JP3741338B2 - 正倒立兼用のトリガー式液体噴出器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は正倒立兼用のトリガー式液体噴出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
容器体口頸部へ嵌合させるキャップ状部から、吸上げパイプ付きの主筒を起立し、該主筒上部から前方突設した射出筒の前部から揺動自在にトリガーを垂設し、該トリガーの操作で、射出筒後部下方に付設したシリンダ内へ嵌合されたプランジヤを揺動させることで、容器体内液体を吸込み弁を介してシリンダ内へ吸込み、又該シリンダ内液体を吐出弁を介して射出筒前端に嵌合されたノズルから噴出するよう設けたトリガー式液体噴出器が広く一般に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記液体噴出器は正立使用のためのものであるが、用途拡大に伴い倒立状態でも液体噴出できるようにすることが望まれている。
本発明は従来用いられていた正立使用の液体噴出器の一部を変更して、正倒立兼用の液体噴出器とすることが容易であるよう設けたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として容器体口頸部へ嵌合させるキャップ状部内から、吸上げパイプ付きの主筒を起立させて該主筒上部から射出筒を前方突出させ、該射出筒前部から前後方向への揺動が可能に垂下させたトリガーの揺動操作で、上記射出筒後部下方に付設したシリンダ内へ嵌合させたプランジヤが揺動されて、容器体内液体をシリンダ内へ吸込み、かつ該シリンダ内液体を射出筒前端へ嵌合させたノズルから噴出可能とした液体噴出器において、
上記シリンダ内へ液体吸込みするための吸込み弁7を射出筒4の後端部内に、又シリンダ内液体をノズルから噴出するための吐出弁8を射出筒4の前部内に、それぞれ設けて、
それ等吸込み弁と吐出弁との間の射出筒部分内とシリンダ3内とを液体出入路9で連通させ、
又上記主筒2内へ、射出筒4後端部内と連通させる透孔21を有する第1弁筒22を嵌着させて、該第1弁筒の下部から上記吸上げパイプ23を垂下させると共に、該第1弁筒外面と主筒2内面との間に容器体上部内と第1弁筒の上部内とを連通させる、倒立時用液体吸込み路形成用溝24を穿設し、又第1弁筒上部に設けた上記溝24の開口部24a と該開口部下方の上記透孔21との間の第1弁筒部分内へ、玉弁式の正立時用空気吸込み防止弁25を設けた。
【0005】
第2の手段として、上記第1の手段を有すると共に上記透孔21と吸上げパイプ23上端との間の第1弁筒部分内へ、玉弁式の倒立時用空気吸込み防止弁29を設けた。
【0006】
第3の手段として容器体口頸部へ嵌合させるキャップ状部内から、吸上げパイプ付きの主筒を起立させて該主筒上部から射出筒を前方突出させ、該射出筒前部から前後方向への揺動が可能に垂下させたトリガーの揺動操作で、上記射出筒後部下方に付設したシリンダ内へ嵌合させたプランジヤが揺動されて、容器体内液体をシリンダ内へ吸込み、かつ該シリンダ内液体を射出筒前端へ嵌合させたノズルから噴出可能とした液体噴出器において、
上記シリンダ内へ液体吸込みするための吸込み弁7を射出筒4の後端部内に、又シリンダ内液体をノズルから噴出するための吐出弁8を射出筒4の前部内に、それぞれ設けて、
それ等吸込み弁と吐出弁との間の射出筒部分内とシリンダ3内とを液体出入路9で連通させ、
又上記主筒2内へ、射出筒4後端部内と連通させる透孔21を有する第1弁筒22を嵌着させ、かつ該第1弁筒外面と主筒2内面との間に容器体内と第1弁筒の上部内とを連通させる、倒立時用液体吸込み路形成用溝24を穿設し、又第1弁筒上部に設けた上記溝24の開口部24a と該開口部下方の上記透孔21との間の第1弁筒部分内へ、玉弁式の正立時用空気吸込み防止弁25を設け、
更に透孔21下方の第1弁筒部分内に玉弁式の倒立時用空気吸込み防止弁29を有する第2弁筒35を嵌着させ、該第2弁筒下部内から吸上げパイプ23を垂設した。
【0007】
【発明の実施の形態】
まず従来公知の構造部分について簡単に説明すると、1は容器体口頸部外面へ嵌合させるキャップ状部であり、該キャップ状部からは、主筒2を起立し、該主筒前面からシリンダ3を、又主筒上部から射出筒4を、それぞれ前方突出する。射出筒前部からは前後方向への揺動が可能にトリガー5が垂下され、該トリガー上部には上記シリンダ内へ嵌合させて前方突設したプランジヤ6前部を連結している。
【0008】
通常公知例では、上記主筒2の中間部にシリンダ3との連通路を設けて、該連通路下方の主筒内部分に吸込み弁を設け、又連通路上方の主筒部分に吐出弁を設けて該吐出弁上方の主筒部分に射出筒と連通する透孔を穿設し、トリガーの操作でプランジヤが揺動し、すると吸込み弁を通ってシリンダ内へ主筒から垂下された吸上げパイプを通って容器体内液体が吸込みされ、又該シリンダ内液体はシリンダ内狭少化で吐出弁を通り、射出筒前端に嵌合されたノズル19から噴出可能としている。
【0009】
本発明にあっては、上記射出筒4の後部内に吸込み弁7を、又射出筒前部内に吐出弁8を設け、それ等吸込み弁と吐出弁との間の射出筒部分内とシリンダ3内とを液体出入路9で連通させた。
【0010】
それ等両弁および液体出入路は、例えば次のように形成することが出来る。図示例のように射出筒4内へ棒状弁部材11を嵌合させ、該棒状部材は前棒部12と後棒部13とを圧縮バネ片14で連結して形成し、前棒部12後部の外面へ付設した複数の係合子15先端を射出筒内壁面へ圧接させて該後棒部を射出筒4内面に固定し、又後棒部後端に付設した吸込み弁体16を射出筒後壁に穿設した弁孔17に圧接させて吸込み弁7とし、前棒部12の中間部から前外方へ拡開突設した弾性弁体18外周を、前棒部12の前部へ嵌合させたノズル19の内筒19a の後端から後方突出する薄肉筒19b 内面へ圧接させて吐出弁8を形成し、更に射出筒4後部にシリンダ3と連通する液体出入路9を設ける。
【0011】
又本発明にあっては、図1が示すように上記主筒2内へ、射出筒4内と連通させる透孔21を有する第1弁筒22を嵌合させ、かつ透孔21下方の第1弁筒部分内から吸上げパイプ23を垂下させ、その第1弁筒外面と主筒2内面との間に容器体上部内と第1弁筒の上端部内とを連通させる、倒立時用液体吸込み路形成用溝24を穿設し、又第1弁筒上端部に設けた上記溝24の開口部24a と該開口部下方の上記透孔21との間の第1弁筒部分内は、玉弁式の正立時用空気吸込み防止弁25を設けた。上記溝24は第1弁筒22外面へ、その下端から上端まで縦設し、該溝上端部を切欠きして開口部24a とし、該開口部下方の筒部分を小内径部としてその上面を上部大径のテーパ状第1弁座とし、該第1弁座上へ第1玉弁26を載置させて上記正立時用空気吸込み防止弁25としている。その小内径部の前壁部分に既述透孔21を穿設して射出筒4後壁に穿設した弁孔17と連通させ、又該図1にあってはその小内径部下端内面を上部小径のテーパ状をなす第2弁座27とし、該弁座とその下方内面に付設した複数の突子上へ載置させた第2玉弁28とで、倒立時用の空気吸込み防止弁29を形成している。
【0012】
上記構成において、図1が示す状態からトリガー5を引寄せすると、プランジヤ6が後退し、シリンダ内が高圧化することで液体出入路9から射出筒4内へ入った液体は吐出弁8を開き、射出筒前端へ嵌合されたノズル19から噴出する。
【0013】
次いでトリガー5を離すと、該トリガーを前方付勢させているバネ板10がトリガーを前方へ揺動させ、プランジヤ6を前方へ摺動させることでシリンダ内は負圧化し、すると吸込み弁7が開いて容器体内液体を液体出入路9を通って吸込む。尚このとき正立用空気吸込み防止弁25は閉塞しているため、溝24、および透孔21を通って容器体内液面上方の空気がシリンダ3内へ入ることはない。
【0014】
倒立使用の際は、吸上げパイプ23下端が液面上方へ露出し、又正立時用空気吸込み防止弁25の第1玉弁26は自重により第1弁座を離れるため開弁する。倒立時用空気吸込み弁29の第2玉弁28は逆にその上方に設けられた第2弁座27に着座してその弁を閉塞する。
【0015】
該状態からトリガー5を引寄せするとシリンダ内液体はプランジヤ6後退による加圧により正立時と同様に吐出弁8を開いてノズル19から噴出するが、トリガーを離し、プランジヤ6が前進すると、吸込み弁7が開いて主筒2内液体を吸込むため、倒立時用液体吸込み路を形成する溝24を通って容器体内上方の液体をシリンダ3内へ吸入する。尚既述倒立時用空気吸込み弁25を設けなくても倒立使用時における液体噴出に何等支障を来さないが、その弁25を設けない場合は、容器体内液面と吸上げパイプ内液面とは倒立時ほぼ同じとなるため、容器体内液体が減少するにつれて吸上げパイプ内に空気が入ることとなり、よって倒立使用の終了後、正立に戻して使用する際、上記吸上げパイプ内に入っていた空気は吸上げ液体と共にシリンダ内へ入り、液体噴出の際、その空気も共に噴出されることとなる。
【0016】
図2が示す実施形態は、容器体口頸部へ嵌合させるキャップ状部1内から連結筒31を起立し、該連結筒頂板31a の後部を開口して該開口周縁から第1弁筒22を起立したものであり、溝24下端の筒壁部分を開口し、かつ該開口と連通する連通溝32を第1弁筒内壁面下端まで垂設している。尚該実施形態では射出筒後壁の弁孔を、第1弁筒に穿設した透孔21で兼用して該透孔に吸込み弁体16を圧接させて吸込み弁7としている。
その他構造は第1実施形態の場合とほぼ同様である。
【0017】
図3が示す実施形態は、倒立時用空気吸込み防止弁29を、第1弁筒22の下部内へ嵌着させた第2弁筒35の内面に設け、かつ該第2弁筒下部内から吸上げパイプ23を垂下している。尚該実施形態にあっては連結筒31の頂板31a を、連結筒の下端内面から第1弁筒22の下端まで傾斜起立させて設けており、このようにすることで、倒立使用時において、容器体内液体を残さずに倒立時用液体吸込み路形成用の溝24を通ってシリンダ内へ吸込みさせることが出来るよう設けている。その溝24下端は上記傾斜部分上端内面へ開口させる。
【0018】
図4および図5の実施形態は、シリンダ3を主筒上部前面から斜下前方へ傾斜させて突出している。
又第1弁筒22の透孔21と射出筒後壁の弁孔17とを、第1弁筒外面に穿設した通路溝36で連通させたものである。
【0019】
又図5は、倒立時用の空気吸込み防止弁29の第2玉弁28の支持を、第1弁筒下部周壁の一部を切欠き、かつ該切欠き下縁から上内方へ突設した支持片37で行っている。該支持片先端の筒壁部分も切欠いており、吸上げパイプ23内を通って上昇した液体は、その支持片側方を通って上昇可能に設けている。
【0020】
【発明の効果】
本発明は既述構成とするもので、従来容器体口頸部へ嵌合させるキャップ状部内から起立する主筒内に設けられていた吸込み弁および吐出弁を、その主筒上部から前方突出する射出筒内に設け、その主筒内に射出筒後端部内と連通する透孔21を有する第1弁筒22を嵌着させて、該第1弁筒下部から吸上げパイプ23を垂下させると共に、該第1弁筒外面と主筒内面との間に容器体上部内と第1弁筒上部内とを連通させる倒立時用液体吸込み路形成用の溝24を穿設し、又第1弁筒上部に設けた上記溝24の開口部24a と該開口部下方の透孔21との間の第1弁筒部分内へ玉弁式の正立時用空気吸込み防止弁25を設けたから、上記構成の第1弁筒22を主筒2内へ嵌着させるだけで正倒立兼用のトリガー式液体噴出器とすることが出来、その第1弁筒22はキャップ状部1内から起立する主筒2内へ嵌着させるから、その第1弁筒22が、容器体口頸部へ該液体噴出器のキャップ状部1を着脱させる際に邪魔となることがない。
【0021】
請求項2の場合のように、上記透孔21と吸上げパイプ23上端との間の第1弁筒部分内へ、玉弁式の倒立時用空気吸込み防止弁29を設けることで、倒立使用時において上記吸上げパイプ内へ空気が入ることがなく、よって倒立使用の後に正立状態に戻して液体噴出させる際、噴出液体と共に上記空気が噴出することがない。
【0022】
請求項3の場合のように、第1弁筒22の下部内に倒立時用の玉弁式空気吸込み弁29を有する第2弁筒35を嵌着させ、該第2弁筒下部から吸上げパイプ23を垂下させることで、第1弁筒22の下部内へ倒立時用の玉弁式空気吸込み弁29を設ける場合に比べてその構造を簡易化することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明液体噴出器の断面図である。
【図2】 第2実施形態で示す、液体噴出器の断面図である。
【図3】 第3実施形態で示す、液体噴出器の断面図である。
【図4】 第4実施形態で示す、液体噴出器の断面図である。
【図5】 第5実施形態で示す、液体噴出器の断面図である。
【符号の説明】
1…キャップ状部 2…主筒
7…吸込み弁 8…吐出弁
11…棒状弁部材 22…第1弁筒
24…溝
Claims (3)
- 容器体口頸部へ嵌合させるキャップ状部内から、吸上げパイプ付きの主筒を起立させて該主筒上部から射出筒を前方突出させ、該射出筒前部から前後方向への揺動が可能に垂下させたトリガーの揺動操作で、上記射出筒後部下方に付設したシリンダ内へ嵌合させたプランジヤが揺動されて、容器体内液体をシリンダ内へ吸込み、かつ該シリンダ内液体を射出筒前端へ嵌合させたノズルから噴出可能とした液体噴出器において、
上記シリンダ内へ液体吸込みするための吸込み弁7を射出筒4の後端部内に、又シリンダ内液体をノズルから噴出するための吐出弁8を射出筒4の前部内に、それぞれ設けて、
それ等吸込み弁と吐出弁との間の射出筒部分内とシリンダ3内とを液体出入路9で連通させ、
又上記主筒2内へ、射出筒4後端部内と連通させる透孔21を有する第1弁筒22を嵌着させて、該第1弁筒の下部から上記吸上げパイプ23を垂下させると共に、
該第1弁筒外面と主筒2内面との間に容器体上部内と第1弁筒の上部内とを連通させる、倒立時用液体吸込み路形成用溝24を穿設し、又第1弁筒上部に設けた上記溝24の開口部24a と該開口部下方の上記透孔21との間の第1弁筒部分内へ、玉弁式の正立時用空気吸込み防止弁25を設けた
ことを特徴とする正倒立兼用のトリガー式液体噴出器。 - 上記透孔21と吸上げパイプ23上端との間の第1弁筒部分内へ、玉弁式の倒立時用空気吸込み防止弁29を設けた
ことを特徴とする請求項1記載の正倒両用のトリガー式液体噴出器。 - 容器体口頸部へ嵌合させるキャップ状部内から、吸上げパイプ付きの主筒を起立させて該主筒上部から射出筒を前方突出させ、該射出筒前部から前後方向への揺動が可能に垂下させたトリガーの揺動操作で、上記射出筒後部下方に付設したシリンダ内へ嵌合させたプランジヤが揺動されて、容器体内液体をシリンダ内へ吸込み、かつ該シリンダ内液体を射出筒前端へ嵌合させたノズルから噴出可能とした液体噴出器において、
上記シリンダ内へ液体吸込みするための吸込み弁7を射出筒4の後端部内に、又シリンダ内液体をノズルから噴出するための吐出弁8を射出筒4の前部内に、それぞれ設けて、
それ等吸込み弁と吐出弁との間の射出筒部分内とシリンダ3内とを液体出入路9で連通させ、
又上記主筒2内へ、射出筒4後端部内と連通させる透孔21を有する第1弁筒22を嵌着させ、かつ該第1弁筒外面と主筒2内面との間に容器体内と第1弁筒の上部内とを連通させる、倒立時用液体吸込み路形成用溝24を穿設し、又第1弁筒上部に設けた上記溝24の開口部24a と該開口部下方の上記透孔21との間の第1弁筒部分内へ、玉弁式の正立時用空気吸込み防止弁25を設け、
更に透孔21下方の第1弁筒部分内に玉弁式の倒立時用空気吸込み防止弁29を有する第2弁筒35を嵌着させ、該第2弁筒下部内から吸上げパイプ23を垂設した
ことを特徴とする正倒立兼用のトリガー式液体噴出器。
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