JPS628805Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は化粧料容器に関するものである。

従来の化粧料容器は、コンパクト容器などに見
られるように、充填された化粧料を使い果した場
合に該容器ごと使い捨てるタイプのものが殆どで
あつたが、最近、省資源等の社会的要請や化粧料
の多様化，多色化の傾向などに起因して、容器と
は別体に形成された中皿に化粧料を充填し、この
中皿を容器に着脱自在に取り付けて、その化粧料
がなくなつた場合や他種の化粧料を携帯したい場
合に該中皿だけを交換できるようにしたものが普
及してきており、この種の化粧料容器としては現
在数種のものが知られている。

その最も簡単なものは接着剤または両面粘着テ
ープを用いて中皿を容器に取り付けているが、こ
の場合には中皿の交換が面倒で極端な場合は中皿
あるいは容器を破損してしまう虞れがあつた。ま
た、化粧料容器は時計などと一緒にハンドバツク
の中に入れられることが多いから、中皿の取り付
けに磁石を用いるとその磁性が他の携帯品に悪影
響を及ぼすことが多い。そこで凹凸嵌合によつて
これを取り付けるようにしたものも提案されてい
るが、寸法の誤差のために嵌合が弱いと軽い衝撃
でも中皿が容易に外れてしまう不都合があり、逆
に嵌合が強過ぎると中皿の着脱が困難になるとい
つた問題点があり、結局この種の化粧料容器では
これまで満足すべきものがなかつたのが現状であ
る。

本願考案は上述のような事情に鑑みてなされた
もので、その目的は化粧料を充填した中皿の交換
を極めて簡単に行なうことが出来るとともに、衝
撃によつて中皿が偶発的に外れたりする虞れのな
い化粧料容器を提供することにある。

以下には添付図面を参照にして本願考案の好適
な実施例について説明する。

図中符号１は合成樹脂から形成された容器部を
示しており、この容器部１の底部上面には凹所２
を区画するための垂壁３が立設されている。垂壁
３は四隅に形成されたスリツト４によつて前方垂
壁３ａ，後方垂壁３ｂ及び側壁３ｃ，３ｄに分割
されていて、そのうち相対向する前方及び後方垂
壁３ａ，３ｂの上端部には凹所２の方向に鉤状突
部５ａ，５ｂがそれぞれ設けられている。後方垂
壁３ｂは少なくとも外方、即ち前方垂壁３ａとは
反対の方向に可撓性を有することが必要で、この
実施例では該後方垂壁は若干肉薄となつていて外
方及び内方のいずれの方向にも可撓性を有してお
り、また上端部には鉤状突部５ｂと一体的に外方
への突起６が形成されている。凹所２の底面には
段部７が形成され、その下段に板バネ等の弾性部
材８が取り付けられている。

９は化粧料１０を充填した合成樹脂製の中皿で
あつて、該中皿は容器部１の凹所２に収納され、
その収納された状態では弾性部材８によつて後方
部が上方へ付勢されて後方垂壁３ｂの鉤状突部５
ｂとその上端部で係合し、こうして該凹所内に保
持されるようになつている。

また、１１は断面逆Ｕ字形の合成樹脂製蓋体で
あり、この蓋体を容器部１の垂壁３の外側から冠
着することにより、該容器部及びそこに配置され
た中皿９が被覆される。

上記した構成に係る化粧料容器において中皿９
を交換するには、第２図に示すように、蓋体１１
を取り外した状態で容器部１の後方垂壁３ｂに形
成された突起６を指で下方へ押圧してやれば良
い。こうすることによつて該後方垂壁がその下端
を支点として外方へ傾斜するため、上端部の鉤状
突部５ｂと中皿９の後方上端部の係合が解除さ
れ、弾性部材８によつて上方へ付勢されていた中
皿９はその後方部が凹所２から上方へと離脱する
ので、その後は該中皿を指で摘んで容器部１から
取り出すことが出来る。また、別の中皿を取り付
けるにも、その前方部をまず凹所２内に入れ、突
起６を下方へ押圧しながら後方部を弾性部材８に
抗して押し入れれば良く、しかる後該突起の押圧
を解除すれば後方垂壁３ｂの鉤状突部５ｂが該中
皿の上端部と係合するためこれが凹所２内に保持
されることとなり、こうして中皿の交換を極めて
簡単に行なうことが出来るのである。

そして、凹所２内に保持された中皿９は前方及
び後方垂壁３ａ，３ｂの鉤状突部５ａ，５ｂによ
つて該凹所からの脱落が防止されるほか、特に後
端部は弾性部材８に付勢されて後方垂壁３ｂの突
部５ｂと強制的に係合するので、中皿９は該凹所
内にしつかりと保持され、突起６を指で押圧しな
い限り、容器部１を乱暴に取り扱つても該中皿が
外れたりする虞れがない。

尚、この実施例では後方垂壁３ｂが内方へも可
撓性を有しているため、蓋体１１を容器部１に冠
着すると、第３図に示すように突起６が該蓋体に
よつて押圧されて後方垂壁３ｂが内方へ傾斜し中
皿９を前方垂壁３ａとの間で挾むようになるの
で、この蓋体１１を取り付けた状態での中皿９の
保持を一層強固なものとすることが出来る。

上記した化粧料容器は単独で用いることももち
ろん出来るものであるが、そこに収納された中皿
９を別のコンパクト容器等に移し替えてから化粧
料１０を使用するといつた利用方法も可能であ
る。換言すれば、本化粧料容器はコンパクト容器
等の詰め替え用化粧料を収納，携帯するためのも
のとして、該コンパクト容器等と組み合せて使用
することも出来るものである。

上述のように本願考案に係る化粧料容器では、
断面逆Ｕ字形の蓋体によつて被覆される容器部に
相対向する垂壁を立設し、該垂壁の上端部を鉤状
に形成するとともに該垂壁のいずれか一方を外方
へ可撓性を持たせてその外面に突起を形成し、こ
れら垂壁の間に化粧料を充填した中皿を配置して
該中皿の上端部を該鉤状上端部に係合させ、該中
皿を該容器部底面に取り付けた弾性部材により上
方へ付勢し、該蓋体を取り外した状態で該突起を
下方に押圧すると該一方の垂壁が外方へ傾斜し、
これによつて該係合が解除されて該中皿が該容器
部から離脱することとしたので、該中皿の着脱を
極めて簡単かつ素早く行なうことが可能になると
ともに、一旦中皿を取り付けた後はこれが衝撃な
どによつて偶発的に外れる虞れもないから、単独
であるいは別のコンパクト容器等と組み合せて用
いるのに非常に便利なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る化粧料容器を
分解して示す斜視図、第２図は該容器の中皿の着
脱操作を示す縦断面図、第３図は蓋体を閉じた状
態における該容器の縦断面図である。 １……容器部、３ａ，３ｂ……垂壁、５ａ，５
ｂ……鉤状上端部、６……突起、８……弾性部
材、９……中皿、１０……化粧料、１１……蓋
体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面逆Ｕ字形の蓋体によつて被覆される容器部
   に相対向する垂壁を立設し、該垂壁の上端部を鉤
   状に形成するとともに該垂壁のいずれか一方を外
   方へ可撓性を持たせてその外面に突起を形成し、
   これら垂壁の間に化粧料を充填した中皿を配置し
   て該中皿の上端部を該鉤状上端部に係合させ、該
   中皿を該容器部底面に取り付けた弾性部材により
   上方へ付勢し、該蓋体を取り外した状態で該突起
   を下方に押圧すると該一方の垂壁が外方へ傾斜
   し、これによつて該係合が解除されて該中皿が該
   容器部から離脱するようにしてなることを特徴と
   する化粧料容器。