JPH068034Y2 - 容 器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は化粧料等を収納するのに適した容器に関するも
ので、詳しくは容器本体と蓋体とにそれぞれ係合突起を
配設し、これらの係合突起が互いの素材が備えている弾
力で係脱するようにしてなる容器に関する。

《従来の技術》 従来、この種の容器では容器本体と蓋体とをそれぞれの
後端部において開閉自在に蝶着し、これらの前端部に設
けた係合突起によって相互に係止されるようにしてい
た。そして、これらの係合突起による係止を解除するに
は、容器本体の前端部に設けたプッシュピースを内方へ
押圧し、この内方への押圧力を蓋体の押上げ力に変換し
て蓋体を開放するようにしたものが広く採用されるに至
っている。

《考案が解決しようとする問題点》 この公知の容器では、プッシュピースは容器本体の前端
部に形成された凹所内に収納されており、従って、プッ
シュピースの押圧位置も容器本体の前端部に限られてい
ることは、操作上必ずしも便利とは言えず、押圧操作部
も広くして蓋体の開放操作を簡易化することが望まれて
いた。

本考案は上記のような要請に基づいてなされたもので、
その目的は押圧操作位置を広範囲なものとし、蓋体を極
めて容易に開放することのできる容器を提供するにあ
る。

《問題点を解決するための手段》 この目的を達成するために本考案に係る容器は、化粧料
等を収納する容器本体と、この容器本体と一端において
一体的に接続形成された弾力性のある環状のプッシュピ
ースと、該容器本体の蓋体とを備え、該蓋体の内周面に
は内方へ突出させた第１の係合突起を配設し、該環状プ
ッシュピースには上記第１の係合突起に対応する位置に
貫通孔を穿設し、該プッシュピースに該蓋体を覆着して
該貫通孔から該第１の係合突起を内方へ突出させ、更に
該環状プッシュピースの下部は上記覆着した該蓋体の下
部端縁より外方へ膨出する形状に形成して押圧面を構成
し、該容器本体の外周面にが該第１の係合突起に弾性係
止する第２の係合突起を形成するとともに、該容器本体
と該押圧面の下部の少なくとも何れか一方は漸次外径方
向へ下向きに傾斜した傾斜面を具備してなることを特徴
とする特徴とする。

《作用》 蓋体を容器本体に被せて第１の係合突起が第２の係合突
起と係合している時の蓋体の閉止位置から、環状プッシ
ュピースの任意の位置における押圧面を容器の内径方向
へ押圧すると、この押圧面の下部端縁は傾斜面に沿って
摺動上昇し、第１の係合突起が第２の係合突起の頂部を
乗り越えて互いの弾性反力による係合が外れ、蓋体は容
器本体から離脱する。

《実施例》 以下に本考案の好適な実施例について添附図面を参照し
て説明する。

第１図に容器の一部を破断した外観を示し、本考案に係
る容器は化粧料・パフ等を収納する容器本体１と、この
容器本体１と一端において一体的に接続形成した弾力性
のあるリング状のプッシュピース２と、蓋体３とからな
る。

容器本体１は、固形化粧料等を納める凹所を形成する環
状壁４の基部を漸次に外径方向へ下向きに突出傾斜させ
た傾斜面５を一体的に構成した皿状になっている。ま
た、上記環状壁４の前方外周面の上部位置には横長な長
方形状に突出させた第２の係合突起６が形成されてい
る。

蓋体３は硬質な合成樹脂からなる蓋本体７と軟質な合成
樹脂からなるリング状のプッシュピース２とで構成され
ている。このリング状プッシュピース２は第２図に示す
如く、容器本体１の基部外周面の後部に一体的に接続形
成したリング状をなす。

即ち、上記容器本体１とリング状のプッシュピース２と
の接続部分はプッシュピース２が容器本体１の環状壁４
の上端周縁部に回動覆設可能なヒンジ８を構成している
もので、これらの素材はヒンジ特性を有するポリプロピ
レン等を選定するとよい。そして、蓋本体７の内周面に
形成した第１の係合突起９をリング状のプッシュピース
２の周壁に配設した貫通孔１０に貫通止着して蓋本体７
の内側にリング状のプッシュピース２を一体に嵌着組合
せている。

詳しくは、蓋本体７の内周面には９０度間隔で内方へ水
平に突出させた４つの係合突起９が配設され、リング状
プッシュピース２の周壁には、上記係合突起９が存在す
る対応位置に係合突起用貫通孔１０を穿設しており、上
記蓋本体７の係合突起９は上記貫通孔１０に臨ませて、
蓋本体７の内側へリング状プッシュピース２を嵌着させ
ているものである。その場合、係合突起９は貫通孔１０
を貫通して若干内方へ突出した状態になっている。

更に、この軟性合成樹脂材で形成したリング状プッシュ
ピース２は、基端部が外方へ屈曲膨出され、この膨出部
分で押圧面１１を形成している。従って、この押圧面１
１は蓋本体７の外周面よりも若干外方へ突出した形状に
なっている。

上記構成による容器は第３図（イ）に示すように、容器
本体１に蓋体３を被せ、そのまま押せば係合突起９は容
器本体１側の係合突起６を内側へ撓ませながらその頂部
面を越えて垂直下方へ摺動し、係合突起６の裏面に互い
の弾性反力で係止して、容器本体１に蓋３が嵌着した閉
止状態を維持する。次に、容器本体１から蓋３を外す場
合には、第３図（ロ），（ハ）に示すようにリング状プ
ッシュピース２の及び第４図に示すようにリング状プッ
シュピース２の押圧面１１を押圧すれば、押圧面１１の
下部端縁は容器本体１の傾斜面５に沿って内側へ弾性変
形しながら摺り上がり、係合突起用貫通孔１０が係合突
起９を押し上げるようにして作用し、容器本体１の係合
突起６から係合突起９を外すので、蓋３は容器本体１か
ら開き得る。

尚、図示した実施例では容器本体１の基部に傾斜面５を
形成したが、これに限られることなく、この基部は断面
矩形に形成し、この基部に当接するプッシュピース２の
下端部を傾斜面としても同様の作用が得られ、また更に
は容器本体１の基部及びプッシュピース２の下端部の両
方ともに同一角度の傾斜面としても良い。

第４図は、容器本体１の基部及びプッシュピース２の押
圧面下端部の両方ともに同一角度の傾斜面を付したもの
である。こうすると、押圧時に安定した摺動動作が得ら
れる。

《効果》 以上詳しく述べたように、本考案に係る容器によれば、
プッシュピースを容器本体に一体的に開閉自在に蝶着
し、これに蓋体を取付けているので、格別にヒンジ構成
する支軸部材等１構成装着する必要がなく、製造工程が
簡略になる。このことは更に、容器本体と蓋体とが常に
接続された状態になっており、かつプッシュピースは環
状体をなすので、その押圧面の任意の位置を押せば容器
と蓋体との係合が外れるので、常に片手で蓋体の開閉操
作が行え、蓋体の開放操作が極めて簡便となる。また、
プッシュピースの押圧面は緩い傾斜面に案内されなが
ら、垂直分力を発生し、かつこの分力を受ける係合突起
の係合個所は部分的なので、比較的小さな押圧力で蓋体
を開くことができる。

また、押圧面下部の端縁が容器本体基部の傾斜面の傾斜
角度と同一角度に形成されている場合には、互いに接す
る接触面積が広がり、安定した押圧面を押す操作が安定
して得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る容器の一部破断斜視図、
第２図は容器本体とプッシュピースとを示す斜視図、第
３図は蓋体の開閉状態をそれぞれ（イ），（ロ），
（ハ）に各別に示す縦断面図、第４図は係合突起と傾斜
面及び押圧面との関係を説明するための一部破断断面図
である。 １……容器本体 ２……リング状プッシュピース ３……蓋体、５……傾斜面 ６……第２の係合突起 ７……蓋本体、８……ヒンジ ９……第１の係合突起 １０……係合突起用貫通孔 １１……押圧面

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】化粧料等を収納する容器本体と、この容器
   本体と一端において一体的に接続形成された弾力性のあ
   る環状のプッシュピースと、該容器本体の蓋体とを備
   え、該蓋体の内周面には内方へ突出させた第１の係合突
   起を配設し、該環状プッシュピースには上記第１の係合
   突起に対応する位置に貫通孔を穿設し、該プッシュピー
   スに該蓋体を覆着して該貫通孔から該第１の係合突起を
   内方へ突出させ、更に該環状プッシュピースの下部は上
   記覆着した該蓋体の下部端縁より外方へ膨出する形状に
   形成して押圧面を構成し、該容器本体の外周面には該第
   １の係合突起に弾性係止する第２の係合突起を形成する
   とともに、該容器本体と該押圧面の下部の少なくとも何
   れか一方は漸次外径方向へ下向きに傾斜した傾斜面を具
   備してなることを特徴とする容器。
2. 【請求項２】上記環状プッシュピースの下部端縁は上記
   容器本体の傾斜面と同一の傾斜角度に形成してなること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の容
   器。
3. 【請求項３】上記容器本体と上記環状プッシュピースと
   をヒンジ特性を有する合成樹脂から一体的に接続形成し
   てなることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   または第２項記載の容器。