JPS6330327Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は化粧用コンパクト容器に係るものであ
つて、化粧行為を容易迅速に行えるようにするこ
とを目的としたものである。

従来の技術 従来の化粧用コンパクト容器は、容器本体を被
覆する蓋体の裏面、即ち化粧料側に鏡面を形成し
たものが多く、化粧等のため鏡面を使用する場合
には、蓋体を開放反転して裏面の鏡面を使用しな
ければならず。操作に手数を要するばかりでなく
容器本体内に収納した化粧料、パフ等によつて鏡
面を汚染し、頻繁に鏡面の清掃を行なわねばなら
ないものが多いものであつた。この欠点を除去す
るため、実開昭58−104109号考案の如く蓋体の表
面に窓孔を形成し、容器本体内に設けた鏡面を蓋
体の閉止状態でも、窓孔を介して見ることができ
るものが存在した。しかしながら、この考案は容
器本体と蓋体間に鏡面を介装するものであるか
ら、化粧用コンパクト容器全体を厚くし、持運び
に不便で不体裁であるばかりでなく、パフ等を化
粧料の上面に収納することができないものとな
る。また蓋体に窓孔が開口されているため、外部
から汚物が入り込み化粧料を汚染したり、化粧料
が外部に出てハンドバツクの収納物を汚染したり
する欠点を有している。また鏡面を蓋体の開放に
従がつて摺動立上げし、化粧時の鏡面角度を保持
するため、鏡面の一端を蓋体の長さ方向の中間部
に軸支固定するとともに他端を、容器本体に摺動
自在に軸支したものであるから、蓋体および容器
本体の長さを、化粧料収納部の長さよりも相当大
きなものとしなければならず、化粧用コンパクト
容器を大型化し、持運びに極めて不都合となる欠
点を有していた。

また鏡面を化粧料で汚染する事がないよう、蓋
体の外面に鏡面を形成したものには、実公昭36−
32042号公報および実開昭51−85900号等が存在す
るが、両者ともに外面の鏡面を利用する場合に、
化粧料が鏡面の反対側に位置してしまい、パフ、
化粧筆等に化粧料を転写しながら化粧を行うに
は、作業性を著しく悪くしてしまう欠点を有する
ものである。

考案が解決しようとする問題点 本考案は上述のごとき問題点を解決しようとす
るものであつて、化粧料による鏡面の汚染を生じ
る事がないとともに化粧作業を行う場合に、コン
パクト容器の使用者は、化粧料と鏡面の手前に位
置して、化粧作業を行うことができるようにしよ
うとするものである。

問題点を解決するための手段 本考案は上述のごとき問題点を解決するため、
内部に化粧料を収納した容器本体の表面を蓋体に
て開閉自在に被覆し、この蓋体の外表面に鏡面を
形成するとともに閉止状態に於て化粧料側となる
蓋体の裏面に、Ｌ型腕の一端を固定軸により回動
自在に軸支するとともにこのＬ型腕の他端を、容
器本体の外側部に取付軸で回動自在に固定するこ
とにより、蓋体の開放時に化粧料を手前に位置し
て、外表面の鏡面と使用者が対向し得るようにし
て成るものである。

作 用 本考案は上述のごとく構成したものであるか
ら、鏡面は容器本体の外面に位置し、容器本体内
に収納した化粧料、パフ等によつて鏡面を汚染す
ることがないとともに蓋体を開放することなく鏡
面を使用することもでき、また蓋体を開放して鏡
面を使用する場合には、Ｌ型腕の端部を蓋体の裏
面と容器本体の外側部に軸支固定しているから、
化粧料を手前に位置して、外表面の鏡面と使用者
が対向し得るものとなり、従来例のごとく化粧料
が鏡面の反対側に位置してしまう欠点を除去し、
化粧作業に全く手数を要することがない。またこ
のような技術効果を極めて小型化した構成によつ
て得ることができるから、持運び、収納等に於て
も全く支障を生じることがないものである。

実施例 以下本考案の一実施例を図面に於て説明すれ
ば、１は容器本体で、内部に化粧料２を収納する
とともにこの化粧料２の上面に適宜の分離薄板３
を介してパフ４を載置している。また容器本体１
の表面は、外表面に鏡面５を固定形成した蓋体６
にて開閉自在に被覆するが、この蓋体６は閉止状
態に於て化粧料２側となる裏面に、Ｌ型腕７の一
端を固定軸８により回動自在に軸支するとともに
このｌ型腕７の他端を、容器本体１の外側部に取
付軸１０で回動自在に固定する。この状態で蓋体
６を開放すると第３図に示す如く、蓋体６の一端
を容器本体１の開口縁１１に接触させながら摺動
し、蓋体６を容器本体１と交差する方向に移動す
るとともに化粧料２を手前に位置して、鏡面５と
使用者が対向し得るものとなり、化粧に好都合な
角度を保持する。またＬ型腕７と蓋体６の裏面と
の間には発条１２を介装することにより、蓋体６
を開放方向に付勢している。また取付軸１０側の
容器本体１一側にはフツク１３を形成し、蓋体６
と容器本体１との係合および係合の解除を行う
が、このフツク１３は容器本体１の係合突部１４
に係合している蓋体６の係合部１５に、テーパー
面１６を接触するとともに容器本体１に移動間隔
１７を介して押圧移動可能に設置し、この押圧を
行うことによりテーパー面１６で係合部１５を押
上げ、蓋体６と容器本体１とを係合解除し得るも
のとしている。また、この係合解除に於ては前記
発条１２の付勢力により、蓋体６を容器本体１に
対して最適角度まで自動的に移動させるが、この
移動の初期は、蓋体６の両側下方に突出した保持
片１８を、容器本体１の摺動テーパー面２０に従
がつて摺動させることにより行う。また取付軸１
０とは反対側の容器本体１の開口縁１１には係合
凹部２１を形成し、蓋体６に設けた係合突部２２
を挿入係合することにより、容器本体１に蓋体６
を安定よく定位置に被覆することができる。

考案の効果 本考案は上述の如く構成したものであるから、
蓋体を開放することなく鏡面を使用することもで
きるし、また蓋体を開放して鏡面を使用する場合
には、Ｌ型腕の端部を蓋体の裏面と容器本体の外
側部に軸支固定しているから、化粧料を手前に位
置して、外表面の鏡面と使用者が対向し得るもの
となり、従来例のごとく化粧料が鏡面の反対側に
位置してしまうこともなく、パフ、化粧筆等を用
いて化粧料を転写する場合に特に好都合なもので
ある。また鏡面は、蓋体の外面に位置しているか
ら、容器本体内に収納した化粧料、パフ等によつ
て鏡面を汚染することがない。

また本考案は、容器本体と蓋体間に鏡面を介装
するものではなく、蓋体の外面に鏡面を形成する
ものであるから、化粧用コンパクト容器全体を薄
くて持運びに便利な体裁の良いものとすることが
できる。また蓋体には開口が形成されず、容器本
体を密閉するものであるから、外部から汚物が入
り込んだり、化粧料が外部に出たりすることがな
いものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は斜視図、第２図は蓋体の開放状態を示す斜視
図、第３図は蓋体の開放過程を示す側面図、第４
図は蓋体の閉止状態を示す第１図のＡ−Ａ線断面
図、第５図はフツク部分の部分断面図である。 １……容器本体、２……化粧料、５……鏡面、
６……蓋体、７……Ｌ型腕、８……固定軸、１０
……取付軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内部に化粧料を収納した容器本体の表面を、
   蓋体にて開閉自在に被覆し、この蓋体の外表面
   に鏡面を形成するとともに閉止状態に於て化粧
   料側となる蓋体の裏面に、Ｌ型腕の一端を固定
   軸により回動自在に軸支するとともにこのＬ型
   腕の他端を、容器本体の外側部に取付軸で回動
   自在に固定することにより、蓋体の開放時に化
   粧料を手前に位置して、外表面の鏡面と使用者
   が対向し得るようにしたことを特徴とする化粧
   用コンパクト容器。 (2) 蓋体は本体に対し開放方向に付勢されたもの
   であることを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の化粧用コンパクト容器。