JP3740648B2 - コンパクト容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、流動性のある化粧料や揮発性化粧料を収納するのに好適な螺子蓋を用いた気密性に優れたコンパクト容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
気密性を必要とする化粧料をコンパクト容器内に気密に収納するには、螺子蓋を用いたねじ込み式の密閉手段が最も確実性が高く、かかる従来例として、実公昭61ー12895号公報の第二実施例として開示されものが知られている。
【0003】
図10に示すように、この従来のコンパクト容器は、容器本体51と蓋体52と中板53とが後部でヒンジ結合されたコンパクト容器であって、前記中板53の上面中央部に立設された化粧料の収容部54を形成する環状壁55の外周面に雄螺子56が設けられ、前記雄螺子56に螺合する雌螺子(図示略)を内周面に設けた螺子蓋57が前記環状壁55に螺着されてなるもので、化粧料の密閉は螺子蓋57のねじ込みでなされるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来のコンパクト容器にあっては、螺子蓋57が自由に着脱でき気密性が高く保たれる操作性の良いねじ込み式であるが、化粧をするときには、コンパクト容器を開蓋し、更に螺子蓋57を取り外さねばならず、二重の開閉操作が必要となって取り扱いが面倒であった。
【0005】
また、化粧をするとき取り外した螺子蓋57は、コンパクト容器の外に置くので、誤って紛失したり、落として螺子蓋57を汚してしまうことがあり、化粧中には邪魔な存在となっていた。
【0006】
更に、化粧料を使いきって新しい化粧料と交換するときは、螺子蓋57を取り外して化粧ドラムの交換作業を行うので、誤って化粧料に手が触れたりして取り扱いが難しかった。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、螺子蓋を用いて気密性を確実にするとともに、化粧料を密閉したまま交換できる取り扱い易いコンパクト容器にすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るコンパクト容器は、上面が開放され周壁の一部を切り欠いた収納部を有する容器本体と、周壁の一部を切り欠くとともに複数の係合片を内設した貫通孔が天板に穿設され前記容器本体の後端で蝶着された蓋体と、化粧料が収納されたケース本体の外周に螺子蓋が螺合されて構成され前記収納部に着脱自在に装着されたカートリッジケースと、を具備してなるコンパクト容器において;前記貫通孔に嵌脱自在に且つ回動可能に嵌着する係着盤を前記螺子蓋の天板に回動不能に突設するとともに前記螺子蓋の外周壁には前記容器本体の周壁の切欠部に露出する操作レバーが突設されている事を特徴としている。
【0009】
本発明の請求項2に係るコンパクト容器は、請求項1に記載のコンパクト容器において、係着盤を貫通孔に回動可能に嵌着するとともに螺子蓋に回動不能に立設した代わりに、前記係着盤を前記貫通孔に回動不能に嵌着するとともに前記螺子蓋とは回動可能に係着させたことを特徴としている。
【0010】
【作用】
本発明のコンパクト容器にあっては、操作レバーを作動させることにより、コンパクト容器の蓋体とカートリッジケースの螺子蓋は同時に開閉する
【0011】
また、カートリッジケースの螺子蓋は、コンパクト容器の蓋体が開かれると自動的にコンパクト容器の蓋体内に保管される。
【0012】
更に、化粧料を交換するときは、カートリッジケースは施蓋されて化粧料は密閉されたままカートリッジケースごと交換される。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1乃至図7は、本発明に係るコンパクト容器の第一実施例を示すもので、上面が開放され周壁1aの一部を切り欠いた収納部1bを有する容器本体1と、この容器本体1の上面を覆い互いの後端部で蝶着された蓋体2と、化粧料Kが収納されたケース本体4の外周に螺子蓋5が螺合されて構成され前記収納部1bに着脱自在に装着されたカートリッジケース3と、からなり、これらの主要部品はSAN、ABS、PP、PE、など汎用の合成樹脂材料を用いて形成されている。
【0015】
容器本体1は、前端部が内側に湾曲し左右両側が馬蹄形に湾曲形成された平板状の底板1cの周縁から周壁1aが立設された扁平な箱体からなり、前記周壁1aの前面中央部から一側面のほぼ全体に亘って切り欠かれた切欠部1fで開放されたカートリッジケース3の収納部1bと、パフなどの化粧用具(図示せず)を収納する納置部1dとに底板1cから前後方向に立設されたリブ1eで区画されているとともに、周壁1aの後端部には蓋体2の蝶番脚2eが組み込まれた蝶番凹所1gが設けられ、周壁1a後端部と蝶番脚2eとが互いに軸着されて蝶番形成されている。
【0016】
前記収納部1bの底板1cには、フックを有する一対の係止片1hが容器本体1の長手方向に対向して弾性的に立設されており、カートリッジケース3と着脱自在に係着し、カートリッジケース3を固定している。
【0017】
一方、蓋体2は、平板状の天板2dの周縁から周壁2aが垂設され平面形状が前記容器本体1と相似した扁平な箱体に形成されてなり、前記周壁2aの前壁には下方に開放された切欠窓2fが設けられているとともに、天板2dの納置部1dが対応する部分の内面には化粧鏡8が貼着され、収納部1bが対応する部分には貫通孔2cが貫設されている。
【0018】
前記貫通孔2cは、カートリッジケース3の螺子蓋5の天板5aから突設された係着盤6が嵌脱自在に且つ回動可能に嵌着されるもので嵌着盤6とほぼ同寸の円形に貫設されており、貫通孔2cの下端縁には対向する一対の係合片2bが突設されて前記係着盤6の周顎部6aと係合して螺子蓋5を蓋体2内に保持するようになっている。
【0019】
次に、カートリッジケース3のケース本体4は、容器本体1の収納部1bと相似形に形成された底板4aに立設され化粧料Kが充填されたドラム9がはめ込まれた環状壁4bからなり、環状壁4bの外周には所定間隔を置いてリードの短い雄螺子4cが突設されている。
【0020】
そして、図7に示すように、容器本体1の係止片1hに対応するケース本体4の底板4aの位置には前記係止片1hが臨んだ切欠孔4dが穿設され、ケース本体4は容器本体1に着脱可能に弾性的に係着されている。
【0021】
また、螺子蓋5は、平板状の天板5aの周縁から垂設された周壁5bの外面に操作レバー7が突設されて形成され、天板5aの中央上面には周顎部6aを有する係着盤6が一体に、従って回動不能に立設されているとともに、周壁5bの内面には雌螺子5cが螺設され、天板5aの下面にはパキッン10が装着されてケース本体4の環状壁4bに螺着して化粧料Kを気密に密閉している。
【0022】
以上のように構成された本実施例のコンパクト容器を組立てるときは、図3及び図4に示すように、カートリッジケース3を容器本体4の収納部1bに納置して上方から押圧し、係止片1hに切欠孔4dを係止して装着する。
【0023】
そして、図5に示すように蓋体2を閉めると、螺子蓋5の係着盤6が貫通孔2cに嵌入し、貫通孔2cの下端に内設された係合片2bと係着盤6の周顎部6aとが係合して螺子蓋5は係着盤6の天面6bを貫通孔2cから露出して回動可能に蓋体2に係着し、コンパクト容器の組立は完了する。そして、容器本体1と蓋体4とはフック等の係止手段を設けることなく、カートリッジケース3を介して閉蓋状態に固定される。
【0024】
次に、切欠部1fに露出している操作レバー7を図5に示す左寄りの位置から図6に示す右よりの位置に作動させると、螺子蓋5のケース本体4との螺合は解除され、カートリッジケース3と蓋体2とは同時に開放が可能な状態となる。
【0025】
従って、化粧をするときに、蓋体2を開蓋し、更に螺子蓋5を取り外すという二重の操作は必要なく、一回の操作で簡単に開蓋させることができる。
【0026】
そして、操作レバー7を引き上げ蓋体2を開くと、螺子蓋5は蓋体2に係着したまま引き上げられて蓋体2内に保管されるので、螺子蓋5が化粧の邪魔になることがなく、また、誤って紛失したり、落として汚してしまうこともない。
【0027】
更に、化粧料Kを使い切って新しいカートリッジケース3と交換するときは、蓋体2から露出している係着盤6の天面6bを押して螺子蓋5を貫通孔2cから取り外し、取り外した螺子蓋5をケース本体4に螺合し(図4参照)、操作レバー7を引き上げることによりケース本体4と容器本体1との係合を解除し、施蓋した状態で取り外す。
【0028】
従って、使い切った化粧料Kも、新しく交換する化粧料Kも、共に施蓋したカートリッジケース3のまま交換されるので、交換作業中に揮発性化粧料等を空気に曝したり、化粧料Kで手指を汚すこともなく、また、コンパクト容器を何度も繰り返し使用してもカートリッジケース3全体を交換してしまうので、カートリッジケース3に付着した古い化粧料Kによる汚れが残ることがなく衛生的である。
【0029】
図8乃至図9は別の実施例を示すもので、図8に示すように、螺子蓋5と係着盤6とは別体に設けられ、貫通孔2cと同形の係着盤6が貫通孔2cに回動不能に嵌着するとともに、係着盤6の周顎部6aの下方には円周溝6cが周設され、この円周溝6cと螺子蓋5の穴とが係合し、係着盤6と螺子蓋5とは回動自在に係着されている。その他の部分はほぼ第一実施例と同様である。
【0030】
以上のように蓋体2に係着盤6を固定し、別体に形成された螺子蓋5が蓋体2内で回動可能に係着盤6に係着した構成にすることにより、例えば、係着盤6の天面6bの形状を楕円形にしたり(図9)、或いは多角形にするなど、所望の形に形成することにより蓋体2の表面のデザインを多様化することができる。
【0031】
尚、上記各実施例のコンパクト容器の組立方法や使用方法は第一実施例と同様であるので、その説明を省略する。
【0032】
【発明の効果】
本実施例のコンパクト容器によれば、操作レバーによってカートリッジケースと蓋体とが同時に開放されるので、化粧をするときの開蓋操作が簡単である。
【0033】
また、蓋体が開かれると、螺子蓋は蓋体とともに引き上げられ、蓋体内に保管されるので化粧の邪魔になることがなく、従って、化粧に集中できるとともに、誤って螺子蓋を紛失したり落として汚してしまう心配がない。
【0034】
そして、使い切った化粧料も、新しく交換する化粧料も、施蓋したカートリッジケースに収納されたまま交換されるので、交換作業中に揮発性化粧料等を空気に曝したり、化粧料で手指を汚すこともなく、また、コンパクト容器を何度も繰り返し使用してもカートリッジケース全体を交換してしまうので、カートリッジケースに付着した古い化粧料による汚れが残ることがなく、衛生的である。
【0035】
更に、従来廃棄されてしまったリフィールケースをカートリッジケースとしてそのまま容器本体に装着して使用する構成としたので、容器本体に複雑な気密構造を形成する必要がなく、従って製造が簡単になって安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンパクト容器の第一実施例を示す断面図。
【図2】同実施例におけるカートリッジケースを収納した容器本体の平面図。
【図3】同実施例におけるカートリッジケースを取り外した状態を示す斜視図。
【図4】同実施例におけるカートリッジケースを装着した状態を示す斜視図。
【図5】同実施例の閉蓋した状態を示す斜視図。
【図6】同実施例の操作レバーを作動させた状態を示す斜視図。
【図7】同実施例の一部を破断し開蓋状態を示す斜視図。
【図8】第二実施例の要部断面図。
【図9】同実施例の閉蓋状態を示す斜視図。
【図10】従来の実施例の斜視図。
【符号の説明】
1 容器本体,1a 周壁,1b 収納部,2 蓋体,2a 周壁,2b 係合片,2c 貫通孔,2d 天板,3 カートリッジケース,4 ケース本体,5 螺子蓋,5a 天板,6 係着盤,7 操作レバー,

Claims (2)

  1. 上面が開放され周壁の一部を切り欠いた収納部を有する容器本体と、周壁の一部を切り欠くとともに複数の係合片を内設した貫通孔が天板に穿設され前記容器本体の後端で蝶着された蓋体と、化粧料が収納されたケース本体の外周に螺子蓋が螺合されて構成され前記収納部に着脱自在に装着されたカートリッジケースと、を具備してなるコンパクト容器において;前記貫通孔に嵌脱自在に且つ回動可能に嵌着する係着盤を前記螺子蓋の天板に回動不能に突設するとともに前記螺子蓋の外周壁には前記容器本体の周壁の切欠部に露出する操作レバーが突設されている事を特徴とするコンパクト容器。
  2. 前記係着盤を前記貫通孔に回動不能に嵌着するとともに前記螺子蓋とは回動可能に係着させたことを特徴とする請求項1記載のコンパクト容器。
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