JPS6211532Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は化粧料容器に関するものである。

従来の化粧料容器は、コンパクト容器等に見ら
れるように、充填された化粧料を使い果した場合
に該容器ごと使い捨てるタイプのものが殆どであ
つたが、最近、省資源等の社会的要請や化粧料の
多様化，多色化の傾向などに起因して、容器とは
別体に形成された中皿に化粧料を充填し、この中
皿を容器に着脱自在に取り付けて、その化粧料が
なくなつた場合や他種の化粧料を携帯したい場合
に該中皿だけを交換できるようにしたものが普及
してきており、この種の化粧料容器としては現在
数種のものが知られている。

その最も簡単なものは接着剤または両面テープ
を用いて中皿を容器に取り付けているが、この場
合には中皿の交換が面倒で極端な場合は中皿ある
いは容器を破損してしまう虞れがあつた。また、
化粧料容器は時計などと一緒にハンドバツクの中
に入れられることが多いから、中皿の取り付けに
磁石を用いるとその磁性が他の携帯品に悪影響を
及ぼすことが多い。そこで凹凸嵌合によつてこれ
らを取り付けるようにしたものも提案されている
が、寸法の誤差のために嵌合が弱いと軽い衝撃で
も容易に外れてしまう不都合があり、逆に嵌合が
強過ぎると中皿の着脱が困難になるといつた問題
点があり、結局この種の化粧料容器ではこれまで
満足すべきものがなかつたのが現状である。

本願考案は上述のような事情に鑑みてなされた
もので、その目的は化粧料を充填した中皿の交換
を極めて簡単に行なうことが出来るとともに、衝
撃によつて中皿が偶発的に外れたりする虞れのな
い化粧料容器を提供することにある。

以下には添附図面を参照にして本願考案の好適
な実施例について説明する。

図中符号１は合成樹脂から形成された板状の容
器部を示しており、この容器部１の上面後方には
垂壁２がまた前方には爪片３がそれぞれ一体的に
立設されている。垂壁２は可撓性を有するように
若干肉薄に形成され、その外面やや上方には突起
４が後方へ突出しており、好ましくは該垂壁の上
端部に内方折曲部５を形成する。この垂壁２と対
向する爪片３は該垂壁よりも低く、その上端内側
はフツク部６となつていて、この爪片３と垂壁２
の間に化粧料８が充填された中皿７が前後方向遊
動可能に配置されている。

中皿７は合成樹脂から形成されており、その上
端周縁部及び下端周縁部にはそれぞれフランジ９
及びフツク状突部１０が設けられていて、該フラ
ンジの前端部９ａは爪片３の上方に充分なクリア
ランスをもつて位置するとともに、後端部９ｂの
一部は垂壁２の内方折曲部５の下方に位置するよ
うになつている。一方、フツク状突部１０はフラ
ンジ９よりも狭幅に形成され、好ましくは中皿７
が最後方にある時にその前端部１０ａが爪片３の
フツク部６と僅かに当接するよう形成する。

また、符号１１は断面逆Ｕ字形の合成樹脂製蓋
体を示しており、この蓋体１１を容器部１の垂壁
２及び爪片３の外側から冠着することによつて該
容器部とそこに配置された中皿７が被覆される。

上記した構成に係る化粧料容器において中皿７
を交換するには、第１図に示す蓋体１１の開放位
置で該中皿を最後方まで遊動させ、前端フランジ
９ａを持ち上げるようにすると突部１０ａがフツ
ク部６から簡単に外れ、以後該中皿を指で摘んで
取り出すことが出来、また別の中皿を取り付ける
にも、その後端部を垂壁２に押し付け、次いで前
端部を下方へ押圧すれば良く、こうして中皿７の
交換を素早くかつ極めて簡単に行なうことが出来
るのである。尚、この実施例では中皿７の前端に
フランジ９ａが設けられているので、該中皿の着
脱に際して指を当てがうのに便利である。

次に、中皿７を取り付けた状態で蓋体１１を容
器部１に冠着すると、第２図に示すように、該蓋
体の後部内面が垂壁２の突起４を前方へと押圧
し、該垂壁がその下端を支点として傾斜して中皿
７を爪片３の方向に遊動させる。このため該中皿
の前端突部１０ａは爪片３に押し付けられ、ここ
でフツク部６と完全に係合する一方、中皿７の後
端部は垂壁２によつて抑制されるので、この蓋体
１１を閉じた位置では中皿７は容器部１にしつか
りと係止される。従つて、この状態で落下等によ
り強い衝撃が加わつても中皿７は常に所定の位置
に保持され、化粧料８が散乱したり、蓋体１１を
開けた時に中皿７が外れ落ちたりすることがない
ものである。また、この実施例では垂壁２の上端
に内方折曲部５が形成されており、これが中皿７
の後端部を上方から抑え込むので該中皿の係止が
一層完全なものとなるほか、該折曲部は蓋体１１
の開放時に中皿７の不慮の脱落を防止するのにも
役立つ。

この化粧料容器は単独で用いることももちろん
出来るが、そこに収納された中皿７を別のコンパ
クト容器等に移し替えてから化粧料８を使用する
といつた利用方法も可能である。換言すれば本化
粧料容器は、コンパクト容器等の詰め替え用化粧
料を収納，携帯するためのものとして、該コンパ
クト容器等と組み合せて利用することも出来るも
のである。

尚、図示した実施例では中皿７の後端にもフラ
ンジ９及び突部１０が設けられているが、中皿７
の容量を増やしたい場合などにはこれらを省略し
て化粧料の収容スペースを延長することが可能で
ある。

上述したように本願考案に係る化粧料容器で
は、垂壁と爪片とが対向して立設された容器部を
断面逆Ｕ字形の蓋体によつて被覆可能とし、該垂
壁の外面に突起をまた該爪片の内側にフツク部を
それぞれ形成するとともに、該垂壁と該爪片の間
に化粧料を充填した中皿を遊動可能に配置し、該
中皿の少なくとも該爪片に面した下縁外面に係止
用突部を設け、該容器部を該蓋体で被覆すると該
突起が該蓋体によつて押圧されて該垂壁が該中皿
を該爪片の方向に遊動させ、これによつて該中皿
が該容器部に係止されることとしたので、該中皿
は所定位置にしつかりと保持され、落下等による
衝撃が加わつても外れたりする虞れが全くないと
ともに、該中皿の着脱は極めて簡単な操作で行な
うことが出来るから、単独でまたは別のコンパク
ト容器等と組み合せて用いるのに非常に便利なも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願考案の一実施例に係る化粧料容器
の蓋体を外した状態における縦断面図、第２図は
該蓋体を閉じた状態での縦断面図である。 １……容器部、２……垂壁、３……爪片、４…
…突起、６……フツク部、７……中皿、８……化
粧料、１０……突部、１１……蓋体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 垂壁と爪片とが対向して立設された容器部を断
   面逆Ｕ字形の蓋体によつて被覆可能とし、該垂壁
   の外面に突起をまた該爪片の内側にフツク部をそ
   れぞれ形成するとともに、該垂壁と該爪片の間に
   化粧料を充填した中皿を遊動可能に配置し、該中
   皿の少なくとも該爪片に面した下縁外面に係止用
   突部を設け、該容器部を該蓋体で被覆すると該突
   起が該蓋体によつて押圧されて該垂壁が該中皿を
   該爪片の方向へ遊動させ、これによつて該中皿が
   該容器部に係止されてなることを特徴とする化粧
   料容器。