JPS6211530Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は化粧料等を収容して携帯するためのコ
ンパクト容器に関するものであり、特に該化粧料
等の詰め替えを自由に行なうことの出来るコンパ
クト容器に関するものである。

従来のコンパクト容器では充填された化粧料を
使い果した場合、該容器も使い捨てるタイプのも
のが殆どであつたが、最近、省資源等の社会的要
請や化粧料の多様化，多色化の傾向等に起因し
て、化粧料等を小型の中皿に充填し、該中皿をコ
ンパクト容器に着脱自在に収納して、その化粧料
がなくなつた場合や或いは他種の化粧料等を携帯
したい場合に該中皿だけを交換することによつて
１個のコンパクト容器で足りるようにしたものが
提供されるに至り、この詰め替え式のコンパクト
容器としては現在種々のものが知られている。

その最も簡単なものは接着剤または両面粘着テ
ープを用いて中皿を容器本体に取り付けている
が、この場合には中皿の交換が面倒で極端な場合
は中皿或いは容器本体を破損してしまう虞れがあ
つた。また、コンパクト容器は時計等と一緒にハ
ンドバツクの中に入れられることが多いから、中
皿の取り付けに磁石を用いるとその磁性が他の携
帯品に悪影響を及ぼすことが多い。そこで凹凸嵌
合によつてこれを取り付けるようにしたものも堤
案されているが、その場合、嵌合が弱いとコンパ
クト容器が落下した時の衝撃等によつて中皿が容
易に外れてしまい、逆に嵌合が強過ぎると中皿の
着脱が困難になるといつた問題点があり、結局こ
の詰め替え式のコンパクト容器ではこれまで満足
すべきものがなかつたのが現状である。

本願考案は上述のような事情に鑑みなされたも
ので、その目的は化粧料等を充填した中皿の交換
を極めて簡単に行なうことが出来るとともに、衝
撃によつて中皿が偶発的に外れたりする虞れのな
いコンパクト容器を提供することにある。

以下には添附図面を参照して本願考案の好適な
実施例について詳述する。

図中符号１は合成樹脂製の容器本体を示し、こ
の容器本体には合成樹脂製の蓋体２がその後端蝶
番部３を介して開閉自在に連結されており、これ
らの前端部に形成された突片４，５が係合するこ
とにより蓋体２が閉止位置を占めるようになつて
いる。容器本体１内部の空所６には、同じく合成
樹脂製の皿枠７が接着剤等任意の手段により固定
されていて、該皿枠の若干肉薄に形成された可撓
性を有する後端壁８は容器本体１の後壁９からや
や離れて配置されている。この後壁９は上部が切
欠されており、そこから皿枠後端壁８の上端に一
体的に設けられた水平な突起１０が容器本体１の
外方へ突出している。

皿枠７の内部は隔壁１１によつて２つの凹所１
２及び１３に区分されており、前方の凹所１２に
は塗布棒等の化粧用具（図示せず）が収納され
る。一方、後方の凹所、即ち隔壁１１と後端壁８
によつて区画された凹所１３には、化粧料１５が
充填された中皿１４が配置されていて、第１図に
示した状態では、該中皿は隔壁１１の上端フツク
部１１ａと後端壁８の鉤状上端部８ａによつて凹
所１３内に係止されている。また、凹所１３の底
面には段部１６が形成され、その下段に板バネ等
の弾性部材１７が設けられてこれが中皿１４の後
方部を上方へ付勢している。

尚、この実施例では皿枠７の内部を隔壁１１に
よつて２つの凹所に分割することとしたが、化粧
用具を一緒に収納する必要がない場合等には、該
隔壁を省略して中皿１４を拡張することも出来
る。また、符号１８は蓋体２の裏面に固着された
鏡を示す。

上記した構成に係るコンパクト容器において
は、中皿１４の化粧料１５を使い果した場合や他
種の化粧料を充填した別の中皿（図示せず）と取
り替えたい場合等には、第１図に示した蓋体２の
開放位置で皿枠７の突起１０を指で下方へ押圧し
てやれば良い。こうすることによつて該突起と一
体の後端壁８がその下端を支点として後方へ傾斜
するため、該後方壁の鉤状上端部８ａと中皿１４
の後方上端部の係合が解除され、弾性部材１７に
よつて上方へ付勢されていた中皿１４は第２図に
示すようにその後方部が凹所１３から上方へ離脱
するので、その後は該中皿を指で摘まんで皿枠７
から取り出すことが出来る。また、別の中皿を取
り付けるにも、その前方部をまず凹所１３内に入
れ、突起１０を下方へ押圧しながら後方部を押し
入れれば良く、しかる後該突起の押圧を解除すれ
ば後端壁８の鉤状上端部８ａが該中皿の上端部と
係合してこれを凹所内に保持し、こうして中皿交
換を極めて簡単に行うことが出来るのである。

そして、凹所１３に保持された中皿１４は弾性
部材１７によつて鉤状上端部８ａと強制的に係合
させられているため、突起１０を押圧しない限
り、コンパクト容器を乱暴に扱つても該中皿が外
れる虞れは非常に少ないが、更に、第３図に示す
蓋体２の閉止位置では、蝶番部３が突起１０を前
方へ押圧して後端壁８を前方へ傾斜させるため、
中皿１４はこの後端壁８、隔壁１１及び鉤状上端
部８ａによつて凹所１３内にしつかりと係止され
ることになる。従つて、蓋体２を閉じた状態で落
下等によりコンパクト容器に強い衝撃が加わつて
も中皿１４は常に所定の位置に保持され、化粧料
１５が皿枠７内に散乱したり、蓋体２を開けた時
に中皿１４が外れ落ちたりする虞れは全くない。

上述のように本願考案に係る詰め替え可能なコ
ンパクト容器では、蝶番部を介して蓋体を容器本
体に開閉自在に連結し、該容器本体に皿枠を固定
的に取り付けて該皿枠の可撓性を有する後端壁に
形成された突起を該容器本体の外方へ突出させる
一方、該後端壁の前方の凹所に化粧料等を充填し
た中皿を配置して該中皿の上端部を該後端壁の鉤
状上端部に係合させ、該中皿を該凹所底面に設け
た弾性部材によつて上方へ付勢し、該蓋体の開放
位置で該突起を下方に押圧すると該後端壁が後方
へ傾斜し、これによつて該係合が解除されて該中
皿が該凹所から離脱することとしたので、中皿の
着脱を極めて簡単に行なうことが出来て化粧料の
詰め替えが非常に便利になるとともに、一旦中皿
を取り付けた後はこれが偶発的に外れる虞れは殆
どなく、特に蓋体を閉じた状態では落下等による
強い衝撃が加わつても所定位置にしつかりと保持
され得るから、１個のコンパクトで半永久的にか
つ多種類の化粧料に用いることの出来る容器とし
て実用上非常に便利なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願考案の一実施例に係るコンパクト
容器を蓋体を開放した状態で示す縦断面図、第２
図は該容器の中皿の着脱操作を示す縦断面図、第
３図は蓋体の閉止位置における該容器の縦断面図
である。 １……容器本体、２……蓋体、３……蝶番部、
７……皿枠、８……後端壁、８ａ……鉤状上端
部、１０……突起、１３……凹所、１４……中
皿、１５……化粧料、１７……弾性部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蝶番部を介して蓋体を容器本体に開閉自在に連
   結し、該容器本体に皿枠を固定的に取り付けて該
   皿枠の可撓性を有する後端壁に形成された突起を
   該容器本体の外方へ突出させる一方、該後端壁前
   方の凹所に化粧料等を充填した中皿を配置して該
   中皿の上端部を該後端壁の鉤状上端部に係合さ
   せ、該中皿を該凹所底面に設けた弾性部材によつ
   て上方へ付勢し、該蓋体の開放位置で該突起を下
   方に押圧すると該後端壁が後方へ傾斜し、これに
   よつて該係合が解除されて該中皿が該凹所から離
   脱するようにしてなることを特徴とする詰め替え
   可能なコンパクト容器。