JPH061080Y2 - 棒状化粧品容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、口紅等の棒状化粧品を格納する棒状化粧品容
器に関するものである。

「従来の技術」 この種棒状化粧品容器として、例えば容器主体と該容器
主体の上部外面に嵌合されたキャップとからなり、容器
主体は、摘み筒部からキャップ嵌合筒部を介してガイド
筒部を起立させた主筒と、上記ガイド筒部外面に嵌合さ
れた回動筒と、ガイド筒部内に昇降自在に嵌合された棒
状化粧品保持筒とを有し、上記回動筒に対して摘み筒部
を正回転させると、保持筒が上昇して棒状化粧品がガイ
ド筒部上端から繰出され、又逆回転させると保持筒が下
降して棒状化粧品が繰込みされるよう設けたものであ
る。

「考案が解決しようとする課題」 前記容器にあっては、容器使用時に、キャップを完全に
容器主体から取り外すことから、キャップの保管に難点
があると共に、回動筒を手で固定しなければならないこ
とから、片手使用が困難で使い勝手がないという問題点
あった。

そこで本考案は、キャップの保管に留意する必要がな
く、しかも片手使用が可能な使用に便利な棒状化粧品容
器を提供することを目的とする。

「課題を解決するための手段」 上記目的を達成するために、本考案に係る棒状化粧品容
器は上部筒５に対して下部筒６を正逆両方向へ回動させ
ることで、上部筒上端の開口面から棒状化粧品７が繰
出、繰込みされるよう設けた容器主体１と、該容器主体
を嵌合させた透孔９を上下方向に貫設すると共に、該透
孔下部側面の一部を側外方へ開放したケース体２と、該
ケース体上面を閉塞する頂板13後縁から後壁14aを垂下
し、該後壁下端を上記ケース体の後面上部に枢着させた
蓋体３と、上記ケース体の上部内に設けた上部筒締付け
用のクランプ機構４とからなり、該クランプ機構は、上
記上部筒の前半部外面に所定の間隙を有して嵌合させた
円弧状基板部16の左右両端から脚板部17,17を後方へ突
出して、これ等両脚板部先端を上記透孔形成用壁部18に
穿設した貫通孔19,19内へ前後動自在に嵌合させた略Ｕ
字状の締付け板20と、該締付け板を後方へ付勢して上記
両脚板部先端を上記蓋体後壁14a内面へ圧接させたスプ
リング21とを有し、該状態から蓋体を枢着部を中心とし
て回動させることで、上記締付け板が後方移動して基板
部16が上部筒外面に圧接可能に設けたことを特徴とす
る。

「作用」 例えば第１図及び第２図の状態では、締付け板20の両脚
板部17,17先端が蓋体後壁14aによりスプリング21力に抗
して前方へ押圧されて、基板部16が容器主体１の上部筒
５外面から離間している。これにより、上部筒がケース
体２に対してフリーとなって下部筒６と一体回動するこ
とから、棒状化粧品７の繰出、繰込みは行い得ない。

上記状態から蓋体３を回動して開蓋すると、後壁14aの
後方回動により締付け板がスプリング力により後方へ移
動して基板部が上部筒の前半部外面に圧接する（第３図
参照）。これにより、上部筒がケース体に対して固定さ
れるため、下部筒回動により棒状化粧品の繰出、繰込み
が行い得る。

「実施例」 以下添付図面に基づいて、本考案容器の一実施例を説明
する。

第１図乃至第５図に示すように、本考案容器は容器主体
１とケース体２と蓋体３とクランプ機構４とを主たる構
成要素としている。

容器主体１は、上部筒５（前述した従来例の回動筒に相
当する）に対して下部筒６（同じく摘み筒部に相当す
る）を正逆両方向へ回動させることで、上部筒５上端の
開口面から棒状化粧品７が繰出、繰込みされるよう設け
た通常のものである。

図示例では、三箇の容器主体１が用いられると共に、各
下部筒６の上部外面に複数の係合突起８…が周方向に所
定間隔離間して付設されている。

ケース体２は、上記容器主体１を嵌合させた透孔９を上
下方向に貫設すると共に、該透孔９下部側面の前後両部
を側外方へ開放して下部筒６の回動操作を可能にしたも
のである。

図示例では、ケース体２が長方形の箱状に形成されてい
る。そして、透孔９が上記三箇の容器主体１…に対応し
て三つ穿設されると共に、細長い縦穴10が一つ穿設され
て該縦穴10内に伸縮式のリップブラシ11が収納されてい
る。また、ケース体２は、互いにいんろう継手形式で組
付けられた上部ケース2Aと下部ケース2bとに分割形成さ
れている。そして、上部ケース2Aの前面に係合子12a
が、また下部ケース2Bの透孔９内面に上記係合突起８が
嵌合する係合溝12bが周接されている。従って、上記嵌
合によりケース体２に対して容器主体１（下部筒６）が
回動自在に支持されるのである。

蓋体３は、上記ケース体２上面を閉塞する頂板13後縁か
ら後壁14aを垂下し、該後壁14a下端を上記ケース体２の
後面上部に枢着させたものである。

図示例では、頂板13周縁から周壁14が垂設されて該周壁
14が上記ケース体２の上部外面に嵌合している。図中15
は、上記周囲壁14のある程度弾性変形可能な前壁部14b
内面に付設した係合溝を示し、該係合溝15内に上記係合
子12が着脱自在に嵌合している。

クランプ機構４は、上記ケース体２の上部内に設けた上
部筒５締付け用のものである。

該クランプ機構４は、上記上部筒５の前半部外面に所定
の間隙を有して嵌合させた円弧状基板部16の左右両端か
ら脚板部17,17を後方へ突出して、これ等両脚板部17,17
先端を上記透孔形成用壁部18に穿設した貫通孔19内へ前
後動自在に嵌合させた略Ｕ字状の締付け板20と、該締付
け板20を後方へ付勢して上記両脚板部17,17先端を上記
蓋体後壁14a内面へ圧設させたスプリング21とを有し、
該状態から蓋体３を枢着部を中心として回動させること
で、上記締付け板20が後方移動して基板部16が上部筒外
面に圧接可能に設けている。

図示例では、上記基板部16が一枚板で三箇分が剛に一体
形成されてその中間の二つの連結部から二箇ずつ脚板部
17…を突出している。該基板部16の左右両端部は後方へ
Ｌ字状に屈曲されて、その屈曲端部外面に横設した係合
子22,22を、上記ケース体２内壁面の左右両部に横設し
た案内溝（図示せず）内へ前後方向へスライド自在に嵌
合させている。また、基板部16の内面（作用面）には該
基板部と略同形状に形成されたゴム板23が接合されてい
る。さらに、スプリング21は本実施例ではコイルスプリ
ングが使用されているが板ばねでも良い。

なお、上記実施例において、各部は適宜合成樹脂材で成
形製作される。

「考案の効果」 以上説明したように本考案によれば、蓋体がケース体に
枢着されているため、容器使用時に蓋体の保管に留意す
る必要がなく取扱いが容易である。また、蓋体の開閉に
連動するクランプ機構により、開蓋時のみ容器主体の上
部筒を固定するようにしたので、開蓋時には、片手操作
で即ち、下部筒を単に回動させるだけで簡単に棒状化粧
品を繰出、繰込みでき、使い勝手があり、また閉蓋時に
は、不用意に下部筒を回動しても棒状化粧品が繰出され
ないことから棒状化粧品の天突きが未然に防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案容器の一実施例を示す横断面図、第２図
は側断面図、第３図は開蓋状態の一部切欠き平面図、第
４図は容器主体を除いた分解斜視図、第５図は全体斜視
図である。 １…容器主体 ２…ケース体 ３…蓋体 ４…クランプ機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上部筒５に対して下部筒６を正逆両方向へ
   回動させることで、上部筒上端の開口面から棒状化粧品
   ７が繰出、繰込みされるよう設けた容器主体１と、該容
   器主体を嵌合させた透孔９を上下方向に貫設すると共
   に、該透孔下部側面の一部を側外方へ開放したケース体
   ２と、該ケース体上面を閉塞する頂板13後縁から後壁14
   aを垂下し、該後壁下端を上記ケース体の後面上部に枢
   着させた蓋体３と、上記ケース体の上部内に設けた上部
   筒締付け用のクランプ機構４とからなり、該クランプ機
   構は、上記上部筒の前半部外面に所定の間隙を有して嵌
   合させた円弧状基板部16の左右両端から脚板部17,17を
   後方に突出して、これ等両脚板部先端を上記透孔形成用
   壁部18に穿設した貫通孔19,19内へ前後動自在に嵌合さ
   せた略Ｕ字状の締付け板20と、該締付け板を後方へ付勢
   して上記両脚板部先端を上記蓋体後壁14a内面へ圧接さ
   せたスプリング21とを有し、該状態から蓋体を枢着部を
   中心として回動させることで、上記締付け板が後方移動
   して基板部16が上部筒外面に圧接可能に設けたことを特
   徴とする棒状化粧品容器。