JP2577099Y2 - 化粧用コンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、化粧料容器が着脱可能
な化粧用コンパクト容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の化粧用コンパクト容器と
しては、図６に示す実願平２―８０４０４号の考案が有
る。このコンパクト容器は、一側に回動開閉自在な蓋体
２を枢着した容器本体１に、化粧料容器４の収納部１ａ
とパフ収納部１ｂとを並設したもので、該収納部１ａに
は化粧料容器４の周側条溝と掛合する突条３ａ’を設け
た複数の掛止舌片３ａが設けられ、化粧料容器４を着脱
自在に嵌合保持するようになっている。そして、化粧料
容器４の取り換えの際は、中枠３に設けた指掛け部３ｃ
から化粧料容器４の周縁を引き上げ、上記掛止舌片３ａ
と周側条溝との掛合を外して化粧料容器４を取り出した
後、新たな化粧料容器を収納部１ａに押し込み、上記と
同様に掛合させるようにしていた。尚、図中符号５，６
は、それぞれ蓋体２の裏面に取り付けられたパッキンと
鏡、８は蓋体２の裏面に突設された掛止片２ａと掛合
し、該蓋体２を閉蓋状態に保持するロック部材を示す。

【０００３】又、化粧料容器の取り出し手段を設けたも
のとしては、図７及び図８に示す実公昭６１―７６０５
号の考案が有る。この考案は、化粧料容器４が嵌合した
容器本体１の収納部側方にクランク状のレバー１０を、
その下端で枢着して設け、表面に突出した該クランクレ
バー１０の上端を押動操作することにより、化粧料容器
４の下方に侵入した作用腕１０’で該化粧料容器４を押
し上げ、上記容器本体１の収納部との嵌合を外すように
したものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】上述した従来の化粧用
コンパクト容器では、まず前者は指掛け部より指を挿入
して化粧料容器を引き上げなくてはならないので、操作
が行いにくく、又、開蓋時、表面に指掛け部が露呈する
ことから見栄えが悪く、化粧品容器としての品質感を損
なう原因となっていた。

【０００５】後者は容器本体に凹設した収納部の側方に
該収納部に嵌合した化粧料容器を取り出す為のクランク
レバーが、その上端が突出した状態で設けられているの
で、邪魔になり、不用意な押動により、化粧料容器を脱
落させてしまう恐れがあると共に、前者と同様に開蓋時
の見栄えが悪いという問題点を有していた。

【０００６】本考案は、これら従来の問題点を解決しよ
うとするものである。

【０００７】

【課題を解決する為の手段】本考案は、上記従来の問題
点を解決する為に、容器本体に設けた化粧料容器の収納
部に隣接してパフ収納部を設けると共に、この両収納部
間に水平回動自在に解除レバーを設けることとした。

【０００８】

【作用】化粧料容器の収納部とパフ収納部との間に枢着
された解除レバーは、回動されることにより、その一端
が容器本体に嵌合した化粧料容器の底面と接し、該化粧
料容器を押し上げ、容器本体から押し出すように作用す
るものである。

【０００９】

【実施例】図１は実施例の開蓋状態平面図であり、図２
は閉蓋状態の縦断面図、図３は図２のＸ―Ｘ’線断面図
である。

【００１０】図示したように本考案の化粧用コンパクト
容器は、化粧料を充填した化粧料容器４が装填される容
器本体１の収納部１ａに隣接してパフ収納部１ｂを設け
たものであり、該容器本体１の一側には蓋体２が軸９で
回動開閉自在に枢着され、他側には該蓋体２の裏面に突
設した掛止片２ａと掛合し、該蓋体２を閉蓋状態に保持
するロック部材８が設けられている。又、該蓋体２の裏
面には、閉蓋時、上記化粧料容器４の周縁と圧接し、収
容された化粧料の外部への漏洩を防止するパッキン５
と、鏡６が取り付けられている。３は容器本体１に一体
的に固定された中枠で、収納部１ａには化粧料容器４の
周側条溝４’と掛合し、該化粧料容器４を脱落不可に保
持する突条３ａ’を有する複数の掛止舌片３ａが設けら
れている。３ｂは閉蓋時、上記掛止片２ａが挿通する中
枠３上の透孔を示す。

【００１１】ここにおいて、本考案の化粧用コンパクト
容器では、上記収納部１ａとパフ収納部１ｂとの間の容
器本体１の底面上に突軸１’が突出形成され、解除レバ
ー７が水平回動自在に枢支されている。該解除レバー７
は、図４に示すように一端側方を突出させ、指掛け部７
ａを形成すると共に、他方側一側上面を傾斜させて、化
粧料容器の底面と接する摺接部７ｂを形成したもので、
裏面中央部には図５に示すように上記突軸１’が嵌入す
る受穴７ｃが形成されている。

【００１２】次に上記構成を有する本考案の化粧用コン
パクト容器における化粧料容器の取り換え操作について
述べると、まず通常の使用時は、図１に示すように解除
レバー７は化粧料容器収納部１ａとパフ収納部１ｂとの
間の中枠３の下方に位置しており、外部からは目立た
ず、使用の邪魔にもならない。そして、化粧料容器に収
容された化粧料がなくなり、新しい化粧料容器と取り換
える際には、パフ収納部１ｂ側から解除レバー７一端の
指掛け部７ａを引き出せば良く、このことにより、該解
除レバー７は図１に破線で示すように突軸１’を中心に
回動し、他方側の摺接部７ｂの上面が収納部１ａに嵌合
した化粧料容器４の湾曲した底面と接して該化粧料容器
４を上方へと押し上げる。よって、化粧料容器４の周側
条溝４’と本体側の掛止舌片３ａの突条３ａ’との掛合
が解除され、化粧料容器４は容器本体１から容易に取り
出される。このようにして空の化粧料容器を取り出した
後、解除レバー７を原状に復帰させ、新しい化粧料容器
４をこの収納部１ａに押し込めば良く、このことで該化
粧料容器４は以前と同様に容器本体１の収納部１ａに嵌
合保持されるものである。

【００１３】以上のように本考案の化粧用コンパクト容
器では、隣り合った化粧料とパフの収納部の隔壁部分に
設けた解除レバーを回動させることにより、容器本体の
収納部に嵌合した化粧料容器を押し出し、化粧料容器の
取り換えが容易に行えるものである。

【００１４】尚、本実施例では収納部に設けた掛止舌片
の突条が、化粧料容器の周側条溝に嵌まり込み、該化粧
料容器を脱落不可に保持する例を示したが、収納部は化
粧料容器を脱落不可に保持できれば良く、容器の掛止手
段は図示した実施例に限定されるものではない。又、解
除レバーの摺接部は、解除レバーの回動時、化粧料容器
の底面と接して該化粧料容器を押し上げ得れば良く、そ
の形状も図示した実施例に限定されるものではない。

【００１５】

【考案の効果】以上のように本考案の化粧用コンパクト
容器では、化粧料容器の収納部に隣接してパフ収納部を
設け、両者間に該化粧料容器を容器本体の収納部から取
り出す為の解除レバーを設けたので、解除レバーは外部
からは目立たず、又、操作部が表面に突出していないの
で、従来のように不用意に解除動作を行う恐れは無く、
誤操作を防止できると共に、外観も良好となり、化粧品
容器としての品質感が向上するという従来には見られな
い優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の開蓋状態の平面図である。

【図２】同上、閉蓋状態の縦断面図である。

【図３】図２のＸ―Ｘ’線断面図である。

【図４】解除レバーの斜視図である。

【図５】解除レバーの裏面図である。

【図６】従来例の開蓋状態の平面図である。

【図７】他の従来例の開蓋状態斜視図である。

【図８】同上、要部拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 容器本体 １’ 突軸 １ａ 化粧料容器の収納部 １ｂ パフ収納部 ２ 蓋体 ３ 中枠 ３ａ 掛止舌片 ４ 化粧料容器 ４’ 周側条溝 ７ 解除レバー ７ａ 指掛け部 ７ｂ 摺接部 ７ｃ 受穴

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 化粧料容器が嵌合する化粧料容器収納部
   の側方にパフ収納部を併設した化粧用コンパクト容器に
   おいて、 容器本体の上記化粧料容器収納部とパフ収納部との間
   に、一端が該パフ収納部の内面に臨み、他端が上記化粧
   料容器の底面一側に臨んだ水平方向に回動自在な解除レ
   バーが設けられ、解除レバーがパフ収納部側から回動操作されることによ
   り、この解除レバーが化粧料容器の底面とせりあって、
   化粧料容器を化粧料容器収納部から押し出し、両者の嵌
   合が解除されるようになされた ことを特徴とする化粧用
   コンパクト容器。