JPH0325692Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、容器本体内に化粧料等を収納する中
皿を着脱自在に取り付けたコンパクト容器に関す
るものである。

「従来の技術」 従来よりコンパクト容器内の化粧料をカートリ
ツジ化して、これを取り替え可能としたコンパク
ト容器が種々提案されている。その目的とすると
ころは、容器内に収納した化粧料を使いきつた場
合、化粧料の詰められた新しい中皿と交換して再
度同一のコンパクト容器を使用しようとするもの
であり、ユーザーの金銭的負担をできる限り少な
くして、豊富な化粧料を数多くユーザーに提供し
ようとすることにある。

ところで、この種のコンパクト容器では、化粧
料を使いきつた場合、化粧料の詰められた新しい
中皿（ドラム）と交換して使用するのが一般的で
ある。この場合、容器本体内に嵌め込まれている
使用済み中皿を取り出した後、新しい中皿をセツ
トする必要がある。そこで、従来のコンパクト容
器などにおいては、中皿の取り付けに当たつて、
これをのりずけしたり、あるいは超音波溶着をし
たりしていた。一方、使用済み中皿を取り出し易
くする目的で、容器本体の底板に小孔を設けてお
き、この小孔に挿入できるピンなどを利用して中
皿を押し上げることができるように配慮されてい
る。

「考案が解決しようとする問題点」 しかしながら、このような従来構造のコンパク
ト容器では、中皿の取り付けが面倒であり、また
単に小孔設けた構造のものでは、中皿を押し上げ
るためのピンを必要とするため、これを携帯して
いなかつたり、身近に無いときなどに中皿を押し
上げて取り出すことができないという不具合があ
つた。

本考案は、以上のような点を考慮してなされた
もので、従来のようにピンなどの治具を何等必要
とせず、指先などによつて、簡単に中皿を交換す
ることができるコンパクト容器を提供するとを目
的としている。

「問題点を解決するための手段」 本考案は、容器本体と、該容器本体の後壁部に
縦回動自在に連結された蝶番部材と、該蝶番部材
に縦回動自在に連結され前記容器本体を覆う蓋体
とを備えたコンパクト容器において、前記容器本
体内に、化粧料等を収納する中皿を着脱自在に設
け、かつ、前記蝶番部材に、中皿の収納状態にお
いて、中皿の上面に当接しこれを容器本体内に固
定する突出部を設け、さらに、前記容器本体と蝶
番部材との間に、蝶番部材の突出部が中皿を押圧
しているときに、蝶番部材の縦回動を規制する係
止機構を設けたものである。

「作用」 コンパクト容器内の化粧料を交換する場合、蓋
体を開け、次に蝶番部材と容器本体との係合を解
く。この操作によつて、中皿が、蝶番部材の突出
部による押圧状態から解放されて、容器本体の後
部から取り出し可能になるものである。

「実施例」 以下、本考案の一実施例を第１図ないし第５図
を参照して説明すると、このコンパクト容器は、
矩形受皿状の容器本体１の後壁部１ａに、蝶番部
材２が縦回動自在にヒンジ結合されるとともに、
該蝶番部材２に容器本体１を覆う蓋体３が縦回動
自在にヒンジ結合され、容器本体１のフツク４に
蓋体３のフツク５を係止させて閉状態を保持する
基本構成になつている。

前記容器本体１は、その前壁部１ｂに凹部６が
設けられるとともに、この凹部６の奥面６ａに前
記フツク４が突設され、また矩形周壁により囲ま
れた収容凹所は、前後の壁部１ａ，１ｂに沿つて
平行に延びる仕切壁７によつて仕切られた前部収
容凹所８と後部収容凹所９とから構成されてい
る。

前記後部収容凹所９は、化粧料等が収容される
中皿１０を着脱自在に収納するところであり、該
後部収容凹所９側の仕切壁７上部には、内方に突
出する係合リブ１１が突設されるとともに、容器
本体１の後壁部１ａには、内外に連通する開口部
１２が形成されている。

前記蝶番部材２は、容器本体１の開口部１２に
収納される大きさに形成され、容器本体１の後壁
部１ａにヒンジピン１３を介して縦回動自在に連
結され、後述する係止機構１４によりその縦回動
が規制されるようになつている。また、この蝶番
部材２の内面には、容器本体１内に突出する突出
部１５が設けられ、中皿１０の上面を押圧してこ
れを容器本体１内に固定するようになつている。

蝶番部材２の縦回動を規制する係止機構１４に
ついて説明をすると、これは、容器本体１の後壁
部１ａ上面に長さ方向に沿つて形成された係止溝
１６と、蝶番部材２の両側部に突設され係止溝１
６に係合する係合凸部１７とから構成され、蝶番
部材２の突出部１５が中皿１０の上面を押圧して
いるときに、係合状態を保持して中皿１０を容器
本体１内に固定するようになつている。なお、本
実施例では、係止溝１６を容器本体１に、係合凸
部１７を蝶番部材２にそれぞれ設けたが、これら
を逆に形成する構成としても良い。

前記蓋体３は、蝶番部材２の上部にヒンジピン
１３を介して縦回動自在に連結されており、その
前縁部にフツク５を有する係合突片１８が垂設さ
れ、また内面に鏡１９が貼付されている。

次に、このように構成された本実施例の作用に
ついて説明すると、中皿１０を交換する場合、第
３図に示すような閉状態から蓋体３の前縁部をも
つて、これを開方向へ回動させ、容器本体１のフ
ツク４と蓋体３のフツク５との係合を解く（第４
図参照）。次いで、蓋体３を持つた状態で、さら
にこれを開方向へ回動させて、第５図に示すよう
に、容器本体１と蝶番部材２との係合を解く。こ
れらの操作によつて、中皿１０は、蝶番部材２の
突出部１５による押圧状態から開放されるので、
中皿１０を指先などで後部から持ち上げれば、簡
単に取り外すことができるものである。

一方、中皿１０の収納は、前述した操作とは逆
の手順により行う。すなわち、中皿１０を容器本
体１の後壁部１ａから嵌め込み、蝶番部材２を持
ち上げて、その係合凸部１７を容器本体１の係止
溝１６に係合させ、突出部１５により中皿２の上
面を押さえ付ければ良い。

また、この状態（すなわち、蝶番部材２が容器
本体１に対して縦回動が規制された状態）で蓋体
３を開閉することにより、通常に使用することが
できるものである。

また、第５図に示すように、容器本体１と蝶番
部材２との係合を解いた状態で、蓋体３を大きく
開いて、容器本体１の下に位置させると、蓋体３
を取り外したのとほぼ同じ状態となり、例えばシ
ヨーウインドーなどに飾る際に適しているといつ
た長所もある。

第６図は本考案の他の実施例を示すもので、こ
れは、第１図などに示した中皿１０に代えて、フ
ランジ部１０ａを有する中皿１０′を装着したも
のである。すなわち、本実施例では、中皿１０′
の周壁に突条１０ｂを設け、これに対応する仕切
壁７の内面に、突条１０ｂに係合する係止段部２
０を設けたものである。

なお、本実施例では、中皿１０′がフランジ部
１０ａを有しているので、その交換がさらに容易
であるといつた利点がある。

また、第７図は本考案の別の実施例を示すもの
で、前述した２つの収容凹所をもつ容器本体１に
代えて、中皿１０だけを収納するようにした容器
本体１′に適用したものであり、このように本考
案では、容器本体、中皿、蓋体の形状に限定され
るものではない。

「考案の効果」 以上説明したように、本考案によれば、蝶番部
材を、容器本体と蓋体の両部材に対し縦回動自在
に構成し、蝶番部材に設けた突出部により中皿を
固定するようにしたので、中皿をテコの原理によ
り小さい力で確実に押さえることができ、しかも
その交換を容易に行うことができるといつた優れ
た効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案の一実施例を示す
もので、第１図は、容器本体、蝶番部材、蓋体な
どの分解斜視図、第２図はこれらを組み立てた状
態を示す斜視図、第３図ないし第５図は作用を説
明するために示したもので、それぞれ中央縦断面
図、第６図は本考案の他の実施例を示す中央縦断
面図、第７図は本考案の別の実施例を示す中央縦
断面図である。 １……容器本体、２……蝶番部材、３……蓋
体、１３……ヒンジピン、１４……係止機構、１
５……突出部、１６……係止溝、１７……係合凸
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体と、該容器本体の後壁部に縦回動自在
   に連結された蝶番部材と、該蝶番部材に縦回動自
   在に連結され前記容器本体を覆う蓋体とを備えた
   コンパクト容器において、前記容器本体内には、
   化粧料等を収納する中皿が着脱自在に設けられ、
   かつ、前記蝶番部材には、中皿の収納状態におい
   て、中皿の上面に当接しこれを容器本体内に固定
   する突出部が設けられ、さらに、前記容器本体と
   蝶番部材との間には、蝶番部材の突出部が中皿を
   押圧しているときに、蝶番部材の縦回動を規制す
   る係止機構が設けられていることを特徴とするコ
   ンパクト容器。