JP2544783B2 - 複合繊維及びその製造方法 - Google Patents

複合繊維及びその製造方法

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JP2544783B2 JP63230298A JP23029888A JP2544783B2 JP 2544783 B2 JP2544783 B2 JP 2544783B2 JP 63230298 A JP63230298 A JP 63230298A JP 23029888 A JP23029888 A JP 23029888A JP 2544783 B2 JP2544783 B2 JP 2544783B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、天然繊維の木綿や麻に似た良好な風合と今
迄の合成繊維には見られない良好な感触、更に、優れた
親水性が付与された複合繊維及びその製造法に関するも
のである。
(従来の技術) 従来、合成繊維例えばポリエステル、ポリアミドのフ
イラメントからなる繊維は、その単糸繊度が太いことや
横断面形状が単純であるためにシルク、綿、麻等の天然
繊維に比較して風合、光沢が単調であつたり、プラスチ
ツク的なために冷たく感じ品位の低いものであつた。
最近これらの欠点を改良するために繊維横断面の異形
化、巻縮加工、複合繊維等が種々試みられているが、い
まだに十分には目的を達成していないのが現状である。
例えば、特開昭56-165015号、特開昭57-5921号、特開昭
58-98425号、特開昭61-239010号などに示されているよ
うな易容解性ポリマーとポリエステルの複合繊維を形成
し、その後後加工によりドライタツチでキシミ感のある
風合や独得の光沢を繊編物に付与させたり、あるいは特
公昭51-7207号、特開昭58-70711号、特開昭62-133118号
などに示されてるように繊維長さ方向に斑を付与させて
風合を改良させる方法、あるいは特公昭53-35633号、特
公昭56-16231号などに示されているように、合成繊維を
フイブリル化させて風合を改良させる方法、特公昭45-1
8072号で提案されているごとく仮撚融着糸を作成し麻様
のシヤリ感を付与させる方法、あるいは特開昭63-6123
号のように混繊融着加工糸を作成する方法など種々のも
のが提案されている。
しかしながら、合成繊維に天然繊維に似た風合を付与
させるという点においては十分とは言えず、特に天然麻
繊維や天然木綿繊維に似た風合を付与させるということ
では不十分であつた。しかも、ポリエステルなどの合成
繊維は親水性が不十分であるため、着心地という点から
も木綿に劣るのが実情であつた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、ポリエステル等の合成繊維に対して従
来にない良好な親水性と天然麻繊維や天然木綿繊維に似
た感触と良好な風合を同時に付与させ、しかも紡糸、延
伸等の繊維化工程性が良好であることを目的として鋭意
検討した結果、本発明に到達したものである。すなわち
本発明は、上記目的の繊維を得るためには、いかなる物
を用い、いかなる構成、条件としたら良いかという点を
究明したものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、エチレン含有量30〜70モル%、けん化度95
%以上のエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物という非
常に親水性に優れ、かつ後工程での熱処理によりランダ
ムに繊維に微膠着性を付与することに適したポリマー物
性を保持しているものを用いることが大きな特徴であ
る。すなわち、上記エチレン酢酸ビニル共重合体けん化
物(A)〔エチレンビニルアルコールコポリマー、以下
Aポリマーと称する〕(以下Aポリマーと略す)と融点
150℃以上の結晶性熱可塑性樹脂(B)とをある程度不
均一混合状態を保持した状態の条件で混合し、該2成分
ポリマーの混合ポリマーと融点150℃以上の結晶性熱可
塑性樹脂(C)とで、その重量比率が20:80〜80:20の範
囲で、該2成分混合ポリマーが鞘成分を形成し、結晶性
熱可塑性樹脂(C)が芯成分を形成する芯鞘型の複合断
面に形成するか、又は該2成分混合ポリマーと熱可塑性
樹脂(C)とで並列型貼り合せ構造を形成させて複合紡
糸し、繊維化した後、該繊維の複合繊維並びにその製造
方法になるもので、該複合繊維は、後加工工程で部分的
に単繊維間でランダムに膠着させることができる、繊維
化工程性が非常に改良された複合繊維である。
即ち、一般的に織物などの加工工程は、製織後糊抜き
処理を温水中で実施し、その後リラツクス処理(例えば
98℃煮沸処理)、その後プレセツト処理(例えば170〜1
80℃乾熱処理)、しかる後染色処理(例えばポリエステ
ルの場合130℃の高温高圧染色)、さらに最後にフアイ
ナルセツト(例えば160〜170℃乾熱処理)が行なわれる
のが普通であるが、本発明の繊維は、Aポリマーの物性
と上記の如き後加工工程とを利用することによつて、目
的に応じた単繊維間でのランダム膠着状態を得ることが
できるのが大きな特徴であり、目的に応じて各処理工程
の温度条件を変更させることにより種々の良好な風合を
有した織物が得られることが特徴である。
本発明で言う融点150℃以上の結晶性熱可塑性樹脂
(B)(以下Bポリマーと略す)としては、融点150℃
以上の繊維形成性良好なポリマーであればどれでも良
い。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート又はポリ
ブチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル
か、ナイロン6又はナイロン66を主成分とするポリアミ
ドであることが望ましい。
ポリエステルとしては、例えばテレフタール酸、イソ
フタール酸、ナフタリン2,6−ジカルボン酸、フタール
酸、α,β−(4−カルボキシフエノキシ)エタン、4,
4′−ジカルボキシジフエニル、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸もしくはアジピ
ン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、またはこ
れらのエステル類と、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエ
チレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど
のジオール化合物とから合成される繊維形成性ポリエス
テルであり、構成単位の80モル%以上が、特には90モル
%以上がポリエチレンテレフタレート単位又はポリブチ
レンテレフタレート単位であるポリエステルが好まし
い。またポリエステル中には、少量の添加剤、螢光増白
剤、安定剤あるいは紫外線吸収剤などを含んでいても良
い。
また、ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66
を主成分とするポリアミドであり、少量の第3成分を含
むポリアミドでも良い。これらに少量の添加剤、螢光増
白剤、安定剤等を含んでいても良い。
融点150℃以上の結晶性熱可塑性樹脂(C)(以下C
ポリマーと略す)としては、融点150℃以上の繊維形成
性良好なポリマーであればどれでも良い。Cポリマーは
本発明繊維の繊維化の際の良好な工程性を維持するため
の重要な役割を担つているため、曳糸性の劣るポリマー
は基本的には本発明の目的には不適切である。好ましく
は、ポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレ
フタレートを主成分とするポリエステルか、ナイロン6
又はナイロン66を主成分とするポリアミドであることが
望ましい。
これらポリエステルまたはポリアミドとしては、前記
Bポリマーのところで挙げたものが同様に用いられる。
BポリマーとCポリマーは全く同一のポリマーを使用
しても良いし異なつても良い。例えばBポリマーとCポ
リマーの組合せが、ポリエチレンテレフタレート同志あ
るいはナイロン6同志あるいはポリエチレンテレフタレ
ートとナイロン6あるいはナイロン6とポリエチレンテ
レフタレートでも良い。但し、複合断面形状が並列型貼
り合せ構造の場合、BポリマーとCポリマーの種類が異
なると、後加工工程で剥離したりするトラブルが発生し
やすいため、同一種類のポリマー組合せが望ましい。
本発明の複合繊維の複合する形態として断面形状の具
体的な例を図で説明すると、第1図の如き芯鞘型複合繊
維、第2図〜第3図の如き芯成分が異形形状の芯鞘型複
合繊維、第4図〜第5図の如き多芯々鞘型複合繊維、第
6図の如き偏心芯鞘型複合繊維、第7図、第11図の如き
異形断面芯鞘複合繊維、第8図〜第9図の如きサイドバ
イサイド型複合繊維、第10図の如き多層型貼り合せ複合
繊維、第12図の如き多層型貼り合せの変形タイプの複合
繊維等である。第1図〜第12図中の(イ)成分はAポリ
マーとBポリマーの混合成分であり、(ロ)成分はCポ
リマー成分である。繊維断面周長の約40%以上がAポリ
マーとBポリマーの混合ポリマー成分が占めることが望
ましく、約40%未満では、本発明の目的の良好な風合を
有しかつ良好な親水性を有する繊維が得られにくいので
好ましくない。
エチレン酢酸ビニル共重合体けん化物(Aポリマー)
としては、けん化度が95%以上の高けん化度で、エチレ
ン含有量が30〜70モル%のもの、即ちビニルアルコール
成分が30〜70モル%のものが最適である。Aポリマー中
のビニルアルコール成分含量が低くなれば、当然に水酸
基(OH)の減少のために本発明の重要な要素である親水
性が低下してくるとともに、後で詳細に述べるが天然繊
維布帛に見られるようなソフト感と嵩高感が得られなく
なり風合的にも好ましくなくなつてくる。また、ビニル
アルコール成分含量が多くなりすぎると、溶融成型性が
低下するとともにBポリマーと紡糸直前に混合した後繊
維化する際曳糸性が不良となり、単糸切れ、断糸が多く
なり好ましくない。また、Bポリマーがポリエステルな
どの場合の紡糸温度である250℃以上での耐熱性も不十
分となることからも適当でない。特に大きなトラブルと
して発生してくることは、加熱されている溶融ポリマー
配管中の壁へ滞留するポリマーが多くなり、長時間紡糸
運転中に徐々に炭化が進み、紡糸フイルター詰り、紡糸
性不良等の問題が発生してくると同時に延伸性も急激に
低下し、好ましくない。従つて高けん化度のエチレンビ
ニルアルコールコポリマーでビニルアルコール成分含量
が30〜70モル%のものが本目的の繊維を得るためには適
しているといえる。
また用いるAポリマーの重合度はあまり低くなると、
紡糸時にBポリマーとの溶融粘度差が大きくなりすぎ不
均一混合ポリマーのバランスが悪くなり、紡糸性が低下
し好ましくない。JIS-K-6730-1977に準拠した190℃下、
2160gの荷重下でのメルトインデツクスが20以下が紡糸
性から好ましい。
本発明の繊維を得る上で重要なことは、Aポリマーと
Bポリマーの2成分ポリマーが、それぞれ2成分ポリマ
ーの集合状態が残る程度に不均一状態で混合されている
形態を維持しつつ複合繊維の一成分を形成させることで
ある。繊維表面層へAポリマーが一部分露出した状態で
繊維化されていることにより、単繊維間で繊維長さ方向
にランダムに部分的に膠着が発生し、これが天然麻繊維
に似た自然なシヤリ感を有する主要因になつている。こ
れは、本発明で用いているAポリマーの基本的ポリマー
物性に帰因するものである。Aポリマーは融点が150〜1
70℃付近のポリマーであり、なおかつ熱水中では実際的
に融点降下の現象が発生し、150℃以下でも軟化しやす
くなる。従つて例えばBポリマー、Cポリマーにポリエ
ステルを用いた場合ポリエステル繊維布帛の通常の染色
条件や布帛のセツト温度等で容易にAポリマーが軟化し
やすくなるために、ポリエス中で不均一状態のある一定
のAポリマー集合体を形成していると、軟化現象を発生
させ、単繊維間での膠着現象を導びき出すことになる。
また、ポリエステル布帛の場合は、更にアルカリ減量処
理などを実施すると、アルカリ減量を経た繊維は、繊維
表面層がAポリマーリツチの状態でなつているため、こ
の膠着現象がより顕著に発生してくるわけである。しか
しながら、本発明繊維は、Aポリマーの集合状態がそれ
ほど大きな集合単位でないため、膠着程度が適度に発生
し、あまりガリガリ状態の風合とならずに丁度良好な風
合を維持しているわけである。染色の温度条件、布帛の
フサイナルセツト条件を種々変更することにより、良好
な風合をコントロールすることができるのも本発明繊維
の特徴である。
またAポリマーは、高温熱水下で滞留時間とともに軟
化を開始するが、軟化を開始する前段階として水を膨潤
して体積膨張していく。その過程で、布帛物を構成して
いる織物の場合タテ糸とヨコ糸が厚み方向に織ウエーブ
が立つてゆき、実質上織物の嵩高現象が発現しふくらみ
を持たせる効果があらわれる。このことも、本発明の繊
維による織物は良好な従来の合成繊維に見られないふく
らみと反撥感を備えている理由と考えられる。しかもA
ポリマーのもう一つの大きな特徴である親水性の物性が
織物に加わり、いわゆる天然木綿繊維に匹敵する良好な
親水性を有する布帛が得られる。すなわち本発明の繊維
は特定のエチレンビニルアルコールを選択することによ
り初めて可能となつたと言える。
本発明は、本発明の繊維を用いるかぎり長繊維のみな
らず短繊維でも同様の効果が期待できることは言うまで
もない。
またさらに本発明は、仮撚捲縮加工等の高次加工によ
り5角、6角に類似した形状になつたり、紡糸時の異形
断面ノズルにより3葉形、T形、4葉形、5葉形、6葉
形、7葉形、8葉形等多葉形や各種の断面形状となつて
も要は今迄説明してきた繊維構造が発現されていれば、
本発明の良好な風合と良好な親水性を保持した繊維を得
ることができる。
次に本発明の複合繊維の製造例について説明する。本
発明の複合繊維を得るためには紡糸時にAポリマーとB
ポリマーの2成分ポリマーがそれぞれのポリマー集合状
態がある程度残つた、つまり不均一混合状態を維持した
状態で複合繊維の一成分を形成することが重要である
が、その紡糸方法の一例を第13図に示す。第13図は一例
として芯鞘複合糸を製造する場合の混合紡糸口金装置を
示している。別々の溶融押出機よりそれぞれ押出された
Aポリマー、Bポリマー及びCポリマー溶融流は、別々
に計量機により所定量計量された後導入板5の導入孔
2、3、4からそれぞれ導入され、ミキシングプレート
6、7に設けられた静止型混合器13、14でAポリマーと
Bポリマーが所定条件下で混合され、Cポリマーはその
まま通過させ、中間板8を経てサンドボツクス9のろ過
部15、16でそれぞれろ過された後、フイルター17、整流
板10、AポリマーとBポリマーの混合ポリマーを鞘成
分、Cポリマーを芯成分とさせる分流板11を経て、口金
板12から紡糸される。1は紡糸パツク用ケースホルダー
である。
ここで静止型混合器13、14の混合素子の数を適切に選
ぶことが非常に重要である。現在実用化されている静止
型混合器は数種類あるが、例えばケーニツクス(Kenic
s)社の180°左右ねじつた羽根を90°ずらして配列した
nエレメント通過させると2n層分割するタイプのスタチ
ツクミキサーを用いた場合エレメント数が3〜15の範囲
にする必要がある。更に好ましくは、4〜8の範囲が最
適である。16エレメント以上にすると、BポリマーとA
ポリマーの混合性が良くなりすぎて均一混合に近くな
り、繊維化して後加工処理で目的とする繊維構造が発現
しにくくなる。後加工で不均一分散状態で存在している
2成ポリマー混合形態の中からAポリマーが繊維表面層
へ一部分露出した層状態で存在しているため、単繊維間
でランダムに膠着し本発明繊維の独特の天然麻繊維ライ
クのシヤリ感が発現してくるわけである。
またエレメント数が多くなりすぎると、Bポリマーの
ポリエステルを選択した場合ポリエステルとAポリマー
が均一混合しすぎて溶融混合時にポリエステルのエステ
ル結合とAポリマーの水酸基との間で化学反応が一部進
み、ポリエステルの低分子分解物とポリエステルとAポ
リマーの反応した3次元架橋のゲル化物が急激に発生し
てき、紡糸不能となつてくることがわかつた。ゲル化物
が発生するのを防ぐためにも、ポリエステルとAポリマ
ーの混合を紡糸直前で実施し、単時間で不均一混合し紡
糸ノズルより押し出すことは2成分ポリマーのゲル化反
応確率を減少させるという点からも非常に有効な手段で
あることがわかつた。
Bポリマーにポリアミドを選択した場合も、ポリアミ
ドのアミド結合とAポリマーの水酸基との間でポリエス
テルと同じような化学反応が進みゲル化物が発生してく
ることがわかり、反応確率が飛躍的に増大する均一混合
までスタチツクミキサーのエレメントを多くして混練し
ない方が望ましい。
本発明の方法によつて、初めて安定にポリエステルや
ポリアミドとエチレンビニルアルコールコポリマーの混
合ポリマーを用いた繊維化が操業レベルで可能となつた
と言える。
ケーニツクス社以外の静止型混合器を用いる場合も、
2n層分割以上に相当するエレメント数に設定した混合器
を使用する必要があることは言うまでもない。東レ社製
ハイミキサー(Hi-Mixer)やチヤールス・アンド・ロス
(Charless&Ross)社製のロスISGミキサーなどは、n
エレメント通過する時の層分割数は4n層分割であるの
で、エレメント数2エレメント以上、8エレメント以下
にすることが好ましい。
尚静止型混合器で不均一混合された2成分A、Bから
なるポリマーを静止混合器を経てノズルに至るまでの間
で、金網、金属不織布フイルター、サンドフイルター等
混合物の分割細化部材を通すことが好ましい。即ち、静
止混合器を経てノズルに至るまでの間に前記の如き分割
細化部材を通すことによつて、A成分が大きな集合単位
の層状になることを防ぎ、A成分とB成分の界面の細か
い島状分散を付与し、2成分ポリマーの不均一混合状態
を安定化させ、紡糸性が良好となるからである。
AポリマーとBポリマーの混合比率はその重量比で5
対95〜95対5の範囲にする必要がある。例えば、Bポリ
マーにポリエステルやポリアミドを用いた場合、Aポリ
マーとBポリマーの混合ポリマーのみによる繊維化の場
合は、Aポリマー比率が40重量%以上になると紡糸工程
性、延伸工程性が著しく低下してくるが、本発明のよう
に工程性を維持させる成分としてあらたにCポリマーを
複合成分の一成分とする複合繊維を形成させてやること
により、Aポリマー比率が40重量%以上でも工程性が著
しく改良されることがわかつた。しかもCポリマー成分
をあまり繊維表面層へ露出させない複合形態をとること
によつて本発明の目的とする風合及び親水性が十分に得
られることがわかつた。
Aポリマーの混合比率が5重量%未満になると、本発
明のエチレンビニルアルコールコポリマーのポリマー物
性に基づく天然麻様風合と天然木綿に匹敵する親水性が
十分に顕在化してこなくなり好ましくない。また95重量
%を超えると単繊維間の膠着程度が激しくなりすぎ、ガ
リガリ状態の風合となり好ましくない。
AポリマーとBポリマーの不均一混合ポリマー成分と
Cポリマーの複合比率は、その重量比で20対80〜80対20
の範囲にする必要がある。混合ポリマー成分が20重量%
未満になると、本発明の目的とする良好な風合と良好な
親水性が不十分となつてくるため好ましくない。また80
重量%を超えると、Cポリマーによる紡糸性、延伸性等
の工程性維持能力が低下し、単糸切れ、断糸等が多くな
りA格率が低下してくるため好ましくない。
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、これ
によつて本発明は、なんら限定されるものではない。
実施例中の親水性評価は、織物上に水滴を滴下し、そ
の広がり状態を相対的に比較するウイツキグ性評価で行
なつた。またポリマー固有粘度の測定は、ポリエステル
はフエノールとテトラクロルエタンの等量混合溶媒を用
い30℃恒温槽中でウーベローデ型粘度計を用いて測定し
た。ポリアミドは、オルソクロルフエノールを用い30℃
下で測定した。
実施例1 Aポリマーとしてけん化度99%にしてエチレン成分48
モル%、メルトインデツクスが6.0のエチレンビニルア
ルコールコポリマーを用い、BポリマーとCポリマーは
固有粘度が0.70のポリエチレンテレフタレートを用い、
Aポリマー、Bポリマー、Cポリマーそれぞれ別々の押
出機にて溶融押出し、A対Bの重量比率が40/60となる
ようにし、更にAポリマーとBポリマーの混合ポリマー
とCポリマーの重量比率が50対50となるようにそれぞれ
ギヤポンプで計量した後紡糸パツクへ供給し、その後第
13図に示した方法により紡糸パツク内でケーニツク社製
の4エレメントスタチツクミキサーである程度それぞれ
のAポリマー、Bポリマーの存在状態がわかる程度に不
均一混練し、その後サンドフイルターを経てCポリマー
と合流させ、第1図に示したようなA/B混合ポリマーを
鞘成分、Cポリマーを芯成分とする芯鞘複合形状を形成
させた後、口金温度295℃で吐出し、捲取速度1000m/min
で溶融紡糸した。得られた紡糸原糸を通常のローラープ
レート方式の延伸機によりホツトローラー75℃、ホツト
プレート120℃、延伸倍率2.9倍により延伸し、75デニー
ルの36フイラメントのマルチフイラメントを得た。紡糸
性、延伸性は良好で問題はなかつた。
得られたマルチフイラメントを経糸及び緯糸として使
い1/1の平織物を製織した。製織工程も特に問題なく実
施できた。該生機平織物を通常の方法により処理した
後、以下の方法により染色を実施し、その後常法により
乾燥、仕上セツトした。
得られた平織物は、ソフト感と反撥感を有しかつシヤ
リ感がある天然麻繊維に似た良好な風合を有する織物が
得られた。また親水性も良好な織物であつた。
該織物を構成している繊維について顕微鏡及び走査型
電子顕微鏡で観察したところ、繊維長さ方向にランダム
に単繊維間で膠着しその状態が長さ方向に不連続の状態
で存在していることがわかつた。
実施例2〜13 第1表に示す条件で実施例1と同様の方法により繊維
化を実施し、実施例1と同様にして平織物を作成した。
いずれも工程性良好でかつ良好な風合と良好な親水性の
ある織物が得られた。
実施例2はAポリマーのメルトインデツクス値14.0の
ものを用い、実施例3、4はAポリマーとBポリマーの
重量混合比をそれぞれ10対90、90対10とした。実施例
5、6はAポリマーとBポリマーの混合ポリマーとCポ
リマーの重量複合比をそれぞれ70対30、30対70に変更し
たものである。実施例7〜11は複合形状を種々変更して
実施した。実施例12、13は紡糸パツク内のスタチツクミ
キサーエレメント数を8エレメント、12エレメントと変
更して実施した。
実施例14 BポリマーとCポリマーに〔η〕1.10のナイロン6を
用い、Aポリマーに実施例1と同一のエチレンビニルア
ルコールコポリマーを用い、A対Bの重量比率を20対80
とし、捲取り速度600m/minで紡糸した。常法により延伸
し、75デニール24フイラメントの延伸糸を得、その後平
織物を作成し、常法により処理し、中間セツトした後染
色を行なつた。染色はKayanol Milling Blve BW(日本
化薬社製;酸性染料)3%owfを用いて98℃、60分間行
なつた。その後、常法により乾燥、仕上げセツトした。
織物は満足のいくものであつた。
実施例15〜18 第1表のごとくBポリマー、Cポリマーを変更して実
施した。実施例15は、Bポリマー、Cポリマーにポリブ
チレンテレフタレートを用い、実施例16はBポリマーに
ナイロン6、Cポリマーにポリエチレンテレフタレート
を用い、実施例17はBポリマーにポリエチレンテレフタ
レート、Cポリマーにナイロン6、実施例18はBポリマ
ーにポリブチレンテレフタレート、Cポリマーにナイロ
ン6を用いて実施した。
いずれも工程性良好で、かつ良好な風合と良好な親水
性のある織物が得られた。
実施例19、20 Aポリマーのエチレンビニルアルコールコポリマーの
エチレン含量を変更したものを用いて実施した。実施例
19は、エチレン含量32モル%でメルトインデツクス1.6
のもの、実施例20はエチレン含量55モル%で14.0のもの
を用い、他の条件は第1表に示す条件で実施した。いず
れも工程性良好でかつ良好な風合と良好な親水性のある
織物が得られた。
比較例1、2 実施例1と全く同様のエチレンビニルアルコールコポ
リマー(Aポリマー)を用い、Bポリマー、Cポリマー
にポリエチレンテレフタレートを用い、それぞれAポリ
マーとBポリマーの重量混合比率を3対97、97対3とし
てその他の条件は実施例1と全く同一で繊維を実施し
た。比較例1は工程性は良好で問題なかつたが得られた
織物の風合があまり特徴がなく好ましいものが得られな
かつた。またワイツキング性による親水性評価も実施例
2に比較したら不十分であつた。比較例2は織物風合が
膠着が多くなりすぎシヤリ味が激しくなり、風合として
はやや不良であつた。
比較例3、4 AポリマーとBポリマーの混合ポリマーとCポリマー
の複合比率を変更し、その他の条件は実施例1と同一で
行なつた。比較例3はA/B混合ポリマーとCポリマーの
重量複合比率を10対90で実施したが、紡糸時に安定な芯
鞘構造を形成しにくく単糸切れが多く発生した。また織
物風合も目的とするものよりやや不十分であつた。比較
例4は、A/B混合ポリマーとCポリマーの重量複合比率
を90対10で実施したが、紡糸時、延伸時単糸切れ、断糸
が頻発し評価できるような延伸糸が得られなかつた。
比較例5 エチレン含量48モル%、メルトインデツクス40.0のエ
チレンビニルアルコールコポリマー(A)を用い、他は
実施例1と全く同様の条件で繊維化を実施した。Aポリ
マーの溶融粘度が低いため、ポリエチレンテレフタレー
トとの混合後のバランスが不良となり、紡糸時の単糸切
れ、断糸が頻発した。延伸性、製織性も不良であつた。
比較例6 エチレン含量が25モル%、メルトインデツクス0.6の
エチレンビニルアルコールコポリマー(A)を用い他は
実施例1と全く同様の条件で繊維化を実施した。(A)
ポリマーの曳糸性が不良のため紡糸性が非常に低下し
た。、また、長時間紡糸を連続しているとAポリマーの
ゲル化物が紡糸フイルターに詰まつてくると同時に、繊
維中にも多量にゲル化物が混入し紡糸性が更に悪化して
きた。延伸性も非常に悪く、風合を評価できるような織
物が得られなかつた。
比較例7 エチレン含量が80モル%、メルトインデツクス40.0の
エチレンビニルアルコールコポリマー(A)を用い、他
は実施例1と全く同様の条件で繊維化を実施した。工程
性はやや不良であつた。得られた織物の風合があまりふ
くらみがなく反撥感も不十分で天然麻繊維ライクとして
は不十分なものであつた。
比較例8 紡糸パツク内のスタチツクミキサーエレメント数を20
エレメントにし、他の条件は実施例1と全く同じ条件で
繊維化を実施した。(A)ポリマーと(B)ポリマーの
混練性が良くなりすぎ、Aポリマーの水酸基とポリエチ
レンテレフタレートとエステル結合が2成分ポリマーの
溶融混合状態で反応が発生し、混合ポリマー中にゲル化
物が多く生成するためと考えられる紡糸フイルター詰り
が短時間で発生してきて紡糸パツクを頻発に交換しなけ
ればならず、紡糸の連続運転ができなかつた。
また紡糸フイルター詰りが激しくなると同時に紡糸時
の単糸切れ、延伸時の毛羽発生が多くなり収率が低下
し、工程性は不良であつた。
(発明の効果) 以上本発明は、特定のエチレンビニルアルコールコポリ
マーを用い、融点150℃以上の結晶性熱可塑性樹脂と所
定の条件で混合し、特定な分散状態とさせた混合ポリマ
ーを複合の一成分とし、一方、別の融点150℃以上の結
晶性熱可塑性樹脂を複合のもう一成分として複合繊維と
して繊維化したものを、所定の後処理方法を付加させる
ことにより、従来の合成繊維ではなしとげられなかつた
良好な天然麻繊維ライクな風合、良好な親水性を保持し
た合成繊維が見い出されたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第12図は、本発明複合繊維の複合形態のモデル
図である。(イ)はAポリマーとBポリマーの混合ポリ
マー成分、(ロ)はCポリマー成分である。第13図は本
発明複合繊維の紡糸口金装置の一例を示す断面図で、1
が紡糸パツク用ケースホルダー、2、3、4はポリマー
導入孔、5は導入板、6、7はミキシングプレート、8
は中間板、9はサンドボツクス、10は整流板、11は分流
板、12は口金板、13、14は静止型混合器、15、16はろ過
部、17はフイルターを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−26008(JP,A) 特開 昭54−44774(JP,A) 特開 昭49−117749(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン含有量30〜70モル%、けん化度95
    %以上、およびMI値が20以下のエチレン酢酸ビニル共重
    合体けん化物(A)と融点150℃以上の結晶性熱可塑性
    樹脂(B)とが重量比率A:Bが5:95〜95:5の範囲で混合
    されている混合成分と、融点150℃以上の結晶性熱可塑
    性樹脂(C)とが、前者混合成分が鞘成分、後者C成分
    が芯成分の芯鞘型構造か、あるいは前者混合成分と後者
    C成分との並列型貼り合せ構造を形成し、前者成分と後
    者成分とのそれぞれの重量比率が20:80〜80:20であるこ
    とを特徴とする複合繊維。
  2. 【請求項2】エチレン含有量30〜70モル%、けん化度95
    %以上、およびMI値が20以下のエチレン酢酸ビニル共重
    合体けん化物(A)と、融点150℃以上の結晶性熱可塑
    性樹脂(B)と、融点150℃以上の結晶性熱可塑性樹脂
    (C)とをそれぞれ別々に溶融押出し、紡糸パックへ導
    入し、その後紡糸ノズルに至る前にA:Bの重量比率を5:9
    5〜95:5の範囲で静止型混合器によりある程度不均一状
    態が残る程度に不均一混合し、その後該AポリマーとB
    ポリマーの混合されたポリマー溶融流とCポリマーの溶
    融流とを、その重量比率が20:80〜80:20の範囲で、前者
    ポリマー溶融流を鞘成分、Cポリマー溶融流を芯成分と
    した芯鞘型の複合断面に形成するか、あるいは前者ポリ
    マー溶融流とCポリマー溶融流とを並列型貼り合せ構造
    の複合断面に形成させ、紡糸ノズルより押出し繊維化す
    ることを特徴とする複合繊維の製造方法。
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