JPH10192043A - 化粧料容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器本体に収容されたレフィル容器の着脱を
スムーズに行うことができ、かつ、不意に中蓋が開いて
しまうことがないようにする。 【解決手段】 容器本体１２の内側を、左右両側壁の中
間部分を繋ぐ仕切壁２６によって前方収容部２８と後方
収容部３０に隔成し、前方収容部２８をレフィル容器３
２の収容部とする。仕切壁２６の略中央部に上向きの切
欠部２６ａを形成する。レフィル容器３２の皿部本体３
４の後端部に、第２蝶番部３８を介して中蓋３６を蝶着
する。第２蝶番部３８をレフィル容器３２の後端部から
突出状態で設ける。レフィル容器３２を前方収容部２８
に収容した際に、第２蝶番部３８を仕切壁２６の切欠部
２６ａに挿入する。レフィル容器３２の取り外しは、後
方収容部３０側から第２蝶番部３８後方に指を添えて、
第２蝶番部３８に上方の押し上げ力を作用させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、開閉可能に蓋体が
蝶着された容器本体内に、中蓋を開閉可能に蝶着して化
粧料を収納するレフィル容器が収容される携帯用の化粧
料容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】化粧料の携帯用に化粧料容器が用いられ
るが、該化粧料容器は容器本体内に化粧料を収納すると
共に、容器本体の後端部に開閉自在に蝶着される外蓋で
容器本体上側を全体的に覆うようになっている。そし
て、容器本体と外蓋との前端部間に設けられるフック機
構で外蓋の閉止状態が保持され、かつ、このフック機構
を解除するための操作ボタンが容器本体の前端部から突
出されるのが一般的な構造となっている。

【０００３】ところで、この種の化粧料容器としては実
開昭５８−４００３号公報に開示されるように、容器本
体の収容部内に化粧料を収納したレフィル容器を着脱可
能に収容するようにしたものがある。このように、レフ
ィル容器を着脱可能とすることにより、種類の異なる化
粧料とか異なる色の化粧料等を収納した他のレフィル容
器と簡単に交換することができる。

【０００４】前記レフィル容器は中蓋が開閉可能に蝶着
されることにより構成され、容器本体の外蓋が閉位置に
あるときに、中蓋が該外蓋で押圧されて、中蓋の閉止状
態が保持されるようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の化粧料容器にあっては、レフィル容器を交換しよ
うとして容器本体から該レフィル容器を取り出す際に、
中蓋を掴んで持ち上げると該中蓋が開いてしまうことが
あり取り外しにくい。またこのように中蓋が不意に開い
てしまうと化粧料の表面に指先が触れてキズがついたり
手が汚れたりして、使い勝手が悪いという課題があっ
た。

【０００６】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て、容器本体に収容されたレフィル容器の着脱をスムー
ズに行うことができ、かつ、不意に中蓋が開いてしまう
ことがないようにした化粧料容器を提供することを目的
とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明は、後端部に設けた第１蝶番部を介して蓋体
が開閉可能に蝶着される容器本体と、該容器本体内を前
後２つの収容部に隔成し、前方側の収容部をレフィル容
器収容部とする仕切壁と、前記レフィル容器収容部内に
着脱可能に収容され、かつ、後端部に突出状態で設けら
れる第２蝶番部を介して中蓋が開閉可能に蝶着され、化
粧料を収納するレフィル容器とを備え、前記仕切壁に上
向きの切欠部を形成し、該切欠部に前記レフィル容器の
第２蝶番部を挿入する構成とする。

【０００８】以上の構成により本発明の化粧料容器にあ
っては、仕切壁によって前後２つの収容部に隔成された
容器本体内部の、前方側の収容部をレフィル容器収容部
としてあり、該レフィル容器収容部にレフィル容器を収
容する際、レフィル容器の後端部に突出状態で設けられ
た第２蝶番部が、上記仕切壁に形成した切欠部に挿入さ
れるようになっている。このため、レフィル容器の交換
時には、前後２つに隔成された収容部のうち後方側の収
容部から指を差し込んで、上記切欠部に挿入された第２
蝶番部を上に持ち上げることにより、レフィル容器が簡
単に取り出せる。

【０００９】このとき、レフィル容器の第２蝶番部のみ
に持ち上げ力が作用するため、中蓋にはこれを開く力が
何ら作用することはなく、従って、中蓋の閉止状態を保
持しつつレフィル容器全体を取り外すことができる。こ
のため、容器本体に収容されたレフィル容器の着脱をス
ムーズに行うことができるとともに、不意に中蓋が開い
てしまうことを確実に防止することができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。図１から図４は本発明の
一実施形態を示し、図１はレフィル容器を取り外した状
態を示す斜視図、図２は化粧料容器の蓋体を閉止した断
面図、図３は蓋体および中蓋を開動した状態の要部断面
図、図４はレフィル容器の取り外し状態を示す断面図で
ある。

【００１１】即ち、本実施形態の化粧料容器１０は図
１，図２に示すように、容器本体１２と、この容器本体
１２の後端部に第１蝶番部１４を介して蝶着される蓋体
１６とを備える。容器本体１２は前後，左右の側壁１２
ａ，１２ｂ，１２ｃ，１２ｄと底面１２ｅとを備えた矩
形状の皿形に形成される。

【００１２】前記第１蝶番部１４は、後方側壁１２ｂに
形成される凹部１４ａに、蓋体１６の取付側端部中央に
形成される凸部１４ｂが嵌合され、これら凹部１４ａと
凸部１４ｂとに跨がって両側から蝶番ピン１４ｃが挿入
されることにより構成される。また、前記蓋体１６には
開閉側端部中央から第１フック１８が突設される一方、
容器本体１２の前方側壁１２ａの中央部に設けた凹設部
２０内に第１凸部２２が形成され、これら第１フック１
８と第１凸部２２とは、蓋体１６の閉じ状態で係脱可能
に係合され、この係合状態で蓋体１６の閉止状態が保持
される。また、前記蓋体１６の裏面１６ａに形成された
凹部１６ｂには、バニティミラー２４が嵌合固定されて
いる。

【００１３】この容器本体１２の側壁１２ａ，１２ｂ，
１２ｃ，１２ｄで囲繞された内側は、左右両側壁１２
ｃ，１２ｄの中間部分を繋ぐ仕切壁２６によって、前方
収容部２８と後方収容部３０の２つの収容部に隔成され
る。そして、これら前後２つの収容部２８，３０のう
ち、前方収容部２８を後述するレフィル容器３２の収容
部とし、かつ、後方収容部３０をパフ等の化粧具の収容
部としてある。また、前記仕切壁２６の略中央部には上
向きの切欠部２６ａが形成されている。

【００１４】前記前方収容部２８に収容されるレフィル
容器３２は、化粧料が収納される皿部本体３４と、この
皿部本体３４の上面を閉止する中蓋３６とを備える。中
蓋３６は一端部が第２蝶番部３８を介して皿部本体３４
の後端部に開閉可能に蝶着される。

【００１５】前記第２蝶番部３８はレフィル容器３２の
後端部から突出状態で設けられ、皿部本体３４の後端か
ら突設される一対の凸部３８ａ，３８ａ間に、中蓋３６
の取付側端部中央から突設される延設部３８ｂが嵌合さ
れ、これら凸部３８ａ，３８ａおよび延設部３８ｂに跨
がって蝶番ピン３８ｃが挿入されることにより構成され
る。そして、レフィル容器３２を前記前方収容部２８に
収容した際に、前記第２蝶番部３８は前記仕切壁２６の
切欠部２６ａに挿入される。このとき、第２蝶番部３８
と切欠部２６ａ上面との間に所定の間隙δ（図２参照）
が設けられる。

【００１６】また、前記中蓋３６の開閉側端部中央に第
２フック４０が垂設される一方、皿部本体３４の前端部
中央に形成した凹設部４２に第２凸部４４（図２参照）
が突設され、これら第２フック４０と第２凸部４４とは
中蓋３６の閉じ状態で係脱可能に係合され、この係合状
態で中蓋３６の閉止状態が保持される。

【００１７】前記皿部本体３４には、前記凹設部４２の
第２凸部４４下方部分に係合凹部３４ａが形成されると
共に、後端部両側に一対の係合凸部３４ｂが形成され
る。一方、前記前方収容部２８の底面１２ｅから前記係
合凹部３４ａに対応して爪片２８ａが立設されると共
に、仕切壁２６の内側に前記係合凸部３４ｂに対応して
係合凹部２８ｂが形成される。そして、レフィル容器３
２を前方収容部２８に収容した際に、前記係合凹部３４
ａが前記爪片２８ａに弾発力をもって係脱可能に係合さ
れると共に、前記係合凸部３４ｂが前記係合凹部２８ｂ
に係脱可能に係合される。

【００１８】また、前記皿部本体３４は、図２に示すよ
うに厚肉状に形成された周壁３４ｄの厚さ方向中央部に
連続する溝部３４ｅが形成され、該溝部３４ｅ内にパッ
キング４６が嵌合される。そして、中蓋３６の閉止状態
では、前記パッキング４６の上端（本実施形態ではすり
鉢状に傾斜されている）に、中蓋３６の裏面３６ａに突
設された環状の突起３６ｂが擦動しつつ圧接されること
により、皿部本体３４内が密閉されるようになってい
る。また、皿部本体３４の内側に化粧料を充填する皿体
４８が嵌着されている。

【００１９】以上の構成により本実施形態の化粧料容器
１０にあっては、蓋体１６および中蓋３６が閉止された
状態では、図２に示したように第１フック１８が第１凸
部２２に係合されると共に、レフィル容器３２の第２フ
ック４０が第２凸部４４に係合されている。殊に、中蓋
３６が完全に閉じられていない場合にあっても、蓋体１
６を閉じることにより、この蓋体１６の裏面（本実施形
態ではバニティミラー２４の鏡面）で中蓋３６の上面を
押圧して、この中蓋３６を確実に閉止することができ
る。従って、中蓋３６の閉め忘れを防止して、レフィル
容器３２の気密状態を保証することができる。

【００２０】次に、レフィル容器３２内の化粧料を使用
する際には、前記第１フック１８と前記第１凸部２２と
の係合を解除して図３に示すように蓋体１６を押し開け
ると共に、レフィル容器３２の前記第２フック４０と第
２凸部４４との係合を解除して中蓋３６を押し開ける。
このとき、レフィル容器３２の第２蝶番部３８と仕切壁
２６の切欠部２６ａ上面との間に間隙δを設けてあるの
で、中蓋３６の取付側端部は該間隙δ部分に進入可能
で、図３に示すように中蓋３６は大きく開動される。

【００２１】ところで、前記レフィル容器３２は前方収
容部２８に着脱可能に収容されて交換が可能となってい
るが、該レフィル容器３２を前方収容部２８から取り外
す際には、まず、中蓋３６を閉止した状態で蓋体１６の
みを開ける。そして、後方収容部３０側からレフィル容
器３２の第２蝶番部３８後方に指を添える等して、該第
２蝶番部３８に前方かつ上方への押し上げ力を作用させ
る。

【００２２】すると、レフィル容器３２の後端部は、図
４に示すように前端部の係合凹部３４ａに係合した爪片
２８ａ部分を中心として、係合凹部２８ｂと係合凸部３
４ｂとの係合が解除されつつ上方に持ち上がる。その後
はレフィル容器３２を掴んで持ち上げることにより、該
レフィル容器３２を前方収容部２８から簡単に取り外す
ことができる。

【００２３】このように、前記レフィル容器３２の取り
外し時には、第２蝶番部３８のみに押し上げ力を作用さ
せることができるため、中蓋３６には何ら開く力が作用
することはなく、従って、中蓋３６の閉止状態を保持し
つつレフィル容器３２全体を簡単に取り外すことができ
る。このため、容器本体１２に収容されたレフィル容器
３２の着脱をスムーズに行うことができるとともに、不
意に中蓋３６が開いてしまうことを確実に防止すること
ができる。

【００２４】一方、前記レフィル容器３２の装着時に
は、第２蝶番部３８を仕切壁２６の切欠部２６ａに一致
させて、該レフィル容器３２を前方収容部２８内に単に
押し込むことにより、簡単に取り付けることができる。
このとき、係合凹部３４ａと爪片２８ａとが係合される
と共に、係合凸部３４ｂと係合凹部２８ｂとが係合さ
れ、これによりレフィル容器３２が前方収容部２８内に
嵌合されて離脱されるのが防止される。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように本発明の化粧料容器
にあっては、容器本体内部を仕切壁によって前後２つの
収容部に隔成して、前方側のレフィル容器収容部にレフ
ィル容器を収容する際、該レフィル容器の後端部に突出
状態で設けられた第２蝶番部が、上記仕切壁に形成した
切欠部に挿入されるので、レフィル容器の交換時には、
前後２つに隔成された収容部のうち後方側の収容部から
指を差し込んで、上記切欠部に挿入された第２蝶番部を
上に持ち上げることにより、レフィル容器を簡単に取り
出すことができる。このとき、レフィル容器の第２蝶番
部のみに持ち上げ力を作用させることができるため、中
蓋の閉止状態を保持しつつレフィル容器全体を取り外す
ことができ、容器本体に収容されたレフィル容器の着脱
をスムーズに行うことができるとともに、不意に中蓋が
開いてしまうことを確実に防止することができるという
各種優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示すレフィル容器を取り
外した状態の斜視図である。

【図２】本発明の一実施形態を示す化粧料容器の蓋体を
閉止した断面図である。

【図３】本発明の一実施形態を示す蓋体および中蓋を開
動した状態の要部断面図である。

【図４】本発明の一実施形態を示すレフィル容器の取り
外し状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１０ 化粧料容器 １２ 容器本体 １４ 第１蝶番部 １６ 蓋体 ２６ 仕切壁 ２６ａ 切欠部 ２８ 前方収容部 ３０ 後方収容部 ３２ レフィル容器 ３４ 皿部本体 ３６ 中蓋 ３８ 第２蝶番部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名越 雅彦 神奈川県横浜市港北区新羽町1050 株式会 社資生堂第１リサーチセンター内 (72)発明者 柚原 幸知 東京都墨田区立花５丁目29番10号 吉田工 業株式会社内 (72)発明者 鬼沢 一郎 東京都墨田区立花５丁目29番10号 吉田工 業株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 後端部に設けた第１蝶番部を介して蓋体
   が開閉可能に蝶着される容器本体と、 該容器本体内を前後２つの収容部に隔成し、前方側の収
   容部をレフィル容器収容部とする仕切壁と、 前記レフィル容器収容部内に着脱可能に収容され、か
   つ、後端部に突出状態で設けられる第２蝶番部を介して
   中蓋が開閉可能に蝶着され、化粧料を収納するレフィル
   容器とを備え、 前記仕切壁に上向きの切欠部を形成し、該切欠部に前記
   レフィル容器の第２蝶番部を挿入したことを特徴とする
   化粧料容器。