JPS6026727Y2 - コンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、白粉等の化粧品を収納するコンパクト容器に
関するものであって、蓋体の開放操作を行ない易くする
ことを目的とするものである。

白粉等を収納するコンパクト容器は、女性の化粧具たる
持ち物として広く用いられているが、そのファツション
性よりして意匠的にスマートな形状に主眼が置かれ、且
つ携帯に際して邪魔にならないように外表面形状が滑ら
かな流線型であって突出部分のないように成形されてお
り、更には蓋体が濫りに開いてしまっては携帯等の取扱
いに不便であるところから、蓋体は本体に係合部等を介
して確実に係止されている。

従ってこの種のコンパクト容器は、指の引っ掛かる部分
が少ないので開けにくく、蓋を開く際に勢いが余って白
粉等が飛び散ったり１、容器を滑り落したりすることが
多々見られた。

また、本体と蓋体との係合部分に弾材を利用して閉姿勢
を確保し、開蓋時にはこの弾材の弾力に逆らって押圧す
ることにより上記係合を解く手段をとる容器も存するが
、これは単に係合を解くだけであって開蓋する機能を有
する訳ではないので、押圧したまま更に蓋体を開く操作
をしなければならず、甚だ扱いにくいものであった。

本考案は、上述したような従来のコンパクト容器に関す
る不都合、欠点に鑑みて案出されたものであり、螺番を
介して開閉自在に連結され、係合部を介して閉塞状態を
保持する本体と蓋体とから構成されるコンパクト容器に
あって、閉塞状態に於て本体と蓋体間に常に開蓋方向に
反発力を付与する弾材を配賦係合を解くと蓋体が本体か
ら僅かに浮き上って蓋体を簡単に開くことが出来るよう
にしたものである。

以下にその一実施例を図面に従って説明する。

先ず、化粧品を収納したドラムが嵌め込まれる本体１は
上面を開放した薄箱形状であって、内面に鏡板３が嵌め
込まれた同じく下面を開放した薄箱形状の蓋体２と、夫
々の基端で螺番４を介して開閉回動自在に連結されてお
り、この本体１と蓋体２とは、螺番４と反対側である先
端部分に於て後述する形態の保合部によって閉塞状態を
維持している。

本体１の螺番４の近傍に位置する蓋体２との対向面には
嵌入凹部５が穿設され、この嵌入凹部５内には弾材６が
収納固定されている。

この弾材６は、その上端が蓋体２との対向面である本体
の内面１ａより突出しない高さ位置て嵌入凹部５内に抜
は出し不能に且つ内方への弾性変形自在に固定されてい
るが、その構成は種々考えられる。

例えば、第３図図示実施例の場合、嵌入凹部５は、開口
部が狭く内部が両側方に広がる形状であって、開口部と
内部との間に段部５ａが形成されており、一方、弾材６
は、上記開口部内に摺動自在に嵌まり込む当接部６ａ下
面に側方に広がる板バネ６ｂを配した構成であり、当接
部６ａ上面が本体１の内面１ａよりも突き出ない高さ位
置で板バネ６ｂが段部５ａに係合し、弾材６は、抜は出
しが阻止されると共に、当接部６ａ上方よりの所定の押
圧力により板バネ６ｂの弾発力に抗して内方に摺動する
のである。

また、本体１の内面１ａの対向面である蓋体２の内面２
ａには、上述した嵌入凹部５の開口部に対向して突片７
が垂下設されており、蓋体２を閉じた際に、上記突片７
は板バネ６ｂの弾力に逆らって当接部６ａを下方に押し
下げ、嵌入凹部５内に嵌入位置することとなり、閉塞状
態て突片７は常時弾材６によって上方に付勢されている
。

尚、本体１に上述の突片７を、また蓋体２に上述の弾材
６を配しても同一の作用を得ることが出来よう。

また第３図図示実施例の如く、弾材６を２つの部材から
構成するのではなく、合皮ゴムもしくは生コムを使用し
て１つの部材として成形することもできる。

第４図図示実施例は、弾材６を熱可塑性の弾性材料によ
り一体成形したもので、この場合、嵌入凹部５を一種の
成形空間として、弾材６の溶融した成形材料を流し込ん
で弾材６を成形すると同時に嵌入凹部５内に収納固定し
ている。

ところで、本体１と蓋体２との閉状態を維持する保合手
段は種々考えられるところであるが、その一例を図面に
従って説明する。

即ち、本体１の先端部は切り欠かれ、該切欠部分には、
常に先端方向への弾発力を付与された押圧部８が基端方
向への摺動可能に組み付けられている。

この押圧部８は、図示例では、板バネ部８ａが本体１の
切り欠かれた周壁外面に弾接する態様で且つ先端方向へ
の飛び出し不能に組み付けられており、更に押圧部８の
上端には先端方向に屈曲したフック形状の係止片８ｂが
突設されている。

一方、蓋体２の先端部であって本体１の押圧部８に対向
する内面には、閉塞時に上記押圧部８の係止片８ｂが係
合する保合孔９が係止片８ｂのフック形状に対応して穿
たれてあり、押圧部８を板バネ部８ａの弾発貨に逆らっ
て本体１の基端部方向に水平に押圧して摺動させること
によって係止片８ｂの係合孔９に対する係合を解くよう
になっている。

逆に蓋体２を閉じるには、単に閉蓋すれば、係止片８ｂ
は上端部が先端方向に下降する傾斜面となったフック形
状であるので、係合孔９内に滑ってガイドされて嵌入し
、押圧部８は弾発力に逆らって基端部方向に引かれ、完
全に係合した時点でもとの状態に弾性復帰するようにな
っている。

このように、上述した構成に係るコンパクト容器にあっ
て、閉塞状態に於て、前述の如き操作で押圧部８を押圧
して係止片８ｂの係合孔９に対する係合を解除すると、
閉蓋状態で本体１の嵌入凹部５に嵌入して弾材６に弾接
していた蓋体２の突片７は弾材６の弾発力により上方に
押し上けられ、蓋体２は特に先端部分に於て顕著に本体
１より浮き上がり（第２図参照）、指が引っ掛かり易く
なって簡単に蓋体２を開くことが出来るのである。

従って上述の蓋体２の浮き上り状態を可能な限り大きく
するには、本実施例の如く突片７と嵌入凹部５とを螺番
４近傍に位置せしめるのが望ましいのである。

また本体１と蓋体２との係合に関する上述したような押
圧部８と係止孔９とよりの構成にあっては、押圧部８の
操作によって本体１と蓋体２との保合は解けるが蓋体２
が開く訳ではないのて押圧部８を原状態に復帰する再度
係合してしまう。

故に上記係合を解除した時点て突片７と弾材６との作用
によって蓋体２を浮き上がらせることにより保合部分に
於ける位置ずれを達威し、蓋体２の開蓋操作を簡単にし
たのである。

さらに、弾材６は嵌入凹部５内に位置すれは良く、嵌入
凹部５から突出位置する必要がないので、その構成およ
び嵌入凹部５内への組付けが容易である。

以上の説明から明らかな如く、本考案は、蓋体を極めて
簡単且つ確実に開くことが出来るので、その操作に際し
て容器を滑り落したり、白粉を飛び散らかしたりする恐
れは全くなく、しかも構成が簡単であって従来のこの種
容器の外観形状を変えることもないので、アクセサリ−
としてコンパクト容器の意匠的外観が損なわれることも
なく、本考案に係るコンパクト容器は多くの優れた作用
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るコンパクト容器の斜視図、第２図
は蓋体が浮き上った状態の縦断面図、第３図は要部の部
分拡大断面図、第４図は他の要部の実施例を示す部分拡
大断面図である。 符号の説明、１・・・・・・本体、２・・・・・・蓋体
、４・・・・・・螺番、５・・・・・・嵌入凹部、６・
・・・・・弾材、７・・・・・・突片、８・・・・・・
押圧部、９・・・・・・・・・係合孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 螺番により開閉回動自在に連結された本体と蓋体とから
   成るコンパクト容器にあって、前記螺番近傍の本体およ
   び蓋体の対向面の一方に嵌入凹部を設け、該嵌入凹部内
   に、該嵌入凹部内から突出しない姿勢で弾材を収納固定
   し、前記嵌入凹部に対向する他方の対向面箇所に、容器
   が閉塞状態となって際に、前記嵌入凹部内に前記弾材を
   押圧して嵌入する突片を設けて成るコンパクト容器。