JP2004515259A - 回動式蓋部を有するメークアップタイプケース - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ヒンジ式の蓋によって閉塞することができるケース、特にメークアップケースタイプのものに関する。このようなメークアップケースは一般に少なくとも一式のヒンジによって互いにヒンジ連結された底部と蓋部の二部材を有している。一般に、このケースは、ペースト状、液状もしくは粉体状のコンシステンシーの一又は複数の破砕性製品、例えばアイシャドウ、ルージュ、ブラッシャー又はファンデーションを収容するためのものである。通例、ケースは広範囲の異なった色調で提供される製品を収容した状態で市販される。
【0002】
よって、所望の色調のメークアップを選択するためには、消費者はケースを包装から取り出し、開けて製品の色をチェックすることを余儀なくされることが多い。
販売場所で直ぐにメークアップ製品の色調を見れるようにするために、米国特許第5568820号では、ケースの底部の直ぐ下に蓋部が来るように底部に対し蓋部を360°回動させることができる構造のメークアップケースが提案されている。この位置では、ケースは、ブリスター包装タイプもしくはヒートシュリンクフィルムタイプの透明パッケージに包装できる。よって、ケースをブティック又はショップに展示し最小の空間を占めるだけにできる。
【0003】
上述の文献では、底部と蓋部の連結は複数のヒンジ構造によっている。すなわち、米国特許第5568820号のケースの底部は取付ヒンジピンを備えたヒンジによって中間部材にヒンジ結合され、蓋部はその一部がフィルムヒンジによってこの中間部材にヒンジ結合されている。使用者がケースを初めて閉止するときに、中間部材が蓋部に対して固定され、フィルムヒンジは、ケースが使用されている残りの時間実施される開閉操作中に作動不能である。
米国特許第5568820号のケースの構造には幾つかの不具合がある。すなわち、蓋部がフィルムヒンジによって中間部材に連結される場合、蓋部が、ケースの底部の下の最大に開口した位置から離れる方向に弾性的に移動し、蓋部と中間部材が成形された位置まで戻る傾向がある。その結果、蓋部は底部の下には満足できる状態では位置させられない。
【0004】
実際のところ、フィルムヒンジによって接合される部材を製作するために使用される材料の弾性のために、上記の事態が頻繁に起こる。製造されるフィルムヒンジを持つそのような構造を可能にする一材料はポリプロピレンである。しかして、そのような材料製のケースは使用者が高価な製品であると予想するものと合致した外観を示すようにするのが難しい。
米国特許第6014978号と米国特許第5078159号には、底部と蓋部の連結が中間部材と複数のヒンジ構造によってなされている同じタイプのケースが記載されている。中間部材が底部に対して回動するとき中間部材に対して蓋部を固定する手段が設けられていない。
【0005】
よって、本発明の目的の一つは、互いにヒンジ結合される二部材で形成され、上において検討したケースについて上述した問題を完全にもしくは部分的に解決する上述したタイプのケースを提供することにある。
本発明の特定の一目的は、蓋部を底部に対して360°までの最大開放位置にしてケースが含む製品を提供すること可能にする関節構造によって蓋部によってヒンジ結合されたメークアップケースを提供することにある。より詳細には、本発明の主題は、蓋部を底部に対して360°開放した位置に確実にかつ安定して位置させることができるケースである。また、本発明は信頼性があり長期間にわたって耐久性に優れた操作ができるケースを対象とする。更には、本発明は満足できる美観を持ち、経済的に製造でき、簡単に使用できるメークアップケースを対象とする。
その他の目的は以下の詳細な記載から明らかになるであろう。
【0006】
本発明において、これらの目的は、底部と、少なくとも最初の使用前に、底部の下に位置せしめられるように底部に対して回動可能な蓋部を具備するケース、特にメークアップケースにおいて、底部を中間部材に対して第一の軸A1の回りにヒンジ連結し、中間部材を蓋部に対して第二の軸A2の回りにヒンジ連結し、固定手段が、中間部材が軸線A1の回りに中間部材に対して回動するとき蓋部を固定し、中間部材が軸線A2の回りに蓋部に対して回動するとき中間部材を固定可能であるケースを製作することにより達成される。
蓋部が底部に対して360°にわたって回動できるので、内容物が使用者に直ぐに見えるように広く開放した状態でケースを展示できる。よって、広く開放した状態で、ケースを透明ブリスターに包装でき、及び/又は販売店に展示できる。360°まで折り返されたブリスターに包装する方法にはケースの保管面積を最小にできるという利点がある。
【0007】
好ましくは、固定手段は中間部材に少なくとも部分的に支持される。固定手段は底部に支持された相補的な第一係止手段と蓋部に支持された第二係止手段と選択的に係合可能である。よって、蓋部が底部に対して360°の位置にある状態では、蓋部を底部上に折り畳んで閉止状態にすることは、蓋部を第二の軸の回りに部分的に回動させ、ついで第一の軸の回りに部分的に回動させることにより実施される。固定手段は、適切には、回動が第二の軸の回りにあるとき第一の軸を作動しないようにし、またその逆を可能にする。
本発明の好適な側面では、中間部材は二の長手方向の縁部を有する。これらの二の長手方向の縁部は、好ましくは互いに平行であり、第一の関節軸は中間部材の第一縁部の近傍に位置せしめられている。従って、第二の関節軸は第一縁部と反対の第二縁部の近傍に位置せしめられている。
【0008】
好適な一実施態様では、ケースは、別の部品として形成された底部と蓋部からなり、軸の少なくとも一つは取付ヒンジピンを備えたヒンジによって形成されている。これは、底部と蓋部を二種の異なった材料から製作することができるという利点を有する。好適には、底部と中間部材はフィルムヒンジの製作に適した経済的に適した材料、例えばポリプロピレン又は他の適切なポリオレフィンから一部品として成形される。蓋部に関する限りは、これは、この場合には、取付ヒンジピンを持つヒンジにより中間部材に連結される。ケースの最も目に見える部分を構成する蓋部は、ポリプロピレン以外の材料から製造され、例えば特定の装飾塗装を施すことが可能になる。蓋部を製作するために使用できる材料の非限定的な例としては、アクリロブタジエン−スチレン(ABS)、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリオキシメチレン(POM)又はポリスチレン−アクリロニトリル(SAN)を挙げることができる。
【0009】
特定の一実施態様では、固定手段は、中間部材の少なくとも一部分、例えば中間部材の少なくとも一の側方面に位置せしめられた少なくとも一の部材、例えば突起(ピップ部)を有していてもよい。この固定部材は、底部の部位又は蓋部の部位にそれぞれ形成された相補的な部材、例えば対応するハウジングに選択的に係合可能である。あるいは、逆の構造を考えてもよい。しかして、第一の突起が底部の部位に位置せしめられ、第二の突起が蓋部の部位に位置せしめられる。この場合、中間部材は第一又は第二の突起を選択的に収容可能なハウジングを有している。
好適には、中間部材に対する底部の固定は取外し不能(不可逆的)である。この場合、中間部材は底部に対して固定化され、第一の軸が操作不能になる。第二の軸の回りの中間片上での蓋部の回動のみが可能であり、これは広く開放した角度と比較して制限された所定角度の部分にわたっている。
【0010】
本発明が対象とするケースは、好ましくは程度の差はあれ平坦な形状で製作され、製品、特にメークアップ製品のような破砕性製品を収容可能な少なくとも一の区画室を形成する容器を形成する。好適には、容器は製品を適用する部材をまた収容するような形状とされている。また、蓋部はその一側に鏡を備えてもよく、使用者がメークアップをするときに自分を見ることができる。
適切ならば、ケースは底部上に閉止位置で蓋部を取り外し可能(可逆的)に固定可能な手段を具備する。
上述した構成とは別に、本発明は、添付図を参照して説明する幾つかの非限定的な実施例について以下に説明する幾つかの他の構成からなる。
【0011】
特に図1a、1b、2a及び2bにおいて、本発明の第一実施形態に係るメークアップケースは参照番号1で示されている。該ケースは、ファンデーション、アイシャドウ、ブラッシャー又は他の同じタイプの製品のようなメークアップ製品を特に包装するために使用されるような、ほぼ平坦な形状である。
図1a及び1bは使用状態のケースを示している。この状態では、蓋部4は底部2に対して約120°開放されており、使用者は一用量の製品Pを取り上げることができる。
【0012】
ケース1は底部2と、底部上に回動可能に設けられた蓋部4とから主に形成され、両方が一又は複数の材料の成形により得られる。底部2は一又は複数の製品P、特にメークアップ製品のための容器2aを形成する一又は複数の区画室を形成する。適切には、部品の一つはアプリケータを収容するために使用でき、製品を取り上げ所望の点(図示せず)に塗布される。
蓋部4は鏡4aを収容するその表面の実質的な部分にわたって延びる凹所9を有している。蓋部4により支持される締め具4bは底部2の蓋部4を可逆的に固定するように底部2に支持される対応する部材2bと係合可能である。この固定部材2bの近傍では、底部2が切り欠き部3を形成しておりケース1を開放するのを容易にする。
【0013】
蓋部4は、細長い形状で二の細長い縁部21,22を有する中間部材20によって底部2に連結されている。蓋部は二つのフランク部20a、20bによって側方が形成されている(図3b)。特に図2a及び2bにおいて分かるように、中間部材20は第一の関節軸A1を形成する取付ヒンジピンタイプのヒンジの第一のヒンジ23により底部に連結されている。このヒンジは中間部材の縁部21に位置せしめられている。縁部22には、第二の関節軸A2を形成する同じタイプの第二のヒンジ24が形成されている。この第二のヒンジ24は中間部材2を蓋部4に連結している。よって、底部への中間部材を介しての蓋部のヒンジ連結は、軸が平行である二重のヒンジ構造によってもたらされている。
締め具2bを有する端部とは反対の一端では、底部は、中間部材20が配置される切り欠き部5(図2b及び6)を形成している。同様にして、同様な切り欠き部7が蓋部の一端に設けられ(図3a及び7を参照)、広く開放した位置に対応する展示位置に中間部材20を収容することができる(図2a及び2b)。
【0014】
ケースの底部に対して図2a及び2bに示した位置に蓋部を維持するために、固定手段Cが提供される。特に図3bに示されているように、中間部材20はその側方フランク部20a及び20bに位置せしめられた二つの突起Cを有している。これらの突起Cは蓋部4の側壁7a、7bに形成された凹所B1と協働可能である。係止凹所B1は、突起が摩擦により保持される突起Cを可逆的に収容可能である。同様に、底部2の切り欠き部5は切り欠き部5の側壁5a、5bに位置せしめられた二つの係止手段B2を有している。係止手段B2は、後で詳細に説明されるように、ケースが最初に閉止される時点で、特に不可逆的に突起Cを収容する構造となっている。
【0015】
図2a及び2bに示された広く開放した位置でケースを構成することにより、底部の下に蓋部を位置させることができ、蓋部4の上面側41が底部2の下側25に面する。この位置では、ケース1は、閉止したときのケースの位置に対して360°の角度まで開放した展示位置にある。
図2a及び2bに示された展示位置では、ケースは、区画室2aに収容された製品が目に見えるように販売店で展示することができる。この位置により、ケースを透明なブリスターで包装することができる。これは、ケースを開けることを強いられないで所望の色調の製品を消費者が選択することを可能にしながら、製品が保護されるという利点を有する。このようにして包装されたケースは最小の空間を占める。
【0016】
ケースがブリスターに包装される場合、ケースの包装をひとたび開けると、ケースはよって360°開放した位置になる(図2a及び2b)。ケースを使用するには、使用者は底部に対して蓋部を回動させる(図2aにおいて矢印αで示した方向)。蓋部4が図2a及び2bに示された展示位置から回動される間、図3a及び3bから4a及び4bに示した位置から図5a及び5bに示された閉止位置まで連続して通過する。約300°にわたって回動する間、突起Cは係止凹所B1から離脱する。同時に、中間部材20は回動して蓋部の切り欠き部7から出る。この回動の間、中間部材20は底部の切り欠き部5まで移動して接近する。
【0017】
図6に更に詳細に示されているように、突起Cは蓋部の係止凹所B1から離脱し、底部の係止凹所B2に更に近くまで移動する(図7)。ついで突部Cは係止凹所B2に係合する。好適には、この係合は不可逆的に生じる。よって、第一の軸A1はずっと作用不能になる。
ケースを開閉するためには、メークアップにケースを使用する目的で、使用者は角度α2にわたって軸A2の回りのみの回動を使用者が実施する(図1a)。
図5a及び5bは閉止位置のケースを示しており、製品Pを外部から保護し続けることが可能であり、あるいはハンドバッグにケースを入れて運ぶことが可能になる。
図8a及び8bは他の実施形態を示し、ここでは、ケース101は本質的には二部材102,104からなる。第一の実施形態と比較すると、同一であるか類似の機能を果たす部分には、100を増やして第一の実施形態の参照番号を付す。
第一の実施形態と比較すると、ケース101は、適切な材料から、中間部材120と共に一部品として成形される点が異なっている。その構造とその操作はケース1と同様であり、これらはごく簡単に記載する。
【0018】
中間部材120は第一の関節軸A1を形成するフィルムヒンジ123により底部102に連結されている。このフィルムヒンジは、第一の実施形態のケース1について既に記載されたように、ケースが最初に閉止された後に作用不能になる。ヒンジ124は先に記載されたものと同じタイプのものであり、よって詳細な説明は必要でない。
ケース101の構造は、底部と中間部材を製造するために、第一の経済的に有利な材料、例えばポリプロピレンを選択することが可能であるという利点を有している。この材料によりフィルムヒンジ123を製造することができる。このフィルムヒンジ123はケースの底部102に位置せしめられるので、ヒンジ部の白色化はあまり見えない。
【0019】
蓋部については、好適には第二のプラスチック材料が選択され、このものは特別な装飾又は塗装を受けることが可能である。これは、蓋部がメークアップケースの最も見やすく価値のある部位であるために、重要である。第二の材料は、例えばウレアホルムアルデヒド、アクリロブタジエン−スチレン(ABS)、ポリスチレン−アクリロニトリル(SAN)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリルグラス及びポリスチレン等々から選択される。
上述の詳細な記載では、本発明の幾つかの好適な実施形態を参照した。特許請求の範囲に記載された発明の精神を逸脱しない限り、これに変形を加えることができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1a】本発明の第一の実施形態に係るメークアップケースタイプのケースの斜視図である。
【図1b】図1aのケースの断面図である。
【図2a及び2b】360°開放した位置の図1のケースを示す。
【図3a及び3b】蓋部がその広く開放された位置から移動する第一の部分の、図1のケースの断面図と斜視図をそれぞれ示す。
【図4a及び4b】蓋部がその広く開放された位置から移動する第二の部分の、図1のケースの断面図と斜視図をそれぞれ示す。
【図5a及び5b】閉止位置の図1のケースの断面図と斜視図をそれぞれ示す。
【図6及び7】図1のケースの詳細な斜視図をそれぞれ示す。
【図8a及び8b】図1のケースの詳細な斜視図をそれぞれ示す。
Claims (11)
- 底部(2,102)と、少なくとも最初の使用前に、底部の下に位置せしめられるように底部に対して回動可能な蓋部(4,104)を具備するケース(1,101)において、上記底部(2,102)は中間部材(20,120)に対して第一の軸(A1)の回りにヒンジ連結され、中間部材が蓋部(4,104)に対して第二の軸(A2)の回りにヒンジ連結され、固定手段(B1,B2,C)が、中間部材が軸線(A1)の回りに中間部材(20,120)に対して回動するとき蓋部(4,104)を固定し、中間部材が軸線(A2)の回りに蓋部(4,104)に対して回動するとき中間部材(20,120)を固定可能であるケース。
- 上記固定手段(C)が上記中間部材(20,120)に支持され、底部(2,102)に支持された相補的な第一係止手段(B1)及び蓋部(4,104)に支持された第二係止手段(B2)と選択的に係合可能であることを特徴とする請求項1に記載のケース。
- 中間部材(20,120)は二の長手方向の縁部(21,22;121,122)を有し、上記第一の関節軸(A1)は中間部材(20,120)の第一縁部(21)の近傍に位置せしめられ、上記第二の関節軸(A2)は第一縁部(21,121)と反対の第二縁部(22,122)の近傍に位置せしめられたことを特徴とする請求項1又は2に記載のケース。
- 上記第一の軸(A1)が上記第二の軸(A2)に平行であることを特徴とする請求項3に記載のケース。
- 上記軸(A1,A2)の少なくとも一つが取付けヒンジピン(23,24)を持つヒンジにより形成されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載のケース(101)。
- 底部(102)と中間部材(120)がフィルムヒンジ(123)により連結され、蓋部(104)が取付けヒンジピン(124)を持つヒンジにより中間部材(120)に連結されたことを特徴とする請求項5に記載のケース。
- 蓋部が、ウレアホルムアルデヒド、アクリロブタジエン−スチレン(ABS)、ポリスチレン−アクリロニトリル(SAN)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリルガラス、ポリスチレン等から製作されていることを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に記載のケース。
- 固定手段(C)は中間部材(20,120)の少なくとも一の側方部分(20a,20b)上に位置せしめられた少なくとも一の突起を有し、該突起が、その一方(B1)が底部の部位に、その他方(B2)が蓋部の部位に形成された対応するハウジング(B1,B2)に選択的に係合可能な形状とされたことを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載のケース。
- 中間部材(20,120)に対する底部(2,102)の固定が取外し不能であることを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に記載のケース。
- 少なくとも一種の製品(P)、特にメークアップ製品等の破砕性製品(P)を収容可能な少なくとも一の区画室(2a,102a)を形成する容器を形成することを特徴とする請求項1ないし9の何れか1項に記載のケース。
- 底部(2,102)上に閉止位置で蓋部(4,104)を取り外し可能に固定可能な手段(2b,4b)を具備することを特徴とする請求項1ないし10の何れか1項に記載のケース。
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