JPS5825938Y2 - コンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンパクト容器の改良に係り、更に詳しくは
、蝶番によって蓋体を容器に開閉自在に連結し、蓋体の
縁部に第１突片を、昔た容器の縁部に第２突片を形成し
て、蓋体を閉じた時にこの第１突片が第２突片と係合し
て閉止するコンパクト容器の改良に関するものである。

従来提供されている上記のタイプのコンパクト容器では
、第１突片並びに第２突片の形状及びその突出針が極め
て正確に成形されなければならず、もしもこの係合が所
望のものより弱いと、コンパクト容器が不必要な時に開
いてし昔い、また、所望のものよりも強い場合には開放
のために大きな力を要し、使用者にとって不良なものと
なる。

このため、コンパクト容器の成形に当ってはこの係合部
に最大級の注意が払われているが、これにもかかわらず
、この係合不良のため返品となるものが多く大きな問題
となっていた。

本願出願人は上記の問題を解決すべく、先に、実願昭５
４−１２６８７９号（実開昭５６−４５４０４号公報）
で、スライダ一部材を水平方向に押し込むことによって
第］突片と第２突片との係合を解くとともに、更にスラ
イダ一部材に加えていた押圧力を除去すると、スライダ
一部材が元の位置に弾性復帰するコンパクト容器を提供
した。

このコンパクト容器は第１突片及び第２突片の高度な寸
法精度が要求されず、しかも、簡単にして僅かな力で確
実に蓋体を開放することができるとともに、スライダ一
部材が弾性体によって自動復帰するので、開放位置に訃
いてスライド孔内を遊動してガタつくことがないと言っ
た優れた利点を有している。

しかしながら、このコンパクト容器ではスライダ一部材
の上面に形成した傾斜面を利用し、スライダ一部材を内
方に押し込むと、この傾斜面が蓋体の前端縁から下方に
垂下した爪片を押し上げて蓋体を開放するように構成さ
れている。

即ち、このコンパクト容器ではスライダ一部材が小さな
部材であるため、この部材上の傾斜面の傾斜角度及び傾
斜面の長さが限られたものとなり、それ故、スライダ一
部材を押し込むことによって開放する蓋体の角度が比較
的小さなものに限られていた。

本考案は、上記の問題点に着目してなされたもので、そ
の目的は１本出願人の先願に係る上記実願昭５４−１２
６８７９号と同様の利点を有するとともに、スライダ一
部材を押し込んだ時に開放する蓋体の開放角度を比較的
大きく設定することのできるコンパクト容器を提供する
にある。

以下に本考案に係るコンパクト容器の好適な実施例を添
附図面を参照にして説明する。

第１図乃至第４図に釦いて、符号１は容器を示し、これ
はその後端縁において蝶番２を示して蓋体３と開閉自在
に連結されている。

蓋体３の前端縁の中央部には爪片４が下方に突出して一
体的に形成され、この爪片４の内壁面にはフック状の第
１突片５が一体的に形成されている。

蓋体３の前端縁付近の下面における爪片４の内方位置に
は、傾斜面６が当該箇所の内壁を陥没させることにより
内側から外側に向けて斜上方に傾斜するように形成され
ている。

この爪片４の位置に対応して容器１の前端縁に凹所７が
形成され、凹所Ｔの底面には第２凹所８が中央部に受台
部８ａを残して一体的に形成されている。

容器１には化粧収納トレイ９が嵌合されており、このト
レイ９の前端縁の中央部には一対の腕１０，１０が互に
離間して平行かつ水平に突設されている。

両腕１０，１００前端部下面には一定幅一定肉厚の梁１
１が一体的に架設されており、この梁１１および両腕１
０゜１０はトレイ９が容器１に嵌合されたときに前記第
１凹所７内に収容される。

そして、トレイ９の前端縁、両腕１０，１０の両側縁お
よび梁１１の後端縁は窓孔１２を形成している。

前記第１凹所７および第２四所８内にはスライダ一部材
１３がトレイ９を容器１内に嵌合する以前に収納される
。

すなわち、スライダ一部材１３の横幅は第２凹所８の横
幅とほぼ等しく、その奥行寸法は凹所７゜８のそれ未満
に、その厚さは前記梁１１下面と前記受台部８ａ上面と
の間隔とほぼ等しくそれぞれ設定されて釦り、スライダ
一部材１３を凹所７゜８内に収納すると、第２凹所８の
両側面釦よび受台部８ａ上面に摺接案内されて摺動可能
な状態になる。

スライダ一部材１３の上面に釦ける中間部には第２爪片
１４がほぼ垂直に一体的に突設されてむり、この爪片１
４の外壁面上端には前記第１突片５に係合自在な第２突
片１５が突設されているとともに、該爪片の内側端部は
ほぼ直角に形成されている。

スライダ一部材１３の下面における前端部には拡大頭部
１６が一体的にほぼ香直に突設されており、この拡大頭
部１６は第２凹所８の受台部８ａの前方位置において凹
ｉ’Ｎ８内に摺動自在に嵌合している。

スライダ一部材１３の内端面と第１凹所７の奥面との間
には弾性体１７がスライダ一部材１３を常時外方に付勢
するように介設されている。

本実施例では、この弾性体１７は円弧状の部片１ｒａか
らなり１弾力性を有する合成樹脂からスライダ一部材１
３と一体的に成形されている。

なお、１８は鏡を示している。本考案に係るコンパクト
容器の組立てに際して。

スライダ一部材１３を凹ＦＦ１７．ａ内に前記のように
収納した後、トレイ９を容器１内に所定の姿勢で嵌合し
、前記両腕１０，１０および梁１１を第１凹所７内に嵌
合すると、スライダ一部材１３の第２爪片１４はトレイ
９の窓孔１２内に摺動自在に嵌挿し、かつ、スライダ一
部材１３はトレイ９の固定化に伴って梁１１に抜止めさ
れた状態になる。

このコンパクト容器の使用について説明すると、蓋体３
の第１突片５を容器１の第２突片１５と係合した閉止位
置において、スライダ一部材１３の後端面を指先で内側
即ち奥に向けて押圧すると、スライダ一部材１３は凹所
７，８内を前進する。

この前進により、スライダ一部材１３の爪片１４に突設
された第２突片１５は第１突片５から後退して係合を解
除する。

次いで、第２爪片１４の内側端角部は蓋体３に形成され
た傾斜面６に沿って摺動し、傾斜面６と協働して蓋体３
を押し上げる。

その後は、蓋体３を自由に開けて鏡１８を所望の角度に
設定することができる。

ちなみに、上記スライダ一部材１３に加えていた押圧力
を抜去すると、スライダ一部材１３はその円弧状の弾性
部片１７ａによって元の位置に押し戻されて、蓋体３の
開放時に凹所γ、８内で遊動してガタつくことがなくな
る。

なお、前記実施例では、スライダ一部材１３を容器１の
前端縁中央部に設け、このスライダ一部材１３の爪片１
４が蓋体３に陥没形成された傾斜面６に作用するように
構成したが、容器１と蓋体３との位置関係を逆転して、
スライダ一部材を蓋体の前端縁中央部に設け、このスラ
イダ一部材の爪片が容器に陥没形成された傾斜面に作用
するように構成してもよい。

筐た、上記実施例では、容器筐たは蓋体の前端縁中央部
にスライダ一部材を配設したが、本考案では、スライダ
一部材の位置はこれに限られるものでなく、容器と蓋体
との何れか一方の両側縁に凹所を形成して、ここにスラ
イダ一部材を設け、他方の両側縁に傾斜面を陥没形成す
るようにしてもよい。

更に、上記実施例では、弾性体１７をスライダ一部材１
３と一体的に形成された円弧状部片１７ａとしたが、弾
性体はこれに限られるものでなく、第４図に示されるよ
うに、スライダ一部材と別体に構成され、スライダ一部
材の内端と凹所の奥面との間に介装されるコイルスプリ
ング１７ｂとすることができ、更には、図示するのを省
略したが、コイルスプリングの代りに板ばね昔たは弾性
ブロックすることもできる。

以上のように、本考案のコンパクト容器では、スライダ
一部材が作用する傾斜面を蓋体または容器の同縁部に形
成してなるので、この傾斜面の長さ及び角度を自由に設
定することができ、よって、スライダ一部材に加える力
を比較的小さくしても、蓋体を容器に対して比較的大き
な角度開放することができる。

會た、スライダ一部材の内側の凹所内に弾性体を介装し
てスライダ一部材を常時外方に向けて付勢しているため
、蓋体の開放後にもスライダ一部材がガタつくことがな
くなる。

また、前記弾性体をスライダ一部材と一体的に弾力性を
有する合成樹脂から形成してなる場合、製造簡単で、組
立容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の一実施例を示し、第１図はそ
の蓋体を開放しかつスライダ一部材を分解して示す斜視
図、第２図は閉止位置における要部断面図、第３図は開
放状態を示す要部断面図、第４図はスライダ一部材に別
体として取付けた弾性体の例を示す斜視図である。 １・・・容器、２・・・蝶番、３・・・蓋体、４・・・
爪片、５・・・第１突片、６・・・傾斜面、γ・・・第
１凹所、８・・・第２凹所、９・・・化粧料収納トレイ
、１０・・・腕、１１・・梁、１２・・・窓孔、１３・
・・スライダ一部材、１４・・・第２爪片、１５・・・
第２突片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蝶番によって蓋体を容器に開閉自在に結合し、該蓋体を
   閉じた時に該蓋体の第１突片と該容器の第２突片との保
   合によって蓋体が容器に対して閉止位置を占める合成樹
   脂製コンパクト容器に釦いて、該容器と該蓋体の何れか
   一方の周縁部に凹所を一体的に形成するとともに、該凹
   所の前方部には梁を渡設して該梁の内方の該凹所に窓孔
   を形成し、該凹所内には端面に爪片を突設させたスライ
   ダ一部材を摺動自在に収納して該爪片を該窓孔内に嵌挿
   し、該爪片の外壁面に前記第２突起を突設するとともに
   前記スライダ一部材の内端と凹所の実所との間に弾性体
   を介装して該スライダ一部材を常時外方に向けて付勢し
   、該容器と該蓋体との何れか他方の周縁部から前記第２
   突片に向けて前記第１突片を突設するとともに、前記ス
   ライダ一部材の爪片の内側端角部に対向して、該他方の
   該容器寸たは該蓋体に内方に向けて肉厚を漸増するよう
   に傾斜し該爪片の内側端角部に摺接自在な傾斜面を形成
   し、該閉止位置に訃いて該スライダ一部材を内方へ押圧
   すると該第１突片と該第２突片の係合が解除され、次い
   で該爪片が該傾斜面に作用して該蓋体を該容器に対して
   開放させてなることを特徴とするコンパクト容器。