JPH0610891Y2 - 化粧料容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、アイシャドー、アイライナー、ファンデー
ション、おしろい等の固型粉末化粧料を収納するための
化粧料容器に関し、特に容器本体から化粧料を充填した
交換用容器を交換自在とした化粧料容器に関する。

（従来の技術） 従来、アイシャドー、アイライナー、ファンデーショ
ン、おしろい等の固型粉末化粧料を収納するコンパクト
若しくは詰め替え用化粧料容器であって、蓋等で開閉自
在とした本体に収納凹所を形成し、該収納凹所に化粧料
を充填した中皿と称せられる交換用容器を交換自在に装
着したものは公知であり、中皿は収納凹所内に接着剤、
両面接着テープ等による接着又は摩擦的嵌合等の手段に
より装着されている。

（考案が解決しようとする問題点） このように、中皿が接着剤、接着テープ等で収納凹所内
に接着されているものにあっては、接着力が強すぎると
中皿の取り外しに力を要し、極端な場合は化粧料で手を
汚してしまったり、或は中皿に力がかかりすぎるため化
粧料を破損してしまうというおそれがあると共に、ワン
タッチで中皿を交換することが出来なかった。

又、逆に接着力が弱すぎると、落下の際の衝撃などによ
って中皿が容易に外れてしまい、同じく化粧料の破損を
生ぜしめることがあった。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するために第１の考案が採った手段
は、収納凹所(5)を有する本体(1)と、該収納凹所(5)内
に交換自在に装着される化粧料(6)を収納した交換用容
器(7)とからなり、収納凹所(5)の対向する内側面に係止
突条(8)(8′)を内方へ向かって突設し、該係止突条(8)
(8′)の突出量分だけ小さな寸法に形成した交換用容器
(7)の対向する外側面に前記係止突条(8)(8′)に係止す
る係止部(11)(11′)を備えた係止弾片(9)(9′)を形成
し、係止弾片の弾性変形により係止突条(8)(8′)と係止
部(11)(11′)の係合若しくはその解除を行うと共に、係
止弾片のいずれか一方の直下の本体底壁に押上孔(13)を
形成し、該押上孔(13)を介して係合解除のために係止弾
片を弾性変形させる棒状体を本体(1)の外方から挿入可
能としたことを特徴とする。

又、第２の考案が採った手段は、収納凹所(5)を有する
本体(1)と、該収納凹所(5)内に交換自在に装着される化
粧料(6)を収納した交換用容器(7)とからなり、収納凹所
(5)の対向する内側面に係止突条(8)(8′)を内方へ向か
って突設し、該係止突条(8)(8′)の突出量分だけ小さな
寸法に形成した交換用容器(7)の対向する外側面に前記
係止突条(8)(8′)に係止する係止部(11)(11′)を備えた
係止弾片(9)(9′)を形成し、係止弾片の弾性変形により
係止突条(8)(8′)と係止部(11)(11′)の係合若しくはそ
の解除を行うと共に、係止弾片のいずれか一方の直下の
本体底壁に、係合解除のための押上部(16)を上下方向に
屈曲自在に設け係止弾片を弾性変形可能としたことを特
徴とする。

（作用） この考案にかかる化粧料容器において、交換用容器を収
納凹所内に上方から挿入するとき、係止弾片の係止部が
係止突条に衝接するとともに、該係止弾片はその弾性に
より内方へたわみ作用を起こし、更に挿入すれば係止弾
片は逆に外方へたわみ、係止部が係止突条の下方に位置
して係止部が係止弾片に係合する。

又、逆に下方から係止弾片が押上げてたわませることに
より、係止部の係合が解除出来、交換用容器を簡単に本
体から取り出すことが出来る。

（考案の効果） 本考案の化粧料容器によれば、交換用容器の交換を極め
て簡単なワンタッチ操作により行うことが出来、使用上
極めて便利となる。

又、装着された交換用容器は係止突条と係止弾片との係
合により上方への抜け出しが阻止されている為、収納状
態が強固で安定しており、安心して使用することが出来
る。

かくして、中皿の交換操作に手間がかからず便利である
うえ交換の際の化粧料の破損等のおそれもなく、中皿が
偶発的にはずれてしまうことも防止出来る極めて使用性
の良好な化粧料容器を提供することが出来る。

本体底壁に押上孔を形成し、この押上孔を通してピン等
の棒状体を挿入し係合を解除するものにあっては、特別
な係合解除手段が不要で構造が簡単となり、コストの低
下を図ることが出来る。

更に、本体底壁に押上部を形成したものにあっては、押
上部が容器本体に付設されているのでピン等の取り外し
手段が不要となり手間がかからず、いつでも交換用容器
の交換が出来ると共にピン等によって容器を損傷するお
それもなくなる。

（実施例） 以下に図面を参照しつつ、この考案の好ましい実施例を
詳述する。図において(1)は、第１図に示すようにコン
パクト若しくは詰め替え用化粧量容器の本体であり、一
側に蓋体(2)が開閉自在に蝶着される。本体(1)と蓋体
(2)とは、蓋体(2)の前端中央に垂下形成された係合板
(3)と、本体(1)の前端中央外面に形成された係合部(4)
との係合により閉塞状態にロック可能であり、好ましく
は携帯に適する薄型に形成される。

本体(1)は第２図に示すように底壁と側壁とより構成さ
れる上面を開放した方形箱型形状であって、化粧料を収
納する収納凹所(5)が形成され、アイシャドー、アイラ
イナー、ファンデーション、おしろい等の固型粉末化粧
料(6)を充填した一般に中皿と称せられる交換用容器(7)
が、収納凹所(5)内に収納される。蓋体(2)の下面と化粧
料(6)の上面との間には好ましくは僅かな隙間が存す
る。

収納凹所(5)の左右両側壁の対向する位置には横長な係
止突条(8)(8′)が設けられる。

本体(1)の収納凹所(5)内に装着される化粧料(6)を充填
した中皿(7)は、第３図に示すように収納凹所(5)内に嵌
め込まれるような方形の皿形状であって、収納凹所(5)
より係止突条(8)(8′)の突出量分だけ小さい寸法に形成
される。

中皿(7)の上端左右両側縁部にはフランジ(14)が一体に
設けられており、フランジ(14)は収納された状態におい
て中皿(7)と収納凹所(5)との隙間を被覆する。

中皿(7)の左右両側壁には、前記係止突条(8)(8′)と係
合する係止弾片(9)(9′)が係止突条(8)(8′)と同様に対
向して形成されており、該係止弾片(9)(9′)はフランジ
(14)より垂下した舌片状であって、第７図に示すように
前記係止突条(8)(8′)に係合しあう外方に突出した係止
部(11)(11′)、及び該係止部(11)(11′)の反対面には内
方に斜めに屈曲した押圧部(10)(10′)を設けている。

底壁には前記係止弾片(9)(9′)の押圧部(10)(10′)のい
ずれか一方の直下に位置して、該係止弾片(9)の押圧部
(10)をピン(12)等により押圧可能な大きさを有する押上
孔(13)が形成される。

尚、所望により蓋体(2)の裏面には鏡(15)を固定してい
る。

中皿(7)を収納するに際しては、第７図に示すように中
皿(7)を本体(1)に上方より挿入する。これにより係止弾
片(9)(9′)の係止部(11)(11′)が係止突条(8)(8′)に衝
接し、該係止弾片(9)(9′)は内方へたわんだ後、該係止
部(11)(11′)が係止突条(8)(8′)の下方に位置して、係
止部(11)(11′)が係止突条(8)(8′)に係合し、上方への
抜け出しが阻止され、安定した状態で中皿(7)が収納凹
所(5)に装着保持される。

中皿(7)を収納凹所(5)より取り外すに際しては、ピン(1
2)等の手段で押上孔(13)より該係止弾片(9)の押圧部(1
0)を下方から押圧する。該係止弾片(9)は押圧により内
方へたわむと共に係止突条(8)と係止弾片(9)の係止部(1
1)との係合が解除され上方への抜け出しが許容されるた
め、極めて容易に中皿(7)を取り外すことができる。

第８、９図は前記押上孔(13)にかわって後述する押上部
(16)を底壁に形成したものであり、該押上部(16)は底壁
に数箇所連結部を残して切り欠きを設け上下方向に屈曲
可能とした板状部と、該押上部上面に植立した突起体(1
7)であって、屈曲した状態において係止弾片(9)の押圧
部(10)に衝接可能な突起体(17)とからなる。指先で直接
押上部(16)を押圧すれば前記ピン(12)と同様に係止弾片
をたわませることが出来、簡単に係合を解除出来る。

第１０〜１２図は他の変形を示す化粧料容器であって、
中皿に係止突条(8)(8′)を設け、収納凹所(5)に該係止
突条(8)(8′)に係合する係止弾片(9)(9′)を設けたもの
であり、該係止弾片(9)(9′)は成形上の便宜から好まし
くは第１２図に示すように容器本体とは別体に形成し、
あらかじめ容器本体の左右両側壁に設けた切り欠き内に
挿入することも可能である。

この考案にかかる化粧料容器が以上のような構成からな
るものであり方形箱型形状のものであるが、第４〜６図
に示すような丸型容器であっても同様の構成を採ること
ができる。

丸型容器にあっては、本体収納凹所内の周壁の対向する
位置に係止突条(8)(8′)を設けるとともに底壁の適宜位
置に押上孔(13)を形成し、更に、好ましくは位置合せ用
リブ(18)を形成する。一方、中皿の外周壁には前記係止
突条(8)(8′)に係合可能な係止断片(9)(9′)を設けると
ともに、前記位置合せリブ(18)に嵌合する嵌合溝(19)を
形成する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案にかかる化粧料容器を示すものであって、
第１図は中皿を装着した容器の斜視図、第２図は中皿を
取り外した容器本体の斜視図、第３図は中皿の斜視図、
第４〜６図は丸型化粧料容器にこの考案を適用した例を
示し、第４図は中皿を取り外した容器本体の斜視図、第
５図は中皿の斜視図、第６図は第４図の平面図、第７図
は中皿の脱着の過程を示す縦断面図、第８〜９図は押上
部の変形を示す図であって、第８図は一部分拡大斜視
図、第９図は中皿の取り外し過程を示す縦断面図、第１
０〜１２図は更に他の変形を示す化粧料容器であって、
第１０図は中皿を取り外した本体の斜視図、第１１図は
中皿の斜視図、第１２図は係止弾片の斜視図である。 (1)……本体、(2)……蓋体 (3)……係合板、(4)……係合部 (5)……収納凹所、(6)……化粧料 (7)……中皿 (8)……係止突条、(8′)……係止突条 (9)……係止弾片、(9′)……係止弾片 (10)……押圧部、(10′)……押圧部 (11)……係止部、(11′)……係止部 (12)……ピン、(13)……押上孔 (14)……フランジ、(15)……鏡 (16)……押上部、(17)……突起体 (18)……位置合せ用リブ、(19)……嵌合溝

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】収納凹所(5)を有する本体(1)と、該収納凹
   所(5)内に交換自在に装着される化粧料(6)を収納した交
   換用容器(7)とからなり、収納凹所(5)の対向する内側面
   に係止突条(8)(8′)を内方へ向かって突設し、該係止突
   条(8)(8′)の突出量分だけ小さな寸法に形成した交換用
   容器(7)の対向する外側面に前記係止突条(8)(8′)に係
   止する係止部(11)(11′)を備えた係止弾片(9)(9′)を形
   成し、係止弾片の弾性変形により係止突条(8)(8′)と係
   止部(11)(11′)の係合若しくはその解除を行うと共に、
   係止弾片のいずれか一方の直下の本体底壁に押上孔(13)
   を形成し、該押上孔(13)を介して係合解除のために係止
   弾片を弾性変形させる棒状体を本体(1)の外方から挿入
   可能としたことを特徴とする化粧料容器。
2. 【請求項２】収納凹所(5)を有する本体(1)と、該収納凹
   所(5)内に交換自在に装着される化粧料(6)を収納した交
   換用容器(7)とからなり、収納凹所(5)の対向する内側面
   に係止突条(8)(8′)を内方へ向かって突設し、該係止突
   条(8)(8′)の突出量分だけ小さな寸法に形成した交換用
   容器(7)の対向する外側面に前記係止突条(8)(8′)に係
   止する係止部(11)(11′)を備えた係止弾片(9)(9′)を形
   成し、係止弾片の弾性変形により係止突条(8)(8′)と係
   止部(11)(11′)の係合若しくはその解除を行うと共に、
   係止弾片のいずれか一方の直下の本体底壁に、係合解除
   のための押上部(16)を上下方向に屈曲自在に設け係止弾
   片を弾性変形可能としたことを特徴とする化粧料容器。