JPS6219282Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は化粧料等を収納して携帯するためのコ
ンパクト容器に関するものであり、特に該化粧料
等の詰め替えを自由に行なうことの出来るコンパ
クト容器に関するものである。

従来のコンパクト容器では充填された化粧料を
使い果した場合、該容器も使い捨てるタイプのも
のが殆どであつたが、最近、省資源等の社会的要
請や化粧料の多様化，多色化の傾向などに起因し
て、化粧料等を小型の中皿に充填し、該中皿をコ
ンパクト容器に着脱自在に収納して、その化粧料
がなくなつた場合やあるいは他種の化粧料等を携
帯したい場合に、該中皿だけを交換することによ
つて１個のコンパクト容器で足りるようにしたも
のが提供されるに至り、この中皿を交換自在とし
たタイプのコンパクト容器としては現在種々のも
のが知られている。

その最も簡単なものは接着剤または両面粘着テ
ープを用いて中皿を容器本体に取り付けている
が、この場合には中皿の交換が面倒で極端な場合
は中皿あるいは容器本体を破損してしまう虞れが
あつた。また、コンパクト容器は時計などと一緒
にハンドバツクの中に入れられることが多いか
ら、中皿の取り付けに磁石を用いるとその磁性が
他の携帯品に悪影響を及ぼすことが多い。そこで
凹凸嵌合によつてこれを取り付けるようにしたも
のも提案されているが、その場合、嵌合が弱いと
仮令蓋体を閉じていても落下の際の衝撃などによ
つて中皿が容易に外れてしまい、逆に嵌合が強過
ぎると中皿の着脱が困難になるといつた問題点が
あり、結局この中皿交換式のコンパクト容器では
これまで満足すべきものがなかつたのが現状であ
る。

本願考案は上述のような事情に鑑みてなされた
もので、その目的は化粧料等を充填した中皿の交
換を極めて簡単に行なうことができるとともに、
衝撃によつて中皿が偶発的に外れたりする虞れの
ないコンパクト容器を提供することにある。

以下には添付図面を参照にして本願考案の好適
な実施例について説明する。

図中符号１は合成樹脂製の容器本体を、また２
は合成樹脂製の蓋体を示し、該蓋体は後端蝶番部
３を介して容器本体１に開閉自在に連結されてお
り、これらの前端部に形成された突片４，５が係
合することにより蓋体２が閉止位置を占めるよう
になつている。容器本体１の内部は凹所６となつ
ていて、この凹所６の周縁には後端壁７ａが容器
本体１の後壁に嵌着固定された押え用の枠体７が
配され、該枠体の後端壁７ａの上端には前方へ突
出部８ａが、また前端には後方への突出部８ｂが
それぞれ形成されている。

凹所６の前方部にはパフやブラシ等の化粧用具
１０を収納するための用具収納皿９が配設され、
この収納皿９は前壁上端に形成された突部１１が
枠体７の突出部８ｂと係合し、また該前壁と容器
本体１の前端壁に各端部が固定されたスプリング
１２によつて該凹所中に摺動自在に取り付けら
れ、常時は該スプリングによつて後方に付勢され
ている。収納皿９は後端が開口しており、底面の
後端縁には爪片１３が立設され、この爪片１３が
係合部となつて中皿１４の前端下縁部に設けられ
たフツク状突部１５と係合している。中皿１４は
化粧料１６が充填されて凹所６の後方部に載置さ
れていて、上端に形成されたフランジ１７の後方
部が枠体７の後端固定壁７ａの突出部８ａに係止
されている。

尚、符号１８は蓋体２の内面に固着された鏡で
ある。

このように構成されたコンパクト容器では、中
皿１４は通常の使用時にはその前端と後端が収納
皿９と枠体７によつてそれぞれ係止されているの
で、凹所６の中にしつかりと保持され、衝撃が加
わつても脱落する虞れがない。そして中皿１４を
交換する場合には、蓋体２を開放してから収納皿
９をスプリング１２の付勢力に抗して指で前方へ
摺動させると、該収納皿の後端の爪片１３が中皿
１４の突部１５から離れて係合が解除されるの
で、中皿１４の前端を持ち上げながら該中皿を凹
所６から取り出せば良い。この場合、収納皿９の
後端が開口となつているため、中皿１４のフラン
ジ１７を摘まんで取り出す操作は容易である。次
に、同形状の別の中皿を取り付けるには、収納皿
９がスプリング１２によつて後方へ押圧されてい
る位置においてこの中皿１４を凹所６の上方部か
ら押し込んでやると、該中皿の前端下縁が爪片１
３に作用して収納皿９を前方に摺動させながら凹
所６に嵌入し、しかる後収納皿９が後方へ摺動し
て中皿１４を該凹所内に保持するようになる。こ
のように、中皿１４の交換は極めて簡単な操作で
行ない得るものである。

次に、第３図乃至第５図は本願考案の第２の実
施例に係るコンパクト容器を示している。このコ
ンパクト容器では、容器本体１の凹所６の底面の
左右方向中央部から小さな突起３０を立設して該
突起の後面をテーパー面３０ａとなす一方、中皿
１４の突部１５を突起３０の上方に位置するよう
形成するとともに該突部に連なる中皿１４の前端
下縁３１をテーパー面３０ａと当接させており、
好ましくは該前端下縁を傾斜面に形成する。中皿
１４の前方に配置された収納皿９の爪片１３は前
記した実施例のそれよりも若干高く形成され、容
器本体１の突起３０に対応する部分の後面下端に
凹部３２が設けられており、この凹部３２の両側
からは収納皿９の底面が後方に向かつて延長され
て延長部３３を成している。延長部３３は中皿１
４の左右両側部に形成された溝３４を通つて空所
３５に達し、そこで上方に折曲されて鉤状となつ
ている。こうして中皿１４はその両側部において
収納皿９の延長部３３によつて担持されており、
該収納皿をスプリング１２の付勢力に抗して前方
へ摺動させると、収納皿９の爪片１３と中皿１４
の突部１５の係合が解除されるとともに、中皿１
４が収納皿９の延長部３３により前方へ移動し、
その前端下縁３１が容器本体１の突起３０のテー
パー面３０ａに沿つて持ち上がるため、中皿１４
は凹所６から一部離脱することとなる（第４図参
照）。従つて、この実施例では中皿１４を指で摘
まんで取り出す操作が一層容易なものとなる。

上述のように、本考案に係るコンパクト容器で
は容器本体の凹所に摺動自在に配設された収納皿
を前方へ摺動させるといつた極めて簡単な操作に
よつて中皿の取り出しを可能としたので、中皿の
交換が極めて簡単になり、また使用時にはスプリ
ングで後方に付勢された収納皿と容器本体の固定
壁とにより中皿を係合するから落下等の衝撃によ
つて該中皿が外れる虞れもなく、極めて便利なコ
ンパクト容器とすることが出来る。また、収納皿
の摺動に伴つて中皿を移動させ、該中皿の前端が
持ち上がるようにした場合には、中皿を取り出す
操作が更に簡単なものとなり、実用上非常に便利
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るコンパクト容
器を示す断面図、第２図は該容器の蓋体を開放し
て中皿を取り出した状態の断面図、第３図は本考
案の他の実施例に係るコンパクト容器を示す断面
図、第４図は該容器の中皿が一部持ち上がつた状
態の断面図、第５図は該容器の要部を拡大して示
す一部切欠斜視図である。 １……容器本体、６……凹所、７ａ……固定
壁、９……用具収納皿、１２……スプリング、１
３……係合部、１４……中皿、１５……突部、３
０……突起、３０ａ……テーパー面、３１……前
端下縁、３３……延長部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 容器本体の内部に凹所を形成して該凹所の前
   方部に後端が開口した用具収納皿を摺動自在に
   配設し、該凹所の後方部には中皿を配し、該収
   納皿の前端にこれを後方へ付勢する手段を設け
   るとともに該収納皿の後端縁部に係合部を形成
   し、該係合部に該中皿の前端に設けた突部を係
   止させる一方該中皿の後端縁部を該容器本体の
   後端の固定壁に係止させ、該収納皿を前方に摺
   動させることによつて該係合部と該中皿の該突
   部の係合が解除されて該中皿の取り出しを可能
   としてなることを特徴とする中皿を交換自在と
   したコンパクト容器。 (2) 前記容器本体の前記凹所の底面の一部にテー
   パー面を有する突起を形成して該テーパー面に
   前記中皿の前端下縁を当接させ、前記収納皿の
   前記後端縁部の一部を後方へ延長して該中皿を
   担持させ、該収納皿の前方への摺動に伴つて該
   中皿が前方へ移動し、その前端部が該テーパー
   面に沿つて押し上げられてなることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の中皿を
   交換自在としたコンパクト容器。