ掛かつて邪魔になるなど使用
勝手が良いものでなかつた。さらに操作性につい
て言えば、片手でフツク４ａ，４ｂの係合を解除
操作する場合に、親指が押釦６を押下げる恰好と
なつたり押釦６の押圧面が小さくて押し出しにく
いなど、操作がスムーズにいかなかつた。

この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、
使用勝手がよく、しかも蓋体の開操作を片手でス
ムーズに行うことのできるコンパクト容器を提供
することを目的としている。

「課題を解決するための手段」 この考案は、上面に収納凹所を有する容器本体
の一端部に蓋体を縦回動自在にヒンジ結合したコ
ンパクト容器であつて、前記容器本体の他端部に
凹部を形成してその奥面に第１フツクを設け、前
記蓋体の自由端内面に前記凹所に収納して前記第
１フツクに係合する第２フツクを有する突片を垂
設し、この突片に水平方向へ貫通する挿通孔を設
け、この挿通孔に、前記凹所に収納される押圧部
と該押圧部から内方へ伸びる嵌合舌片とを有して
なる押釦の前記嵌合舌片を摺動自在に遊嵌し、前
記押圧部の背面に、前記突片の下端縁部に当接可
能な傾斜面を有する突起を設け、さらに、蓋体の
閉状態から前記押釦の押圧部を前記凹部の内方へ
押圧操作した際に、前記突片を前記傾斜面により
押し上げて前記第１フツクおよび第２フツクどう
しの係合を解除するように構成したものである。

「作用」 蓋体の閉状態から押釦の押圧部を押圧して容器
本体の凹部の内方へ摺動させると、押圧部の背面
に設けられた突起の傾斜面が蓋体の自由端内面に
垂設された突片の下端縁部に当接して突片を押し
上げるので、第１フツクおよび第２フツクどうし
の係合が解除されて蓋体が開放可能となる。

「実施例」 以下、この考案の実施例について図面を参照し
て説明する。

第１図ないし第５図はこの考案の一実施例を示
すもので、これらの図において符号１０は容器本
体、符号１１は容器本体１０の後端部（一端部）
１０ａにヒンジ結合された蓋体をそれぞれ示すも
のである。

前記容器本体１０は、偏平矩形状に形成されて
いるもので、容器本体１０の上面には化粧料等を
収納する収納凹所１２が穿設されている。また、
容器本体１０の前壁部（他端部）１０ｂには凹所
１３が形成され、凹所１３の奥面にはフツク（第
１フツク）１４が穿設され、凹所１３の底面は、
奥面に向けて斜めに上がる傾斜面１３ａとなつて
いる。

前記蓋体１１は、前記容器本体１０の収納凹所
１２を覆うもので、蓋体１１の内面には鏡１５が
貼付され、蓋体１１の自由端１１ａにはコンパク
ト容器の前壁凹部を前記凹部１３とともに形成す
る切欠部１６が穿設され、切欠部１６に奥方には
前記フツク１４に係合するフツク（第２フツク）
１７を有する突片１８が垂設されている。

前記突片１８は、蓋体１１の内面から下方に延
びる垂設部１８ａと、この垂設部１８ａから水平
に延びる本体部１８ｂとから構成され、この本体
部１８ｂは、その下面が蓋体１１を閉状態とした
際に容器本体１０の凹所１３の奥面上端に当接す
るものである。また、前記垂設部１８ａには水平
方向へ貫通する挿通孔１９が設けられ、前記本体
部１８ｂの前端は下方へ屈曲されてその先端背面
に前記フツク１７が突起されている。

このようなコンパクト容器の（凹所１３と切欠
部１４からなる）前壁凹部には、前記フツク１
４，１７どうしの係合を解除操作するための押釦
２０が前後に摺動自在に収納されている。

この押釦２０は、コンパクト容器の前壁部の一
部を構成する押圧部２１と、この押圧部２１の上
端から後方に屈曲して前記突片１８の挿通孔１９
内に延びて該挿通孔１９に遊嵌された嵌合舌片２
２とから構成されている。前記押圧部２１の下端
背面には、前記凹所１３の傾斜面１３ａに沿つて
摺動しかつ前記突片１８の本体部１８ｂの下端縁
部１８ｃに当接可能な傾斜面２３ａを有する突部
２３が突設されており、また前記嵌合舌片２２の
前記挿通孔１９から内部に突出する後端部には自
身の抜脱防止用の係止突起２２ａが下方に伸びて
突設されている。このような押釦２０は、その係
止突起２２ａを前記挿通孔１９に無理嵌めして通
過させることにより、嵌合舌片２２を挿通孔１９
に遊嵌させるようになつている。

さらに、前記挿通孔１９の下端と前記嵌合舌片
２２の下面との間には、フツク１４，１７どうし
の解除の際の突片１８の逃げを許容する上下クリ
アランスC₁が設けられており、前記押圧部２１
の背面と前記突片１８の本体部１８ｂの前面との
間には、押圧部２１の押圧摺動を許容するスライ
ドクリアランスC₂が設けられている。また、第
５図に示すように、前記突部２３のほぼ中央には
押圧摺動の際に突部２３の先端がフツク１４に当
接するのを防止する切欠部２３ｂが穿設されてい
る。

なお、前記突片１８の本体部１８ｂの後端突出
部（収納凹所１３内方へ突出する部分）は、省略
してもよい。

次に、このように構成されたコンパクト容器の
使用方法ならびに作用を第４図を参照しながら説
明する。

第４図イに示すような閉状態のコンパクト容器
を開状態とするには、コンパクト容器を片手で持
つて、フツク１４，１７どうしの係合による抗力
に反して押釦２０の押圧部２１を親指等で内方へ
押圧操作すればよい。

押圧部２１を内方へ押圧すれば、挿通孔１９を
貫通した嵌合舌片２２が蓋体１１の内面に沿つて
内方へ移動するとともに、突部２３が凹部１３の
傾斜面１３ａに沿つて内方へ移動し、その途中で
突部２３の傾斜面２３ａが突片１８の本体部１８
ｂの下端縁部１８ｃに当接して、フツク１７を押
し上げるので、フツク１４，１７どうしの係合が
解除されて蓋体１１の回動が可能となる。

後は、第２図に示すような最大開状態にセツト
して使用すればよい。

この実施例のコンパクト容器においては、押釦
２０を押圧操作すると、突部２３が傾斜面１３ａ
に沿つて上昇するとともに突出２３の傾斜面２３
ａが突片１８の下端縁部１８ｃに当接して押し上
げるので、これらの相乗効果によつて軽い押圧操
作でスムーズかつ確実にフツク１４，１７の係合
を解除させることが出来る。しかも、その際に、
係止舌片２２の上面が蓋体１１の内面に沿つて摺
動するので、押釦２０をぐらつかせることなく安
定してスムーズに押圧摺動操作することができ
る。さらには、押圧部２１の押圧面が広いので親
指等で容易に水平方向に押圧することができる。
したがつて、これらの効果によつて操作性に非常
に優れている。

また、使用の際には、容器本体１０の上面より
上方に突出するものがないからパフ等の邪魔にな
らずに使用勝手が良い。

さらには、押圧部２１はコンパクト容器の前壁
部の一部を構成することから、コンパクト容器を
閉じた際の外観が滑らかで外観デザインにも優れ
ている。

「考案の効果」 以上詳細に説明したように、この考案のコンパ
クト容器にあつては、蓋体の閉状態から押釦の押
圧部を押圧して容器本体の凹部の内方へ摺動させ
ることによつて、押圧部の背面に設けた突起の傾
斜面を、蓋体の自由端内面に垂設された突片の下
端縁部に当接させて突片を押し上げるように構成
されているので、フツクどうしの係合を容易に解
除し得て蓋体を回動可能とするとともに、押釦の
押圧操作をスムーズかつ安定して行わせることが
でき、操作性に極めて優れている。

また、容器本体のフツクが凹部の奥面に設けら
れていて容器本体上面に突出物がないので、パフ
等の使用の邪魔にならないなど使用勝手にも優れ
ている。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図はこの考案の一実施例を示
すもので、第１図はコンパクト容器の縦断面図、
第２図はコンパクト容器の斜視図、第３図はコン
パクト容器の分解斜視図、第４図イ，ロは作用を
説明するために示したもので、それぞれコンパク
ト容器の要部断面図、第５図は押釦の斜視図、第
６図および第７図はこの考案の従来例を示すもの
で、第６図はコンパクト容器の斜視図、第７図
イ，ロはコンパクト容器の要部断面図である。 １０……容器本体、１０ａ……後壁部（一端
部）、１０ｂ……前壁部（他端部）、１１……蓋
体、１１ａ……自由端、１２……収納凹所、１３
……凹部、１４……フツク（第１フツク）、１７
……フツク（第２フツク）、１８……突片、１９
……挿通孔、２０……押釦、２１……押圧部、２
２……嵌合舌片、２３……突部、２３ａ……傾斜
面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面に収納凹所１２を有する容器本体１０の一
   端部１０ａに蓋体１１が縦回動自在にヒンジ結合
   されたコンパクト容器において、前記容器本体１
   ０の他端部１０ｂには凹所１３が形成されてその
   奥面に第１フツク１４が設けられ、前記蓋体１１
   の自由端１１ａ内面には前記凹部１３に収納され
   て前記第１フツク１４に係合する第２フツク１７
   を有する突片１８が垂設され、この突片１８には
   水平方向へ貫通する挿通孔１９が設けられ、この
   挿通孔１９には、前記凹部１３に収納される押圧
   部２１と該押圧部２１から内方へ伸びる嵌合舌片
   ２２とを有してなる押釦２０の前記嵌合舌片２２
   が摺動自在に遊嵌され、前記押圧部２１の背面に
   は、前記突片１８の下端縁部１８ｃに当接可能な
   傾斜面２３ａを有する突起２３が設けられ、蓋体
   １１の閉状態から前記押釦２０の押圧部２１を前
   記凹部１３の内方へ押圧操作した際に、前記突片
   １８が前記傾斜面２３ａにより押し上げられて前
   記第１フツク１４および第２フツク１７どうしの
   係合が解除されることを特徴とするコンパクト容
   器。