JPH0710648Y2

JPH0710648Y2 - 化粧料収納容器

Info

Publication number: JPH0710648Y2
Application number: JP70190U
Authority: JP
Inventors: 透水柿
Original assignee: 株式会社カツシカ
Priority date: 1990-01-09
Filing date: 1990-01-09
Publication date: 1995-03-15
Anticipated expiration: 2005-01-09
Also published as: JPH0392409U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、簡単な構造で収容された化粧料を抜脱できる
コンパクトケース、若しくは交換用化粧料収納容器に関
するものである。

〔従来の技術〕

従来より、化粧料を収納したコンパクトケースに於い
て、化粧料を充填した中皿を抜脱できる構成は数多く提
案されている。この構成は、交換用中皿を収納した収納
容器に於いても利用可能であった。しかし、コンパクト
ケースに収納された中皿は、使用中や携帯中に加わる応
力により脱落してしまわない様強固に係合されせなけれ
ばならず、しかも中皿を抜脱しようとする時には簡単に
抜脱できなければならなかった。従って、この抜脱機構
は複雑になってしまったり、ピン等の特別な抜脱治具が
必要となっていた。これは交換用中皿収納容器に利用す
る場合、コストの面、使い易さの面で不都合であった。

そこで、実公昭59-16005号公報、及び実公平1-10383号
公報等により、コンパクトケースの底面に切り欠きを設
けて舌片を構成し、この舌片を下方より指先で押し上げ
る事により舌片を屈曲させ、舌片で化粧料を収納した中
皿を押し上げ、抜脱する構成が提案されている。この構
成の場合、中皿を押し上げるピン等、特別な用意なしで
中皿を抜脱でき、しかもこの中皿の抜脱機構が容器と一
体に成形されているため、安価に製造でき、交換用中皿
収納容器にも利用できるものとなっていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、容器に中皿が装着された状態では、中皿の底面
に舌片が当接したままになっており、しかも舌片は指先
等で操作できる様、大き目に構成されているため、携帯
中等、舌片に物が衝突したりして、舌片が中皿を押し上
げ、不用意に中皿が脱落してしまう危険性があった。

また、中皿は容器より不用意に脱落してしまわない様、
強固に装着されているため、中皿を抜脱する時、大きな
力が必要となっていた。

加えて、舌片自体が弾性を有しているため、舌片を押し
上げるのをやめると舌片が復元してしまい、押し上げら
れていた中皿も再び容器内に戻ってしまった。従って、
中皿を取り外すまで舌片を指で押し上げている必要があ
った。

〔課題を解決するための手段〕

上面に化粧料１を充填した中皿２を収納する収納凹所７
が刻設された器体４の下面から一側壁にかけて、収納凹
所７及び外部に露出し、中程にＬ字状に屈曲したヒンジ
状の屈曲部19を設けた反転片６を配置し、この反転片６
は、両端に副ヒンジ16,17を設けて器体４の下面及び一
側壁に連結し、前記屈曲部19の突出方向を、収納凹所７
方向及び外方向に反転可能とした構成に於いて、前記収
納凹所７の側壁及び反転片６の収納凹所７がわ内側壁に
中皿２を係合保持する保持部8,20を設け、器体４の側壁
に設けた副ヒンジ17を保持部20の後方、若しくは下方に
設ける。

また、前記反転片６の器体４の側壁がわ端部を、器体４
と蓋体５を開閉自在に連結する主ヒンジ９の一部に連結
し、主ヒンジ９と副ヒンジ17を共用させる。

また、蓋体５端面、若しくは反転片６の外側壁に、蓋体
５を所定角度以上開いた時、蓋体５の端面が反転片６の
側壁に当接し、反転片６を押し上げ、屈曲部19の突出方
向を反転させる突部21を突設する。

〔作用〕

器体４の収納凹所７に中皿２が収納されている場合、中
皿２は収納凹所７の保持部８と、反転片６の保持部20と
に保持され、脱落不能となっている。この時、反転片６
の屈曲部19は外方向に突出している。

そして、この反転片６の屈曲部19付近を指で上方に押圧
すれば反転片６はわん曲する。この時、反転片６の保持
部20は副ヒンジ17を中心に回転し、中皿２との係合保持
が解除される。そして、屈曲部19が両端の副ヒンジ16,1
7を結んだ線より上方まで押圧されると、屈曲部19の突
出方向が反転して内方向に突出しようとする弾発力が生
じる。この弾発力により中皿２が上方に押し上げられ、
取り外し可能となる。

また、器体４の収納凹所７に中皿２を装着すると、反転
片６は中皿２の底面により下方に押圧される。そして、
屈曲部19が両端の副ヒンジ16,17を結んだ線よりも下方
まで押圧されると、屈曲部19の突出方向が反転して外部
へ突出する。同時に反転片６の保持部20が副ヒンジ17を
中心に回転し、中皿２に係合し、脱落不能に保持する。

また、副ヒンジ17を主ヒンジ９の一部に設けた構成の場
合、副ヒンジ17は、蓋体５の開閉時には主ヒンジ９の一
部として作用する。

また、蓋体５端面、若しくは反転片６の外側壁に突部21
を設けた構成の場合、中皿２の取り外し時に、蓋体５を
所定角度以上開けば、突部21が反転片６の外側壁、若し
くは蓋体５端面に当接し、反転片６をわん曲させ、屈曲
部19の突出方向を反転させる。

〔実施例〕

化粧料１は、合成樹脂、アルミニウム板等の薄肉金属板
等により底の浅い皿状に形成された中皿２に充填されて
いる。

ケース本体３は器体４、蓋体５及び反転片６より構成さ
れ、繰り返し曲げに強いポリプロピレン（P.P）等の合
成樹脂で一体に成形されている。

器体４の先端面には、係合突部22を突設している。ま
た、器体４の後端には、主ヒンジ９を介して蓋体５が開
閉自在に連結している。この蓋体５の先端には器体４に
設けられた係合突部22と係合するフック23が垂下してい
る。更に蓋体５の下面には、器体４の上面に載置される
パフ10のパフ収納所11が刻設されている。このパフ収納
所11の天井面には鏡12が貼着されている。

この器体４の上面には、中皿２が、納置される収納凹所
７が刻設されている。この収納凹所７は、前記中皿２よ
りも僅かに深く刻設されており、係合突部22がわ内側壁
には中皿２の上端を押え、若しくは中皿２の側壁に係合
する保持部８が突出している。

また、器体４の下面より主ヒンジ９がわ側壁にかけて
は、２本の切り欠き部13が平行に刻設されている。この
切り欠き部13、収納凹所７まで、貫通しており、この間
に反転片６を構成している。この切り欠き部13の器体４
の下面がわ端部及び器体４の側壁がわ端部には、それぞ
れの切り欠き部13を連結する凹溝14,15が刻設され、こ
の部分の肉厚を薄くして副ヒンジ16,17を構成してい
る。その結果、この副ヒンジ16,17は、反転片６の両端
に配置された状態となっている。同様に、収納凹所７の
下面後縁にも切り欠き13間を連結する凹溝18が刻設され
ヒンジ状の屈曲部19を構成している。この屈曲部19と副
ヒンジ16,17の配置は、屈曲部19が両端の副ヒンジ16,17
を結んだ線よりも下方に位置しており、３点を結んだ線
は略Ｌ字状になっている。その結果、屈曲部19を下方よ
り両端の副ヒンジ16,17を結んだ線よりも上方に押圧す
ると、屈曲部19の屈曲方向が反転し、収納凹所７内に突
出する様構成されている。更に反転片６の内側壁には、
収納凹所７に収納された中皿２の上端を押え、若しくは
中皿２の側壁に係合する保持部20が突出している。その
結果、反転片６の屈曲部19が外方向に突出した状態で、
中皿２は収納凹所７の保持部８と反転片６の保持部20に
よって収納凹所７内に脱落不能に保持されている。しか
し、反転片６の屈曲部19の突出方向が反転して収納凹所
７内に突出すると、反転片６の側壁は、器体４上面に副
ヒンジ17を中心に回転し、反転片６の保持部20の中皿２
の係合保持が解除され、屈曲部19により中皿２が押し上
げられる。

尚、反転片６の後端の副ヒンジ17は、反転片６の側壁に
設けられた保持部20より後方、若しくは下方に設けられ
ていれば良い。従がって、第６図に示したように、切り
欠き13の後端を器体４の主ヒンジ９の位置まで延設し、
凹溝15を刻設せず、主ヒンジ９の一部を副ヒンジ17とし
て利用する事も可能である。この場合、反転片６の後端
の副ヒンジ17は、蓋体５の開閉時には、主ヒンジ９とし
て作用する。

また、第７図に示したように、蓋体５の主ヒンジ９がわ
端面、若しくは反転片６の主ヒンジ９がわ外側壁に、反
転片６の幅よりも僅かに狭い幅の突部21を突設し、この
突部21を蓋体５を約180度開いた時点で反転片６、若し
くは蓋体５の端面に当接するよう構成しておけば、蓋体
５を約180度以上開くと、突部21が反転片６、若しくは
蓋体５の端面に当接し、手で反転片６を押し上げる必要
がなく、蓋体５で反転片６を反転させることができる。

尚、本考案実施例に於いて、パフ収納所11及び、鏡12を
設けず、安価な交換用中皿収納容器として構成しても良
い。また、第４図に示したように、器体４及び蓋体５を
蝶番軸で開閉自在に連結してコンパクトケースとして利
用しても良い。また、器体４と蓋体５を連結せず、蓋体
５を器体４に抜脱自在に嵌合させても良い。更に、第５
図に示したように、反転片６も器体４と一体で可撓性材
料で成形する必要もなく、反転片６のみ可撓性材料で構
成し、両端を器体４にピンで軸支させても良い。また、
器体４及び反転片６を一体で成形し、反転片６の一端を
ピンで軸支されても良い。

〔考案の効果〕

本考案は以上の様に、屈曲した弾性片による突出方向の
反転機能を利用して、化粧料１を収納した中皿２を押し
上げるため、弾性片である反転片６に携帯中等にものが
衝突したとしも、屈曲部19が両端の副ヒンジ16,17を結
んだ線より上方に押圧させない限り、屈曲部19の突出方
向は反転せず復元する方向に弾発力を有しているため、
反転片６により中皿２が不用意に脱落してしまう様な事
はない。

また、反転片６に中皿２を係合保持する保持部20を設
け、この保持部20の後方若しくは下方に副ヒンジ17を設
けたため、反転片６の反転時に副ヒンジ17を中心に保持
部20が回転し、先ず中皿２との係合が解除された後、中
皿２が反転片６の弾発力により押し上げられる。従がっ
て、直接中皿２を押し上げる必要がなく、反転片６の弾
発力のみで中皿２を取り外す事ができる。

また、蓋体５の主ヒンジ９がわ端部、若しくは反転片６
の外側壁に突部21を突設すれば、蓋体５を必要以上に開
けば突部21によって反転片６を押し上げる事ができ、て
この作用でさらに少ない力で、簡単に中皿２の取り外し
ができるようになる。

加えて反転片６は、屈曲部19が両端の副ヒンジ16,17を
結んだ線を越えるまで押圧されない限り復元方向に弾発
力が働くため、反転片６を押圧して屈曲部19を収納凹所
７内に突出させれば、屈曲部19が中皿２を押し上げた状
態で保持し、中皿２を取り外すまで反転片６を押圧して
いる必要のないものとなっている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例の部分断面斜視図。第２図は、
中皿の装着時に於ける要部拡大断面図。第３図は、中皿
の取り外し時に於ける要部拡大断面図。第４図は、蓋体
を別パーツとした実施例の側断面図。第５図は、反転片
を別パーツとした実施例の側断面図。第６図は、副ヒン
ジを主ヒンジの一部にした実施例の斜視図。第７図は、
反転片を押し上げる突部を設けた実施例の側断面図。１〜化粧料、２〜中皿、４〜器体、５〜蓋体、６〜反転
片、７〜収納凹所、8,20〜保持部、９〜主ヒンジ、16,1
7〜副ヒンジ、19〜屈曲部、21〜突部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】上面に化粧料（１）を充填した中皿（２）
を収納する収納凹所（７）が刻設された器体（４）の下
面から一側壁にかけて、収納凹所（７）及び外部に露出
し、中程にＬ字状に屈曲したヒンジ状の屈曲部（19）を
設けた反転片（６）を配置し、該反転片（６）は、両端
に副ヒンジ（16,17）を設けて器体（４）の下面及び一
側壁に連結し、前記屈曲部（19）の突出方向を、収納凹
所（７）方向及び外方向に反転可能とした構成に於い
て、前記収納凹所（７）の側壁及び反転片（６）の収納凹所
（７）がわ内側壁に中皿（２）を係合保持する保持部
（8,20）を設け、器体（４）の側壁に設けた副ヒンジ
（17）を保持部（20）の後方、若しくは下方に設けた事
を特徴とする化粧料収納容器。
【請求項２】前記反転片（６）の器体（４）の側壁がわ
端部を、器体（４）と蓋体（５）を開閉自在に連結する
主ヒンジ（９）の一部に連結し、主ヒンジ（９）と副ヒ
ンジ（17）を共用した事を特徴とする実用新案登録請求
の範囲第１項記載の化粧料収納容器。
【請求項３】蓋体（５）端面、若しくは反転片（６）の
外側壁に、蓋体（５）を所定角度以上開いた時、蓋体
（５）の端面が反転片（６）の側壁に当接し、反転片
（６）を押し上げ、屈曲部（19）の突出方向を反転させ
る突部（21）を突設した事を特徴とする実用新案登録請
求の範囲第１項若しくは第２項、いずれかの項記載の化
粧料収納容器。