JPH0111126Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ≪産業上の利用分野≫ この考案は自動開放式コンパクト容器に関する
もので、より具体的には化粧料を収納する容器本
体と蓋体とがこれらの各後端部において開閉自在
に連結され、該容器本体の前端縁にプツシユピー
スが移動可能に取付けられ、該蓋体の閉止位置に
おいて該プツシユピースを内方に押圧することに
よつて該蓋体が開放される自動開放式コンパクト
容器に関するものである。

≪従来の技術≫ 従来の上記の自動開放式コンパクト容器として
は、容器の後方部に、別個形成されたバネ部片等
を取付け、常時蓋体を開放させる方向へ付勢させ
ておき、容器本体と蓋体との係合の解除と同時に
蓋体を開放するようにしてなる自動開放式コンパ
クト容器があつた。

しかしながら、この自動開放式コンパクト容器
においては、別個形成されたバネ部片等をコンパ
クト容器の後方部に取付けなければならないの
で、他に取付用の部品等も必要となり、構造が複
雑で組立作業が困難となるばかりでなく、部品点
数の増加によるコスト高にもなるという問題があ
つた。

≪考案が解決しようとする問題点≫ 本考案は上記のような問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は、従来のような特別な部品を
取付けることなく蓋体を自動開放可能にさせるこ
とにより、構造が簡単になり容易に組立てること
ができるとともに、コストダウンを計ることので
きる自動開放式コンパクト容器を提供することに
ある。

≪問題を解決するための手段≫ 上記の目的を達成するために、本願考案の自動
開放式コンパクト容器によれば、容器本体の少な
くとも下面後方部が金属板にて被覆され、その金
属板の後端部が上方へ折曲されて弾性変形可能に
形成され、該金属板の後端部が該蓋体の後端壁と
該容器本体の後端壁との間の空所内に挿入され、
該蓋体の閉止位置において該金属板の後端部が該
蓋体の該後端壁によつて弾性変形されることによ
り該蓋体が開放方向に常時付勢されるようにして
なるものである。

≪実施例≫ 以下に本考案の好適な実施例について添附図面
を参照にして説明する。

第１図乃至第３図は、この考案に係る自動開放
式コンパクト容器の第１実施例を示している。こ
れらの図に示すように、容器本体１０は、略矩形
に形成されており、その上面には化粧料等が収納
される凹所１１が形成されている。そして、容器
本体１０の前端はフランジ部１２となつており、
その中央部には挿通孔１３が穿設されている。ま
た、容器本体１０の後端縁中央部には、第１の凹
状切欠部１４が形成されており、この凹状切欠部
１４内に、蓋体２０が開閉自在に螺着されるので
ある。

この蓋体２０は容器本体１０と略同一な平面形
状を有し、その内面に鏡２１を接着している。そ
して蓋体２０の後端中央部には突片２２が一体的
に垂下形成されており、この突片２２が容器本体
の第１の凹状切欠部１４内に入り、ここにおいて
蝶番ピン２５−２５によつて蓋体２０は容器本体
１０に開閉自在に螺着されている。また、蓋体２
０の前端中央部には爪片２３が垂下形成され、そ
の爪片２３の下端内側には第１の係合突起２４が
一体的に形成されている。そして、この爪片２３
は、蓋体２０を閉じた際に容器本体１０の前端フ
ランジ部１２に形成された挿通孔１３内に挿通可
能となつている。

一方、容器本体１０の下面は、金属性の外箱３
０によつて被覆されており、この外箱３０は容器
本体１０と略同一な平面形状を有しており、その
前端壁中央には透孔３１が穿設されている。ま
た、容器本体１０の前端フランジ部１２と外箱３
０の前方部とによつて形成される空所内には、プ
ツシユピース４０が配置されている。

プツシユピース４０は、左右方向に延びる翼状
部４１−４１と、前方へ突出している押圧部４２
と、上方へ起立している爪片４３とから形成され
ている。そして、翼状部４１−４１の先端部は後
方へ弯曲され弾性変形可能に形成され、爪片４３
の上端前方には第２の係合突起４４が一体的に形
成されている。更に、プツシユピース４０が外箱
３０内に配置されたときに、翼状部４１−４１に
よりプツシユピース４０は前方へ押出されるた
め、押圧部４２が外箱３０に形成した透孔３１か
ら前方へ突出されるようになつており、また、蓋
体２０を閉じた時に、第２の係合突起４４は、蓋
体２０に形成した第１の係合突起２４と係合し合
うように位置されている。

ここで本考案の第１実施例では、外箱３０の後
方中央部の壁面及びこの前方に連接する後部底板
の両側部が切欠されており、そしてこの後部底板
の中央部が上方へ折曲されて弾性変形可能な弾性
端片３２となつている。

一方、容器本体１０の第１の凹状切欠部１４の
奥面中央には、第２の凹状切欠部１５が形成され
ており、蓋体２０の容器本体１０に螺着した時
に、この切欠部１５と蓋体２０の後部突片２２と
の間にボツクス状空所が画成され、このボツクス
状空所内に外箱３０の弾性端片３２が収納される
ようになつている。そして、その弾性端片３２の
上端部は蓋体２０の閉止位置において蓋体２０の
突片２２によつて前方へ押圧され弾性変形される
ようになつている。

第４図はこの考案の第２実施例に係るコンパク
ト容器を示している。この第２実施例では第１実
施例の場合と相違して、外箱３０の弾性端片３２
を一旦後方に傾斜させた後、その先端部を容器本
体１０側に曲げて、蓋体２０の突片２２との弾性
面を曲面状に形成してなるものである。その他の
構成は第１実施例の場合と同様であるため省略す
る。

尚、本考案の上記実施例においては外箱３０が
容器本体の下面全体を覆つているが、容器本体の
後方部だけを覆うように形成しても良い。また、
上記の場合とは別に容器本体を枠状の無底構造と
し、この容器本体の無底部分を外箱３０で覆うよ
うにしても良い。

≪作用≫ 今、蓋体２０を閉じると蓋体２０の爪片２３が
容器本体１０の前端フランジ部１２の挿通孔１３
を下方に貫通し、爪片２３に形成された第１の係
合突起２４がプツシユピース４０の第２の係合突
起４４と係合して蓋体２０が容器本体１０に対し
て第２図に示すような閉止位置を占める。そして
この閉止位置にあつては、外箱３０の弾性端片３
２が蓋体２０の突片２２によつて弾性変形されて
いるために、弾性端片３２は蓋体２０を開放する
方向へ力が働いている。この状態から、第３図に
示すようにプツシユ部片４０の押圧部４２を内方
へ押圧することにより、両係合突起２４，４４の
係合が解除され、外箱３０の弾性端片３２の弾性
復元力によつて蓋体２０が自動的に開放されるの
である。

≪考案の効果≫ 以上のように本考案では、容器本体の下面に被
覆された金属板の端部を折曲させ、金属板が保有
する弾性力によつて蓋体を自動的に開放させてな
るものであるから、特別な蓋体開放用の部品が不
要であり、構造が簡単で小型化でき、組立も容易
に行なうことができるとともに、コスト安とな
り、更に金属板は装飾性に優れたものであるから
外観的にも優れているといつた種々の作用効果を
奏することができる。

また、外箱３０の弾性端片３２の先端を曲面状
に形成した場合には、上記作用効果に加え、蓋体
との接触部にキズがつきにくいとともに、蓋体を
閉止する際によりなめらかに閉止することができ
るといつた作用効果を奏することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動開放式コンパクト容
器の第１実施例を示す分解斜視図、第２図は蓋体
を閉止している状態を示す縦断面図、第３図は使
用状態を示す縦断面図、第４図はこの考案の第２
実施例を示す縦断面図である。 １０……容器本体、１４……第１の凹状切欠
部、１５……第２の凹状切欠部、２０……蓋体、
２２……突片、３０……外箱、３２……弾性端
片、４０……プツシユピース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧料を収納する容器本体と蓋体とがこれらの
   各後端部において開閉自在に連結され、該容器本
   体の前端縁にプツシユピースが移動可能に取付け
   られ、該蓋体の閉止位置において該プツシユピー
   スを内方に押圧することによつて該蓋体が開放さ
   れる自動開放式コンパクト容器において、該容器
   本体の少なくとも下面後方部が金属板にて被覆さ
   れ、その金属板の後端部が上方へ折曲されて弾性
   変形可能に形成され、該金属板の後端部が該蓋体
   の後端壁と該容器本体の後端壁との間の空所内に
   挿入され、該蓋体の閉止位置において該金属板の
   後端部が該蓋体の該後端壁によつて弾性変形され
   ることにより該蓋体が開放方向に常時付勢されて
   なることを特徴とする自動開放式コンパクト容
   器。