JPH0530654Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、化粧料を充填した収納皿が交換でき
るコンパクトケースに関するものである。

〔従来の技術〕

従来より、化粧料を充填した収納皿を任意に取
り外しでき、収納皿を交換できるコンパクトケー
スが数多く提案されている。この取り外し手段の
主なものとしては、粘着剤で収納皿を貼着する構
成、磁力によつて収納皿を吸着させる構成、収納
皿及びケースに係合部を設け収納皿を係合させる
構成、等の構成があつた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、粘着剤で収納皿を貼着する構成は、収
納皿を装着する際には収納皿を粘着剤に貼着させ
ればよいため簡単に装着できるのであるが、収納
皿を取り外す際には、粘着剤の粘着力に抗して収
納皿を押し上げなければならないため、収納皿が
外しにくいという欠点があつた。また、磁力によ
つて収納皿を吸着させる構成は、収納皿の着脱は
簡単に行えるのであるが、収納皿及びケースに磁
石及び磁性体が必要となり、コスト高の原因とな
つていた。また、収納皿及びケースに係合部を設
け、収納皿を係合させる構成は、収納皿を取り外
すための機構、例えば収納皿の下方にくさび状の
ボタンを突入させて収納皿を押し上げる等の特殊
な機構が必要であつた。また、収納皿の着脱時に
収納皿に応力が働き、収納皿が変形して化粧料が
破損してしまう危険性もあつた。

〔課題を解決する為の手段〕

化粧料１を充填した収納皿２は、外側壁上端に
鍔部３を周設する。

縦横比の大きい長方形状をした下蓋７は上面
に、収納皿２が納置される化粧料収納所１１、及
びパフ等の塗布具１２が収納される塗布具収納所
１３とを連続して刻設する。この化粧料収納所１
１の長辺がわ両側壁には収納皿２の鍔部３が塗布
具収納所１３の方向より突入係合可能なガイド溝
１６を塗布具収納所１３端に開溝して刻設し、収
納皿２が化粧料収納所１１及び塗布具収納所１３
間を移動可能に構成する。この下蓋７と上蓋６を
蝶番８によつて開閉自在に連結する。本考案は以
上構成のコンパクトケースである。

〔作用〕

化粧料１が充填された収納皿２を下蓋７に装着
させるのには、先ず塗布具収納所１３に収納され
た塗布具１２を取り出し、この塗布具収納所１３
に収納皿２を納置する。そして、収納皿２を化粧
料収納所１１の方向に摺動させると、収納皿２の
鍔部３が塗布具収納所１３端に開溝した化粧料収
納所１１のガイド溝１６に突入し、収納皿２が化
粧料収納所１１に位置した時には、収納皿２が化
粧料収納所１１内に収納保持されるものとなる。

逆に、収納皿２を取り外したい場合には、塗布
具１２を塗布具収納所１３より取り出し、化粧料
収納所１１に収納保持された収納皿２を塗布具収
納所１３の方向に摺動させ、収納皿２の鍔部３と
化粧料収納所１１のガイド溝１６との係合を解除
させ、塗布具収納所１３より収納皿２を取り出せ
ばよい。

〔実施例〕

先ず、化粧料１が充填される収納皿２について
説明する。収納皿２は、肉厚が0.6mm程度のアル
ミニウム板材を皿状に成形したものである。そし
てその上端全周は、外方向に屈曲させ、折り返し
て鍔部３を構成している。また、収納皿２の一方
の対向した外側壁の中央には、それぞれ感応突部
４が突出している。

次に、この収納皿２を収納するケース本体５に
ついて説明する。ケース本体５は、縦横比の大き
い長方形状をした上蓋６と下蓋７とより構成さ
れ、それぞれの一方の短辺が蝶番８によつて開閉
自在に連結している。そしてそれぞれの他方の短
辺には、上蓋６と下蓋７を閉じた状態で保持し、
且つその保持を任意で解除できる係止機構９を設
けている。上蓋６の下面には、鏡１０が貼着され
ている。下蓋７の上面には、収納凹所１４が刻設
されている。この収納凹所１４の蝶番８がわは、
前記収納皿２が収納される化粧料収納所１１とな
つており、係止機構９がわは、パフ等の塗布具１
２が収納される塗布具収納所１３となつている。

この塗布具収納所１３は、前記収納皿２の鍔部
３を含めた幅よりも僅かに広い幅となつており、
収納皿２全体が収納可能な大きさとなつている。
また、長辺方向の内側壁には、収納皿２の鍔部３
下面が当接するベランダ状の段部１５を設けてい
る。

化粧料収納所１１は、塗布具収納所１３よりも
幅が狭く、鍔部３を除く収納皿２の幅よりも僅か
に広い幅となつている。そして、長辺方向の両側
壁には、塗布具収納所１３の段部１５より連続し
たガイド溝１６が刻設されている。このガイド溝
１６は、塗布具収納所１３の化粧料収納所１１と
の境に開溝しており、塗布具収納所１３の段部１
５上に当接した収納皿２の鍔部３が、突入可能に
構成されている。その結果、収納皿２が塗布具収
納所１３と化粧料収納所１１の間を移動可能に構
成されている。更に、化粧料収納所１１のガイド
溝１６下方側壁には、前記収納皿２の感応突部４
が乗り越える事の可能な突部１７が突出してい
る。この突部１７は、収納皿２が化粧料収納所１
１の蝶番８がわ側面に当接した時点で感応突部４
が突部１７を乗り越え、係合して収納皿２を脱落
不能にする位置に設けられている。

また、下蓋７の蝶番８がわ側壁には、外部より
収納凹所１４の化粧料収納所１１まで貫通した貫
通孔１８が穿設されている。この貫通孔１８は、
硬貨等が差し込めるよう構成され、この硬貨等を
化粧料収納所１１に係合した収納皿２の側壁に当
接させ、塗布具収納所１３の方向に押圧すること
により、収納皿２の係合を解除させるよう構成し
ている。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、化粧料１を充填した収
納皿２に鍔部３を突出させ、この鍔部３を塗布具
収納所１３より化粧料収納所１１に設けられたガ
イド溝１６に突入させ、装着しているため、収納
皿２には何等外力が加わらず、装着時に収納皿２
が変形して化粧料１が損傷してしまうような事は
全くないものとなつている。更に、通常の使用状
態では、収納皿２を取り外す事のできる塗布具収
納所１３には、塗布具１２が収納されているた
め、携帯時等に不用意に収納皿２が外れてしまう
ような事もない。

尚、本考案の実施例のように、化粧料収納所１
１の側壁に突部１７を設け、収納皿２にこの突部
１７と係合する感応突部４を設けておけば、収納
皿２の装着が更に確実なものとなる。また、下蓋
７の側壁に、硬貨等を挿入して収納皿２を塗布具
収納所１３の方向に押圧できる貫通孔１８を穿設
しておけば、収納皿２の取り外し時に、指等を化
粧料１で汚してしまう心配がなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、本考案実施例の斜視図。 １……化粧料、２……収納皿、３……鍔部、４
……感応突部、５……ケース本体、６……上蓋、
７……下蓋、８……蝶番、９……係止機構、１０
……鏡、１１……化粧料収納所、１２……塗布
具、１３……塗布具収納所、１４……収納凹所、
１５……段部、１６……ガイド溝、１７……突
部、１８……貫通孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 化粧料１を充填し、外側壁上端に鍔部３を周設
   した収納皿２と、 縦横比の大きい長方形状をし、上面に、該収納
   皿２が納置される化粧料収納所１１、及びパフ等
   の塗布具１２が収納される塗布具収納所１３とを
   連続して刻設し、前記化粧料収納所１１の長辺が
   わ両側壁には、収納皿２の鍔部３が塗布具収納所
   １３の方向より突入係合可能なガイド溝１６を塗
   布具収納所１３端に開溝して刻設し、収納皿２が
   化粧料収納所１１及び塗布具収納所１３間を移動
   可能に構成した下蓋７と、 該下蓋７と蝶番８によつて開閉自在に連結した
   上蓋６と、 より構成される事を特徴とするコンパクトケー
   ス。