JPH0323124Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案はコンパクト容器に係り、特に開口部に
収納された回動部材を回動することによつてフツ
クを開放して蓋を開くことが出来る方式のコンパ
クト容器に関するものである。

＜従来の技術＞ 従来のこの種のコンパクト容器は開口部に露出
されているボタン等を押圧して摺動させたり、或
いは回動することによつて蓋を開いていたが、ポ
ケツトやハンドバツク等に入れて持ち歩いている
際に外圧でボタンが押されて蓋が不用意に開いた
りする欠点があり、又蓋を開く為に指で作動しな
ければならないので、作動ストロークが心要にな
り、更に各構成部分が露出している為にデザイン
的に制約される欠点があつた。

また最近になつて、例えば実開昭58−5611号公
報に示す如く、身の開口部に切り割孔を穿設し、
この切り割孔に回動部材を回動自在に収納し、回
動部材の一部を指先で押圧することによつて、回
転部材で蓋を押し上げて開口するようにした技術
が開発されている。

また実開昭58−55704号公報に示す如く、身の
開口部の凹部にスライド部材と弾性部材とを夫々
並列し、スライド部材の摺動によつて弾性部材を
回動させて、この弾性部材で蓋を押し上げて開口
するようにした技術も開発されている。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 然るに、前者の回転部材を身の切り割孔に回動
自在に収納する技術は、身の開口部に切り割孔を
穿設しなければならず、かつこの切り割孔に収納
した回転部材の特定部分を指先で一定の圧力で正
確に押圧しなければならず、操作性に問題点があ
つた。

また後者の開口部の凹部にスライド部材と弾性
部材とを夫々並列して収納する技術は、構成部品
点数が多く、組立作業が複雑であり、かつこれ等
の部品の組立調整が困難であり、故障の心配もあ
る等の問題があつた。

本考案は従来のこれ等の欠点に鑑み開発された
技術であつて、特に開口部に収納された略逆Ｌ字
形のカギ状回動部材の鎖を引つ張ることによつ
て、このカギ状回動部材を回動させて、蓋のフツ
クを押し上げ、これによつて身のフツクとの噛合
を開放して蓋を開くことが出来るコンパクト容器
を提供しようとするものである。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案に係るコンパクト容器は従来の前述の問
題点を根本的に改善した技術であつて、その要旨
は開口部にフツクを有する蓋と該フツクに噛合し
得るフツクを開口部内面に有すると共に、化粧料
を収納し得る身とを開閉自在に蝶着してなるコン
パクト容器に於いて、下部に鎖が取り付けられた
断面略逆Ｌ字形回動部材を身の底部に起立された
支持棒と身の内周面との間に回動自在に収納する
と共に、該回動部材の水平自由端の上面を蓋のフ
ツクの下面に当接させ、前記身の開口部の側壁に
穿設された切欠溝より前記回動部材の鎖を身の外
方に露出して構成したものである。

＜作用＞ 本考案に係る容器は上述の如く、係止用フツク
を押し上げて噛合を開放することが出来る略逆Ｌ
字形のカギ状回動部材を身の開口部に回動自在に
収納し、かつカギ状回動部材の下部に鎖を取り付
けると共にこの鎖を身の外方に露出して構成した
ので、カギ状回動部材の鎖を引つ張つてカギ状回
動部材を回動することによつて、蓋のフツクを回
動部材の自由端で押し上げて、フツク相互の噛合
を開放し、これによつて容器の蓋を簡単かつ確実
に開くことが出来る。

＜実施例＞ 図により本考案に係る容器の一実施例を具体的
に説明すると、第１図は本願のコンパクト容器の
斜視図、第２図はその構成部品の説明図、第３図
乃至第６図は本願の容器の構成及び使用状態を示
す要部の断面説明図である。次に第１図乃至第６
図に於いて、１は皿枠体２を収納し得る身であつ
て、開口部にフツク３を有する蓋４が開閉自在に
蝶着されている。５は略逆Ｌ字形のカギ状回動部
材であつて、そのカギ状回動部材５の下部所定位
置には鎖６が取り付けられている。またカギ状回
動部材５の中央部両側には突起５ａが夫々突設さ
れている。このカギ状回動部材５は身１の開口部
の内側に回動自在に収納されている。又身１の開
口部内面には前記蓋４のフツク３と噛合し得るフ
ツク７が突設されている。

前記カギ状回動部材５を身１の開口部に取り付
けるに当たつては、身１の内壁上縁に突設された
切溝１ａとにカギ状回動部材５の突起５ａを回動
自在に嵌入し、かつカギ状回動部材５の一辺を水
平に保ち、その水平な自由端を蓋４のフツク３の
下面に当接して構成する。更に垂直に保持された
他辺の下部に取り付けられた鎖６の先端を身１の
開口部の側壁に穿設された切欠溝１ｂより外方に
露出して全体を構成する。

本考案に係る容器の作動について説明すると、
第３図乃至第６図に示す如く、蓋４のフツク３を
身１内に挿入することによつて、フツク３とフツ
ク７とを相互に噛合せしめて、蓋４を身１に固定
する。次に蓋４を開く場合には、身１より露出し
た鎖６を手前に引つ張ることによつて、カギ状回
動部材５を回動させ、かつこのカギ状回動部材５
の回動によつてその一辺の水平な自由端によりフ
ツク３を強制的に押し上げ、これによつて両方の
フツク３，７の噛合を開放し、蓋４を開くことが
出来る。身１と蓋４との蝶番部にスプリング９を
介在した場合には蓋４を自動的に上昇して開くこ
とが出来る。＜考案の効果＞ 本考案に係るコンパクト容器は、上述の如き構
造と作用とを有するので、従来のコンパクト容器
と異なり、容器から露出した鎖を単に手前に引つ
張ることによつて、これに連結されたカギ状回動
部材を回動して、蓋のフツクをこのカギ状回動部
材で強制的に押し上げ、蓋のフツクを身のフツク
から開放して蓋を開口することが出来る。

従つて、操作が極めて容易であると共に確実で
ある。更に従来のボタン式のものと異なり、ポケ
ツトやハンドバツク等に入れて持ち歩いても、外
圧でボタンが押されて蓋が不用意に開いたりする
恐れもない。

しかも容器全体の外観が従来のものと異なり美
しい等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願のコンパクト容器の斜視図、第２
図はその構成部品の説明図、第３図乃至第６図は
本願の容器の構成及び使用状態を示す要部の断面
説明図である。 １は身、１ａ，８ｂは切溝、１ｂは切欠溝、２
は皿枠体、３，７はフツク、４は蓋、５はカギ状
回動部材、６は鎖、８は支持棒、９はスプリング
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開口部にフツク３を有する蓋４と該フツク３に
   噛合し得るフツク７を開口部内面に有すると共
   に、化粧料を収納し得る身１と開閉自在に蝶着し
   てなるコンパクト容器に於いて、下部に鎖６が取
   り付けられた断面図略逆Ｌ字形回路部材５を身１
   の底部に起立された支持棒８と身１の内周面との
   間に回動自在に収納すると共に、該回部材５の水
   平自由端の上面を蓋４のフツク３の下面に当接さ
   せ、前記身１の開口部の側壁に穿設された切欠溝
   １ｂより前記回動部材５の鎖６を身１の外方に露
   出して構成したことを特徴としたコンパクト容
   器。