JPH0319301Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、化粧料を収納する収納皿を容易に抜
脱できるようにしたコンパクトケースに関するも
のである。

〔従来の技術〕

従来より、化粧料を収納した収納皿は、コンパ
クトケースの器体に設けられた収納所に挿嵌さ
れ、粘着材などによつて止着されていた。そし
て、化粧料を使いきつてしまうと、収納凹所底面
に設けられた小孔よりピンを押し込み、収納皿を
粘着材の粘着力に抗してて押し上げ、収納皿を取
り外した後、新しい収納皿を装着するという煩雑
な操作を行つていた。

そこで、実開昭58−117206号公報、及び実開昭
58−117209号公報に提案されたように、傾斜面部
を有したくさび状の摺動駒のボタンを器体中枠よ
り露出させ、このボタンを操作する事により摺動
駒を摺動させ、先端を収納皿の下に押し込み、収
納皿を排出する構成のコンパクトケースが提案さ
れている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、この摺動駒は、収納皿の交換時以外操
作しないため、飛散した化粧料がその周辺に固着
してしまい、操作不能になつてしまう事があつ
た。また、中枠に通常使用しないボタンが露出し
ているため、美観を損なう物となつていた。

〔課題を解決する為の手段〕

中皿２には、化粧料１を充填する。器体４は上
面に中皿２を着脱自在に保持する化粧料収納所５
を刻設し、先端面８に削除部９を刻設する。蓋体
１９は、器体４と蝶番１８により開閉自在に蝶着
し、裏面に器体４と閉じた状態で係合するフツク
２２を垂下する。摺動体１３は、器体４に設けら
れた削除部９に摺動自在に内装し、前面に押圧部
１２を設け、後面に閉じた蓋体１９のフツク２２
先端が当接する傾斜面１４を設ける。この摺動体
１３の後端に連設される弾性片１５は、先端が前
記化粧料収納所５の方向に侵入し、摺動体１３を
押圧した時、上方に山形に屈曲して中皿２の保持
を解除する押し上げ部１６を設ける。

また、中皿２を直接化粧料収納所５に保持させ
ず、化粧料収納所５の周囲に凹所２４を刻設し、
この凹所２４には、化粧料１が覗ける枠２６を穿
設した中枠２５を着脱自在に係合させ、化粧料収
納所５内の中皿２を脱落不能に挾持させても良
い。

また、弾性片１５は先端を中皿２の下方に侵入
させ、押し上げ部１６で中皿２を押し上げても良
い。また、中枠２５で中皿２を挾持させる場合、
弾性片１５を中枠２５の下方に侵入させ、押し上
げ部１６で中枠２５を押し上げ、中皿２を取り外
し可能にしても良い。

〔作用〕

蓋体１９が閉じている場合、蓋体１９のフツク
２２は器体４に係合し、フツク２２の先端は摺動
体１３の傾斜面１４に当接している。

ここで摺動体１３の押圧部１２を押圧すると、
摺動体１３が摺動して傾斜面１４が蓋体１９のフ
ツク２２を押し上げ、フツク２２と器体４の係合
を解除し、蓋体１９が開放可能になる。そして摺
動体１３は、フツク２２に当接して摺動不能の状
態となる。この時、弾性片１５は、摺動体１３が
フツク２２の係合解除のために摺動した分だけ押
し上げ部１６が山形に屈曲するのであるが、中皿
２を押し上げるまでには到つていない。

蓋体１９を開くと、摺動体１３が当接していた
フツク２２が上方に移動してしまうため、摺動体
１３が更に摺動可能となる。その結果、摺動体１
３を更に摺動させると弾性片１５の押し上げ部１
６が更に山形に突出して中皿２を押し上げ、化粧
料収納所５内の中皿２の保持が解除されて取り外
し可能となる。

また、中皿２が中枠２５によつて、化粧料収納
所５内に挾持され、弾性片１５が中皿２の下方に
侵入している場合、蓋体１９を開いた状態で摺動
体１３を押圧して摺動させる事により、弾性片１
５の押し上げ部１６が山形に屈曲して中皿２を押
し上げる。そして中皿２が中枠２５を押し上げ、
中枠２５の係合を解除して中皿２を取り外し可能
にする。

また、弾性片１５が中枠２５の下方に侵入して
いる場合には、弾性片１５の押し上げ部１６が中
枠２５を押し上げ、中枠２５の係合を解除して中
皿２を取り外し可能にする。

〔実施例〕

本考案第１実施例を第１図及び第２図によつて
説明する。化粧料１を充填した中皿２は、外側壁
に係合部３を設けている。器体４は、上面にこの
中皿２が収納される化粧料収納所５が刻設されて
いる。この化粧料収納所５の側壁には、中皿２の
係合部３と着脱可能に係合する係合部６を設けて
いる。この化粧料収納所５の底面には、中皿２の
下面に当接する緩衝材７が貼着されている。

また、器体４の先端面８には、コの字状の削除
部９を刻設している。この削除部９の奥面には、
化粧料収納所５に貫通した貫通孔１１が穿設され
ている。また、化粧料収納所の底面には、貫通孔
１１に連続する凹溝１０が刻設されている。この
削除部９には、前面が押圧部１２となつた摺動体
１３が摺動自在に、しかし脱落不能に内装されて
いる。この摺動体１３の上面には、後方に傾斜し
た傾斜面１４を設けている。更に摺動体１３の後
方には、前記貫通孔１１を貫通し、凹溝１０の端
面に当接する板状の弾性変形可能な弾性片１５を
連設している。この弾性片１５の先端付近、つま
り中皿２の下方に位置する部分は、山形に屈曲し
ており、弾性片１５が摺動体１３に押圧された
時、更に屈曲して凹溝１０より突出し、中皿２を
押し上げる押し上げ部１６となつている。尚、こ
の弾性片１５は、第２図に示すように、上面及び
下面に切り欠き１７を設け、上方向に山形に屈曲
するよう構成しても良い。

また、器体４の後端には、蝶番１８が設けられ
ており、蓋体１９が開閉自在に蝶着している。こ
の蓋体１９の下面には、鏡２０が貼着されてお
り、先端付近には前記器体４の削除部９奥面に設
けられた係止部２１に係止するフツク２２が垂下
している。このフツク２２の先端は、蓋体１９を
閉じた時、摺動体１３の傾斜面１４に当接する当
接部２３となつている。その結果、摺動体１３の
押圧部１２を押圧して、摺動体１３を摺動させる
と、摺動体１３の傾斜面１４によりフツク２２が
押し上げられ、蓋体１９と器体４の係合が解除さ
れるよう構成されている。

次に、本考案第２実施例を第３図及び第４図に
よつて説明する。器体４の上面には、凹所２４が
刻接されており、更にこの凹所２４の底面には、
化粧料１を充填した中皿２が遊嵌される化粧料収
納所５が刻接されている。この化粧料収納所５の
底面には、中皿２の下面が当接する緩衝材７を貼
着している。また、凹所２４には、中枠２５が嵌
合している。この凹所２４の側壁には、係合部
３′が設けられ、また中枠２５の端面にも、この
係合部３′と着脱可能に係合する係合部６′が設け
られている。また、中枠２５の上面には、器体４
に収納された中皿２の平面形状に対応した枠２６
が穿設され、化粧料１が外部に露出している。こ
の枠２６の内壁には、下方が大径となつた段部２
７を設けており、この段部２７に中皿２の上端面
が当接して中皿２を化粧料収納所５内に挾持さて
いる。

器体４の先端面８に設けられた削除部９と貫通
孔１１を介して連続する凹溝１０は、化粧料収納
所５の底面に設けられている。この凹溝１０及び
削除部９には、摺動体１３及び弾性片１５が内装
されており、この弾性片１５の押し上げ部１６
は、中皿２を押し上げる事により中枠２５を押し
上げ、中枠２５の係合を解除するよう構成されて
いる。

器体４には、蓋体１９が蝶着しており、蓋体１
９の下面には、鏡２０及び削除部９奥面に設けら
れた係止部２１と係止するフツク２２が設けられ
ている。

次に本考案第３実施例を第５図及び第６図によ
つて説明する。器体４は、平面形状が長方形をし
ており、上面に凹所２４′が刻設されている。更
にこの凹所２４′には、中皿２が遊嵌される化粧
料収納所５及びパフなどの塗布具２８が収納され
るパフ収納所２９が刻設されている。この化粧料
収納所５の底面には、中皿２の下面に当接する緩
衝材７を貼着している。凹所２４′には、中枠２
５′が嵌合しており、凹所２４′及び中枠２５′の
側壁には、それぞれ着脱自在に係合する係合部
３″，６″が設けられている。この中枠２５′には、
中皿２の平面形状に対応した枠２６及びパフ収納
所２９が露出する透孔３０が穿設されている。こ
の枠２６の下面には、段部２７を設けており、中
皿２の上端が当接して中皿２を化粧料収納所５内
に挾持している。

器体４の先端面８に設けられた削除部９と貫通
孔１１を介して連続する凹溝１０は、化粧料収納
所５とパフ収納所２９の間の凹所２４′底面に設
けられている。この凹溝１０及び削除部９には、
摺動体１３及び弾性片１５が内装されており、弾
性片１５の押し上げ部１６は中枠２５′を押し上
げるよう構成されている。そして中枠２５′の係
合を解除して中枠２５′を取り外す事により、中
皿２が取り外し可能となるようになつている。器
体４には、蓋体１９が蝶着しており、蓋体１９の
下面には、鏡２０及び削除部９奥面に設けられた
係止部２１と係合するフツク２２が設けられてい
る。

尚、本考案第２実施例の場合、第３図に示すよ
うに、器体４の化粧料収納所５を異なつた平面形
状の中皿２に対応できる形状に刻設しておき、そ
れぞれの平面形状に対応する枠２６，２６′を穿
設した中枠２５ａ，２５ｂを用意しておけば、中
皿２の交換時異なる平面形状の中皿２も装着する
事が可能となる。同様に本考案第３実施例も第５
図にに示すように、中枠２５′の枠２６及び透孔
３０をそれぞれ異なる中皿２の平面形状に対応し
て穿設しておけば、中枠２５′の嵌合方向を変え
る事により、異なる平面形状の中皿２も収納可能
となる。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、中皿２を離脱させる押
し上げ部１６を有した弾性片１５が蓋体１９の開
閉操作ごとに摺動する摺動体１３に連設された構
成となつているため、飛散した化粧料１が固着し
て操作不能となつてしまうような事はなく、半永
久的に確実な中皿２の離脱操作を行えるものとな
つている。加えて、中皿２の離脱操作を行う部分
は、蓋体１９の開閉操作を行う摺動体１３と共用
であるため、離脱操作の操作部分を特別に設けな
くても済み、容器の見栄えがよくなる効果も有す
る。

以上説明したように、蓋体１９の開閉機構の操
作部と、中皿２の離脱機構の操作部とが共用とな
つているが、蓋体１９が閉じていると摺動体１３
が蓋体１９のフツク２２に当接してしまいそれ以
上摺動不能となつている。従つて摺動体１３は、
蓋体１９が閉じている場合には蓋体１９の開閉機
構の操作部として働き、蓋体１９が開いている場
合には中皿２の離脱機構の操作部として働くよう
になつており、誤動作、誤操作など起こらないよ
うになつている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案第１実施例の側断面図。第２
図は、第１実施例に於ける中皿離脱操作時の側断
面図。第３図は、本考案第２実施例の斜視図。第
４図は、第２実施例の中皿離脱操作時の側断面
図。第５図は、本考案第３実施例の斜視図。第６
図は、第３実施例の中皿離脱操作時の側断面図。 １……化粧料、２……中皿、３，６……係合
部、４……器体、５……化粧料収納所、７……緩
衝材、８……先端面、９……削除部、１０……凹
溝、１１……貫通孔、１２……押圧部、１３……
摺動体、１４……傾斜面、１５……弾性片、１６
……押し上げ部、１７……切り欠き、１８……蝶
番、１９……蓋体、２０……鏡、２１……係止
部、２２……フツク、２３……当接部、２４……
凹所、２５……中枠、３６……枠、２７……段
部、２８……塗布具、２９……パフ収納所、３０
……透孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 〔１〕 化粧料１を充填した中皿２と、 上面に中皿２を着脱自在に保持する化粧料収
   納所５が刻設され、先端面８に削除部９を刻設
   した器体４と、 該器体４と蝶番１８によつて開閉自在に蝶着
   し、下面に器体４と閉じた状態で係合するフツ
   ク２２が垂下した蓋体１９と、 前記器体４に設けられた削除部９に摺動自在
   に内装され、前面が押圧部１２となり、後面に
   閉じた蓋体１９のフツク２２先端が当接する傾
   斜面１４を有した摺動体１３と、 該摺動体１３の後端に連設され、先端が前記
   化粧料収納所５の方向に侵入し、摺動体１３を
   押圧した時、上方に山形に屈曲して中皿２の保
   持を解除する押し上げ部１６を有した弾性片１
   ５と、 より構成される事を特徴とするコンパクトケー
   ス。 〔２〕 前記器体４の化粧料収納所５の周囲に凹
   所２４を刻設し、該凹所２４には化粧料１が覗
   ける枠２６を穿設した中枠２５を着脱自在に係
   合させて化粧料収納所５内の中皿２を脱落不能
   に挾持する事を特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載のコンパクトケース。 〔３〕 前記弾性片１５の先端を中皿２の下方に
   侵入させて押し上げ部１６で中皿２を押し上げ
   る事を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項又は第２項いずれかの項記載のコンパクトケ
   ース。 〔４〕 前記弾性片１５の先端を前記中枠２５の
   下方に侵入させて押し上げ部１６で中枠２５を
   押し上げる事を特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第２項記載のコンパクトケース。