JPH0530655Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は化粧料や化粧用具を収納し得るコンパ
クト容器に係り、特に化粧料皿を簡単に着脱して
取り替えることが出来るコンパクト容器に関する
ものである。

〈従来の技術〉 化粧皿を簡単に着脱し得るこの種のコンパクト
容器としては例えば実公昭61−7605号公報に示す
如き技術が公知である。この技術はカギ状に形成
された柄と腕とよりなるクランクレバーを化粧料
皿に隣接して取り付け、このクランクレバーの作
用によつて化粧料皿を押し上げて容器より取り出
すことが出来るように構成した技術である。

〈考案が解決しようとする問題点〉 然るに前述の従来の技術に於いては特別の構造
を持つたクランクレバーを別に用意すると共にこ
れを容器のコーナー部に化粧料皿に隣接してセツ
トしなけらばならず、構造が複雑である為に組立
構成に手間取ると共にコスト高になり、更に故障
も多い等の問題点があつた。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案に係るコンパクト容器は上述の従来技術
の問題点に鑑み開発された技術であつて、身と蓋
とを開閉自在に蝶着してなるコンパクト容器に於
いて、身内の一方に化粧料皿を収納すると共にそ
の他方に筆皿を揺動自在に収納し、更に筆皿の下
側部に化粧料皿を押し上げることが出来る突片を
突設して構成したことを特徴としたコンパクト容
器である。

〈作用〉 本考案に係る容器に於いては上述の如く、身の
中に化粧料皿に隣接して筆皿を並列して収納し、
かつこの筆皿を容器内に於いて揺動し得る如く設
け、更にこの筆皿を揺動した際にはこの筆皿の下
側部に突設した突片が隣接して収納された化粧料
皿の底部を押し上げることが出来るように構成し
たので、化粧料皿を容器から取り出す場合には筆
皿の上側縁を押圧することによつて化粧料皿を容
器内で持ち上げると共にこれによつて化粧料皿を
容器の身の内壁との嵌合から解放し、簡単に取り
出すことが出来る。

又新しい化粧料皿を容器内に収納する場合には
筆皿に隣接した凹所にこれを圧入することによつ
て、その化粧料皿の底面を筆皿の突片上に載置す
ると共に化粧料皿の外側面と身との内壁面とを簡
単に嵌合することが出来る。

〈実施例〉 図により本考案に係るコンパクト容器の一実施
例を具体的に説明すると、第１図乃至第３図に於
いて、１は本考案のコンパクト容器の身であり、
蓋２が開閉自在に蝶着されている。又身１と蓋２
とは夫々の開口部に設けたフツク３，４の噛合に
よつて開閉し得る如く構成されている。この身１
の内底面所定位置には身１を左右に２分割し得る
位置に数個の係止突起５が所定の間隔を保つて起
立突設され、この係止突起５によつて化粧料皿６
の収納部Ａと筆皿７の収納部Ｂとに区分けし、か
つ収納部Ｂの方が収納部Ａの底面より僅かに低く
構成されている。収納部Ａの片内側には前記係止
突起５に対応する位置に突条８が水平に設けら
れ、又収納部Ｂの両内妻には穴９が穿設されてい
る。

数個の化粧料皿６は夫々前記収納部Ａに嵌入さ
れる所定の幅を有し、かつその前後両端外側には
前記係止突起５と突条８とに夫々噛合し得るフツ
ク１０が設けられている。又筆皿７は収納部Ｂに
嵌入される所定の幅を有し、かつその左右両外側
には前記穴９に嵌入し得る凸起１１が突設され、
かつこの筆皿７の下後側部（係止突起５に隣接し
て収納する側の下部）には並列された複数個の係
止突起５の〓間の底面に挿入される突片１２が突
設され、更に筆皿７の前側底部は特に第１図の断
面図に示す如く、徐々に肉薄に持ち上がつて身１
の底面との間に〓間ａが出来る如く形成されると
共にこの筆皿７を収納部Ｂに収納した際には後上
端縁ｂが身１の上端縁より僅かに上方に突出する
如く構成されている。

本考案に係る容器の組立に当たつては、第１図
に示す如く、先ず収納部Ｂに筆皿７を挿入し、そ
の凸起１１を身１の穴９に挿入して筆皿７を揺動
自在にし、かつその突片１２を係止凸起５間の底
面に挿入し、次に化粧料皿６を収納部Ａに挿入
し、そのフツク１０を夫々係止凸起５と突条８と
に噛合係止し、同時に一方のフツク１０を前記突
片１２上に位置せしめて全体を組立構成する。

化粧料皿６を身１から取り出す場合には第２図
に示す如く、筆皿７の後上端縁ｂを押圧すること
によつて筆皿７を両側の凸起１１を中心に揺動
し、突片１２でフツク１０を押し上げ、これによ
つてフツク１０と係止突起５との噛合を解放し、
化粧料皿６を持ち上げて簡単に取り出すことが出
来る。

上記実施例に於けるフツク１０と係止突起５或
いは突条８との噛合は単なる凹凸方式による噛合
であつても良い。又収納部Ａ，Ｂの底面には段差
を設けずに突片１２の肉厚分だけフツク１０を持
ち上げる如く設計することも可能である。筆皿７
の揺動手段はその底部の肉厚で調節するのみなら
ず、全体を身１の底面から浮かせたり、或いは筆
皿７の下底面中央に揺動の為の突条（突起）等を
設けることによつても揺動し得る如く構成するこ
とも可能である。

〈考案の効果〉 本考案に係るコンパクト容器は上述の如き構造
と作用とを有するので、身の中に化粧料皿と筆皿
とを並列して収納することが出来、かつ筆皿を揺
動させることによつて化粧料皿を確実に押し上げ
て簡単に取り出すことが出来、更に全体の構造が
簡単であるので組立構成が容易で故障も少なく、
しかも安価に大量生産することが出来る等の特徴
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の容器の断面説明図、第２図は
その使用説明図、第３図は部品を示す斜視図であ
る。 １は身、２は蓋、３，４，１０はフツク、５は
係止突起、６は化粧料皿、７は筆皿、８は突条、
１１は凸起、１２は突片である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 身１と蓋２とを開閉自在に蝶着し、かつ身１内
   に化粧皿６と筆皿７とを並列して収納したコンパ
   クト容器に於いて、前記化粧皿６は身１の底面に
   起立された係止突起５と身１の内壁面に突設され
   た突条８とによつて係止されており、かつ前記筆
   皿７はその外面に突設された突起１１を身１の内
   壁面に穿設された穴９に挿入することによつて身
   １内に揺動自在に収納されており、更に該筆皿７
   の下側部に突設された突片１２が隣接された化粧
   皿６の底面に当接されて構成されていることを特
   徴としたコンパクト容器。