JPS6341083Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は手動式小型噴霧器に係る。

通常使用される手動式噴霧器としてトリガー式
噴霧器が広く使用されている。該噴霧器本体はピ
ストル状に形成され、その銃身部に該当する噴出
筒部前端にノズルが形成されているために液体噴
出方向が解り易く、又操作も行い易い。しかし、
この場合はトリガーによつて噴出筒部内へ装着さ
れたピストンポンプ等を作動する機構であるため
に、中型の噴霧器には適するが、更に小型にした
い場合はかえつてトリガーを介して噴霧操作する
ことが困難であつた。このため従来の小型噴霧器
は、ポンプを内装させた噴霧器本体からアクチユ
エータを突出させ、該アクチユエータの上下動に
よつて噴霧するが、該アクチユエータに設けられ
たノズルないしノズル孔は小さいために見難く、
液体噴出方向確認に手数を要する不便があつた。

上記不便を除去するためには、従来のトリガー
式噴霧器と同様に水平方向へ屈曲形成された射出
筒を設け、かつ射出筒が従来のアクチユエータと
同様に上下動によつて噴霧器本体のポンプを作動
させて噴霧するよう設ければよいが、しかしこの
ようにすると射出筒が従来のアクチユエータのノ
ズルに比べてはるかに長くかつ大径化するため
に、噴霧器本体内ポンプの吐出弁から、噴出筒部
先端のノズル孔にいたる噴出流路も長く、しかも
大径化し、そのため噴霧圧が低下すると共に、そ
の噴出流路内には噴出流路容積の大きさに応じた
液体が残るために、噴霧器転倒の際に多量の液体
が洩れることとなる欠点を来すこととなるもので
あつた。

本案は上記欠点を除去したもので、以下図面に
ついて説明すると、１は液体収納用の容器体であ
り、該容器体口部に噴霧器本体が装着させてあ
る。

噴霧器本体は、保持筒２と、該保持筒内に装着
されたプランジヤポンプ３と、上記保持筒上部に
基筒部１５を嵌合させ、該基筒部上端からほゞ水
平に噴出筒部１６を突出させた射出筒１３とで形
成されている。

保持筒２はその下半部を容器体口頚部外面に着
脱自在に螺合させており、その筒部中間部に付設
させた内向きフランジの内周縁からは、上部内径
を小径化させた内筒２ａを起立させている。

保持筒内には、吸込み弁１１と吐出弁１０を有
するプランジヤポンプ３が装着させてある。該ポ
ンプは図示例のように構成すると便利である。

４は小径シリンダで、該シリンダ上端に付設さ
せた外向きフランジ４ａを保持筒下半の奥部内に
嵌着させて該小径シリンダを容器体内に垂下させ
ている。外向きフランジはパツキング４ｂを介し
て容器体口頂面に接する。シリンダ底部に吸込み
弁１１が形成させてあり、該吸込み弁を通つて小
径シリンダ内に容器体内液体を吸上げるための吸
上げパイプ１２が小径シリンダ底部から垂設させ
てある。小径シリンダ内には管状プランジヤ５の
下部が挿入させてあり、該プランジヤ上部は、既
述保持筒の内筒２ａ内へ上下動可能に嵌合された
大径シリンダ７内に挿入させている。管状プラン
ジヤ上端面からは吐出弁体６が長く上方へ突出さ
せてあり、該弁体は大径シリンダ頂壁７ｂに穿設
された吐出弁孔７ａを開閉するよう形成されてい
て、これ等弁体、弁孔が吐出弁１０を形成する。
大径シリンダは、頂壁７ｂ周縁から垂設させた吐
出弁付き筒部７ｃ下端に外向きフランジ状壁７ｄ
を付設させ、該フランジ状壁周縁から大径シリン
ダ壁７ｅを垂設させている。該大径シリンダ壁の
下端部外周に突条が周設させてあつて、該突条と
既述内筒２ａの小径部下面との係合で、大径シリ
ンダの上方抜出しが防止させてある。管状プラン
ジヤ５はシリンダ内に設けられたスプリング８に
より上方へ付勢させてあり、又管状プランジヤの
下方と上方両端部外面は大小ピストン部５ａ，５
ｂに形成させてあつて、大径シリンダが押下げら
れて両シリンダ内が高圧化すると、上記両ピスト
ン部の径差により、大径シリンダに対して管状プ
ランジヤが下降し、吐出弁１０が開いて両シリン
ダ内液体が吐出され、又大径シリンダ上昇の際は
吐出弁が閉じ、吸込み弁１１が開いて大小両シリ
ンダ内に容器体内液体が吸上げられるよう設けて
いる。尚プランジヤポンプ３は他の構造のポンプ
に代えてもよいが、吐出弁付き筒部７ｃを有する
ことが必要である。

射出筒１３は、基筒部１５上端からほゞ水平に
噴出筒部１６を突出させている。該噴出筒部内に
はほゞ全長にわたつて芯材１７が嵌合させてあ
り、該芯材外面と噴出筒部内壁面との間にそのい
ずれかに溝を設けることで噴出流路１８を筒方向
に沿つて設けている。噴出筒部先端面にはノズル
孔１４が穿設させてあり、上記噴出流路の終端を
ノズル孔に連通させてある。基筒部１５は図示の
ように二重筒状に形成させてもよい。内筒１５ａ
は噴出筒部に連続させて形成させてあり、外筒１
５ｂはその内筒との間に適宜間隙をおいて垂設さ
せている。内筒１５ａ内には既述吐出弁付き筒部
７ｃを深く嵌合させ、その吐出弁の弁孔７ａと噴
出流路始端部とが近接して連通するよう設ける。
又外筒１５ｂはその下端部を保持筒２の上部と内
筒２ａとの間に嵌合させている。尚流出筒部の上
面後端部には射出筒押下げ部としての滑止め部１
９を形成させるとよい。

上記構成において射出筒１３を上下動させる
と、プランジヤポンプ３が作動して該ポンプ内に
吸上げられた液体は吐出弁孔７ａ、噴出流路１８
を通つてノズル孔１４から噴霧される。

本案は上記構成とするもので、容器体口部に下
半部を装着させた保持筒２上部に、射出筒の基筒
部１５を垂直に嵌合させ、基筒部上端からほゞ水
平に噴出筒部１６を突出させているから、液体噴
出方向を見分け易く、又噴出筒部内のほゞ全長に
わたつて芯材１７を嵌合させて、該芯材外面と噴
出筒部１６の内壁面との間にノズル孔１４と連通
する噴出流路１８を形成させ、保持筒内に装着さ
せたプランジヤポンプから吐出弁付き筒部を突出
させて、該吐出弁付き筒部を射出筒の基筒部内
に、吐出弁の弁孔７ａと噴出通路始端部とが近接
して連通する状態に嵌合させたから、射出筒、特
に噴出筒部の筒孔とは無関係に吐出弁孔からノズ
ル孔までの吐出路を細く形成させることが出来、
よつて吐出弁孔から噴出された液体噴出圧力の低
下が少く、又液体噴出後に射出筒内に残る液体量
を極めて少量とすることが出来るから噴霧器転倒
時におけるノズル孔１４からの液洩れも極めて少
くすることが出来、従来の手動式小型噴霧器に比
べて射出筒を大きくできるから、丈夫でかつ使い
易い効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本案噴霧器の断面図である。 １……容器体、２……保持筒、３……プランジ
ヤポンプ、１３……射出筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体収納用の容器体１と、該容器体口部に装着
   された噴霧器本体とからなり、該噴霧器本体を、
   上記容器体口部に着脱自在に下半筒部を装着させ
   た保持筒２と、該保持筒内に垂直に装着された、
   吸込み弁１１および吐出弁１０付きのプランジヤ
   ポンプ３と、上記保持筒の上部に基筒部１５を垂
   直に嵌合させると共に該基筒部上端からほゞ水平
   に噴出筒部１６を突出させた射出筒１３とで形成
   させ、該射出筒を上下動させることで上記プラン
   ジヤポンプが作動して容器体内液体を噴出筒部先
   端のノズル孔１４から噴霧するよう設けた噴霧器
   において、上記噴出筒部内のほゞ全長にわたつて
   芯材１７を嵌合させて該芯材外面と噴出筒部１６
   の内壁面との間にノズル孔１４と連通する噴出流
   路１８を形成させると共に、上記プランジヤポン
   プから吐出弁付き筒部７ｃを突出させて、該吐出
   弁付き筒部を上記射出筒の基筒部内に、吐出弁の
   弁孔７ａと噴出流路１８の始端部とが近接して連
   通する状態に嵌合させたことを特徴とする手動式
   小型噴霧器。