JP2526873Y2 - トリガー式液体噴出容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案はトリガー式液体噴出容器に係る。

「従来の技術」 例えば実開昭62−170168号公報が示すように、容器体
口頚部に装着した逆Ｌ字形の噴霧器本体の垂直筒部か
ら、シリンダを前方へ突出し、かつ該シリンダ内へ嵌合
させたプランジャを、上記噴霧器本体の水平筒部から斜
下前方へ突出するトリガーに係合させ、該トリガー操作
で容器体内液体がシリンダ内へ吸込みされ、かつ該シリ
ンダ内液体が上記噴霧器本体の水平筒部先端のノズルか
ら噴霧するよう設けたトリガー式液体噴霧容器が知られ
ている。尚この種噴霧容器はノズルを変えることで液体
をそのまま噴出させたり、又泡噴出器にしたりすること
が公知であり、本案が名称を液体噴出容器とするは、そ
れ等をすべて含む趣旨である。

「考案が解決しようとする課題」 従来の液体噴出器は液体噴出終了時における液切れが
悪く、よって例えば噴霧器であれば、液体噴出圧の低下
に従って次第に霧粒が大となる欠点があった。

本案はそのような欠点を除去できるよう設けたもので
ある。

「課題を解決するための手段」 容器体口頚部に装着した逆Ｌ字形噴出器本体の垂直筒
部４から、シリンダ８を前方へ突出し、かつ該シリンダ
内へ嵌合させたプランジャ27を、上記噴出器本体の水平
筒部６から斜下前方へ突出するトリガー25に係合させ、
該トリガー操作で容器体内液体を吸込み弁を介してシリ
ンダ内へ吸込みかつ吐出弁を介して水平筒部前端から噴
出するよう設けたトリガー式液体噴出容器において、上
記シリンダ後面を閉塞して該閉塞板中央から小径シリン
ダ11を前方突出すると共に、上記垂直筒部４内へ吸込み
弁15付きの内筒16を嵌着してその吸込み弁上方の内筒部
分内と上記両シリンダ間が形成する加圧室内とを第２、
第１透孔17,12で連通し、かつ上記垂直筒部４と内筒16
との間を通って小径シリンダ11内と容器体内とを連通す
る通路を設け、上記プランジャを後端面開口の中空プラ
ンジャ27としてその後端筒部分の内面に小径シリンダ外
面へ気密に接する環状シール部28を付設し、かつ小径シ
リンダの後端部外面に凹溝10を、上記トリガー操作で環
状シール部28が凹溝10上へ移動したとき、上記第１、第
２透孔12,17と、凹溝10と、小径シリンダとプランジャ
筒部との間の間隙と、通路とを介して上記吸込み弁と吐
出弁間の空間と容器体１内とが連通可能に穿設した。

「作用」 第１図状態から容器体１上部を持ちトリガー下部を引
き寄せすると、プランジャ27はシリンダ後方内へ押込ま
れ、よって加圧室および該加圧室と連通する吸込み弁15
と吐出弁22との間の液体通路部分が高圧化し、よって吐
出弁22が前方へ押出され開弁してそれ等内部の液体がノ
ズル７から噴出する。プランジャ27がシリンダ後端まで
押込まれたとき、プランジャ後端の環状シール部28が凹
溝10上へ移動し、すると第２図が示すように吸込み弁を
吐出弁間の液体通路部分および加圧室内の液体は矢印Ａ
を通って容器体１内に戻され、それ等内部の高圧状態が
解消する。従ってノズル７からの液体噴出はその高圧状
態解消と同時に停止する。

「実施例」 １は口頚部２を起立する容器体である。その口頚部に
は、逆Ｌ字状の液体噴出器本体３の垂直筒部４下端が装
着筒５により装着させてある。該本体は垂直筒部４上端
から水平筒部６を前方へ突出し、かつ該水平筒部前端に
ノズル７を嵌合させている。図示のノズルは発泡用ノズ
ルであるが、公知のように該ノズルは噴霧用ノズルにし
てもよく、又液体をそのまま噴出するノズルに変えるこ
ともある。垂直筒部の前部からはシリンダ８を前方へ突
出する。シリンダ後面は閉塞板９に閉塞され、該閉塞板
中央からは後端部外面に凹溝10を有する小径シリンダ11
を前方突出している。それ等両シリンダ間の空間は後述
プランジャ嵌合により加圧室を形成するが、該加圧室後
壁としての閉塞板９部分と小径シリンダ後壁としての閉
塞板部分とには第１、第３透孔12,3を穿設している。

上記垂直筒部４内へは吸込み弁15付きの内筒16を嵌合
させる。該内筒の吸込み弁15は上記第１透孔12よりも下
方に位置するようにし、又その第１透孔12と連通する第
２透孔17をその内筒に穿設する。該内筒は水平筒部６の
筒孔6aと連通させる。又第３透孔13が接する内筒外面部
分から内筒下方まで縦溝18を穿設して上記小径シリンダ
内と容器体内との通路を形成している。図示例では内筒
下部から外向きフランジ状壁19を突出し、大径化させた
既述垂直筒部の下部内面に嵌合させた嵌着筒20をその外
向きフランジ状壁19に付設している。該嵌着筒は外向き
フランジ21を有し、該フランジをパッキンを介して容器
体口頚部の上端面と既述装着筒５上端の内向きフランジ
5aとの間で挟持させている。水平筒部６の内には後端面
閉塞の筒状吐出弁22が嵌合させてあり、該吐出弁前方の
筒孔部分を大内径とし、かつ筒状吐出弁22をその大内径
筒孔部分内へ装着させたスプリング23の弾性で該吐出弁
外径と同内径とした中径筒孔部分へその後端まで水密に
押込んでいる。

水平筒部６の前部には、斜下前方へ下部を突出するト
リガー25上端を前後方向への揺動が可能に枢着してい
る。該トリガー上部からは後方へ棒26を突出する。

既述シリンダ８内へは後端面開口の中空プランジャ27
を嵌合させる。該プランジャはその内部に小径シリンダ
11を嵌合させるもので、プランジャの筒部後端内縁には
小径シリンダ外面に水密に接する環状シール部28を付設
する。その筒部後端外縁にもシリンダ内壁面に水密に接
する環状部29を付設するとよい。該プランジャ27内は、
小径シリンダ11内へ後部を嵌合させたスプリング30の前
部を挿入させてあり、該スプリングによりプランジャ27
は前方へ付勢さている。該プランジャ前端面は半球面状
凹部とし、該凹部内へ既述棒26の後端を係合させてい
る。該係合によりトリガー25を後方へ引寄せたとき、ス
プリング30の弾性に抗してプランジャ27が後退し、後限
まで移動したとき溝10上へ環状シール部28が位置し、す
ると第２図が示すように、第１、第２透孔12,17、溝1
0、小径シリンダ11とプランジャ筒部との間、更に通路1
8を通って吸込み弁15と吐出弁22との間の空間と容器体
内とが連通し、よってその空間内加圧状態が解消され
る。

図示例において31は吸込み弁15から容器体内底部まで
垂設した液体吸上げパイプ、32はシリンダ下部に穿設し
た第４透孔で、第２図が示すように筒状プランジャ29が
後限まで押込まれたとき開口し、その第４透孔下方の外
向きフランジ状壁19部分に設けた溝と第５透孔19aとを
介して容器体内と連通し、液体減少による容器体内の負
圧化を解消する。

「考案の効果」 本案は既述構成としたから、トリガー25引寄せにより
プランジャ27を後限まで後退させたとき、液体噴出の残
圧を瞬間的に解消することが出来、よってノズルから液
垂れを生ずるおそれが全くない。又上記残圧は容器体内
へ戻すから、その残圧と共に排出される液体も容器体内
に入ることとなり、よってその液体を無駄とすることが
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案容器要部の縦断面図、第２図は更に第１図
要部の拡大断面図である。 １…容器本体、３…噴出器本体 ８…シリンダ、11…小径シリンダ 16…内筒、25…トリガー 27…プランジャ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器体口頚部に装着した逆Ｌ字形噴出器本
   体の垂直筒部４から、シリンダ８を前方へ突出し、かつ
   該シリンダ内へ嵌合させたプランジャ27を、上記噴出器
   本体の水平筒部６から斜下前方へ突出するトリガー25に
   係合させ、該トリガー操作で容器体内液体を吸込み弁を
   介してシリンダ内へ吸込みかつ吐出弁を介して水平筒部
   前端から噴出するよう設けたトリガー式液体噴出容器に
   おいて、上記シリンダ後面を閉塞して該閉塞板中央から
   小径シリンダ11を前方突出すると共に、上記垂直筒部４
   内へ吸込み弁15付きの内筒16を嵌着してその吸込み弁上
   方の内筒部分内と上記両シリンダ間が形成する加圧室内
   とを第２、第１透孔17,12で連通し、かつ上記垂直筒部
   ４と内筒16との間を通って小径シリンダ11内と容器体内
   とを連通する通路を設け、上記プランジャを後端面開口
   の中空プランジャ27としてその後端筒部分の内面に小径
   シリンダ外面へ気密に接する環状シール部28を付設し、
   かつ小径シリンダの後端部外面に凹溝10を、上記トリガ
   ー操作で環状シール部28が凹溝10上へ移動したとき、上
   記第１、第２透孔12,17と、凹溝10と、小径シリンダと
   プランジャ筒部との間の間隙と、通路とを介して上記吸
   込み弁と吐出弁間の空間と容器体１内とが連通可能に穿
   設したことを特徴とするトリガー式液体噴出容器。