JPS6213534Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ワンタツチでもつて蓋体を十分な
角度まで自動的に開放することのできる自動開放
式コンパクト容器に関する。

従来、コンパクト容器は、容器本体と蓋体の
各々の後端にピン等からなる蝶番機構を設け、こ
れらを開閉自在に連結し、蓋体の開放操作は、容
器本体を片手で握り他方の手で蓋体をこじ開ける
ものが一般的であり、開放操作に両手を使用しな
ければならない不便さを有していた。

その後、本願出願人によつて、容器本体前端縁
に摺動自在なプツシユピースを設け、蓋体の前端
縁にはこれに対向して係止片を突設し、容器本体
に設けた突片と係合させることで蓋体を閉止位置
に維持し、プツシユピースを内方に押圧すること
で、ワンタツチでもつて蓋体を開放可能とした、
いわゆるプツシユピース式コンパクト容器が提案
されている。

しかしながら、上記のようなプツシユピース式
コンパクト容器においても、プツシユピースを内
方に押圧するだけでは、蓋体は十分な角度まで開
かず、使用の際には不便を感じるところで、使用
上不便を感じない程度に十分な角度まで開くよう
な改良が望まれていた。

この考案は、このような問題点に鑑みなされた
もので、その目的とするところは、比較的簡単な
構成でもつて使用上不便を感じない程度に蓋体を
ワンタツチでもつて自動的に開放することができ
る自動開放式コンパクト容器を提供することろに
ある。

以下にこの考案の好適な実施例について、添付
図面を参照し説明する。

第１図から第３図は、この考案の自動開放式コ
ンパクト容器の一実施例を示すものである。

同図に示す自動開放式コンパクト容器は、まず
合成樹脂等で成形され、化粧料を収納する容器本
体１０と蓋体１２とからなり、容器本体１０の後
端には、凹部１４が切欠形成され、蓋体１２の後
端にはブロツク体１６が垂下形成されており、凹
部１４にブロツク体１６を嵌合しピンを挿入する
ことで蝶番機構を形成し、蓋体１２を容器本体１
０に開閉自在に連結している。

上記容器本体１０の前縁部には、凹状切欠部１
８が形成され、この凹状切欠部１８内にはプツシ
ユピース２０が前後方向に移動可能に取付けられ
るとともに、凹状切欠部１８の奥面には、第１の
係合突片２２が一体的に形成されている。

一方上記蓋体１２の上記凹状切欠部１８に対向
する前縁部には、爪片２４が垂下形成され、その
内側壁に上記第１の係合突片２２と係合可能な第
２の係合突片２６が一体的に形成されている。

上記の構成とすることで、蓋体１２を閉塞する
際に、上記第１の係合突片２２と上記第２の係合
突片２６とが係合し、蓋体１２を閉止位置に維持
するとともに、閉止位置において上記プツシユピ
ース２０を内方に押圧することで、前記係合状態
を解除し、蓋体１２を若干開放することが可能と
なる。

そして、同図に示す自動開放式コンパクト容器
は、上述した従来のこの種のものに対し、以下に
述べる特徴を有するものである。

すなわち、上記容器本体１０の凹部１４の底面
後端縁に、上方に突出した断面形状が略半円状の
凸状突起２８を形成するとともに、上記蓋体１２
のブロツク体１６の下端部に、下方に開口した凹
溝３０を設けることにより、凹部１４の奥面に対
向した個所に、前後に可撓性を有する弾性部片３
２を形成したところにある。

このため、上記蓋体１２を閉塞する際に、上記
弾性部片３２は、上記凸状突起２８の内側に当接
し、内方に弾性変形された状態で、容器本体１０
の第１の係合突片２２と蓋体１２の第２の係合突
片２６が係合され閉止位置に維持される。（第１
図参照） この場合、上記弾性部片３２は、可撓性を有し
ているため、元の状態に復帰しようにする力、す
なわち蓋体１２を開放する方向に作用する弾性力
が生じ、上述のように蓋体１２が閉止位置にある
状態では、この弾性力は蓋体１２を開放する方向
に常時付勢することになる。

従つて、蓋体１２の閉止位置において、上記プ
ツシユピース２０を内方に押圧し、第１の係合突
片２２と第２の係合突片２６との係合を解除する
と、蓋体１２は上記付勢力でもつて自動的に使用
上不便を感じない程度まで、十分に開放すること
になる。

なお、上記実施例においては、プツシユピース
２０および第１、第２の係合突片２２，２６を容
器本体１０と蓋体１２の前縁に設けたものを示し
たが、これらを左右の側線に一対ずつ設けても上
述した作用効果を奏することはいうまでもない。
また。図中３４は上記蓋体１２に添着された鏡を
示すものである。

以上のようにこの考案の自動開放式コンパクト
容器は、容器本体の蝶番部近傍の後端縁に上方に
突出した凸状突起形成するとともに、蓋体の蝶番
部近傍に凹溝を設けることにより前後に可撓性を
有する弾性部片を形成し、前記蓋体の閉止位置に
おいて前記凸状突起内側に前記弾性部片が当接し
弾性変形されることにより前記蓋体を開放する方
向に常時付勢するようにしてなるものであり、比
較的簡単な構成で、ワンタツチ操作で蓋体を自動
的に十分な開放角度まで開放できる極めて便利な
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図は、この考案の自動開放式コ
ンパクト容器を示す一実施例であり、第１図は蓋
体を閉止した状態を示す断面図、第２図は蓋体を
開放した状態を示す断面図、第３図は容器本体お
よび蓋体の蝶番部を示す詳細図である。 １０……容器本体、１２……蓋体、２０……プ
ツシユピース、２４……爪片、３０……凹溝、３
２……弾性部片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧料を収納する容器本体と蓋体の各々の後端
   を蝶番でもつて開閉自在に連結し、該容器本体の
   前縁部にプツシユピースを移動可能に取付け、該
   蓋体の閉止位置において該プツシユピースを内方
   に押圧することによつて該蓋体が開放するコンパ
   クト容器において、該容器本体の蝶番部近傍の後
   端縁に上方に突出した凸状突起を形成するととも
   に該蓋体の蝶番部近傍に凹溝を設けることにより
   前後に可撓性を有する弾性部片を形成し、該蓋体
   の閉止位置において該凸状突起内側に該弾性部片
   が当接し弾性変形されることにより該蓋体を開放
   する方向に常時付勢するようにしてなることを特
   徴とする自動開放式コンパクト容器。