JP3307626B2 - 異なるタイプの少なくとも２つの製品を備えたメークアップ用コンパクト - Google Patents

異なるタイプの少なくとも２つの製品を備えたメークアップ用コンパクト

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、２つの構成部分か
らなるメークアップ用コンパクトに関するものであり、
このコンパクトは、１つまたは複数の固体第１製品を収
容することを意図したケーシングと、固体から粉状の性
状をなす第２製品を収容することを意図したケースと、
を具備している。本発明は、特に、ケーシングが容器を
有しているようなメークアップ用コンパクトに関するも
のである。この容器は、第１製品を収容するための少な
くとも１つの隔室を形成しており、この容器には、隔室
を開放可能に閉塞するための少なくとも１つの蓋が取り
付けられている。このケーシングに対しては、第２製品
を収容するためのケースが付設されている。このケース
は、唇のためのスティック、特に口紅をなすスティック
の形態とされる。
【０００２】本発明は、より詳細には、回転軸回りに互
いに関節結合された少なくとも２つの部材を具備したメ
ークアップ用ケーシングタイプのケーシングを目的とし
ている。このケーシングは、第１製品が配置される少な
くとも１つの隔室を形成する容器を備えたタイプのもの
であり、この容器は、とりわけ回転タイプの蓋といった
ような蓋によって閉塞することができる。本発明におい
て対象とする第１製品は、例えば、アイシャドウやファ
ンデーションや頬紅等の固められたまたは注入された粉
状タイプのメークアップ用粉末である。
【０００３】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】本発
明が対象とするタイプのメークアップ用コンパクトは、
既に公知である。このようなコンパクトは、仏国特許文
献１，２８１，８６６に開示されている。この文献に
は、口紅ケースに対して固定されたケーシングが開示さ
れている。ケーシングに対して口紅ケースを並進移動さ
せることによりあるいは回転移動させることにより、ケ
ーシングが開放されるようになっている。
【０００４】上記文献に開示された実施形態では、使用
者が唇に対してメークアップを施すことだけを意図した
場合であってさえも、コンパクト全体が意味もなく開放
されてしまうという欠点を有している。この種の構成
は、例えば自動車や列車や飛行機による移動途中に唇の
メークアップを行うことだけを意図した場合には、煩わ
しさをもたらす。つまり、そのような状況においては、
唇に対してメークアップを行っている最中にケーシング
が開放されていることのために、使用者は、開放ケーシ
ングを無事に置いておけるような場所を探さなければな
らない。もしそのような場所が見つからなかった場合に
は、使用者は、開放ケーシングを片手に持っていなけれ
ばならず、指が汚れてしまうというリスクがある。
【０００５】上記文献によるコンパクトのさらなる欠点
は、メークアップ用コンパクトをハンドバッグ（このハ
ンドバッグ内には、通常、他の物品を入っている）に入
れて持ち歩いているときに、ケーシングが偶発的に開
き、コンパクト粉末が砕けてしまって、粉末がバッグの
内容物を汚してしまうというリスクがあることである。
【０００６】さらに、この公知のコンパクトの構造は、
比較的複雑なものであって、回転軸やスプリングを固定
する操作が必要とされる。これは、時間を要するもので
あって、そのため、ケーシングの製造コストがかさんで
しまう。したがって、この種のコンパクトは、広範な販
売には適していない。
【０００７】また、米国特許明細書第２，６４０，４８
７号により、口紅ケースをメークアップケーシングに対
して取り付けるためのデバイスを備えた口紅ケースが公
知である。メークアップケーシングは、ケーシングの容
器の外側に形成されたスライド体を備えている。このス
ライド体は、スナップ嵌合によって、口紅ケースの取付
デバイスが取り付けられるようなタブを受領することが
できる。この取付システムは、コンパクトの外観性を悪
くしてしまう。加えて、この取付システムであると、コ
ンパクトを入れているハンドバッグの内部に引っかかっ
てしまうというリスクがある。
【０００８】よって、本発明の目的は、上記仏国特許文
献１，２８１，８６６に記載のコンパクトに関する上記
欠点を有していないような、特に、ケースとケーシング
との組立方法に関しての上記欠点を有していないよう
な、メークアップケーシングタイプのケーシングを提供
することである。
【０００９】本発明の他の目的は、ケーシングの容器に
対して単純にかつ経済的に蓋を関節結合し得るとともに
長期にわたって使用したにしても精度が低下することな
く蓋を関節結合し得るようなケーシングを具備したコン
パクトを提供することである。また、本発明は、有利に
は、例えばフィルムヒンジといったような一体型ヒンジ
を有したケーシングを目的としている。このようなケー
シングは、単純であって安価に製造できるという利点が
ある。
【００１０】本発明の他の目的は、有利な実施形態にお
いて、キャップの散逸というリスクなしに口紅をなすス
ティックを使用可能であるような、ケーシングを提供す
ることである。
【００１１】本発明のさらに他の目的は、上記メークア
ップ用コンパクトと比較して、偶発的な開放というリス
クが低減されているような、メークアップ用コンパクト
を提供することである。
【００１２】本発明の他の目的は、以下の説明によって
明瞭に理解されるであろう。
【００１３】
【課題を解決するための手段】本発明の第１見地におい
ては、上記目的は、２つの構成部材を備えたコンパクト
であって、 （ａ）例えばメークアップ用製品といったような少なく
とも第１製品を収容することを意図した少なくとも１つ
の隔室を形成する容器、および、隔室を選択的に開閉し
得るようにして容器に対して取り付けられた少なくとも
１つの蓋を備えたケーシングと； （ｂ）第２製品を収容することを意図したものであって
ケーシングに対して着脱可能に取り付けられたケース
と； を具備してなるコンパクトにおいて得られる。
【００１４】このアセンブリは、ケースが、蓋（あるい
は、複数の蓋のうちの１つ）が開放されない限りはケー
シングからは取り外し得ないようにして、ケーシングに
対して取り付けられていることを特徴としている。
【００１５】有利には、蓋は、少なくとも１つの軸回り
に関節結合されるようにして容器に対して関節結合され
る。好ましくは、この関節係合は、フィルムヒンジによ
って行われる。この場合には、ケーシングの容器と蓋と
を、一体部材として成型することができる。この構成の
ため、ケーシングは、何らの特別な組立操作を必要とす
ることなく、非常に経済的なコストでもって製造するこ
とができる。
【００１６】本発明の有利な見地においては、ケース
は、ケーシングに設けられた対応係合手段に対して可逆
的に相互作用し得るような係合手段を備えている。
【００１７】ケーシングに対してケースを暫定的に取り
付けるために、係合手段は、好ましくは、Ｌ字形フック
を備えて構成されている。好ましくは、係合手段は、ケ
ースに設けられた第１部分と、コンパクトの組立状態に
おいて、ケーシングに設けられた対応係合手段に対して
相互作用するための自由エッジを有した第２部分と、を
有している。
【００１８】有利には、ケーシングに設けられた対応係
合手段は、ケースの第２部分の自由エッジを受領し得る
スロット（すなわちノッチ）を備えて構成され、このス
ロットすなわちノッチは、ケーシングのうちの、蓋が閉
塞されている際にこの蓋に対向する閉塞面において開口
している。有利には、スロット（すなわちノッチ）は、
ケーシングの側方エッジの近傍に形成されている。換言
すれば、スロット（すなわちノッチ）は、関節結合軸に
対して垂直に延在しているエッジの近傍に形成されてい
る。
【００１９】有利には、前記側方エッジには、ケーシン
グの容器の上面上に、スロットに対して連通した四角形
状の切欠が形成され、係合手段の第１部分がこの切欠を
挿通できるようになっている。
【００２０】ある実施形態においては、ケースは、第２
製品が取り付けられているベースと、第２製品を保護す
るためにこのベースに対して着脱可能に取り付けられた
キャップと、を備えて構成されている。第２製品は、好
ましくは、部分的に採取可能な固体スティックの形態と
されている。
【００２１】好ましい実施形態においては、係合手段
は、キャップと一体とされている。この構成は、第２製
品を支持しているベースを容易にコンパクトから取り外
すことができるとともに、有利にはこの取外しを蓋の関
節結合軸の延在方向に対して垂直な方向とすることがで
きるという利点を有している。この取外し操作に際し、
キャップは、（ケーシングが閉塞されているときには）
ケーシングに対して固定されたままである。よって、キ
ャップをなくしてしまうことがない。
【００２２】また有利には、ベースに、退避位置すなわ
ち格納位置と延出位置すなわち使用位置との間にわたっ
て第２製品を軸方向に変位させるための機構が設けられ
ている。この種の機構は、従来手段であって、例えば本
出願人による米国特許明細書第４，７３８，５５９号、
欧州特許文献第０，４９１，５７９号、欧州特許文献第
０，６５８，３２５号に開示されている。
【００２３】好ましい実施形態においては、ケーシング
は、全体的に、高さが低く扁平な平行六面体形状とされ
ている。
【００２４】本発明の特別の構成においては、ケーシン
グの容器は、互いに個別のものとされた少なくとも２つ
の蓋のそれぞれによって選択的に開閉可能とされた少な
くとも２つの隔室を形成し、蓋は、関節結合のための同
一軸回りに互いに独立に関節結合可能であるようにして
容器に対して関節結合されている。この場合、例えばフ
ァンデーションを収容した第１隔室は、第１蓋を開ける
ことによってアクセス可能とされ、一方、アイシャドウ
を収容した第２隔室は、第２蓋を開けることによって開
放することができる。
【００２５】各隔室を閉塞するために、蓋の各々は、好
ましくは、隔室を閉塞した閉塞状態において、ケーシン
グの端面上に形成された対応閉塞部材に対して相互作用
し得る閉塞部材を備えている。有利には、閉塞部材は、
蓋のうちの、ヒンジとは反対側のところに配置されてい
て、対応閉塞部材と相互作用することができる。この対
応閉塞部材は、好ましくは、ケーシングの容器の前壁上
に配置されている。
【００２６】有利な実施形態においては、第１製品は、
対応する隔室内に配置された１つまたは複数の中間カッ
プ内に収容されている。これらカップは、内部の製品が
使用され尽くしたときに空のカップと新たなカップとを
交換することによって製品補充ができるよう、着脱可能
に設置することができる。
【００２７】メークアップの分野においては、製品の色
合いは、非常に重要である。コンパクト内に収容されて
いる製品の色が見えるように、ケーシングとキャップと
の一方または双方を、透明プラスチックまたは半透明プ
ラスチックから形成することができる。
【００２８】隔室内に配置された第１製品は、例えば、
部分的に採取可能なコンパクト粉末といったような固体
製品の形態とされる。部分的に採取可能なこのような製
品は、例えば周知方法に従ったコンパクト化や注入によ
って、得ることができる。
【００２９】第２製品は、好ましくは、上述のように、
部分的に採取可能なスティックの形態とされる。第２製
品は、スティック状口紅やＵＶ放射から唇を保護するた
めのスティックといったような例えば唇用製品というよ
うな、化粧製品や皮膚薬とすることができる。
【００３０】必要に応じて、ケーシングの容器は、ブラ
シやパフといったようなアプリケータ部材を収容するた
めの付加的な隔室を備えることができる。
【００３１】
【発明の実施の形態】本発明を例示するためのものであ
って本発明を制限するものではない以下の詳細な説明に
おいては、添付図面が参照される。
【００３２】図１は、本発明によるメークアップ用コン
パクトの一実施形態を示す斜視図であって、組立の第１
ステージにおける開放状態が示されている。図２は、組
立の第２ステージにおける図１のメークアップ用コンパ
クトを示す斜視図である。図３は、リップ製品の使用時
における図１のメークアップ用コンパクトを示す斜視図
である。図４は、図３のコンパクトのIV−IV線矢視断図
である。図５は、コンパクト粉末の使用時における図１
のメークアップ用コンパクトを示す斜視図である。
【００３３】添付図面に示すように、本発明の好ましい
実施形態においては、メークアップ用コンパクト１は、
ケーシング２とケース４とを具備している。ケーシング
２の一部をなす容器６は、３つの固体メークアップ製品
Ｐ1〜Ｐ3のためのレセプタクルを形成している。よっ
て、図示の実施形態においては、容器６は、例えばアイ
シャドウやファンデーションといったようなコンパクト
粉末を受領することを意図した３つの隔室８ａ、８ｂ、
８ｃを形成している。容器６には、また、長尺形状とさ
れた他のハウジング（図示せず）を形成しておくことも
できる。この長尺ハウジングには、ブラシタイプや他の
タイプのアプリケータ部材を収容することができる。容
器６は、平面状上面６ｄによって上限が規定されてい
る。
【００３４】ケーシング２は、全体的に平行六面体形状
であり、高さが低く全体としては扁平な形状とされてい
る。ケーシング２は、前壁２２と、２つの側面２０，２
４と、背面と、上面６ａおよび下面６ｂ（図４に図示）
と、によって形成されている。ケーシング２の下面は、
必要に応じて、ケーシングの容器に連続面をもたらし得
るよう、二重底６ｃとすることができる。
【００３５】３つの隔室８ａ、８ｂ、８ｃの各々の内部
には、カップ３６ａ、３６ｂ、３６ｃが配置されてい
る。各カップ内には、それぞれ個別的に製品が収容され
ている。この例においては、他の２つの隔室よりも大き
なものとされた隔室８ｃには、ファンデーションが収容
されている。隔室８ａ、８ｂには、それぞれアイシャド
ウが収容されている。
【００３６】隔室８ｃは、蓋１０ｂによって閉塞するこ
とができる。蓋１０ｂは、容器６に対してフィルムヒン
ジ２７ｂによって関節結合されていて、軸Ａ回りに回転
可能とされている。同様に、隔室８ａ、８ｂは、蓋１０
ａによって閉塞することができ、蓋１０ａは、これら２
つの隔室８ａ、８ｂを同時に閉塞することができる。蓋
１０ａは、容器６に対してフィルムヒンジ２７ａによっ
て同一軸Ａ回りに回転可能に関節結合されている。フィ
ルムヒンジ２７ａ、２７ｂとは反対側においては、各蓋
は、閉塞部材３２ａ、３２ｂを有している。
【００３７】各閉塞部材３２ａ、３２ｂは、ケーシング
２の前壁２２上に形成された対応閉塞部材３４ａ、３４
ｂと相互作用する。この相互作用により、蓋が閉塞位置
に保持されるようになっている。この目的のために、前
壁２２に形成された対応閉塞部材３４ａ、３４ｂは、全
体的に平行六面体形状とされた凹所を形成しており、こ
の凹所には、突出部３５ａ、３５ｂが設けられている。
突出部３５ａ、３５ｂは、閉塞状態においては、閉塞部
材３２ａ、３２ｂの端部内面上に形成されたバルジ３３
ａ、３３ｂと相互作用を行うことができる。各閉塞部材
３２ａ、３２ｂは、使用者がそれぞれの蓋に対して印加
する引張り力によってわずかに外方に撓み得るような、
フレキシブルタングを形成している。このようにして蓋
が開放される際には、バルジ３３ａ、３３ｂは、それぞ
れ対応する突出部３５ａ、３５ｂを乗り越えることがで
きる。
【００３８】有利には、ケーシング（特に蓋）は、閉塞
状態においても製品Ｐ1〜Ｐ3の色が見えるように、ポリ
エチレンやポリプロピレンといったような透明または半
透明の材料から形成される。
【００３９】特に、ケーシング２が不透明材料から形成
されている場合には、蓋１０ａ、１０ｂの一方または双
方の内面に、ミラー３８ａ、３８ｂを取り付けることが
できる（図１参照）。これにより、使用者は、コンパク
ト粉末を顔に塗布する状況を視覚的に確認することがで
きる。
【００４０】上記に加えて（あるいは、上記に代え
て）、二重底６ｃ（図４）上に、他のミラーを設けるこ
とができる。この構成は、ケーシングを開放する必要な
く使用者が唇に対しての化粧状況を観測し得るという点
において、上記実施形態よりも有利である。
【００４１】これらミラーは、本発明の主題ではない。
よって、これらミラーについてのさらなる説明は省略す
る。
【００４２】容器６の上面６ｄには、側面２０の近傍
に、スロットすなわちノッチ１４が形成されている。こ
のスロットすなわちノッチ１４は、側面２０に対して全
体的に平行な向きとされており、ケース４をケーシング
２に対して係合し得る手段を構成している。
【００４３】ケース４は、ベース２８を備えている。ベ
ース２８は、全体的に円筒状または（横断面において）
多角形状のものとされていて、スティック状の製品Ｐ4
を支持することができる。ベース２８は、小径部２９
（図３参照）を有している。この小径部２９は、ベース
に対応して円筒状または（横断面において）多角形状と
された保護キャップ３０によって閉塞することができ
る。コンパクトの組立状態においては、ベース２８およ
びキャップ３０は、ケーシング２の前壁２２に対して垂
直な軸Ｂ（図３参照）に沿う向きとされる。
【００４４】図３に示すように、ベース２８は、スリー
ブ３１を有している。このスリーブ３１は、ベース２８
に対して回転駆動できるようになっている。このスリー
ブ３１により、当業者には周知の機構を使用して口紅Ｐ
4 を引っ込めたり延出させたりすることができるように
なっている。
【００４５】この目的のために、上述したように、ステ
ィック状製品Ｐ4 を軸Ｂ方向に沿って自在に変位させ得
るようスティックを移動させるための機構が設けられて
いる。この種の機構は、有利には、軸方向に移動可能と
されスティック状製品を保持したカップすなわち支持体
（図示せず）を備えている。
【００４６】この種の駆動機構は、本発明の主題ではな
く、米国特許明細書第４，７３８，５５９号、欧州特許
文献第０，４９１，５７９号、欧州特許文献第０，６５
８，３２５号に開示されている。よって、このような機
構については、さらなる説明を省略する。
【００４７】本発明においては、キャップ３０は、ケー
シングの容器内のノッチすなわちスロット１４内に係合
し得る係合手段１２を備えている。有利には、ノッチす
なわちスロット１４に対しての係合手段１２の係合およ
び係合解除は、わずかの摩擦を伴っている。これによ
り、使用者は、蓋１０ａを開けることで、口紅のケース
４を不注意に失うといったようなことを一切心配するこ
となく、製品Ｐ1，Ｐ2を使用して完全に安全にメークア
ップを行うことができる。
【００４８】本発明のある１つの本質的特徴点によれ
ば、ノッチすなわちスロット１４に対しては、蓋１０ａ
を開けるまではアクセスすることができない。言い換え
れば、ケース４をケーシング２に対して着脱できるの
は、蓋１０ａが開放状態とされているときだけである。
一方、蓋１０ａが容器６上へと閉められた状態では、ケ
ース４およびキャップ３０は、ケーシング２に対して拘
束され、取り外すことができない。
【００４９】ケースに付設された係合手段１２は、図示
実施形態においては、キャップ３０の側壁から径方向外
側に延在する張出部１８を備えている。この張出部１８
が直角に曲げられることによって、終端部１６を有した
フックが形成されている。終端部１６は、（蓋１０ａの
開放状態において）終端部１６がスリットすなわちノッ
チ１４内に侵入し得るような形状とされている。蓋１０
ａが閉塞状態にあるときには、ケース４の係合手段１２
は、所定位置に拘束される。
【００５０】この実施形態においては、四角形状の切欠
２６が、上面６ｄにおいて側面２０に形成されている。
この切欠２６は、係合手段１２の張出部１８を収容する
ことができる。
【００５１】有利には、キャップは、スティック状製品
Ｐ4 の色が見えるように、透明材料または半透明材料か
ら形成されている。この材料は、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、等から選
択することができる。
【００５２】以下、図３を参照して、コンパクトの使用
方法について説明する。
【００５３】使用者が唇のメークアップを行おうとした
ときには、使用者は、例えば右手を使って、軸Ｂに沿っ
てキャップ３０からベース２８を引き抜く。ベース２８
をスリーブ２９に対して回すことにより、使用者は、唇
のメークアップを行い得る程度にスティック状製品Ｐ4
の一部を延出させる。この操作に際しては、使用者は、
左手でケーシングを保持する。これにより、蓋１０ａ、
１０ｂが閉塞状態に維持される。このような操作様式で
あると、唇のメークアップに際して、一方においては、
ケース４のキャップ３０がケーシング２に対して拘束さ
れた状態であることが保証されており、他方において
は、使用者の手を汚してしまうことがない。
【００５４】使用者が、隔室８ｃ内に収容されているフ
ァンデーションＰ3 を塗布しようと思ったときには、使
用者は、右手でケーシングの右側部分を把持しつつ、左
手の親指で蓋１０ｂを持ち上げることによって、蓋１０
ｂを開放する（図５）。使用者は、指や適切なアプリケ
ータでもって所定量の製品Ｐ3 を採取し、顔の中の、メ
ークアップを施したい部分にその製品を塗布する。
【００５５】使用者が、隔室８ａまたは８ｂのいずれか
に収容されているアイシャドウＰ1またはＰ2 を塗布し
ようと思ったときには、使用者は、左手の親指と人差し
指との間にケーシング２を把持しつつ、右手の親指を使
用して、蓋１０ａを開ける。これにより、使用者は、例
えば右手の指や適切なアプリケータを使用して所定量の
製品Ｐ1 および／またはＰ2 を採取し、それをまぶたに
塗布することができる。
【００５６】ケーシングのスロットまたはノッチ１４に
対してのケース４の係合手段１２の摩擦は、まぶたのメ
ークアップ時にケース４がケーシング２から外れてしま
うことを防止するに十分に大きなものである（図２）。
【００５７】上記メークアップ用コンパクト１は、製品
Ｐ1〜Ｐ4を個別に再補充することができるという利点を
有している。すなわち、製品Ｐ1〜Ｐ3を収容したカップ
は、内容物が使用され尽くしたときには、同じ製品を収
容したあるいは他の製品を収容したカップへと交換する
ことができる。
【００５８】スティック状の口紅Ｐ4 が使用され尽くし
たときには、使用済み口紅を支持したベース２８を引き
抜いて、新たなスティックを支持したベースと交換する
だけで良い。同様にして、単にベース２８を交換するだ
けで、所望の色の口紅を自在に使用することができる。
【００５９】さらに、実際の売場において、使用者は、
メークアップ用コンタクト内に収容したい製品を選択す
ることができる。例えば、様々な色調のファンデーショ
ンやアイシャドウや、様々な色の口紅を選択することが
できる。
【００６０】このようにして形成されたメークアップ用
コンパクトは、コンパクトなものであって、小さなスペ
ースしか占めることがなく、ハンドバッグ内に入れて持
ち歩くのに特に好適なものである。移動時にケーシング
２とケース４とが分離してしまうことが実際上あり得な
いことに注意されたい。
【００６１】上記説明は、本発明の好ましい実施形態を
参照している。請求範囲によって規定された本発明の精
神を逸脱することなく、上記実施形態に変更を加え得る
ことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明によるメークアップ用コンパクトの一
実施形態を示す斜視図であって、組立の第１ステージに
おける開放状態が示されている。
【図２】 組立の第２ステージにおける図１のメークア
ップ用コンパクトを示す斜視図である。
【図３】 リップ製品の使用時における図１のメークア
ップ用コンパクトを示す斜視図である。
【図４】 図３のコンパクトのIV−IV線矢視断図であ
る。
【図５】 コンパクト粉末の使用時における図１のメー
クアップ用コンパクトを示す斜視図である。
【符号の説明】
１ コンパクト ２ ケーシング ４ ケース ６ 容器 ６ｄ 上面（閉塞面） ８ａ 隔室 ８ｂ 隔室 ８ｃ 隔室 １０ａ 蓋 １０ｂ 蓋 １２ 係合手段 １４ スロットすなわちノッチ（対応係合手段） １６ 終端部（自由エッジ、第２部分） １８ 張出部（第１部分） ２２ 前壁（端面） ２８ ベース ３０ キャップ ３２ａ 閉塞部材 ３２ｂ 閉塞部材 ３４ａ 対応閉塞部材 ３４ｂ 対応閉塞部材 ３６ａ カップ ３６ｂ カップ ３６ｃ カップ Ａ 軸 Ｐ1 第１製品 Ｐ2 第１製品 Ｐ3 第１製品 Ｐ4 第２製品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−234466（ＪＰ，Ａ) 実開 平１−175611（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−96111（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−4310（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−13209（ＪＰ，Ｕ) 米国特許2640487（ＵＳ，Ａ) 米国特許4555020（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A45D 33/00 625 A45D 40/00

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ２つの構成部材を備えたコンパクト
    （１）であって、 （ａ）例えばメークアップ用製品（Ｐ1，Ｐ2，Ｐ3） と
    いったような少なくとも第１製品を収容することを意図
    した少なくとも１つの隔室（８ａ〜８ｃ）を形成する容
    器（６）、および、前記隔室を選択的に開閉し得るよう
    にして前記容器に対して取り付けられた少なくとも１つ
    の蓋（１０ａ、１０ｂ）を備えたケーシング（２）と； （ｂ）第２製品（Ｐ4） を収容することを意図したもの
    であって前記ケーシング（２）に対して着脱可能に取り
    付けられたケース（４）と； を具備してなり、 前記ケース（４）は、前記少なくとも１つの蓋（１０
    ａ）が開放されない限りは前記ケーシングからは取り外
    せないようにして、前記ケーシングに対して取り付けら
    れており、 前記ケースは、前記少なくとも１つの蓋（１０ａ）が閉
    塞されている時にでも使用可能であるようにして前記第
    ２製品を収容している ことを特徴とするコンパクト。
  2. 【請求項２】 請求項１記載のコンパクトにおいて、 前記蓋は、少なくとも１つの軸（Ａ）回りに関節結合さ
    れるようにして前記容器（６）に対して関節結合されて
    いることを特徴とするコンパクト。
  3. 【請求項３】 請求項１または２記載のコンパクトにお
    いて、 前記ケース（４）は、前記ケーシング（２）に設けられ
    た対応係合手段（１４）に対して可逆的に相互作用し得
    るような係合手段（１２）を備えていることを特徴とす
    るコンパクト。
  4. 【請求項４】 請求項３記載のコンパクトにおいて、 前記係合手段（１２）は、Ｌ字形フックを備えて構成さ
    れ、 該Ｌ字形フックは、前記ケースに設けられた第１部分
    （１８）と、前記コンパクトの組立状態において、前記
    ケーシングに設けられた前記対応係合手段（１４）に対
    して相互作用するための自由エッジ（１６）を有した第
    ２部分と、を有していることを特徴とするコンパクト。
  5. 【請求項５】 請求項４記載のコンパクトにおいて、 前記対応係合手段は、前記第２部分の前記自由エッジ
    （１６）を受領し得るスロットすなわちノッチ（１４）
    を備えて構成され、 該スロットすなわちノッチ（１４）は、前記ケーシング
    のうちの、前記蓋（１０ａ）が閉塞されている際にこの
    蓋（１０ａ）に対向する閉塞面（６ｄ）において開口し
    ていることを特徴とするコンパクト。
  6. 【請求項６】 請求項１〜５のいずれかに記載のコンパ
    クトにおいて、 前記ケース（４）は、前記第２製品（Ｐ4） が取り付け
    られているベース（２８）と、このベース（２８）に対
    して着脱可能とされたキャップ（３０）と、を備えて構
    成されていることを特徴とするコンパクト。
  7. 【請求項７】 請求項３〜６のいずれかに記載のコンパ
    クトにおいて、 前記係合手段（１４）が、前記キャップ（３０）と一体
    とされていることを特徴とするコンパクト。
  8. 【請求項８】 請求項６または７記載のコンパクトにお
    いて、 前記ベース（２８）に、退避位置すなわち格納位置と延
    出位置すなわち使用位置との間にわたって前記第２製品
    （Ｐ4） を軸方向に変位させるための機構が設けられて
    いることを特徴とするコンパクト。
  9. 【請求項９】 請求項１〜８のいずれかに記載のコンパ
    クトにおいて、 前記容器（６）は、互いに個別のものとされた少なくと
    も２つの蓋（１０ａ、１０ｂ）のそれぞれによって選択
    的に開閉可能とされた少なくとも２つの隔室（８ａ、８
    ｃ）を形成し、 前記蓋（１０ａ、１０ｂ）は、関節結合のための前記軸
    （Ａ）回りに互いに独立に関節結合可能であるようにし
    て前記容器（６）に対して関節結合されていることを特
    徴とするコンパクト。
  10. 【請求項１０】 請求項１〜９のいずれかに記載のコン
    パクトにおいて、 前記蓋（１０ａ、１０ｂ）の各々は、前記隔室を閉塞し
    た閉塞状態において、前記ケーシングの端面（２２）上
    に形成された対応閉塞部材（３４ａ、３４ｂ）に対して
    相互作用し得る閉塞部材（３２ａ、３２ｂ）を備えてい
    ることを特徴とするコンパクト。
  11. 【請求項１１】 請求項１〜１０のいずれかに記載のコ
    ンパクトにおいて、 前記第１製品（Ｐ1〜Ｐ3） は、対応する前記隔室（８
    ａ〜８ｃ）内に配置されたカップ（３６ａ〜３６ｃ）内
    に収容されていることを特徴とするコンパクト。
  12. 【請求項１２】 請求項１〜１１のいずれかに記載のコ
    ンパクトにおいて、 前記ケーシング（２）と前記キャップ（３０）との少な
    くとも一方が、透明プラスチックまたは半透明プラスチ
    ックから形成されていることを特徴とするコンパクト。
  13. 【請求項１３】 請求項１〜１２のいずれかに記載のコ
    ンパクトにおいて、 前記第１製品（Ｐ1，Ｐ2，Ｐ3） のうちの少なくとも１
    つが、例えば部分的に採取可能なコンパクト粉末といっ
    たような固体製品の形態とされていることを特徴とする
    コンパクト。
  14. 【請求項１４】 請求項１〜１３のいずれかに記載のコ
    ンパクトにおいて、 前記第２製品（Ｐ4） が、部分的に採取可能なスティッ
    クの形態とされていることを特徴とするコンパクト。
  15. 【請求項１５】 請求項１〜１４のいずれかに記載のコ
    ンパクトにおいて、 前記第２製品（Ｐ4） が、口紅製品であることを特徴と
    するコンパクト。
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