JP2023030208A - 搬送システム、製造システム、搬送システムの制御方法及び物品の製造方法 - Google Patents

搬送システム、製造システム、搬送システムの制御方法及び物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】システムの大型化を伴うことなく、可動子の姿勢を制御しつつ、可動子を非接触で搬送することができる搬送システム、可動子、制御装置及び制御方法を提供する。【解決手段】搬送システムは、第1の方向に沿って配置された第1の磁石群と、第1の方向と交差する第2の方向に沿って配置された第2の磁石群とを有する可動子と、第1の磁石群及び第2の磁石群に対向可能に第1の方向に沿って配置された複数のコイルとを有し、可動子は、複数のコイルにより第1の磁石群又は第2の磁石群が受ける電磁力により姿勢が制御されつつ、複数のコイルにより第1の磁石群が受ける電磁力により複数のコイルに沿って第1の方向に移動可能である。【選択図】図1A

Description

本発明は、搬送システム、可動子、制御装置及び制御方法に関する。
一般に、工業製品を組み立てるための生産ラインや半導体露光装置等では、搬送システムが用いられている。特に、生産ラインにおける搬送システムは、ファクトリーオートメーション化された生産ライン内又は生産ラインの間の複数のステーションの間で、部品等のワークを搬送する。また、プロセス装置中の搬送装置として使われる場合もある。搬送システムとしては、可動磁石型リニアモータによる搬送システムが既に提案されている。
可動磁石型リニアモータによる搬送システムでは、リニアガイド等の機械的な接触を伴う案内装置を使って搬送システムを構成する。しかしながら、リニアガイド等の案内装置を使った搬送システムでは、リニアガイドの摺動部から発生する汚染物質、例えば、レールやベアリングの摩耗片や潤滑油、あるいはそれが揮発したもの等が生産性を悪化させるという問題があった。また、高速搬送時には摺動部の摩擦が大きくなってリニアガイドの寿命を小さくするという問題があった。
そこで、特許文献1及び2には、案内として摺動部を持たない非接触の磁気浮上型の移動装置又は搬送装置が記載されている。特許文献1に記載の移動装置には、可動子の搬送及び姿勢を制御するために合計7列のリニアモータが設置されている。また、特許文献2に記載の搬送装置においても、浮上用電磁石、ガイド用電磁石及び推進用電磁石が合計6列設置されている。
特開2015-230927号公報 特表2016-532308号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の装置では、設置されたリニアモータや電磁石の列数が多いため、システムの大型化を回避することが困難である。
本発明は、システム構成の大型化を伴うことなく、可動子の姿勢を制御しつつ、可動子を非接触で搬送することができる搬送システム、可動子の制御方法、製造システム及び物品の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の一観点によれば、第1の方向に沿って配置された複数の第1磁石よりなる第1の磁石群と、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って配置された複数の第2磁石よりなる第2の磁石群と、を有し、前記第1の方向に移動可能な可動子と、前記第1の磁石群及び前記第2の磁石群に対向可能に前記第1の方向に沿って配置された複数のコイルと、を有し、前記第1の方向において、前記第2の磁石群は前記第1の磁石群よりも前記可動子の先端側に設けられていることを特徴とする搬送システムが提供される。
本発明のさらに他の観点によれば、第1の方向に沿って配置された複数の第1磁石よりなる第1の磁石群と、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って配置された複数の第2磁石よりなる第2の磁石群と、を有する可動子の制御方法であって、前記第1の方向において、前記第2の磁石群は前記第1の磁石群よりも前記可動子の先端側に設けられ、前記第1の磁石群及び前記第2の磁石群に対向可能に前記第1の方向に沿って配置された複数のコイルに流す電流を制御することにより、前記第1の方向への可動子の搬送を制御する、ことを特徴とする制御方法が提供される。
本発明によれば、システム構成の大型化を伴うことなく、可動子の姿勢を制御しつつ、可動子を非接触で搬送することができる。
本発明の第1実施形態による可動子及び固定子を含む搬送システムの全体構成を示す概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムの全体構成を示す概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおける可動子及び固定子を示す概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおける固定子のコイルを示す概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムを制御する制御システムを示す概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおける可動子の姿勢制御方法を示す概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおける可動子位置算出関数による処理を説明する概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおける可動子姿勢算出関数による処理を説明する概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおける可動子姿勢算出関数による処理を説明する概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおける可動子姿勢算出関数による処理を説明する概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおける可動子の永久磁石に対してX方向及びY方向に独立に力を印加する方法を説明する概略図である。 本発明の第2実施形態による搬送システムにおける可動子を示す概略図である。 本発明の第2実施形態による搬送システムにおける可動子及び固定子を示す概略図である。 本発明の第3実施形態による搬送システムにおける可動子及び固定子を示す概略図である。 本発明の第3実施形態による搬送システムにおける可動子を示す概略図である。 本発明の第3実施形態の第1変形例による搬送システムにおける可動子を示す概略図である。 本発明の第3実施形態の第2変形例による搬送システムにおける可動子を示す概略図である。 本発明の第3実施形態の第3変形例による搬送システムにおける可動子を示す概略図である。 本発明の第3実施形態の第4変形例による搬送システムにおける可動子を示す概略図である。 本発明の第4実施形態による搬送システムにおける可動子及び固定子を示す概略図である。 本発明の第4実施形態による搬送システムにおける可動子及び固定子を示す概略図である。
[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態について図1A乃至図9を用いて説明する。
まず、本実施形態による搬送システムの全体構成について図1A及び図1Bを用いて説明する。図1A及び図1Bは、本実施形態による可動子101及び固定子201を含む搬送システムの全体構成を示す概略図である。なお、図1A及び図1Bは、可動子101及び固定子201の主要部分を抜き出して示したものである。また、図1Aは可動子101を後述のZ方向から見た図、図1Bは可動子101を後述のY方向から見た図である。
図1A及び図1Bに示すように、本実施形態による搬送システム1は、台車、スライダ又はキャリッジを構成する可動子101と、搬送路を構成する固定子201とを有している。搬送システム1は、可動磁石型リニアモータ(ムービング永久磁石型リニアモータ、可動界磁型リニアモータ)による搬送システムである。さらに、搬送システム1は、リニアガイド等の案内装置を持たず、固定子201上において非接触で可動子101を搬送する磁気浮上型の搬送システムとして構成されている。
搬送システム1は、例えば、固定子201により可動子101を搬送することにより、可動子101上のワーク102を、ワーク102に対して加工作業を施す工程装置に搬送する。なお、図1A及び図1Bでは、固定子201に対して1台の可動子101を示しているが、これに限定されるものではない。搬送システム1においては、複数台の可動子10が固定子201上を搬送されうる。
ここで、以下の説明において用いる座標軸、方向等を定義する。まず、可動子101の搬送方向である水平方向に沿ってX軸をとり、可動子101の搬送方向をX方向とする。また、X方向と直交する方向である鉛直方向に沿ってZ軸をとり、鉛直方向をZ方向とする。また、X方向及びZ方向に直交する方向に沿ってY軸をとり、X方向及びZ方向に直交する方向をY方向とする。さらに、X軸周りの回転をWx、Y軸、Z軸周りの回転を各々Wy,Wzとする。また、乗算の記号として“*”を使用する。また、可動子101の中心を原点Oとし、Y+側をR側、Y-側をL側として記載する。なお、可動子101の搬送方向は必ずしも水平方向である必要はないが、その場合も搬送方向をX方向として同様にY方向及びZ方向を定めることができる。
次に、本実施形態による搬送システム1おける搬送対象である可動子101について図1A、図1B及び図2を用いて説明する。図2は、本実施形態による搬送システム1における可動子101及び固定子201を示す概略図である。なお、図2は、可動子101及び固定子201をX方向から見た図である。また、図2の左半分は、図1Bの(A)-(A)線に沿った断面(A)を示している。また、図2の右半分は、図1Bの(B)-(B)線に沿った断面(B)を示している。
図1A、図1B及び図2に示すように、可動子101は、永久磁石103として、永久磁石103aR、103bR、103cR、103dR、103aL、103bL、103cL、103dLを有している。
永久磁石103は、可動子101のX方向に沿った両側面に配置されて取り付けられている。具体的には、可動子101のR側の側面に、永久磁石103aR、103bR、103cR、103dRが取り付けられている。また、可動子101のL側の側面に、永久磁石103aL、103bL、103cL、103dLが取り付けられている。なお、以下では、特に区別する必要がないかぎり、可動子101の永久磁石を単に「永久磁石103」と表記する。また、R側とL側とを区別する必要まではないが、各永久磁石103を個別に特定する必要がある場合、各永久磁石103に対する符号の末尾からR又はLを除いた識別子としての小文字のアルファベットまでの符号を用いて各永久磁石103を個別に特定する。この場合、「永久磁石103a」、「永久磁石103b」、「永久磁石103c」又は「永久磁石103d」と表記して、各永久磁石103を個別に特定する。
永久磁石103aR、103dRは、可動子101のX方向に沿ったR側の側面におけるX方向の一方の端部及び他方の端部に取り付けられている。永久磁石103bR、103cRは、可動子101のR側の側面の永久磁石103aR、103dR間に取り付けられている。永久磁石103aR、103bR、103cR、103dRは、例えば、X方向に等ピッチに配置されている。また、永久磁石103aR、103bR、103cR、103dRは、それぞれの中心が、例えば可動子101のR側の側面中心を通過するX方向に沿った直線上に並ぶように配置されている。
永久磁石103aL、103dLは、可動子101のX方向に沿ったL側の側面におけるX方向の一方の端部及び他方の端部に取り付けられている。永久磁石103bL、103cLは、可動子101のL側の側面の永久磁石103aL、103dL間に取り付けられている。永久磁石103aL、103bL、103cL、103dLは、例えば、X方向に等ピッチに配置されている。また、永久磁石103aL、103bL、103cL、103dLは、それぞれの中心が、例えば可動子101のL側の側面中心を通過するX方向に沿った直線上に並ぶように配置されている。さらに、永久磁石103aL、103bL、103cL、103dLは、X方向においてそれぞれ永久磁石103aR、103bR、103cR、103dRと同位置に配置されている。
永久磁石103a、103dは、それぞれ可動子101の中心である原点OからX方向の一方及び他方の側に距離ryだけ離れた位置に取り付けられている。永久磁石103a、103b、103c、103dは、それぞれ原点OからY方向に距離rxだけ離れた位置に取り付けられている。永久磁石103c、103bは、それぞれ原点OからX方向の一方及び他方の側に距離rzだけ離れた位置に取り付けられている。
永久磁石103aR、103dR、103aL、103dLは、それぞれZ方向に沿って配置された2個の永久磁石のセットである。永久磁石103a、103dは、それぞれ、固定子201側を向く外側の磁極の極性が交互に異なるように2個の永久磁石がZ方向に沿って並べられて構成されたものである。なお、永久磁石103a、103dを構成するZ方向に沿って配置された永久磁石の数は、2個に限定されるものではなく、複数個であればよい。また、永久磁石103a、103dを構成する永久磁石が配置される方向は、必ずしも搬送方向であるX方向と直交するZ方向である必要はなく、X方向と交差する方向であればよい。すなわち、永久磁石103a、103dは、それぞれ磁極の極性が交互になるようにX方向と交差する方向に沿って配置された複数の永久磁石からなる磁石群であればよい。
一方、永久磁石103bR、103cR、103bL、103cLは、それぞれY方向に沿って配置された3個の永久磁石のセットである。永久磁石103b、103cは、それぞれ、固定子201側を向く外側の磁極の極性が交互に異なるように3個の永久磁石がX方向に沿って並べられて構成されている。なお、永久磁石103b、103cを構成するX方向に沿って配置された永久磁石の数は、3個に限定されるものではなく、複数個であればよい。すなわち、永久磁石103b、103cは、磁極の極性が交互になるようにX方向に沿って配置された複数の永久磁石からなる磁石群であればよい。
各永久磁石103は、可動子101のR側及びL側の側面に設けられたヨーク107に取り付けられている。ヨーク107は、透磁率の大きな物質、例えば鉄で構成されている。
こうして、可動子101には、可動子101のX軸に沿った中心軸を対称軸として、複数の永久磁石103がR側及びL側の側面に対称に配置されている。永久磁石103が配置された可動子101は、固定子201の複数のコイル202により後述するように永久磁石103が受ける電磁力により姿勢が6軸制御されつつ移動可能に構成されている。
可動子101は、X方向に沿って2列に配置された複数のコイル202に沿ってX方向に移動可能である。可動子101は、その上面に搬送すべきワーク102を載せた状態で搬送される。可動子101は、例えば、ワークホルダ等のワーク102を可動子101上に保持する保持機構を有していてもよい。
次に、本実施形態による搬送システム1における固定子201について図1A、図2及び図3を用いて説明する。図3は、固定子201のコイル202を示す概略図である。なお、図3は、コイル202をY方向から見た図である。
固定子201は、可動子101の搬送方向であるX方向に沿って2列に配置された複数のコイル202を有している。固定子201には、複数のコイル202がそれぞれR側及びL側から可動子101に対向するように取り付けられている。固定子201は、搬送方向であるX方向に延在して可動子101の搬送路を形成する。
固定子201上を搬送される可動子101は、リニアスケール104と、Yターゲット105と、Zターゲット106とを有している。リニアスケール104、Yターゲット105及びZターゲット106は、それぞれ例えば可動子101の底部にX方向に沿って取り付けられている。Zターゲット106は、リニアスケール104及びYターゲット105の両側にそれぞれ取り付けられている。
図2に示すように、固定子201は、複数のコイル202と、複数のリニアエンコーダ204と、複数のYセンサ205と、複数のZセンサ206とを有している。
複数のコイル202は、可動子101のR側及びL側の側面の永久磁石103と対向可能なように、X方向に沿って2列に配置されて固定子201に取り付けられている。R側において1列に配置された複数のコイル202は、可動子101のR側の永久磁石103aR、103bR、103cR、103dRと対向可能にX方向に沿って配置されている。また、L側において1列に配置された複数のコイル202は、可動子101のL側の永久磁石103aL、103bL、103cL、103dLと対向可能にX方向に沿って配置されている。
本実施形態では、可動子101のR側及びL側のコイル202の列が、それぞれ、互いに構成する複数の永久磁石の配置方向が異なる永久磁石103a、103d及び永久磁石103b、103cに対向可能に配置されている。このため、少ない列数のコイル202で、後述するように可動子101に対して搬送方向及び搬送方向とは異なる力を印加することができ、よって可動子101の搬送制御及び姿勢制御を実現することができる。
こうして、複数のコイル202は、可動子101が搬送される方向に沿って取り付けられている。複数のコイル202は、X方向に所定の間隔で並べられている。また、各コイル202は、その中心軸がY方向を向くように取り付けられている。なお、コイル202は、コア有のコイルでもよいし、コアレス型のコイルでもよい。
複数のコイル202は、例えば3個ずつの単位で電流制御されるようになっている。そのコイル202の通電制御される単位を「コイルユニット203」と記載する。コイル202は、通電されることにより、可動子101の永久磁石103との間で電磁力を発生して可動子101に対して力を印加することができる。
図1において、永久磁石103a、103dは、それぞれZ方向に2個の永久磁石が並べられた磁石群により構成されていている。これに対して、各コイル202は、永久磁石103a、103dの2個の永久磁石のZ方向の中心がコイル202のZ方向の中心と合致するように配置されている。永久磁石103a、103dに対向するコイル202に通電することで、永久磁石103a、103dに対してZ方向に力を発生する。
また、永久磁石103b、103cは、X方向に3個の永久磁石が並べられた磁石群により構成されている。これに対して、永久磁石103b、103cに対向するコイル202に通電することで、永久磁石103b、103cに対してX方向及びY方向に力を発生する。
複数のリニアエンコーダ204は、それぞれ可動子101のリニアスケール104と対向可能なようにX方向に沿って固定子201に取り付けられている。各リニアエンコーダ204は、可動子101に取り付けられたリニアスケール104を読み取ることで、可動子101のリニアエンコーダ204に対する相対的な位置を検出して出力することができる。
複数のYセンサ205は、それぞれ可動子101のYターゲット105と対向可能なようにX方向に沿って固定子201に取り付けられている。各Yセンサ205は、可動子101に取り付けられたYターゲット105との間のY方向の相対距離を検出して出力することができる。
複数のZセンサ206は、それぞれ可動子101のZターゲット106と対向可能なようにX方向に沿って固定子201に2列に取り付けられている。各Zセンサ206は、可動子101に取り付けられたZターゲット106との間のZ方向の相対距離を検出して出力することができる。
次に、本実施形態による搬送システム1を制御する制御システムについてさらに図4を用いて説明する。図4は、本実施形態による搬送システム1を制御する制御システム3を示す概略図である。
図4に示すように、制御システム3は、統合コントローラ301と、コイルコントローラ302と、センサコントローラ304とを有し、可動子101と固定子201とを含む搬送システム1を制御する制御装置として機能する。統合コントローラ301には、コイルコントローラ302が通信可能に接続されている。また、統合コントローラ301には、センサコントローラ304が通信可能に接続されている。
コイルコントローラ302には、複数の電流コントローラ303が通信可能に接続されている。コイルコントローラ302及びこれに接続された複数の電流コントローラ303は、2列のコイル202のそれぞれの列に対応して設けられている。各電流コントローラ303には、コイルユニット203が接続されている。電流コントローラ303は、接続されたコイルユニット203の各々のコイル202の電流の大きさを制御することができる。
コイルコントローラ302は、接続された各々の電流コントローラ303に対して目標となる電流値を指令する。電流コントローラ303は接続されたコイル202の電流量を制御する。
コイル202及び電流コントローラ303は、可動子101が搬送されるX方向の両側に取り付けらえている。
センサコントローラ304には、複数のリニアエンコーダ204、複数のYセンサ205及び複数のZセンサ206が通信可能に接続されている。
複数のリニアエンコーダ204は、可動子101が搬送中もそのうちの1つが必ず1台の可動子101の位置を測定できるような間隔で固定子201に取り付けられている。また、複数のYセンサ205は、そのうちの2つが必ず1台の可動子101のYターゲット105を測定できるような間隔で固定子201に取り付けられている。また、複数のZセンサ206は、その2列のうちの3つが必ず1台の可動子101のZターゲット106を測定できるような間隔で固定子201に取り付けられている。
統合コントローラ301は、リニアエンコーダ204、Yセンサ205及びZセンサ206からの出力に基づき、複数のコイル202に印加する電流指令値を決定して、コイルコントローラ302に送信する。コイルコントローラ302は、統合コントローラ301からの電流指令値に基づき、上述のように電流コントローラ303に対して電流値を指令する。これにより、統合コントローラ301は、制御装置として機能し、固定子201上で可動子101を非接触で搬送するとともに、搬送する可動子101の姿勢を6軸で制御する。
以下、統合コントローラ301により実行される可動子101の姿勢制御方法について図5を用いて説明する。図5は、本実施形態による搬送システム1における可動子101の姿勢制御方法を示す概略図である。図5は、可動子101の姿勢制御方法の概略について主にそのデータの流れに着目して示している。統合コントローラ301は、以下に説明するように、可動子位置算出関数401、可動子姿勢算出関数402、可動子姿勢制御関数403及びコイル電流算出関数404を用いた処理を実行する。これにより、統合コントローラ301は、可動子101の姿勢を6軸で制御しつつ、可動子101の搬送を制御する。なお、統合コントローラ301に代えて、コイルコントローラ302が統合コントローラ301と同様の処理を実行するように構成することもできる。
まず、可動子位置算出関数401は、複数のリニアエンコーダ204からの測定値及びその取り付け位置の情報から、搬送路を構成する固定子201上にある可動子101の台数及び位置を計算する。これにより、可動子位置算出関数401は、可動子101に関する情報である可動子情報406の可動子位置情報(X)及び台数情報を更新する。可動子位置情報(X)は、固定子201上の可動子101の搬送方向であるX方向における位置を示している。可動子情報406は、例えば図5中にPOS-1、POS-2、…と示すように固定子201上の可動子101ごとに用意される。
次いで、可動子姿勢算出関数402は、可動子位置算出関数401により更新された可動子情報406の可動子位置情報(X)から、各々の可動子101を測定可能なYセンサ205及びZセンサ206を特定する。次いで、可動子姿勢算出関数402は、特定されたYセンサ205及びZセンサ206から出力される値に基づき、各々の可動子101の姿勢に関する情報である姿勢情報(Y,Z,Wx、Wy,Wz)を算出して可動子情報406を更新する。可動子姿勢算出関数402により更新された可動子情報406は、可動子位置情報(X)及び姿勢情報(Y,Z,Wx、Wy,Wz)を含んでいる。
次いで、可動子姿勢制御関数403は、可動子位置情報(X)及び姿勢情報(Y,Z,Wx、Wy,Wz)を含む現在の可動子情報406及び姿勢目標値から、各々の可動子101について印加力情報408を算出する。印加力情報408は、各々の可動子101に印加すべき力の大きさに関する情報である。印加力情報408は、後述する印加すべき力Tの力の3軸成分(Tx,Ty,Tz)及びトルクの3軸成分(Twx,Twy,Twz)に関する情報を含んでいる。印加力情報408は、例えば図5中にTRQ-1、TRQ-2、…と示すように固定子201上の可動子101ごとに用意される。
次いで、コイル電流算出関数404は、印加力情報408及び可動子情報406に基づき、各コイル202に印加する電流指令値409を決定する。
こうして、統合コントローラ301は、可動子位置算出関数401、可動子姿勢算出関数402、可動子姿勢制御関数403及びコイル電流算出関数404を用いた処理を実行することにより、電流指令値409を決定する。統合コントローラ301は、決定した電流指令値409をコイルコントローラ302に送信する。
ここで、可動子位置算出関数401による処理について図6を用いて説明する。図6は、可動子位置算出関数による処理を説明する概略図である。
図6において、基準点Oeは、リニアエンコーダ204が取り付けられている固定子201の位置基準である。また、基準点Osは、可動子101に取り付けられているリニアスケール104の位置基準である。図6では、可動子101として2台の可動子101a、101bが搬送され、リニアエンコーダ204として2つのリニアエンコーダ204a、204b、204cが配置されている場合を示している。なお、リニアスケール104は、各可動子101a、101bの同じ位置にX方向に沿って取り付けられている。
例えば、図6に示す可動子101bのリニアスケール104には、1つのリニアエンコーダ204cが対向している。リニアエンコーダ204cは、可動子101bのリニアスケール104を読み取って距離Pcを出力する。また、リニアエンコーダ204cの基準点Oeを原点とするX軸上の位置はScである。したがって、可動子101bの位置Pos(101b)は次式(1)により算出することができる。
Pos(101b)=Sc-Pc …式(1)
例えば、図6に示す可動子101aのリニアスケール104には、2つのリニアエンコーダ204a、204bが対向している。リニアエンコーダ204aは、可動子101aのリニアスケール104を読み取って距離Paを出力する。また、リニアエンコーダ204aの基準点Oeを原点とするX軸上の位置はSaである。したがって、リニアエンコーダ204aの出力に基づく可動子101aのX軸上の位置Pos(101a)は、次式(2)で算出することができる。
Pos(101a)=Sa-Pa …式(2)
また、リニアエンコーダ204bは、可動子101bのリニアスケール104を読み取って距離Pbを出力する。また、リニアエンコーダ204bの基準点Oeを原点とするX軸上の位置はSbである。したがって、リニアエンコーダ204bの出力に基づく可動子101aのX軸上の位置Pos(101a)′は、次式(3)により算出することができる。
Pos(101a)′=Sb-Pb …式(3)
ここで、各々のリニアエンコーダ204a、204bの位置は予め正確に測定されているため、2つの値Pos(101a)、Pos(101a)′の差は十分に小さい。このように2つのリニアエンコーダ204の出力に基づく可動子101のX軸上の位置の差が十分小さい場合は、それら2つのリニアエンコーダ204は、同一の可動子101のリニアスケール104を観測していると判定することができる。
なお、複数のリニアエンコーダ204が同一の可動子101と対向する場合は、複数のリニアエンコーダ204の出力に基づく位置の平均値を算出する等して、観測された可動子101の位置を一意に決定することができる。
可動子位置算出関数401は、上述のようにしてリニアエンコーダ204の出力に基づき、可動子位置情報として可動子101のX方向における位置Xを算出して決定する。
次に、可動子姿勢算出関数402による処理について図7、図8A及び図8Bを用いて説明する。
図7では、可動子101として可動子101cが搬送され、Yセンサ205としてYセンサ205a、205bが配置されている場合を示している。図7に示す可動子101cのYターゲット105には、2つのYセンサ205a、205bが対向している。2つのYセンサ205a、205bが出力する相対距離の値をそれぞれYa、Ybとし、Yセンサ205a、205b間の間隔がLyの場合、可動子101cのZ軸周りの回転量Wzは、次式(4)により算出される。
Wz=(Ya-Yb)/Ly …式(4)
なお、可動子101の位置によっては3つ以上のYセンサ205が対向する場合もありうる。その場合、最小二乗法等を使ってYターゲット105の傾き、すなわちZ軸周りの回転量Wzを算出することができる。
また、図8A及び図8Bでは、可動子101として可動子101dが搬送され、Zセンサ206としてZセンサ206a、206b、206cが配置されている場合を示している。図8A及び図8Bに示す可動子101dのZターゲット106には、3つのZセンサ206a、206b、206cが対向している。ここで、3つのZセンサ206a、206b、206cが出力する相対距離の値をそれぞれZa、Zb、Zcとする。また、X方向のセンサ間距離、すなわちZセンサ206a、206b間の距離をLz1とする。また、Y方向のセンサ間距離、すなわちZセンサ206a、206c間の距離をLz2とする。すると、Y軸周りの回転量Wy及びX軸周りの回転量Wxは、それぞれ次式(5a)及び(5b)により算出することができる。
Wy=(Zb-Za)/Lz1 …式(5a)
Wx=(Zc-Za)/Lz2 …式(5b)
可動子姿勢算出関数402は、上述のようにして、可動子101の姿勢情報として各軸周りの回転量Wx、Wy,Wzを算出することができる。
また、可動子姿勢算出関数402は、次のようにして可動子101の姿勢情報として可動子101のY方向の位置Y及びZ方向の位置Zを算出することができる。
まず、可動子101のY方向の位置Yの算出について図7を用いて説明する。図7において、可動子101cがかかる2つのYセンサ205をそれぞれYセンサ205a、205bとする。また、Yセンサ205a、205bの測定値をそれぞれYa、Ybとする。また、Yセンサ205aの位置とYセンサ205bの位置との中点をOe′とする。さらに、式(1)~(3)で得られた可動子101cの位置をOs′とし、Oe′からOs′までの距離をdX′とする。このとき、可動子101cのY方向の位置Yは、次式により近似的に計算して算出することができる。
Y=(Ya+Yb)/2-Wz*dX′
次に、可動子101のZ方向の位置Zの算出について図8A及び図8Bを用いて説明する。可動子101dがかかる3つのZセンサ206をそれぞれZセンサ206a、206b、206cとする。また、Zセンサ206a、206b、206cの測定値をそれぞれZa、Zb、Zcとする。また、Zセンサ206aのX座標とZセンサ206cのX座標とは同一である。また、リニアエンコーダ204は、Zセンサ206aとZセンサ206cとの中間の位置にあるものとする。また、Zセンサ206a及びZセンサ206cの位置XをOe″とする。さらに、Oe″から可動子101の中心Os″までの距離をdX″とする。このとき、可動子101のZ方向の位置Zは、次式により近似的に計算して算出することができる。
Z=(Za+Zb)/2+Wy*dX″
なお、位置Y及び位置ZともにそれぞれWz、Wyの回転量が大きい場合には、さらに近似の精度を高めて算出することができる。
次に、コイル電流算出関数404による処理について図1を用いて説明する。なお、以下で用いる力の表記において、X方向、Y方向及びZ方向の力が働く方向をそれぞれx、y、zで示し、図1におけるY+側であるR側をR、Y-側であるL側をL、X+側をf、X-方向をbで示す。
図1においてR側及びL側の各永久磁石103に働く力をそれぞれ次のように表記する。各永久磁石103に働く力は、電流が印加された複数のコイル202により永久磁石103が受ける電磁力である。永久磁石103は、電流が印加された複数のコイル202により、可動子101の搬送方向であるX方向の電磁力のほか、X方向とは異なる方向であるY方向及びZ方向の電磁力を受ける。
R側の永久磁石103に働く力の表記は、それぞれ次のとおりである。
FzfR:R側の永久磁石103aRのZ方向に働く力
FxfR:R側の永久磁石103bRのX方向に働く力
FyfR:R側の永久磁石103bRのY方向に働く力
FxbR:R側の永久磁石103cRのX方向に働く力
FybR:R側の永久磁石103cRのY方向に働く力
FzbR:R側の永久磁石103dRのZ方向に働く力
L側の永久磁石103に働く力の表記は、それぞれ次のとおりである。
FzfL:L側の永久磁石103aLのZ方向に働く力
FxfL:L側の永久磁石103bLのX方向に働く力
FyfL:L側の永久磁石103bLのY方向に働く力
FxbL:L側の永久磁石103cLのX方向に働く力
FybL:L側の永久磁石103cLのY方向に働く力
FzbL:L側の永久磁石103dLのZ方向に働く力
また、可動子101に対して印加される力Tを次式(6)により表記する。なお、Tx、Ty、Tzは、力の3軸成分であり、それぞれ力のX方向成分、Y方向成分及びZ方向成分である。また、Twx,Twy、Twzは、モーメントの3軸成分であり、それぞれモーメントのX軸周り成分、Y軸周り成分及びZ軸周り成分である。本実施形態による搬送システム1は、これら力Tの6軸成分(Tx,Ty,Tz,Twx,Twy,Twz)を制御することにより、可動子101の姿勢を6軸で制御しつつ、可動子101の搬送を制御する。
T=(Tx,Ty,Tz,Twx,Twy,Twz) …式(6)
すると、Tx、Ty、Tz、Twx、Twy、Twzは、それぞれ次式(7a)、(7b)、(7c)、(7d)、(7e)及び(7f)により算出される。
Tx=FxfR+FxbR+FxfL+FxbL …式(7a)
Ty=FyfL+FyfR+FybL+FybR …式(7b)
Tz=FzbR+FzbL+FzfR+FzfL …式(7c)
Twx={(FzfL+FzbL)-(FzfR+FzbR)}*rx …式(7d)
Twy={(FzfL+FzfR)-(FzbL+FzbR)}*ry …式(7e)
Twz={(FyfL+FyfR)-(FybL+FybR)}*rz …式(7f)
このとき、永久磁石103に働く力については、次式(7g)、(7h)、(7i)及び(7j)により表される制限を導入することができる。これらの制限を導入することにより、所定の6軸成分を有する力Tを得るための各永久磁石103に働く力の組み合わせを一意に決定することができる。
FxfR=FxbR=FxfL=FxbL …式(7g)
FyfL=FyfR …式(7h)
FybL=FybR …式(7i)
FzbR=FzbL …式(7j)
次に、コイル電流算出関数404が、各永久磁石103に働く力から各コイル202に印加する電流量を決定する方法について説明する。
まず、N極及びS極の極性がZ方向に交互に並んだ永久磁石103a、103dにZ方向の力を印加する場合について説明する。なお、コイル202は、そのZ方向の中心が永久磁石103a、103dのZ方向の中心に位置するように配置されている。これにより、永久磁石103a、103dに対してX方向及びY方向に働く力は、殆ど発生しないようになっている。
Xを可動子101の位置、jを列に並んだコイル202の番号として、単位電流当たりのコイル202(j)のZ方向に働く力の大きさをFz(j、X)とし、コイル202(j)に印加する電流をi(j)とする。なお、コイル202(j)は、j番目のコイル202である。この場合、電流i(j)は、次式(8)を満足するように決定することができる。なお、次式(8)は、永久磁石103dRについての式である。他の永久磁石103aR、103aL、103dLについても同様にしてコイル202に印加する電流を決定することができる。
ΣFz(j、X)*i(j)=FzbR …式(8)
コイル電流算出関数404は、上述のようにしてコイル202(j)に印加する電流指令値を決定することができる。こうして決定される電流指令値により可動子101に印加されるZ方向の力により、可動子101は、Z方向に浮上する浮上力を得るとともに、その姿勢が制御される。
なお、複数のコイル202が永久磁石103に力を及ぼす場合には、各コイル202が及ぼす力に応じて単位電流当たりの力の大きさで電流を按分することにより、永久磁石103に働く力を一意に決定することができる。
また、図1に示すように、永久磁石103は、可動子101のL側及びR側に対称に配置されている。このような永久磁石103の対称配置により、永久磁石103に働く多成分の力、例えば永久磁石103a、103dに働くWxの力、すなわちX軸周りのモーメント成分をL側及びR側の力で相殺することが可能になる。この結果、より高精度な可動子101の姿勢の制御が可能になる。
次に、N極、S極及びN極の極性がX方向に交互に並んだ永久磁石103bに対してX方向及びY方向に対して独立に力を印加する方法について説明する。図9は、永久磁石103bに対してX方向及びY方向に独立に力を印加する方法を説明する概略図である。コイル電流算出関数404は、以下に従って、永久磁石103bに対してX方向及びY方向に対して独立に力を印加するためにコイル202に印加する電流指令値を決定する。なお、永久磁石103cについても、永久磁石103bと同様にX方向及びY方向に対して独立に力を印加することができる。
Xを可動子101の位置、jを列に並んだコイル202の番号として、単位電流当たりのコイル202(j)のX方向及びY方向に働く力の大きさを、それぞれFx(j、X)及びFy(j、X)とする。また、コイル202(j)の電流の大きさをi(j)とする。なおコイル202(j)は、j番目のコイル202である。
図9中の上段の図は、横にX軸、縦にZ軸を取り、永久磁石103bRに対向する6個のコイル202を抜き出して示す図である。図9中の中段の図は、図9中の上段の図をZ方向から見た図である。コイル202には、X方向に並んだ順に1から6までの番号jを付与し、以下では例えばコイル202(1)のように表記して各コイル202を特定する。
図9中の上段及び中段の図に示すように、コイル202は、距離Lのピッチでされている。一方、可動子101の永久磁石103は、距離3/2*Lのピッチで配置されている。
図9中の下段のグラフは、図9中の上段及び中段の図に示す各々のコイル202に対して単位電流を印加した際に発生するX方向の力Fx及びY方向の力Fyの大きさを模式的に示したグラフである。
簡単のため、図9では、コイル202のX方向の位置の原点Ocをコイル202(3)とコイル202(4)の中間とし、永久磁石103bRのX方向の中心Omを原点としている。このため、図9は、OcとOmとが合致した場合、すなわちX=0の場合を示している。
このとき、例えばコイル202(4)に対して働く単位電流当たりの力は、X方向にFx(4,0)、Y方向にFy(4,0)の大きさである。また、コイル202(5)に対して働く単位電流当たりの力は、X方向にFx(5,0)、Y方向にFy(5,0)の大きさである。
ここで、コイル202(1)~202(6)に印加する電流値をそれぞれi(1)~i(6)とする。すると、永久磁石103bRに対して、X方向に働く力の大きさFxfR及びY方向に働く力の大きさFyfRは、それぞれ一般的に次式(9)及び(10)で表される。
FxfR=Fx(1,X)*i(1)+Fx(2,X)*i(2)+Fx(3,X)*i(3)+Fx(4,X)*i(4)+Fx(5,X)*i(5)+Fx(6,X)*i(6) …式(9)
FyfR=Fy(1,X)*i(1)+Fy(2,X)*i(2)+Fy(3,X)*i(3)+Fy(4,X)*i(4)+Fy(5,X)*i(5)+Fy(6,X)*i(6) …式(10)
上記式(9)及び(10)を満足する電流値i(1)~i(6)をそれぞれコイル202(1)~202(6)に印加されるように電流指令値を決定することにより、永久磁石103bRに対してX方向及びY方向に独立に力を印加することができる。コイル電流算出関数404は、永久磁石103に対してX方向及びY方向に独立に力を印加するために、上述のようにしてコイル202(j)に印加する電流指令値を決定することができる。
より簡単のため、図9に示す場合において、永久磁石103bRに対してコイル202(1)~202(6)のうちのコイル202(3)、202(4)、202(5)だけを使い、さらにこれら3つの電流値の総和が0となるように制御する場合を例に考える。この例の場合、永久磁石103bRに対してX方向に働く力FxfR及びY方向に働く力FyfRは、それぞれ次式(11)及び(12)により表される。
FxfR=Fx(3,X)*i(3)+Fx(4,X)*i(4)+Fx(5,X)*i(5) …式(11)
FyfR=Fy(3,X)*i(3)+Fy(4,X)*i(4)+Fy(5,X)*i(5) …式(12)
また、コイル202(1)~202(6)の電流値は、次式(13)及び(14)を満足するように設定することができる。
i(3)+i(4)+i(5)=0 …式(13)
i(1)=i(2)=i(6)=0 …式(14)
したがって、永久磁石103bRに対して必要な力の大きさ(FxfR、FyfR)が決定された場合、電流値i(1)、i(2)、i(3)、i(4)、i(5)及びi(6)を一意に決定することができる。こうして決定される電流指令値により可動子101にX方向及びY方向に力が印加される。可動子101に印加されるX方向の力により、可動子101は、X方向に移動する推進力を得てX方向に移動する。また、こうして決定される電流指令値により可動子101に印加されるX方向及びY方向の力により、可動子101はその姿勢が制御される。
こうして、統合コントローラ301は、複数のコイル202に印加する電流を制御することにより、可動子101に印加する力の6軸成分のそれぞれを制御する。
なお、可動子101の搬送により永久磁石103bRの中心Omに対してコイル202の中心Ocが移動した場合、すなわちX≠0の場合は、移動した位置に応じたコイル202を選択することができる。さらに、コイル202に発生する単位電流当たりの力に基づいて、上記と同様の計算を実行することができる。
上述のようにして、統合コントローラ301は、複数のコイル202に印加する電流の電流指令値を決定して制御することにより、固定子201上での可動子101の姿勢を6軸で制御しつつ、可動子101の非接触での固定子201上の搬送を制御する。すなわち、統合コントローラ301は、可動子101の搬送を制御する搬送制御手段として機能し、複数のコイル202により永久磁石103が受ける電磁力を制御することにより、固定子201上における可動子101の非接触での搬送を制御する。また、統合コントローラ301は、可動子101の姿勢を制御する姿勢制御手段として機能し、固定子201上における可動子101の姿勢を6軸で制御する。なお、制御装置としての統合コントローラ301の機能の全部又は一部は、コイルコントローラ302その他の制御装置により代替されうる。
このように、本実施形態によれば、2列に配置された複数のコイル202により、可動子101に対して、3軸の力成分(Tx,Ty,Tz)及び3軸のモーメント成分(Twx,Twy,Twz)の6軸の力を印加することができる。これにより、可動子101の姿勢を6軸で制御しつつ、可動子101の搬送を制御することができる。本実施形態によれば、制御すべき変数である力の6軸成分の数よりも少ない列数である2列のコイル202により、可動子101の姿勢の6軸制御しつつ、可動子101の搬送を制御することができる。
したがって、本実施形態によれば、コイル202の列数を少なく構成することができるため、システムの大型化や複雑化を伴うことなく、可動子101の姿勢を制御しつつ、可動子101を非接触で搬送することができる。さらに、本実施形態によれば、コイル202の列数を少なく構成することができるため、安価に小型の磁気浮上型の搬送システムを構成することができる。
また、本実施形態によれば、可動子101の側面に永久磁石103が配置されているため、ワーク102に対する良好なアクセスを実現することができる。これにより、可動子101上のワーク102に対して、高い自由度で工程装置により加工作業を施すことができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について図10及び図11を用いて説明する。図10は、本実施形態による可動子101を示す概略図である。図11は、本実施形態による可動子101及び固定子201を示す概略図である。なお、上記第1実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
本実施形態による可動子101の基本的構成は、第1実施形態による構成とほぼ同様である。本実施形態による可動子101は、永久磁石103の取り付け態様の点で、第1実施形態による構成とは異なっている。
図10は、本実施形態による可動子101をY方向から見た図である。図10は、本実施形態による可動子101のR側の側面における永久磁石103の配置を示している。
図10に示すように、本実施形態による可動子101には、図1Bに示す第1実施形態とは異なり、永久磁石103bR、103cRがZ方向に可動子101の中心からそれぞれ距離rx2だけ離れた位置に取り付けられている。永久磁石103bは、可動子101の中心から可動子101の底部側に距離rx2だけ離れた位置に取り付けられている。一方、永久磁石103cは、可動子101の中心から可動子101の上部側に距離rx2だけ離れた位置に取り付けられている。
図11は、本実施形態による可動子101及び固定子201をX方向から見た図である。図11の左半分は、図10の(A)-(A)線に沿った断面(A)を表している。図11の右半分は、図10の(B)-(B)線に沿った断面(B)を表している。
図11に示すように、本実施形態による可動子101には、図2に示す第1実施形態の場合とは異なり、永久磁石103が可動子101の片側の側面、具体的にはR側の側面にのみ取り付けられている。
永久磁石103が可動子101の片側の側面にのみ取り付けられていることに対応して、複数のコイル202が2列に並んだ第1実施形態の場合とは異なり、本実施形態による固定子201には、複数のコイル202がX方向に沿って1列に並んでいる。すなわち、本実施形態による固定子201において、複数のコイル202は、可動子101の片側のR側の側面の永久磁石103aR、103bR、103cR、103dRと対向可能にX方向に沿って1列になるように配置されて取り付けられている。
本実施形態による可動子101の場合、可動子101に対して印加される力Tの式(6)に示す各成分は、次式(15a)、(15b)、(15c)、(15d)、(15e)及び(15f)により表される。
Tx=FxfR+FxbR …式(15a)
Ty=FyfR+FybR …式(15b)
Tz=FzbR+FzfR …式(15c)
Twx=(FybR-FyfR)*rx2 …式(15d)
Twy=(FzfR-FzbR)*ry …式(15e)
Twz=(FyfR-FybR)*rz …式(15f)
したがって、R側の側面だけに永久磁石103が配置された場合でも、1列に配置された複数のコイル202により、可動子101に3軸の力成分(Tx,Ty,Tz)及び3軸のモーメント成分(Twx,Twy,Twz)の6軸の力を印加することができる。
このように、本実施形態によれば、1列に配置された複数のコイル202により、可動子101に対して、3軸の力成分(Tx,Ty,Tz)及び3軸のモーメント成分(Twx,Twy,Twz)の6軸の力を印加することができる。これにより、可動子101の姿勢を6軸で制御しつつ、可動子101の搬送を制御することができる。本実施形態によれば、制御すべき変数である力の6軸成分の数よりも少ない列数である1列のコイル202により、可動子101の姿勢の6軸で制御しつつ、可動子101の搬送を制御することができる。
したがって、本実施形態によれば、コイル202の列数をさらに少なく構成することができるため、システムの大型化や複雑化を伴うことなく、可動子101の姿勢を制御しつつ、可動子101を非接触で搬送することができる。さらに、本実施形態によれば、コイル202の列数をさら少なく構成することができるため、さら安価に小型の磁気浮上型の搬送システムを構成することができる。
なお、上記では、R側及びL側の側面のうちのR側の側面だけに永久磁石103が配置されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。上記の場合とは逆に、R側及びL側の側面のうちのL側の側面だけに永久磁石103が配置されていてもよい。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態について図12及び図13を用いて説明する。図12は、本実施形態による可動子101及び固定子201を示す概略図である。図13は、本実施形態による可動子101を示す概略図である。なお、上記第1及び第2実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
本実施形態による可動子101の基本的構成は、第1実施形態による構成とほぼ同様である。本実施形態による可動子101は、永久磁石103の取り付け態様の点で、第1及び第2実施形態による構成とは異なっている。
図12は、本実施形態による可動子101及び固定子201をX方向から見た図である。図12に示すように、本実施形態では、図2に示す第1実施形態とは異なり、可動子101のX方向に沿った上面に永久磁石103を配置されて取り付けられている。永久磁石103は、可動子101の上面に設けられたヨーク107に取り付けられている。
図13は、本実施形態による可動子101をZ方向から見た図である。図13は、本実施形態による可動子101の上面における永久磁石103の配置を示している。
図13に示すように、永久磁石103aR、103bR、103cR、103dRは、可動子101の上面におけるR側の部分に配置されている。永久磁石103aR、103bR、103cR、103dRは、それぞれ可動子101の中心である原点OからY方向のR側に距離rx3だけ離れた位置に配置されている。
また、永久磁石103aL、103bL、103cL、103dLは、可動子101の上面におけるL側の部分に配置されている。永久磁石103aL、103bL、103cL、103dLは、原点OからY方向のL側に距離rx3だけ離れた位置に配置されている。
永久磁石103aR、103bR、103cR、103dRは、可動子101の上面におけるR側の部分において、第1実施形態による可動子101のR側の側面における配置とほぼ同様に配置されている。また、永久磁石103aL、103bL、103cL、103dLは、可動子101の上面におけるL側の部分において、第1実施形態による可動子101のL側の側面における配置とほぼ同様に配置されている。
永久磁石103a、103dは、それぞれ原点OからX方向の一方及び他方の側に距離rz3だけ離れた位置に取り付けられている。永久磁石103c、103bは、それぞれ原点OからX方向の一方及び他方の側に距離ry3だけ離れた位置に取り付けられている。
可動子101の上面において、上述のように永久磁石103が配置されたR側の部分とL側の部分との間の中央部分は、搬送すべきワーク102が載せられる部分になっている。
一方、固定子201には、図12に示すように、可動子101の上面の上方に位置するように複数のコイル202が取り付けられている。複数のコイル202は、可動子101の上面のR側及びL側の部分における永久磁石103のそれぞれと上方から対向可能にX方向に沿って2列に配置されて固定子201に取り付けられている。R側の複数のコイル202は、可動子101のR側の永久磁石103aR、103bR、103cR、103dRと上方から対向可能にX方向に沿って1列に配置されている。L側の複数のコイル202は、可動子101のL側の永久磁石103aL、103bL、103cL、103dLと上方から対向可能にX方向に沿って1列に配置されている。
本実施形態による可動子101の場合、可動子101に対して印加される力Tの式(6)に示す各成分は、次式(16a)、(16b)、(16c)、(16d)、(16e)及び(16f)により表される。
Tx=FxfR+FxbR+FxfL+FxbL …式(16a)
Ty=FyfL+FyfR+FybL+FybR …式(16b)
Tz=FzbR+FzbL+FzfR+FzfL …式(16c)
Twx={(FzfL+FzbL)-(FzfR+FzbR)}*rx3 …式(16d)
Twy={(FzfL+FzfR)-(FzbL+FzbR)}*ry3 …式(16e)
Twz={(FybL+FybR)-(FyfL+FyfR)}*rz3 …式(16f)
このとき、永久磁石103に働く力については、次式(16g)、(16h)、(16i)及び(16j)により表される制限を導入することができる。これらの制限を導入することにより、所定の6軸成分を有する力Tを得るための各永久磁石103に働く力の組み合わせを一意に決定することができる。
FxfR=FxbR=FxfL=FxbL …式(16g)
FyfL=FyfR …式(16h)
FybL=FybR …式(16i)
FzbR=FzbL …式(16j)
よって、上面に永久磁石103が配置された場合でも、2列に配置された複数のコイル202により、可動子101に対して、3軸の力成分(Tx,Ty,Tz)及び3軸のモーメント成分(Twx,Twy,Twz)の6軸の力を印加することができる。
このように、本実施形態によれば、2列に配置された複数のコイル202により、可動子101に対して、3軸の力成分(Tx,Ty,Tz)及び3軸のモーメント成分(Twx,Twy,Twz)の6軸の力を印加することができる。これにより、可動子101の姿勢を6軸で制御しつつ、可動子101の搬送を制御することができる。本実施形態によれば、制御すべき変数である力の6軸成分の数よりも少ない列数である2列のコイル202により、可動子101の姿勢の6軸で制御しつつ、可動子101の搬送を制御することができる。
したがって、本実施形態によれば、コイル202の列数を少なく構成することができるため、システムの大型化や複雑化を伴うことなく、可動子101の姿勢を制御しつつ、可動子101を非接触で搬送することができる。
また、本実施形態においては、さらに、コイル202を鉄心入りで構成することができる。これにより、コイル202の鉄心と永久磁石103との間には強い吸引力が働くため、可動子101を浮上させるのに寄与する。特に、鉄心入りのコイル202は、可動子101の質量又は可動子101に置かれるワーク102の質量が大きい場合に好適である。なお、コイル202の鉄心は、永久磁石103a、103b、103c、103dの少なくともいずれかとの間で引力が働きうるものであればよい。
なお、上記第3実施形態による可動子101は、種々の変形例が可能である。以下、上記第3実施形態の第1乃至第4変形例による可動子101について説明する。
(第1変形例)
第1変形例による可動子101について図14Aを用いて説明する。図14Aは、本変形例による可動子101を示す概略図である。
本変形例による可動子101の基本的構成は、上記図12及び図13に示す第3実施形態による構成とほぼ同様である。本変形例による可動子101は、永久磁石103の取り付け態様の点で、第3実施形態による構成とは異なっている。
図14Aは、本変形例による可動子101をZ方向から見た図である。図14Aは、本変形例による可動子101の上面における永久磁石103の配置を示している。
図14Aに示すように、永久磁石103bR、103cR、103eRは、可動子101の上面におけるR側の部分に配置されている。永久磁石103bR、103cR、103eRは、それぞれ可動子101の中心である原点Oを通るX方向の中心線からY方向のR側に距離rx3だけ離れた位置に配置されている。
また、永久磁石103bL、103cL、103eLは、可動子101の上面におけるL側の部分に配置されている。永久磁石103bL、103cL、103eLは、それぞれ原点Oを通るX方向の中心線からY方向のL側に距離rx3だけ離れた位置に配置されている。
永久磁石103bR、103cRは、可動子101の上面におけるR側の部分において、図13に示す第3実施形態による可動子101のR側の上面における配置とほぼ同様に配置されている。また、永久磁石103bL、103cLは、可動子101の上面におけるL側の部分において、図13に示す第3実施形態による可動子101のL側の上面における配置とほぼ同様に配置されている。
本変形例では、図13に示される永久磁石103aR、103dR、103aL、103dLが配置されていない代わりに、永久磁石103bRと103cRとの間に永久磁石103eRが配置されている。また、本変形例では、永久磁石103bLと103cLとの間に永久磁石103eLが配置されている。本変形例は、これらの点が図13に示す第3実施形態と異なる。永久磁石103eR、103eLの磁石の配置は、それぞれ永久磁石103aR、103aLと同様である。
本変形例による可動子101の場合、可動子101に対して印加される力Tの式(6)に示す各成分は、次式(17a)、(17b)、(17c)、(17d)、(17e)及び(17f)により表される。
Tx=FxfL+FxbL+FxfR+FxbR …式(17a)
Ty=FycL+FycR …(式17b)
Tz=FzfL+FzbL+FzfR+FzbR …式(17c)
Twx={(FzfL+FzbL)-(FzfR+FzbR)}*rx3 …式(17d)
Twy={(FzfL+FzfR)-(FzbL+FzbR)}*ry3 …式(17e)
Twz={(FxfR+FxbR)-(FxfL+FxbL)}*rx3 …式(17f)
本変形例によれば、可動子101に配置される永久磁石103の個数を低減することができる。なお、図14Aに示す永久磁石103eR、103eLではZ方向の力を制御することができないが、X方向に並んで配置された永久磁石の数を増加することにより、Z方向への制御性を向上することができる。
(第2変形例)
第2変形例による可動子101について図14Bを用いて説明する。図14Bは、本変形例による可動子101を示す概略図である。
本変形例による可動子101の基本的構成は、上記図14Aに示す第1変形例による可動子101による構成とほぼ同様である。本変形例による可動子101は、永久磁石103eR、103eLのうちの一方が配置されていない点で、第1変形例による構成とは異なっている。
図14Bは、本変形例による可動子101をZ方向から見た図である。図14Bは、本変形例による可動子101の上面における永久磁石103の配置を示している。
図14Bに示すように、本変形例では、第1変形例と同様に、永久磁石103bLと103cLとの間に永久磁石103eLが配置されている。一方、本変形例では、永久磁石103bRと103cRとの間には、第1変形例とは異なり、永久磁石103eRが配置されていない。
このように、本変形例では、第1変形例による永久磁石103eR、103eLのうち、永久磁石103eLのみが配置されている。なお、図14Bに示す場合とは異なり、永久磁石103eR、103eLのうち、永久磁石103eRのみが配置されていてもよい。
本変形例による可動子101の場合、可動子101に対して印加される力Tの式(6)に示す各成分は、力のY方向成分Tyを除き、上記の式(17a)、(17c)、(17d)、(17e)及び(17f)により表される。本変形例の場合、力のY方向成分Tyは、次式(18b)により表される。
Ty=FycL …式(18b)
本変形例によれば、可動子101に配置される永久磁石103の個数を、第1変形例と比較してさらに低減することができる。本変形例によっても、Ty及びTwzを制御することにより、Y方向を含む力の6軸成分を制御することができる。
(第3変形例)
第3変形例による可動子101について図14Cを用いて説明する。図14Cは、本変形例による可動子101を示す概略図である。
本変形例による可動子101の基本的構成は、上記図12及び図13に示す第3実施形態による構成とほぼ同様である。本変形例による可動子101は、永久磁石103の取り付け態様の点で、第3実施形態による構成とは異なっている。
図14Cは、本変形例による可動子101をZ方向から見た図である。図14Cは、本変形例による可動子101の上面における永久磁石103の配置を示している。
図14Cに示すように、永久磁石103bR、103cR、103dRは、可動子101の上面におけるR側の部分に配置されている。永久磁石103bR、103cR、103dRは、それぞれ可動子101の中心である原点Oを通るX方向の中心線からY方向のR側に距離rx3だけ離れた位置に配置されている。
また、永久磁石103aL、103bL、103cLは、可動子101の上面におけるL側の部分に配置されている。永久磁石103aL、103bL、103cLは、それぞれ原点Oを通るX方向の中心線からY方向のL側に距離rx3だけ離れた位置に配置されている。
永久磁石103bR、103cR、103dRは、可動子101の上面におけるR側の部分において、図13に示す第3実施形態による可動子101のR側の上面における配置とほぼ同様に配置されている。本変形例では、図13に示す第3実施形態とは異なり、永久磁石103aRが配置されていない。
また、永久磁石103aL、103bL、103cLは、可動子101の上面におけるL側の部分において、図13に示す第3実施形態による可動子101のL側の上面における配置とほぼ同様に配置されている。本変形例では、図13に示す第3実施形態とは異なり、永久磁石103dLが配置されていない。
なお、本変形例とは逆に、永久磁石103aR、103dLが配置され、永久磁石103dR、103aLが配置されていなくてもよい。
上記第2変形例では、永久磁石103eLに対向するようにコイル202を配置することができない領域を可動子101が通過する場合、力のY方向成分Tyを印加することができない状況が生じうる。これに対して、本変形例では、永久磁石103dR、103aLの少なくともいずれかに対向するようにコイル202を配置することにより、力のY方向成分Tyを印加することができる。これにより、本変形例では、第2変形例と比較してより確実にY方向を含む力の6軸成分を制御することができる。すなわち、本変形例は、第2変形例ではY方向に力を印加することができない場合にも耐性を有しうる。
本変形例による可動子101の場合、可動子101に対して印加される力Tの式(6)に示す各成分は、力のY方向成分Ty及びモーメントのZ軸周り成分Twzを除き、上記の式(17a)、(17c)、(17d)及び(17e)により表される。本変形例の場合、力のY方向成分Ty及びモーメントのZ軸周り成分Twzは、永久磁石103dR、103aLのいずれがコイル202に対向するかに応じて、次式(19b-1)及び(19f-1)又は(19b-2)及び(19f-2)により表される。
まず、永久磁石103dRがコイル202に対向せず、永久磁石103aLがコイル202に対向する場合、力のY方向成分Ty及びモーメントのZ軸周り成分Twzは、次式(19b-1)及び(19f-1)により表される。
Ty=FyfL …式(19b-1)
Twz={(FxfR+FxbR)-(FxfL+FxbL)}*rx3-FyfL*rz3 …式(19f-1)
一方、永久磁石103aLがコイル202に対向せず、永久磁石103dRがコイル202に対向する場合、力のY方向成分Ty及びモーメントのZ軸周り成分Twzは、次式(19b-2)及び(19f-2)により表される。
Ty=FybR …式(19b-2)
Twz={(FxfR+FxbR)-(FxfL+FxbL)}*rx3+FybR*rz3 …式(19f-2)
なお、永久磁石103aL、103dRがコイル202に対向する場合、力のY方向成分Ty及びモーメントのZ軸周り成分Twzは、次式(19b-3)及び(19f-3)により表される。
Ty=FyfL+FybR …式(19b-3)
Twz={(FxfR+FxbR)-(FxfL+FxbL)}*rx3+(FybR-FyfL)*rz3 …式(19f-3)
(第4変形例)
第4変形例による可動子101について図14Dを用いて説明する。図14Dは、本変形例による可動子101を示す概略図である。
本変形例による可動子101の基本的構成は、上記図12及び図13に示す第3実施形態による構成とほぼ同様である。本変形例による可動子101は、永久磁石103の取り付け態様の点で、第3実施形態による構成とは異なっている。
図14Dは、本変形例による可動子101をZ方向から見た図である。図14Dは、本変形例による可動子101の上面における永久磁石103の配置を示している。
図14Dに示すように、永久磁石103bR、103cRは、可動子101の上面におけるR側の部分に配置されている。永久磁石103bR、103cRは、それぞれ可動子101の中心である原点Oを通るX方向の中心線からY方向のR側に距離rx3だけ離れた位置に配置されている。
本変形例では、永久磁石103aRと同様の複数の永久磁石103giR(ただし、i=1、2、3、4、5)が、可動子101の上面におけるR側の部分において、永久磁石103bR、103cRよりも外側にX方向に一定の間隔で並んで配置されている。複数の永久磁石103giRが取り付けられたヨーク107は、永久磁石103bR、103cRが取り付けられたヨーク107から分離されている。複数の永久磁石103giRは、図14Dに示す5つに限定されるものではなく、複数であればよい。
また、永久磁石103bL、103cLは、可動子101の上面におけるL側の部分に配置されている。永久磁石103bL、103cLは、それぞれ原点Oを通るX方向の中心線からY方向のL側に距離rx3だけ離れた位置に配置されている。
本変形例では、永久磁石103aLと同様の複数の永久磁石103giL(ただし、i=1、2、3、4、5)が、可動子101の上面におけるL側の部分において、永久磁石103bL、103cLよりも外側にX方向に一定の間隔で並んで配置されている。複数の永久磁石103giLが取り付けられたヨーク107は、永久磁石103bL、103cLが取り付けられたヨーク107から分離されている。複数の永久磁石103giLは、図14Dに示す5つに限定されるものではなく、複数であればよい。
このように、Y方向に永久磁石が並べられた磁石群による永久磁石103a、103dが取り付けられたヨーク107と、X方向に永久磁石が並べられた磁石群による永久磁石103b、103cが取り付けられたヨーク107とが互いに分離されている。これにより、磁束の不要な干渉を低減又は防止して制御性を向上することができる。ただし、ヨーク107を分離せずに一体的に構成してもよい。この場合、ヨーク107を分離する場合と比較して、低コストに可動子101を構成することができる。
なお、図13に示す第3実施形態による場合も、本変形例と同様に、互いに異なる方向に永久磁石が並べられた磁石群による永久磁石103が取り付けられたヨーク107が互いに分離されていてもよい。この場合、Y方向に永久磁石が並べられた磁石群による永久磁石103a、102dが取り付けられたヨーク107と、X方向に永久磁石が並べられた磁石群による永久磁石103b、103cが取り付けられたヨーク107とが互いに分離されていてもよい。
また、図1Bに示す第1実施形態、図10に示す第2実施形態及び図15に示す第4実施形態による場合も、本変形例と同様に、互いに異なる方向に永久磁石が並べられた磁石群による永久磁石103が取り付けられたヨーク107が互いに分離されていてもよい。これらの場合、Z方向に永久磁石が並べられた磁石群による永久磁石103a、102dが取り付けられたヨーク107と、X方向に永久磁石が並べられた磁石群による永久磁石103b、103cが取り付けられたヨーク107とが互いに分離されていてもよい。
本変形例では、永久磁石103giRのY方向に働く力をFyiR、永久磁石103giLのY方向に働く力をFyiLと表記すると、力のY方向成分Tyは、各永久磁石103giR、103giLに働く力の総和となる。すなわち、本変形例による可動子101の場合、力のY方向成分Tyは、次式(20b)により表される。
Ty=ΣFyiR+ΣFyiL …式(20b)
本変形例によれば、配置する永久磁石103giR、103giLの数を調整することにより、力のY方向成分Tyを大きく又は小さくすることできる。
(他の変形例)
上記第3実施形態による可動子101は、さらに他の変形例が可能である。例えば、さらにX軸方向の搬送力を高めるために、永久磁石103bR、103cR、103bL、103cL、の4組の磁石よりも永久磁石の数を増やすことができる。具体的には、可動子101の上面におけるR側の部分に永久磁石103bRと同様の永久磁石を多数、横一列又は複数列に並べるようにすることができる。同様に、可動子101の上面におけるL側の部分に永久磁石103bLと同様の永久磁石を多数、横一列又は複数列に並べるようにすることができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態について図15及び図16を用いて説明する。図15及び図16は、本実施形態による可動子101及び固定子201を示す概略図である。なお、上記第1乃至第3実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
本実施形態による可動子101の基本的構成は、第1実施形態による構成と同様である。本実施形態による可動子101は、永久磁石103の取り付け態様の点で、第1乃至第3実施形態による構成とは異なっている。
図15中の上段の図は、本実施形態による可動子101及び固定子201をZ方向のZ+側から見た図である。なお、簡単のため、図15においてワーク102は不図示である。図15中の中段の図は、本実施形態による可動子101のR側の側面をY方向のR側から見た図である。図15中の下段の図は、本実施形態による可動子101のL側の側面をY方向のL側から見た図である。なお、図15中の下段の図に示す可動子101のL側の側面は、表示の便宜上、反転して示している。
また、図16は、本実施形態による可動子101及び固定子201をX方向から見た図である。図16の左半分は、図15中の中段の図の(A)-(A)線に沿った断面(A)を示している。また、図16の右半分は、図15中の中段の図の(B)-(B)線に沿った断面(B)を示している。
図15に示すように、可動子101のR側の側面には、第1実施形態とは異なり、永久磁石103cR、103dRが取り付けられている。すなわち、本実施形態では、可動子101のR側の側面には、永久磁石103aR、103bRが取り付けられていない。
永久磁石103cR、103dRは、それぞれ可動子101の中心である原点OからY方向にry1だけ離れた位置に取り付けられている。また、永久磁石103dRは、原点OからX方向の他方の側にrx1だけ離れた位置に取り付けられている。また、永久磁石103cRは、原点OからX方向の他方の側にrx2だけ離れた位置に取り付けられている。
また、可動子101のL側の側面には、第1実施形態とは異なり、永久磁石103aL、103bLが取り付けられている。すなわち、本実施形態では、可動子101のL側の側面には、永久磁石103cL、103dLが取り付けられていない。
永久磁石103aL、103bLは、それぞれ原点OからY方向にry1だけ離れた位置に取り付けられている。また、永久磁石103aLは、原点OからX方向の一方の側にrx1だけ離れた位置に取り付けられている。また、永久磁石103bLは、原点OからX方向の一方の側にrx2だけ離れた位置に取り付けられている。
さらに、永久磁石103cR、103dRと永久磁石103aL、103bLとは、互いにZ方向の位置が異なるようにZ方向にずれて配置されて可動子101に取り付けられている。すなわち、永久磁石103cR、103dRは、それぞれ原点OからZ方向の可動子101の上部側に距離rz1だけ離れた位置に取り付けられている。一方、また、永久磁石103aL、103bLは、それぞれ原点OからZ方向の可動子101の底部側に距離rz1だけ離れた位置に取り付けられている。
こうして、本実施形態では、可動子101において、R側及びL側の側面に永久磁石103が非対称にZ方向にずれて配置されて取り付けられている。
上述のように可動子101のR側及びL側の側面で永久磁石103のZ方向の位置が互いに異なることに対応して、固定子201においては、図16に示すように、R側とL側とでコイル202の列のZ方向の位置が異なっている。すなわち、R側のコイル202であるコイル202Rの列は、可動子101のR側の側面における永久磁石103cR、103dRと対向可能にX方向に沿って配置されている。一方、L側のコイル202であるコイル202Lの列は、可動子101のL側の側面における永久磁石103aL、103bLと対向可能にX方向に沿って配置されている。
本実施形態による可動子101の場合、可動子101に対して印加される力Tの式(6)に示す各成分は、次式(21a)、(21b)、(21c)、(21d)、(21e)及び(21f)により表される。
Tx=FxbR+FxfL …式(21a)
Ty=FyfL+FybR …式(21b)
Tz=FzbR+FzfL …式(21c)
Twx=(FzfL-FzbR)*ry1+(FybR-FyFL)*rz1 …式(21d)
Twy=(FzfL-FzbR)*rx1 …式(21e)
Twz=(FybR-FyfL)*rx2 …式(21f)
よって、永久磁石103が非対称に配置された場合でも、2列に配置された複数のコイル202により、可動子101に3軸の力成分(Tx,Ty,Tz)及び3軸のモーメント成分(Twx,Twy,Twz)の6軸の力を印加することができる。
このように、本実施形態によれば、2列に配置された複数のコイル202により、可動子101に対して、3軸の力成分(Tx,Ty,Tz)及び3軸のモーメント成分(Twx,Twy,Twz)の6軸の力を印加することができる。これにより、可動子101の姿勢を6軸で制御しつつ、可動子101の搬送を制御することができる。本実施形態によれば、制御すべき変数である力の6軸成分の数よりも少ない列数である2列のコイル202により、可動子101の姿勢の6軸で制御しつつ、可動子101の搬送を制御することができる。
したがって、本実施形態によれば、コイル202の列数を少なく構成することができるため、システムの大型化や複雑化を伴うことなく、可動子101の姿勢を制御しつつ、可動子101を非接触で搬送することができる。
また、本実施形態のように可動子101に非対称に永久磁石103を配置することにより、第1実施形態と比較してさらに少ない数の永久磁石103で、可動子101の姿勢の6軸制御及び可動子101の搬送制御を実現することができる。このため、本実施形態によれば、コイル202の列数のみならず、永久磁石103の数をも少なく構成することができるため、さらに安価に小型の磁気浮上型の搬送システムを構成することができる。
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、真空環境や水中環境で利用する場合に、コイル202の周りや芯材に用いられるプラスチックなどの部材から、有機物などが飛散、流出してしまうおそれがある。また、絶縁用の接着剤も、同様に一部成分の流出や劣化が進んでしまうおそれがある。
そのため、特に真空環境や水中環境、またはクリーンルームのようなごみの少ない環境では、コイルやコイル周りの部品を何らかの部品で覆い、周囲環境と絶縁することが好ましい。
絶縁の仕方はいくつか方法があるが、例えば金属のボックスで1又は複数のコイルを覆い、その中に、気体を入れておくことが好ましい。
さらに、コイルから発生する熱を外部に発散、放出させるためには、その気体としては熱伝導率の大きい気体が好ましく、たとえばヘリウムガスが好ましく、水素ガスでもよい。
しかしながら、窒素や二酸化炭素ガス、大気でも、コイル周りの部品保護性能は十分高い。
さらに、1又は複数のコイルまとめて並べてボックス状に囲ったものを、コイルボックスユニットとして構成し、複数のコイルボックスユニットを並べてコイル列を構成するようにしてもよい。このボックスユニットを並べるために、各コイルボックスユニットの外部には、高さや位置を揃える作業をしやすいように、高さ基準器や位置基準器を備えるとよい。
また、上記実施形態では、可動子101を浮上させる浮上力として、コイル202により永久磁石103が受ける電磁力のみを利用する場合を例に説明したが、これに限定されるものでなない。例えば、可動子101の質量又は可動子101上に置かれるワーク102の質量が大きく鉛直方向へ印加すべき浮上力が大きい場合には、別途、空気等の流体による静圧を浮上用に使って浮上力を補助してもよい。
また、上記実施形態では、複数のコイル202が2列又は1列に配置されている場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。可動子101に配置された複数の永久磁石103に応じて、複数のコイル202を例えば3列、4列及び5列のいずれかに配置することもできる。本発明によれば、可動子101の姿勢の6軸制御における変数の数6よりも少ない列数のコイル202の列で、可動子101の姿勢の6軸制御を実現することができる。
また、本発明による搬送システムは、電子機器等の物品を製造する製造システムにおいて、可物品となるワークに対して各作業工程を実施する工作機械等の各工程装置の作業領域にワークを可動子とともに搬送する搬送システムとして利用することができる。作業工程を実施する工程装置は、ワークに対して部品の組み付けを実施する装置、塗装を実施する装置等、あらゆる装置であってよい。また、製造される物品も特定のものに限定されるものではなく、あらゆる部品であってよい。
このように、本発明による搬送システムを用いてワークを作業領域に搬送し、作業領域に搬送されたワークに対して作業工程を実施して物品を製造することができる。上述のように、本発明による搬送システムでは、システムの大型化や複雑化を伴うことない。したがって、本発明による搬送システムをワークの搬送に採用した物品の製造システムも、システムの大型化や複雑化を伴うことがなく、各作業工程を実施する装置のレイアウトを高い自由度で行うことができる。
101 可動子
102 ワーク
103 永久磁石
104 リニアスケール
105 Yターゲット
106 Zターゲット
107 ヨーク
201 固定子
202 コイル
203 コイルユニット
204 リニアエンコーダ
205 Yセンサ
206 Zセンサ
301 統合コントローラ
302 コイルコントローラ
303 コイルユニットコントローラ
304 センサユニットコントローラ
本発明の一観点によれば、複数のコイルを有するコイル列が設けられた第1部材と、前記コイル列に対向可能に設けられた複数の磁石を有し、前記第1部材に対して第1の方向に相対的に移動可能な第2部材と、前記複数のコイルに電流を流す制御部と、を有し、前記制御部は、前記第1部材又は前記第2部材に印加する力の6軸成分のそれぞれを制御するように前記複数のコイルに電流を流すことを特徴とする搬送システムが提供される。
本発明のさらに他の観点によれば、複数のコイルを有するコイル列が設けられた第1部材と、前記コイル列に対向可能に設けられた複数の磁石を有し、前記第1部材に対して第1の方向に相対的に移動可能な第2部材と、を有する搬送システムの制御方法であって、前記複数のコイルに電流を流すことにより、前記第1部材又は前記第2部材に印加する力の6軸成分のそれぞれを制御することを特徴とする制御方法が提供される。

Claims (16)

  1. 第1の方向に沿って配置された複数の第1磁石よりなる第1の磁石群と、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って配置された複数の第2磁石よりなる第2の磁石群と、を有し、前記第1の方向に移動可能な可動子と、
    前記第1の磁石群及び前記第2の磁石群に対向可能に前記第1の方向に沿って配置された複数のコイルと、を有し、
    前記第1の方向において、前記第2の磁石群は前記第1の磁石群よりも前記可動子の先端側に設けられている
    ことを特徴とする搬送システム。
  2. 前記第2の磁石群は複数であり、
    前記複数の第2の磁石群の少なくとも1つは、前記第1の方向において前記第1の磁石群よりも前記可動子の先端側に配置されており、
    前記複数の第2の磁石群の少なくとも1つは、前記第1の方向において前記第1の磁石群よりも前記可動子の終端側に配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
  3. 前記第1の磁石群は複数であり、
    前記第2の磁石群は、前記第1の方向において、2つの前記第1の磁石群に挟まれて配置されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送システム。
  4. 前記第2の磁石群を挟んだ2つの前記第1の磁石群の第1磁石のうち、前記第2の磁石群に最も近い位置に配置された第1磁石の磁極は同じである
    ことを特徴とする請求項3に記載の搬送システム。
  5. 前記第1の磁石群と前記第2の磁石群は、互いに間隔を空けて配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の搬送システム。
  6. 前記複数のコイルの少なくとも1つのコイルの前記第2の方向における長さは、前記第2の磁石群の前記第2の方向における長さよりも短い
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の搬送システム。
  7. 前記複数のコイルの少なくとも1つのコイルの前記第2の方向における長さは、前記第1の磁石群の前記第2の方向における長さよりも長い
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の搬送システム。
  8. 前記複数の第1磁石は前記複数のコイルと対向可能な位置において、前記第1の方向において隣り合う第1磁石の極性が互いに異なり、
    前記複数の第2磁石は前記複数のコイルと対向可能な位置において、前記第2の方向において隣り合う第2磁石の極性が互いに異なる
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の搬送システム。
  9. 前記可動子は、前記第1の方向に沿った上面を有し、
    前記第1の磁石群及び前記第2の磁石群は、前記上面に配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の搬送システム。
  10. 前記複数のコイルの少なくとも1つは、鉄心を有し、かつ、前記第1の磁石群及び前記第2の磁石群と上方から対向可能に配置されている
    ことを特徴とする請求項9に記載の搬送システム。
  11. 前記搬送システムは、固定子をさらに有し、
    前記固定子は底面と、前記底面と対向する天面と、を有し、
    前記複数のコイルは、前記固定子の前記天面に配置されている
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の搬送システム。
  12. 前記可動子は、前記固定子と接触せずに前記第1の方向に移動可能である
    ことを特徴とする請求項11に記載の搬送システム。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の搬送システムと、ワークに作業を施す工程装置と、
    を有することを特徴とする製造システム。
  14. 第1の方向に沿って配置された複数の第1磁石よりなる第1の磁石群と、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って配置された複数の第2磁石よりなる第2の磁石群と、を有する可動子の制御方法であって、
    前記第1の方向において、前記第2の磁石群は前記第1の磁石群よりも前記可動子の先端側に設けられ、
    前記第1の磁石群及び前記第2の磁石群に対向可能に前記第1の方向に沿って配置された複数のコイルに流す電流を制御することにより、前記第1の方向への可動子の搬送を制御する、
    ことを特徴とする制御方法。
  15. 前記複数のコイルに流す電流を制御することにより、前記可動子の姿勢を制御する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の制御方法。
  16. 請求項14又は15に記載の制御方法を用いて、前記可動子に載置したワークを搬送する工程と、
    工程装置を用いて前記ワークに作業を実施する工程と、を有する
    ことを特徴とする物品の製造方法。
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