JPS5846725Y2 - コンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンパクト容器の改良に係るものであり、より
具体的には蓋体と容器を蝶番によって開閉自在に結合し
、該蓋体を閉じた時に蓋体の第１突片と容器の第２突片
とが係合して蓋体が容器に対して閉止位置を占める合成
樹脂製コンパクト容器の改良に係るものである。

上記のタイプのコンパクト容器は従来から種々のものが
提供されているが、それらにあっては蓋体に形成される
突片と容器の突片の形状や突出量が正確に所定のものに
設定されなければならず、そうでない場合には両者の係
合が弱くコンパクト容器が不必要なときに開いてしまう
とか或いは逆に保合がきつくて蓋体を開放するのに大き
な力を要し、使用者にとって不便なものとなる。

このためコンパクト容器の成形に当っては、これらの突
片を正確に成形するのに最大級の注意が払われているが
、これにもかかわらず製造上の誤差によって保合不良の
ものが生じ返品となるものが多く、大きな問題となって
いた。

また、従来一般的なコンパクト容器では、蓋体を開くの
に片方の手で容器の前端縁を押え、他方の手で蓋体の前
端縁をこじ開けるようにして開くので、この開放操作が
比較的面倒であり、また蓋体の突片と容器の突片の保合
がきつい場合には蓋体を強い力でこじ開けるため、保合
が解除された瞬間に蓋体が急に開くようになって内部の
化粧料や化粧道具が外に飛び出す恐れがあった。

本願考案は上述のような事情に鑑みなされたもので、そ
の目的は製造上の誤差による容器と蓋体の保合不良の問
題を解消するとともに、開放操作を簡単かつスムーズに
行うことの出来るコンパクト容器を提供するにある。

以下に本考案の好適な実施例に係るコンパクト容器を示
す図面を参照して詳述する。

図中１は合成樹脂袋の容器を示し、該容器１はその後端
縁において蝶番２によって合成樹脂型の蓋体３と開閉自
在に結合されている。

蓋体３の前端縁の中央部からは該蓋体３と一体的に形成
された爪片４が下方へ突出しており、該爪片４の内壁面
にはフック状の第１突片５が一体的に形成されている。

一方、この蓋体３の爪片４の位置に対応して、容器１の
前端縁には凹所６が形成されており、その奥面６ａの上
端部が外方へ突出してフック状の第２突片７が設けられ
、蓋体３を閉じると爪片４が凹所６内に進入して第１の
突片５か゛第２の突片７とパチンという音とともに係合
して、該蓋体３か゛閉止位置を占める。

８は凹所６の側壁６ｂ、６Ｃ間に架設された支持棒であ
る。

この凹所６内には作動部片９が配設され、該作動部片９
は水平方向に延長する内方端部１０とこれと一体の拡大
された頭部１１とから戊っており、この実施例にあって
は該内方端部１０が断面略逆コ字形に形成され、中央部
の溝１２は内部が拡大されて凹所６の支持棒８と嵌合す
るようになっている。

この作動部片９は容器１とは別体に成形され、該作動部
片９を凹所６内に入れて支持棒８を溝１２に圧入して組
み立て、これによって該作動部片９は内方端部１０の基
部嵌合部を中心として回動自在に枢着される。

そして第３図に示す蓋体の閉止位置においては、作動部
片９の逆コ字形内方端部１０の上面が該蓋体３から下方
に突出する爪片４の下端に軽く当接する位置関係となっ
ている。

また、作動部片９の頭部１１は該作動部片を凹所６に取
り付けた時、容器１の前端縁と同一面上に位置するよう
形成されており、これによって作動部片９は凹所６内に
体裁良く収納されるとともに、後述する頭部１１の押圧
操作を容易なものとしている。

尚、図中１３は蓋体３に取り付けられた鏡を、また１４
は化粧料などを収納するために容器１に形成された空所
を、それぞれ示している。

次に、上記のように構成されたコンパクト容器の操作に
ついて説明すると、第３図に示す閉止位置から作動部片
９の頭部１１を下方へ向けて押圧すると、作動部片９は
支持棒８を中心として反時計方向へ回転するので、蓋体
３の爪片４と当接している内方端部１０が該蓋体３を上
方へ押し上げるように作用する。

そして、この押し上げようとする力が該蓋体３の第１突
片５と容器１の第２突片７の係合力よりも大きくなると
、該第１突片５と第２突片７との保合が解除されて蓋体
３が一部開き、その後は蓋体３を自由に開けて鏡１３を
所望の角度にセットすることがで゛きる。

このように上記のコンパクト容器にあっては、作動部片
９の頭部１１を下方へ押して該作動部片９を回転させる
ことによって蓋体３と容器１との係合を解除することが
できるので、従来のように容器を押えて蓋体をこじ開け
るような操作と比べて解放操作を簡単に行うことができ
る。

また、作動部片９は溝１２と支持棒８の嵌合枢着部を中
心として回転するため、比較的小さな力で該係合を解く
ことが可能となり、またそれ故、第１突片と第２突片の
成形に際してこれらの間の保合が若干きつくなるように
あらかじめ設計して成形することにより係合不良の発生
を防止することができるものである。

上述のように、本願考案に係るコンパクト容器では、容
器の周縁部に凹所を形成するとともに、該凹所内に内方
端部と該容器の該周縁部と略同−面を形成し得る外方端
部を有する作動部片を枢着ピンによって回動自在に枢着
し、蓋体の閉止位置において該作動部片の該内方端部が
該蓋体の周縁部に近接し、該外方端部を下方へ押圧する
ことにより該作動部片を回動させると該内方端部が該蓋
体を押し上げるように作用し、これによって該容器の突
片と該蓋体の突片との係合を解除するので、該作動部片
を押圧して枢着部を中心として回動させることによって
蓋体を開放することができ、従って従来の蓋体をこじ開
けるような操作に比べて手間がかからず、かつ比較的小
さな力で行うことができるので保合部である突片の設計
により保合不良を防止することが可能となるのである。

また、作動部片は凹所の両側壁間に枢着ピンによって枢
着されるので、組立が簡単で該作動部片の回動はスムー
ズになされ得るが、特に該枢着ピンが凹所の両側壁間に
架設した支持棒から成り、該支持棒を作動部片に形成し
た溝に嵌入することによって該作動部片を枢着すること
とした場合には、組立の効率が更に一層向上し得る。

更に、作動部片の外方端部は容器の周縁部と略同−面上
に位置することとなるため、外観上の体裁かすっきりと
した良好なものになるとともに、該外方端部を指先で下
方に押圧する操作も行ない易いなど、種々の優れた作用
効果を奏し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願考案の一実施例に係るコンパクト容器を示
す斜視図、第２図は作動部片の組立て状態を示す斜視図
、第３図は蓋体の閉止位置における断面図、第４図は第
３図の位置から作動部片を操作して蓋体を一部開けた状
態を示す断面図である。 １・・・・・・容器、２・・・・・・蝶番、３・・・・
・・蓋体、５・・・・・・第１突片、６・・・・・・凹
所、７・・・・・・第２突片、８・・・・・・支持棒、
９・・・・・・作動部片、１２・・・・・・溝。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）蓋体と容器を蝶番によって開閉自在に結合し、該
   蓋体を閉じた時に該蓋体の第１突片と該容器の第２突片
   との係合によって蓋体が容器に対して閉止位置を占める
   合成樹脂製コンパクト容器において、該容器の周縁部に
   凹所を形成するとともに、該凹所内に内方端部と該容器
   の周縁部と略同−面を形成し得る外方端部を有する作動
   部片を配し、該作動部片を枢着ピンにより該凹所の両側
   壁間に回動自在に枢着し、該閉止位置において該内方端
   部が該蓋体の周縁部に近接し、該外方端部を下方へ押圧
   することにより該作動部片を回動させると該内方端部が
   該蓋体を押し上げるように作用し、これによって該第１
   突片と該第２突片との保合を解除してなることを特徴と
   するコンパクト容器。
2. （２）前記枢着ピンが前記凹所の両側壁間に架設された
   支持棒から成り、該支持棒を前記作動部片に形成した溝
   に嵌入することによって該作動部片を回動自在に枢着し
   てなることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のコンパクト容器。