JP2023087446A - 搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクリメンタル式のエンコーダを用いた場合に可動子の位置及び/又は姿勢の検出を広範囲かつ高精度に行うことができる搬送装置を提供する。【解決手段】搬送装置は、固定子と、第1のスケールを有し、固定子に沿って第1の方向に対して移動可能な可動子と、第1のスケールに対向可能に設置され、可動子の第1の方向に交差する第2の方向の位置を検出する複数の第1の検出器と、可動子の位置及び/又は姿勢を制御する制御部と、を有し、第1のスケール及び第1の検出器は、インクリメンタル式のエンコーダを構成し、複数の第1の検出器は、固定子において第1の方向に沿って所定の間隔を空けて配置され、制御部は、一の第1の検出器の検出値による可動子の位置情報を、他の第1の検出器の検出値による可動子の位置情報に基づいて補正する。【選択図】図8B

Description

本発明は、搬送装置に関する。
一般に、工業製品を組み立てるための生産ラインや半導体露光装置等の生産システムでは、搬送装置が用いられている。特に、生産ラインにおける搬送装置は、自動化された生産ライン内又は生産ライン間の複数のステーションの間で、部品等のワークを搬送する。また、生産装置(プロセス装置)中の搬送装置として使われる場合もある。搬送装置としては、可動磁石型リニアモータによる搬送装置が既に提案されている。
可動磁石型リニアモータによる搬送装置では、可動子に永久磁石が配置され、永久磁石に対向するように固定子がフレームに設置される。さらに、搬送装置は、固定子が設置されたフレームに可動子を検出するセンサを備える。このセンサの検出データに基づき可動子の位置及び姿勢を算出し、その位置及び姿勢に基づきリニアモータの駆動制御が行われる。
一般に、可動子を検出するセンサには、渦電流センサ、レーザ変位計、磁気センサ等の測距センサが用いられる。例えば、特許文献1には、磁気センサであるホール素子を使用して可動子を検出し、制御している。
特許第6538710号公報
特許文献1に記載の搬送装置において、ホール素子を用いた可動子の位置検出手法では、センサの検出範囲が狭く、可動子の可動域を広く確保することが難しい。また、渦電流センサやレーザ変位計では、可動子の検出範囲を大きくしようとした場合、センササイズが大きくなったり、分解能が低下したりする課題がある。
一方、インクリメンタル式のエンコーダにより可動子の位置や姿勢を検出することが考えられる。しかしながら、この場合、可動子のスケールを検出するエンコーダの検出器が切り替わる際にエンコーダの初期値が不定となって可動子の位置や姿勢の検出精度が低下したり、検出が困難になったりするおそれがある。
本発明は、インクリメンタル式のエンコーダを用いた場合に可動子の位置及び/又は姿勢の検出を広範囲かつ高精度に行うことができる搬送装置を提供することである。
本発明の一観点によれば、固定子と、第1のスケールを有し、前記固定子に沿って第1の方向に対して移動可能な可動子と、前記第1のスケールに対向可能に設置され、前記可動子の前記第1の方向に交差する第2の方向の位置を検出する複数の第1の検出器と、前記可動子の位置及び/又は姿勢を制御する制御部と、を有し、前記第1のスケール及び前記第1の検出器は、インクリメンタル式のエンコーダを構成し、前記複数の第1の検出器は、前記固定子において前記第1の方向に沿って所定の間隔を空けて配置され、前記制御部は、一の前記第1の検出器の検出値による前記可動子の位置情報を、他の前記第1の検出器の検出値による前記可動子の位置情報に基づいて補正することを特徴とする搬送装置が提供される。
本発明によれば、インクリメンタル式のエンコーダを用いた場合に可動子の位置及び/又は姿勢の検出を広範囲かつ高精度に行うことができる。
本発明の一実施形態による搬送装置を示す概略図である。 本発明の一実施形態による搬送装置を示す概略図である。 本発明の一実施形態による搬送装置を示す概略図である。 本発明の一実施形態による搬送装置を制御する制御部を示す概略図である。 本発明の一実施形態による搬送装置における可動子の位置制御方法を示す概略図である。 本発明の一実施形態による搬送装置における搬送方向の位置検出を説明する概略図である。 本発明の一実施形態による搬送装置における搬送方向に直交した方向の可動子補正処理を説明する概略図である。 本発明の一実施形態による搬送装置における搬送方向に直交した図6と異なる方向の可動子補正処理を説明する概略図である。 本発明の一実施形態による搬送装置における搬送方向に直交した方向のセンサの検出値を可動子との相対距離に換算する補正値の取得を説明する概略図である。 本発明の一実施形態による搬送装置における搬送方向に直交した方向のセンサの検出値を可動子との相対距離に換算する補正値の取得を説明する概略図である。 本発明の一実施形態による搬送装置における搬送方向に直交した方向のセンサの検出値を可動子との相対距離に換算する補正値の取得を説明する概略図である。 本発明の一実施形態による搬送装置における搬送方向に直交した方向のセンサの検出値を可動子との相対距離に換算する補正値の取得を説明する概略図である。 本発明の一実施形態による搬送装置における搬送方向に直交した図8A乃至図8Dと異なる方向のセンサの検出値を可動子との相対距離に換算する補正値の取得を説明する概略図である。 本発明の一実施形態による搬送装置における搬送方向に直交した図8A乃至図8Dと異なる方向のセンサの検出値を可動子との相対距離に換算する補正値の取得を説明する概略図である。 本発明の一実施形態による搬送装置における搬送方向に直交した図8A乃至図8Dと異なる方向のセンサの検出値を可動子との相対距離に換算する補正値の取得を説明する概略図である。 本発明の一実施形態の搬送方向に直交した方向の可動子姿勢算出処理を説明する概略図である。 本発明の一実施形態の搬送方向に直交した図10と異なる方向の可動子姿勢算出処理を説明する概略図である。 本発明の一実施形態の搬送方向に直交した図10と異なる方向の可動子姿勢算出処理を説明する概略図である。 本発明の一実施形態による搬送装置において永久磁石に対してX方向及びZ方向に独立に力を印加する方法を説明する概略図である。
[一実施形態]
本発明の一実施形態による搬送装置について図1乃至図12を参照して説明する。
まず、本実施形態による搬送装置の構成について図1、図2A及び図2Bを用いて説明する。図1、図2A及び図2Bは、本実施形態による搬送装置を示す概略図である。図1は、本実施形態による固定子201及び可動子301をY方向から見た概略図である。図2Aは、本実施形態による固定子201及び可動子301を-X方向から見た概略図である。図2Bは、可動子301の上面における永久磁石303の配置を示す概略図である。図2Aの左半分は、図2Bの(A)-(A)線に沿った断面(A)を示している。また、図2Aの右半分は、図2Bの(B)-(B)線に沿った断面(B)を示している。
図1、図2A及び図2Bに示すように、本実施形態による搬送装置1は、搬送路を構成する固定子201と、台車、スライダ又はキャリッジを構成する可動子301とを有している。なお、図1、図2A及び図2Bでは、固定子201に対して1台の可動子301を示しているが、これに限定されるものではない。搬送装置1においては、複数台の可動子301が固定子201に沿って固定子201上を搬送され得る。
本実施形態による搬送装置1は、固定子201により可動子301を搬送することにより、可動子301に保持されたワーク302を生産装置3に搬送するために用いることができる。また、本実施形態による搬送装置1は、生産装置(プロセス装置)中の搬送装置として用いることもできる。本実施形態による搬送装置1によって搬送される可動子301に保持されたワーク302に加工作業、検査作業等の作業(工程作業)を施すことにより、高精度に物品を製造することができる。
なお、実施形態による搬送装置1と生産装置3とが含まれるシステムを、本明細書において生産システムと称する場合がある。本明細書における生産装置3とは、ワーク302に対して加工作業、検査作業等の作業を施すための装置のことをいい、例えば、検査装置、組み立て装置、半導体露光装置、蒸着装置等が挙げられる。本実施形態による生産システムは、複数の生産装置3を有していてもよく、複数の生産装置3は、ワーク302に対して同じ作業を施すための生産装置であってもよいし、別の作業を施すための生産装置であってもよい。
ここで、以下の説明において用いる座標軸、方向等を定義する。まず、可動子301の搬送方向である水平方向に沿ってX軸をとり、可動子301の搬送方向をX方向とする。また、X方向と直交する方向である鉛直方向に沿ってZ軸をとり、鉛直方向をZ方向とする。また、X方向及びZ方向に直交する方向に沿ってY軸をとり、X方向及びZ方向に直交する方向をY方向とする。さらに、X軸周りの回転をWx、Y軸周りの回転を各々Wy、Z軸周りの回転をWzとする。また、乗算の記号として”*”を、冪乗の記号として”^”を使用する。また、可動子301のY-側をR側、Y+側をL側として記載する。なお、可動子301の搬送方向は必ずしも水平方向である必要はないが、その場合も搬送方向をX方向として同様にY方向及びZ方向を定めることができる。また、X方向、Y方向及びZ方向は、必ずしも互いに直交する方向に限定されるものではなく、互いに交差する方向として定義することもできる。
本実施形態では、搬送装置1が可動磁石型リニアモータ(ムービング永久磁石型リニアモータ、可動界磁型リニアモータ)による搬送装置である場合を例示するが、これに限定されるものではない。搬送装置1は、可動コイル型リニアモータ(ムービングコイル型リニアモータ、固定界磁型リニアモータ)による搬送装置であってもよい。さらに、搬送装置1は、リニアガイド等の案内装置を持たず、固定子201上において非接触で可動子301を搬送する磁気浮上型の搬送装置として構成されている。
図2Bに示すように、可動子301は、永久磁石303として、永久磁石303aR、303bR、303cR、303dR、303aL、303bL、303cL、303dLを有している。永久磁石303は、可動子301の上面に取り付けられて設置されている。
具体的には、可動子301のR側の上面に、永久磁石303aR、303bR、303cR、303dRが取り付けられている。また、可動子301のL側の上面に、永久磁石303aL、303bL、303cL、303dLが取り付けられている。なお、以下では、特に区別する必要がないかぎり、可動子301の永久磁石を単に「永久磁石303」と表記する。また、R側とL側とを区別する必要まではないが、各永久磁石303を個別に特定する必要がある場合、各永久磁石303に対する符号の末尾からR又はLを除いた識別子としての小文字のアルファベットまでの符号を用いて各永久磁石303を個別に特定する。この場合、「永久磁石303a」、「永久磁石303b」、「永久磁石303c」又は「永久磁石303d」と表記して、各永久磁石303を個別に特定する。
永久磁石303aR、303dRは、可動子301のX方向に沿ったR側の上面におけるX方向の一方の端部及び他方の端部に取り付けられている。永久磁石303bR、303cRは、可動子301のR側の上面の永久磁石303aR、303dR間に取り付けられている。永久磁石303aR、303bR、303cR、303dRは、例えば、X方向に等ピッチに配置されている。また、永久磁石303aR、303bR、303cR、303dRは、それぞれの中心が、例えば可動子301のR側の上面中心を通過するX方向に沿った直線上に並ぶように配置されている。
永久磁石303aL、303dLは、可動子301のX方向に沿ったL側の上面におけるX方向の一方の端部及び他方の端部に取り付けられている。永久磁石303bL、303cLは、可動子301のL側の上面の永久磁石303aL、303dL間に取り付けられている。永久磁石303aL、303bL、303cL、303dLは、例えば、X方向に等ピッチに配置されている。また、永久磁石303aL、303bL、303cL、303dLは、それぞれの中心が、例えば可動子301のL側の上面中心を通過するX方向に沿った直線上に並ぶように配置されている。さらに、永久磁石303aL、303bL、303cL、303dLは、X方向においてそれぞれ永久磁石303aR、303bR、303cR、303dRと同位置に配置されている。永久磁石303aは複数の第1永久磁石よりなる第1永久磁石群である。永久磁石303dは複数の第1永久磁石よりなる第1永久磁石群である。
なお、本実施形態では可動子301の上面に磁石群が設置された場合を例示したが、可動子301の側面に磁石群が設置されていてもよい。
可動子301の上面におけるR側の部分に配置されている永久磁石303aR、303bR、303cR、303dRは、それぞれ可動子301の中心である原点OからY方向のR側に距離rx3だけ離れた位置に配置されている。
また、可動子301の上面におけるL側の部分に配置されている永久磁石303aL、303bL、303cL、303dLは、原点OからY方向のL側に距離rx3だけ離れた位置に配置されている。
永久磁石303a、303dは、それぞれ原点OからX方向の一方及び他方の側に距離rz3だけ離れた位置に取り付けられている。永久磁石303c、303bは、それぞれ原点OからX方向の一方及び他方の側に距離ry3だけ離れた位置に取り付けられている。
可動子301の上面において、上述のように永久磁石303が配置されたR側の部分とL側の部分との間の中央部分は、搬送すべきワーク302が載せられる部分になっている。
永久磁石303aR、303dR、303aL、303dLは、それぞれY方向に沿って配置された2個の永久磁石のセットである。永久磁石303a、303dは、それぞれ、固定子201側を向く外側の磁極の極性が交互に異なるように2個の永久磁石がY方向に沿って並べられて構成されたものである。なお、永久磁石303a、303dを構成するY方向に沿って配置された永久磁石の数は、2個に限定されるものではなく、複数個であればよい。また、永久磁石303a、303dを構成する永久磁石が配置される方向は、必ずしも搬送方向であるX方向と直交するY方向である必要はなく、X方向(第1の方向)と交差する方向(第2の方向)であればよい。すなわち、永久磁石303a、303dは、それぞれ磁極の極性が交互になるようにX方向と交差する方向(第2の方向)に沿って配置された複数の永久磁石からなる磁石群であればよい。
一方、永久磁石303bR、303cR、303bL、303cLは、それぞれX方向に沿って配置された3個の永久磁石のセットである。永久磁石303b、303cは、それぞれ、固定子201側を向く外側の磁極の極性が交互に異なるように3個の永久磁石がX方向に沿って並べられて構成されている。なお、永久磁石303b、303cを構成するX方向に沿って配置された永久磁石の数は、3個に限定されるものではなく、複数個であればよい。すなわち、永久磁石303b、303cは、磁極の極性が交互になるようにX方向に沿って配置された複数の永久磁石からなる磁石群であればよい。永久磁石303bは複数の第2永久磁石よりなる第2永久磁石群である。永久磁石303cは複数の第2永久磁石よりなる第2永久磁石群である。
各永久磁石303は、可動子301のR側及びL側の上面に設けられたヨーク307に取り付けられている。ヨーク307は、透磁率の大きな物質、例えば鉄で構成されている。本明細書において透磁率の大きな物質とは、透磁率が5000以上の物質のことをいう。
こうして、永久磁石303が配置された可動子301は、固定子201の複数のコイル202により後述するように永久磁石303が受ける電磁力により姿勢が6軸制御されつつ移動制御されて固定子201に沿って移動する。
可動子301は、以下に述べる固定子201において2列に配置された複数のコイル202に沿ってX方向に移動可能である。可動子301は、その上面に搬送すべきワーク302を載せた状態で搬送されうる。可動子301は、例えば、ワークホルダ等のワーク302を可動子301上に保持する保持機構を有していてもよい。
固定子201に沿って固定子201上を搬送される可動子301は、Xリニアスケール304と、Yリニアスケール305と、Zリニアスケール306L、306Rとを有している。Xリニアスケール304、Yリニアスケール305及びZリニアスケール306L、306Rは、それぞれ例えば可動子301の底部にX方向に沿って取り付けられている。Zリニアスケール306L、306Rは、Xリニアスケール304及びYリニアスケール305の両側にそれぞれ取り付けられている。X方向を向いた可動子301において、Xリニアスケール304、Yリニアスケール305及びZリニアスケール306L、306Rには、それぞれX方向、Y方向及びZ方向に所定の間隔の目盛が形成されている。Xリニアスケール304は、後述のXセンサ101とともに可動子301のX方向の変位を検出するインクリメンタル式のリニアエンコーダを構成する。Yリニアスケール305は、後述のYセンサ102とともに可動子301のY方向の変位を検出するインクリメンタル式のリニアエンコーダを構成する。Zリニアスケール306L、306Rは、それぞれ後述のZセンサ103L、103Rとともに可動子301のZ方向の変位を検出するインクリメンタル式のリニアエンコーダを構成する。
固定子201は、可動子301の搬送方向であるX方向に沿って2列に配置された複数のコイル202を有している。固定子201において、複数のコイル202は、可動子301の上面の上方に位置してそれぞれ可動子301に対向するように取り付けられている。固定子201は、搬送方向であるX方向に延在して可動子301が搬送する空間である搬送路を形成する。
複数のコイル202は、可動子301のR側及びL側の永久磁石303と対向可能なように、X方向に沿って2列に配置されて固定子201に取り付けられている。R側において1列に配置された複数のコイル202は、可動子301のR側の永久磁石303aR、303bR、303cR、303dRと対向可能にX方向に沿って配置されている。また、L側において1列に配置された複数のコイル202は、可動子301のL側の永久磁石303aL、303bL、303cL、303dLと対向可能にX方向に沿って配置されている。
本実施形態では、可動子301のR側及びL側のコイル202の列が、それぞれ、互いに構成する複数の永久磁石の配置方向が異なる永久磁石303a、303d及び永久磁石303b、303cに対向可能に配置されている。このため、少ない列数のコイル202で、後述するように可動子301に対して搬送方向及び搬送方向とは異なる力を印加することができ、よって可動子301の搬送制御及び姿勢制御を実現することができる。
複数のコイル202は、X方向に所定の間隔で並べられている。また、各コイル202は、その中心軸がZ方向を向くように取り付けられている。なお、コイル202は、コア有のコイルでもよいし、コアレス型のコイルでもよい。
複数のコイル202は、例えば3個ずつの単位で電流制御されるようになっている。そのコイル202の通電制御される単位を「コイルユニット203」と記載する。コイル202は、通電されることにより、可動子301の永久磁石303との間で電磁力を発生して可動子301に対して力を印加することができる。
図2Bにおいて、永久磁石303a、303dは、それぞれY方向に2個の永久磁石が並べられた磁石群により構成されている。これに対して、各コイル202は、永久磁石303a、303dの2個の永久磁石のY方向の中心がコイル202のY方向の中心と合致するように配置されている。永久磁石303a、303dに対向するコイル202に通電することで、永久磁石303a、303dに対してY方向に力を発生する。
また、永久磁石303b、303cは、X方向に3個の永久磁石が並べられた磁石群により構成されている。これに対して、永久磁石303b、303cに対向するコイル202に通電することで、永久磁石303b、303cに対してX方向及びZ方向に力を発生する。
図2Aに示すように、固定子201は、Xセンサ101と、Yセンサ102と、Zセンサ103L、103Rとを有している。Xセンサ101、Yセンサ102及びZセンサ103L、103Rは、それぞれ可動子301のXリニアスケール304、Yリニアスケール305及びZリニアスケール306L、306Rに対向可能に固定子201の底部に複数設置されている。
Xセンサ101は、例えば、可動子301に取り付けられたXリニアスケール304を検出して可動子301の搬送方向の位置を特定するリニアエンコーダの検出器であるエンコーダヘッドである。Xセンサ101は、可動子301に取り付けられたXリニアスケール304とともに、可動子301の変位を検出するインクリメンタル式のリニアエンコーダを構成する。複数のXセンサ101は、固定子201においてX方向に沿って所定の間隔を空けて配置されている。複数のXセンサ101がX方向に配置される所定の間隔は、複数のXセンサ101が同時にXリニアスケール304を検出するように、Xリニアスケール304のX方向に沿った長さ以下であることが好ましい。なお、Xセンサ101について、レーザ干渉計等のリニアエンコーダ以外とする構成も可能である。
Yセンサ102は、可動子301に取り付けられたYリニアスケール305を検出して可動子301とのY方向の距離を検出するリニアエンコーダの検出器であるエンコーダヘッドである。Yセンサ102は、可動子301に取り付けられたYリニアスケール305とともに、可動子301の変位を検出するインクリメンタル式のリニアエンコーダを構成する。複数のYセンサ102は、固定子201においてX方向に沿って所定の間隔を空けて配置されている。複数のYセンサ102がX方向に配置される所定の間隔は、複数のYセンサ102が同時にYリニアスケール305を検出するように、Yリニアスケール305のX方向に沿った長さ以下であることが好ましい。
Zセンサ103L、103Rは、それぞれ可動子301に取り付けられたZリニアスケール306L、306Rを検出して可動子301とのZ方向の距離を検出するリニアエンコーダの検出器であるエンコーダヘッドである。Zセンサ103L、103Rは、それぞれ可動子301に取り付けられたZリニアスケール306L、306Rとともに、可動子301の変位を検出するインクリメンタル式のリニアエンコーダを構成する。複数のZセンサ103L、103Rは、それぞれ固定子201においてX方向に沿って所定の間隔を空けて配置されている。複数のZセンサ103L、103RがX方向に配置される所定の間隔は、複数のZセンサ103L、103Rが同時にZリニアスケール306L、306Rを検出するように、Zリニアスケール305L、305RのX方向に沿った長さ以下であることが好ましい。
複数のXセンサ101は、それぞれ可動子301のXリニアスケール304と対向可能なようにX方向(第1の方向)に沿って固定子201に取り付けられている。各Xセンサ101は、可動子301に取り付けられたXリニアスケール304を読み取ることで、可動子301のXセンサ101に対する相対的な位置を検出してその検出値を出力することができる。
複数のYセンサ102は、それぞれ可動子301のYリニアスケール305と対向可能なようにX方向(第1の方向)に沿って固定子201に取り付けられている。各Yセンサ102は、可動子301に取り付けられたYリニアスケール305を読み取りY方向の変位を検出してその検出値を出力することができる。これにより、可動子301のY方向の姿勢を検出することが可能となる。なお、Yセンサ102は、必ずしも搬送方向であるX方向と直交するY方向の相対距離を検出する必要はなく、X方向(第1の方向)と交差する方向(第2の方向)であればよい。
複数のZセンサ103は、それぞれ可動子301のZリニアスケール306と対向可能なようにX方向に沿って固定子201に2列に取り付けられている。各Zセンサ103は、可動子301に取り付けられたZリニアスケール306との間のZ方向の変位を検出して出力することができる。これにより可動子301の鉛直方向であるZ方向の姿勢を検出することが可能となる。なお、Zセンサ103は、必ずしも搬送方向であるX方向と直交するZ方向の相対距離を検出する必要はなく、X方向(第1の方向)及びY方向(第2の方向)と交差する方向(第3の方向)であればよい。
なお、本実施形態では、Xセンサ101、Yセンサ102及びZセンサ103が固定子201の底部に設置され、Xリニアスケール304、Yリニアスケール305及びZリニアスケール306が可動子301の底面に設置された場合を例示した。しかしながら、各センサ及び各スケールの設置位置は、この例示の場合に限定されるものではない。Xリニアスケール304、Yリニアスケール305及びZリニアスケール306は、可動子301のいずれの位置に設置されていてもよい。Xセンサ101、Yセンサ102及びZセンサ103は、それぞれXリニアスケール304、Yリニアスケール305及びZリニアスケール306に対向可能な一であれば、固定子201のいずれの位置に設置されていてもよい。
また、Yセンサ102及びZセンサ103のうちの両方が固定子201に設置されている必要はなく、いずれか一方だけが設置されていてもよい。この場合であっても、本発明の効果を発揮することができる。例えば、Yセンサ102が設置されていなくても、磁石の吸引力のみで可動子301のY方向の制御を行わない構成とすることもできる。また、Zセンサ103が設置されていなくても、磁石の吸引力のみで可動子301のZ方向の制御を行わない構成とすることもできる。あるいは、エア等の別の方法でZ方向に浮上させる構成とすることもできる。さらに、Z方向の浮上制御を実施しないXYステージ等に本発明を適用することもできる。
次に、本実施形態による搬送装置1を制御する制御部についてさらに図3を用いて説明する。図3は、本実施形態による搬送装置1を制御する制御部4を示す概略図である。制御部4は、搬送装置1の一部を構成する。
図3に示すように、制御部4は、統合コントローラ401と、コイルコントローラ402と、センサコントローラ404とを有し、可動子301と固定子201とを含む搬送装置1を制御する制御部として機能する。統合コントローラ401には、コイルコントローラ402が通信可能に接続されている。また、統合コントローラ401には、センサコントローラ404が通信可能に接続されている。
コイルコントローラ402には、複数の電流コントローラ403が通信可能に接続されている。コイルコントローラ402及びこれに接続された複数の電流コントローラ403は、2列のコイル202のそれぞれの列に対応して設けられている。各電流コントローラ403には、コイルユニット203が接続されている。電流コントローラ403は、接続されたコイルユニット203の各々のコイル202の電流の大きさを制御することができる。
コイルコントローラ402は、接続された各々の電流コントローラ403に対して目標となる電流値を指令する。電流コントローラ403は接続されたコイル202の電流量を制御する。
センサコントローラ404には、複数のXセンサ101、複数のYセンサ102及び複数のZセンサ103が通信可能に接続されている。
複数のXセンサ101は、可動子301が搬送中もそのうちの1つが必ず1台の可動子301の位置を測定できるような間隔で固定子201に取り付けられている。また、複数のYセンサ102は、そのうちの2つが必ず1台の可動子301のYリニアスケール305を測定できるような間隔で固定子201に取り付けられている。また、複数のZセンサ103は、その2列のうちの3つが必ず1台の可動子301のZリニアスケール306を測定できるような間隔で固定子201に取り付けられている。
統合コントローラ401は、Xセンサ101、Yセンサ102及びZセンサ103からの出力に基づき、複数のコイル202に印加する電流指令値を決定して、コイルコントローラ402に送信する。コイルコントローラ402は、統合コントローラ401からの電流指令値に基づき、上述のように電流コントローラ403に対して電流値を指令する。これにより、統合コントローラ401は、制御部として機能し、固定子201に沿って可動子301を非接触で搬送するとともに、搬送する可動子301の姿勢を6軸で制御する。
以下、統合コントローラ401により実行される可動子301の姿勢制御方法について図4を用いて説明する。図4は、本実施形態による搬送装置1における可動子301の姿勢制御方法を示す概略図である。図4は、可動子301の姿勢制御方法の概略について主にそのデータの流れに着目して示している。統合コントローラ401は、以下に説明するように、可動子位置算出関数501、可動子補正処理関数502、可動子姿勢算出関数503、可動子姿勢制御関数504及びコイル電流算出関数505を用いた処理を実行する。これにより、統合コントローラ401は、可動子301の姿勢を6軸で制御しつつ、可動子301の搬送を制御する。なお、統合コントローラ401に代えて、コイルコントローラ402が統合コントローラ401と同様の処理を実行するように構成することもできる。
まず、可動子位置算出関数501は、複数のXセンサ101からの測定値及びその取り付け位置の情報から、搬送路を構成する固定子201上にある可動子301の台数及び位置を計算する。これにより、可動子位置算出関数501は、可動子301に関する情報である可動子情報506aの可動子位置情報(X)及び台数情報を更新する。可動子位置情報(X)は、固定子201上の可動子301の搬送方向であるX方向における位置を示している。可動子情報506aは、例えば図4中にPOS-1、POS-2、…と示すように固定子201上の可動子301ごとに用意される。
次いで、可動子補正処理関数502は、可動子位置算出関数501により更新された可動子情報506aの可動子位置情報(X)から、各々の可動子301を測定可能なYセンサ102及びZセンサ103を特定する。この際、可動子補正処理関数502において、特定されたYセンサ102及びZセンサ103の固定子201上のセンサ設置位置情報507と可動子位置情報(X)に基づいて、検出値を可動子との相対距離に換算するための補正値(Offset値)508を算出する。さらに、可動子補正処理関数502は、算出した補正値を検出値に加算して相対距離に換算する。
可動子姿勢算出関数503は、特定されたYセンサ102及びZセンサ103から出力される検出値と、可動子補正処理関数502で算出された補正値に基づき、姿勢情報(Y,Z,Wx、Wy,Wz)を算出して可動子情報506を更新して可動子情報506cとする。可動子姿勢算出関数503により更新された可動子情報506cは、可動子位置情報(X)及び姿勢情報(Y,Z,Wx、Wy,Wz)を含んでいる。
次いで、可動子姿勢制御関数504は、可動子位置情報(X)及び姿勢情報(Y,Z,Wx、Wy,Wz)を含む現在の可動子情報506c及び姿勢目標値から、各々の可動子301について印加力情報509を算出する。印加力情報509は、各々の可動子301に印加すべき力の大きさに関する情報である。印加力情報509は、後述する印加すべき力Tの力の3軸成分(Tx,Ty,Tz)及びトルクの3軸成分(Twx,Twy,Twz)に関する情報を含んでいる。印加力情報509は、例えば図4中にTRQ-1、TRQ-2、…と示すように固定子201上の可動子301ごとに用意される。
次いで、コイル電流算出関数505は、印加力情報509及び可動子情報506cに基づき、各コイル202に印加する電流指令値510を決定する。
こうして、統合コントローラ401は、可動子位置算出関数501、可動子補正処理関数502、可動子姿勢算出関数503、可動子姿勢制御関数504及びコイル電流算出関数505を用いた処理を実行することにより、電流指令値510を決定する。統合コントローラ401は、決定した電流指令値510をコイルコントローラ402に送信する。
ここで、可動子位置算出関数501による処理について図5を用いて説明する。図5は、可動子位置算出関数による処理を説明する概略図である。また、図5は、-Z方向から可動子301a、301bを見たときの可動子301a、301bの底面におけるXリニアスケール304a、304b及びXセンサ101a、101b、101cの位置関係を示した図である。
図5において、基準点Oeは、Xセンサ101が取り付けられている固定子201の位置基準である。また、基準点Osは、可動子301に取り付けられているXリニアスケール304の位置基準である。図5では、可動子301として2台の可動子301a、301bが搬送され、Xセンサ101として3つのXセンサ101a、101b、101cが配置されている場合を示している。なお、Xリニアスケール304a、304bは、各可動子301a、301bの同じ位置にX方向に沿って取り付けられている。
例えば、図5に示す可動子301bのXリニアスケール304bには、1つのXセンサ101cが対向している。Xセンサ101cは、可動子301bのリニアスケール304bを読み取って距離Pcを出力する。また、Xセンサ101cの基準点Oeを原点とするX軸上の位置はScである。したがって、可動子301bの位置Pos(301b)は次式(1)により算出することができる。
Pos(301b)=Sc-Pc …式(1)
例えば、図5に示す可動子301aのXリニアスケール304aには、2つのXセンサ101a、101bが対向している。Xセンサ101aは、可動子301aのXリニアスケール304aを読み取って距離Paを出力する。また、Xセンサ101aの基準点Oeを原点とするX軸上の位置はSaである。したがって、Xセンサ101aの検出値の出力に基づく可動子301aのX軸上の位置Pos(301a)は、次式(2)で算出することができる。
Pos(301a)=Sa-Pa …式(2)
また、Xセンサ101bは、可動子301aのXリニアスケール304aを読み取って距離Pbを出力する。また、Xセンサ101bの基準点Oeを原点とするX軸上の位置はSbである。したがって、Xセンサ101bの検出値の出力に基づく可動子301aのX軸上の位置Pos(301a)′は、次式(3)により算出することができる。
Pos(301a)′=Sb-Pb …式(3)
ここで、各々のXセンサ101a、101bの設置位置は予め正確に測定されているため、2つの値Pos(301a)、Pos(301a)′の差は十分に小さい。このように2つのXセンサ101の出力に基づく可動子301のX軸上の位置の差が十分小さい場合は、それら2つのXセンサ101は、同一の可動子301のXリニアスケール304を観測していると判定することができる。
なお、複数のXセンサ101が同一の可動子301と対向する場合は、たとえば、複数のXセンサ101の出力に基づく位置の平均値を算出する等して、観測された可動子301の位置を一意に決定することができる。あるいは、いずれかのXセンサ101の検出値の出力に基づく位置を可動子301の位置と決定してもよい。
可動子位置算出関数501は、上述のようにしてXセンサ101の出力に基づき、可動子位置情報として可動子301のX方向における位置Xを算出して決定する。可動子補正処理関数502は、可動子位置算出関数501により更新された可動子情報506aの可動子位置情報(X)から各々の可動子301を測定可能なYセンサ102及びZセンサ103を特定する。
次に、可動子補正処理関数502による処理について図6を用いて説明する。図6は、-Z方向から可動子301を見たときの可動子301aの底面におけるYリニアスケール305及びYセンサ102a、102b、102cの位置関係を示した図である。
例えば、図6に示す可動子301aは、可動子位置情報(X)がPosXaと算出されている。可動子補正処理関数502は、PosXaと、Yセンサ102a、102b各々の設置位置を示すセンサ設置位置情報507のSa、Sbとの関係から、2つのYセンサ102a、102bを、可動子301aを測定可能なYセンサとして特定する。また、可動子補正処理関数502は、PosXaと、Yセンサ102cの設置位置を示すセンサ設置位置情報507であるScとの関係から、Yセンサ102cを、可動子301aを測定可能となるYセンサとして特定する。ここで、測定可能となるYセンサ102cとは、可動子301aが例えば+X方向に搬送される際に可動子301aを測定可能になるYセンサである。
可動子補正処理関数502は、上述のように特定した2つの測定可能なYセンサ102a、102b、及び測定可能となるYセンサ102cのYリニアスケール305の検出値を、それぞれY方向における可動子301aとの相対距離に換算する。可動子補正処理関数502は、各Yセンサ102a、102b、102cの検出値をそれぞれ換算したY方向における可動子301aとの相対距離を含む可動子補正508を出力する。
可動子補正処理関数502は、Zセンサ103に関しても同様の処理を実施する。なお、以下ではR側のZセンサ103を例に説明するが、L側のZセンサ103についても同様の処理を実行することができる。図7は、-Y方向から可動子301aを見たときの可動子301aの底面のZリニアスケール306R及びZセンサ103Ra、103Rb、103Rcの位置関係を示した図である。
例えば、図7に示す可動子301aは、可動子位置情報(X)がPosXaと算出されている。可動子補正処理関数502は、PosXaと、Zセンサ103Ra、103Rb各々の設置位置を示すセンサ設置位置情報507のSRa、SRbとの関係から、2つのZセンサ103Ra、103Rbを、可動子301aを測定可能なZセンサとして特定する。
また、可動子補正処理関数502は、PosXaと、Zセンサ103Rcの設置位置を示すセンサ設置位置情報507であるSRcとの関係から、Zセンサ103Rcを可動子301aを測定可能となるZセンサとして特定する。ここで、測定可能となるZセンサ103Rcとは、可動子301aが例えば+X方向に搬送される際に可動子301aを測定可能となるZセンサである。
可動子補正処理関数502は、上述のように特定した2つの測定可能なZセンサ103Ra、103Rb、及び測定可能となるZセンサ103RcのZリニアスケール306Rの検出値を、それぞれZ方向における可動子301aとの相対距離に換算する。可動子補正処理関数502は、各Zセンサ103Ra、103R、102Rcの検出値をそれぞれ換算したZ方向における可動子301aとの相対距離を含む可動子補正508を出力する。
上述の可動子補正処理関数502において算出される各センサの可動子301との相対距離は、可動子姿勢算出関数503において可動子301の姿勢情報の算出に用いられる。これにより、可動子301の搬送により可動子情報506の算出に用いられるセンサが切り替わる際にも連続的に可動子301の位置及び姿勢を含む可動子情報506の算出が可能となる。
なお、Yセンサ102は、X方向への可動子301の搬送に伴って、これまで検出していなかった可動子301のYリニアスケール305を検出し始める。Yリニアスケール305を検出し始めるYセンサ102の検出値は、補正値を用いて可動子301との相対距離に換算することができる。この換算に用いる補正値は、Yリニアスケール305を検出可能な複数のYセンサ102の検出値から算出された可動子301との相対距離に基づき設定することができる。以下、Yセンサ102の検出値を可動子301との相対距離に換算するために用いる補正値の取得方法について図8A乃至図8Dを用いて説明する。図8A乃至図8Dは、可動子301のYリニアスケール305、Yセンサ102等を示している。図8A及び図8Bでは、可動子301の本体を省略している。
例えば、図8A及び図8Bに示すように、複数のYセンサ102のうちのYセンサ102b、102eは、X方向への可動子301の搬送に伴ってその可動子301のYリニアスケール305を検出し始める。Yセンサ102bは、Yセンサ102aがYリニアスケール305を検出している際にYリニアスケール305を検出し始める。Yセンサ102eは、Yセンサ102c、102dがYリニアスケール305を検出している際にYリニアスケール305を検出し始める。このようなYセンサ102b、102eの検出値は、Yリニアスケール305を検出可能な複数のYセンサ102の検出値から算出される可動子301との相対距離を基に設定された補正値を用いて、それぞれ可動子301との相対距離に換算することができる。
図8A及び図8Bに示す例では、搬送方向であるX方向に沿って可動子301が搬送されるに伴って、その可動子301のYリニアスケール305が移動される。このとき、Yセンサ102a~102eの各検出値Da~Deは、Yセンサ102a~102eの設置のばらつき、Yリニアスケール305を検出し始める際のノイズ等の影響でばらつく。
まず、Yセンサ102の補正値の初期値設定の方法について図8Cを用いて説明する。補正値の初期値は次のようにして各Yセンサ102について設定することができる。
例えば、図8Cに示すように、補正値の初期値を設定すべきYセンサ102f、102gがYリニアスケール305を検出可能な所定の位置に可動子301を配置して、突き当て210により可動子301をY方向に規制する。このとき、Yセンサ102f、102gの可動子301との相対距離が既知の値として例えばゼロになるように可動子301をY方向に規制することができる。この状態で、Yセンサ102f、102gによりYリニアスケール305を検出する。あるいは、Y方向への規制下での検出に代えて、Yセンサ102f、102gによりYリニアスケール305を検出するとともに、渦電流センサ等の距離の絶対値が計測可能な他のYセンサで別途所定の位置での可動子301を計測することもできる。こうして得られたYセンサ102f、102gの検出値Df、Dgと相対距離の既知の値又は他のYセンサの計測値とから、各検出値Df、Dgを可動子301との相対距離Vf、Vgに換算する補正値Offset、Offsetを得ることができる。なお、他のYセンサ102a、102b等についても、同様にそれらの検出値Da、Db等をそれぞれ相対距離Va、Vb等に変換する補正値Offset、Offset等を得ることができる。
例えば、図8Cに示す突き当て210により可動子301をY方向に規制する方法では、前記所定の突き当て位置での検出値Df、Dgを用いて、次のように前記相対距離Vf、Vgへ換算する補正値Offset、Offsetを得ることができる。
Offset=-Df
Offset=-Dg
なお、上記では、2つのYセンサ102f、102gが所定の位置でYリニアスケール305を検出する場合で、かつ前記突き当て位置において相対距離をゼロとする例を示したが、これに限定されるものではない。突き当て位置において所望の相対距離を出力するように補正値を設定することも可能である。また、前記所定の位置でのYセンサ102の検出位置、前記突き当て位置での可動子301のZ軸回りの回転量である姿勢θ(前記突き当て位置での角度ずれ)等を考慮して補正値を算出してもよい。
次に、X方向に沿った可動子301の搬送に伴って移動するYリニアスケール305をYセンサ102b、102eが検出し始める際の補正値の設定を含む処理について図8A及び図8Bを用いて説明する。
図8Aに、X方向に沿った可動子301の搬送に伴ってYリニアスケール305が搬送方向であるX方向に沿って移動する場合又は可動子301の搬送時の可動子301又はYリニアスケール305の傾きを考慮しない場合の例を示す。図8Aにおいて、Yセンサ102a、102bは、それぞれX方向の位置Sa、Sbに設置されている。
図8Aに示す場合、Yセンサ102aの検出値Daは、補正値Offsetを用いて、可動子301との相対距離Vaに換算される。可動子301のY方向の位置Yは、相対距離Vaに基づいて、Pos=Vaと算出される。可動子301のX方向への搬送に伴い、Yセンサ102bがYリニアスケール305を検出可能になる際、Yセンサ102bの補正値Offsetは、可動子301の位置YであるPosに基づいて、例えば次のように設定することができる。
Offset=Pos-Db
このように補正値を設定することで、Yセンサ102bにおいても、可動子301との相対距離Vbが算出可能となる。
こうして、Yセンサ102bの検出値Dbによる可動子301の位置情報である相対距離Vbは、他のYセンサ102aの検出値Daによる可動子301の位置情報である相対距離Vaに基づき補正される。したがって、本実施形態では、Yリニアスケール305を検出するYセンサ102が切り替わる際にエンコーダの初期値が不定となることはなく、可動子301の位置及び姿勢を広範囲かつ高精度に検出することができる。
また、Yセンサ102は、Yリニアスケール305の長さよりも狭い間隔で配置することができないこともある。図8Dには、Yリニアスケール305の長さより短い間隔でYセンサ102を配置できない例を示す。図8Dでは、互いにX方向に隣接するYセンサ102h、102jが、Yリニアスケール305の長さよりも広い間隔で配置されている。
図8Dに示す場合、Yセンサ102hがYリニアスケール305を検出しなくなる可動子301の位置PosXhからYセンサ102jがYリニアスケール305を検出し始める位置PosXjまでの区間において、可動子301をY方向に規制する。具体的には、例えば、可動子301のY方向の位置を規制する位置決め機構211により可動子301をY方向に規制する。これにより、PosXhからPosXjまでの区間における可動子301のY方向の位置を保証することができる。
Y方向の位置を保証することにより、可動子301のX方向の位置PosXhにおいて、Yセンサ102hの検出値Dhから可動子301との相対距離Vhを得て、可動子301のY方向の位置Pos(=Vh)が算出される。すると、Yリニアスケール305を検出し始めるYセンサ102jでは、Yセンサ102jの検出値Djを用いて、Yセンサ102jの補正値Offsetを例えば次のように設定することができる。
Offset=Pos-Dj
これにより、可動子301のX方向の位置PosXjにおいても、可動子301との相対距離Vjが算出可能となる。
なお、図8Dに示す場合では、位置決め機構211によるY方向の規制の例を示したが、可動子301のY方向の位置を別のセンサを配置して検出して制御することで、PosXhからPosXjまでの区間の可動子301のY方向の位置を保証してもよい。
図8Bに、可動子301の搬送に伴ってX方向に対してYリニアスケール305がPosθ傾いて移動する例を示す。図8Bにおいて、Yセンサ102c、102d、102eは、それぞれX方向の位置Sc、Sd、Seに設置されている。
図8Bに示す場合、Yセンサ102c、102dの検出値Dc、Ddからそれぞれ算出される可動子301との相対距離Vc、Vdに基づいて、可動子301のY方向の位置がPos、姿勢θがPosθと算出される。また、可動子301のX方向の位置は、Xセンサ101の出力によりPosと算出される。可動子301の搬送に伴い、Yセンサ102eがYリニアスケール305を検出可能となる際に、前記位置Pos、及び姿勢Posθに基づいて、Yセンサ102eの補正値Offset=を次のように設定することができる。
Offset=Pos+Posθ*(Se-Pos)-De
これにより、Yセンサ102eにおいても、可動子301との相対距離Veが算出可能となる。
こうして、Yセンサ102eの検出値Deによる可動子301の位置情報である相対距離Veは、他のYセンサ102c、102dの検出値Dc、Ddによる可動子301の位置情報である相対距離Vc、Vdに基づき補正される。したがって、本実施形態では、Yリニアスケール305を検出するYセンサ102が切り替わる際にエンコーダの初期値が不定となることはなく、可動子301の位置及び姿勢を広範囲かつ高精度に検出することができる。
Zセンサ103についても、Yセンサ102と同様にその検出値を可動子301との相対距離に換算するために用いる補正値を設定することができる。以下、Zセンサ103の検出値を可動子301との相対距離に換算するために用いる補正値の取得方法について図9A乃至図9Cを用いて説明する。図9A乃至図9Cは、可動子301のZリニアスケール306、Zセンサ103等を示している。図9A及び図9Bでは、可動子301の本体を省略している。
図9A乃至図9Cには、可動子301が搬送されるX方向に沿ってZリニアスケール306R、306Lが移動する例を示す。図9Aは、可動子301の+Y側に設置されたZリニアスケール306LをZセンサ103a、103bで検出している場合を示している。図9Bは、可動子301の-Y側に設置されたZリニアスケール306RをZセンサ103c、103dで検出している場合を示している。図9Cは、突き当て位置で可動子301をZ方向に規制している場合を示している。このとき、Zセンサ103a~103fの各検出値Da~Dfは、Zセンサ103a~103fの設置位置のばらつき、Zリニアスケール306を検出し始める際のノイズ等の影響でばらつく。
まず、Zセンサ103の補正値の初期値設定の方法について図9Cを用いて説明する。補正値の初期値は次のようにして各Zセンサ103について設定することができる。
例えば、図9Cに示すように、補正値の初期値を設定すべきZセンサ103e、103fがZリニアスケール306Rを検出可能な所定の位置に可動子301を配置して、突き当て212により可動子301をZ方向に規制する。このとき、Zセンサ103e、103fの可動子301との相対距離が既知の値として例えばゼロになるように可動子301をZ方向に規制することができる。この状態で、Zセンサ103e、103fによりZリニアスケール306Rを検出する。あるいは、渦電流センサ等の距離の絶対値が計測可能な他のZセンサで別途所定の位置での可動子301を計測することもできる。
こうして得られたZセンサ103e、103fの検出値De、Dfと相対距離の既知の値又は他のZセンサの計測値とから、各検出値De、Dfを可動子301との相対距離Ve、Vfに換算する補正値Offset、Offsetを得ることができる。なお、他のZセンサ103a、103b等についても、同様にそれらの検出値Da、Db等をそれぞれ相対距離Va、Vb等に変換する補正値Offset、Offset等を得ることができる。また、L側のZリニアスケール306Lを検出するZセンサ103の補正値もR側のセンサ103と同様の手法で得ることができる。
例えば、図9Cに示す突き当て212により可動子301をZ方向に規制する方法では、前記所定の突き当て位置での検出値De、Dfを用いて、前記相対距離Ve、Vgへ換算する補正値Offset、Offsetを得ることができる。
Offset=-De
Offset=-Df
なお、上記では、Zセンサ103e、103fが所定の位置でZリニアスケール306Rを検出する場合で、かつ前記突き当て位置において相対距離をゼロとする例を示したが、これに限定されるものではない。突き当て位置において所望の相対距離を出力するように補正値を設定することも可能である。また、前記所定の位置でのZセンサ103の検出位置と、前記突き当て位置での可動子301のX軸周り及びY軸周りの回転量である姿勢Poswx、Poswy(前記突き当て位置での水平度のばらつき)等を考慮して補正値を算出してもよい。
次に、X方向に沿った可動子301の搬送に伴って移動するZリニアスケール306RをZセンサ103dが検出し始める際の補正値の設定を含む処理について図9A及び図9Bを用いて説明する。図9A及び図9Bにおいて、Zセンサ103a、103b、103c、103dは、それぞれX方向の位置Sxa、Sxb、Sxc、Sxdに設置されている。Zセンサ103dは、Zセンサ103a、103bがZリニアスケール306Lを検出し、Zセンサ103cがZリニアスケール306Rを検出している際にZリニアスケール306Rを検出し始める。
図9A及び図9Bに示すように、Zセンサ103a、103b、103cの検出値Da、Db、Dcは、それぞれの補正値Offset、Offset、Offsetを用いて、それぞれ可動子301との相対距離Va、Vb、Vcに変換される。相対距離Va、Vb、Vcに基づいて、可動子301のZ方向の位置Z並びにX軸周り及びY軸周りの回転量である姿勢θx、θyは、それぞれPos、Poswx、Poswyと算出される。
可動子301の搬送に伴い、Zセンサ103dがZリニアスケール306Rを検出可能になる際、Zセンサ103dの補正値Offsetは、可動子301の位置及び姿勢Pos、Poswx、Poswyに基づいて例えば次のように設定することができる。
Offset=Pos+Poswx*(Sxd-Pos)+Poswy*(Syd-Pos)-Dd
このように補正値を設定することで、Zセンサ103dにおいても、可動子301との相対距離Vdが算出可能となる。ここで、SxdはZセンサ103dのX方向の設置位置、SydはZセンサ103dのY方向の設置位置である。また、Posは可動子301のX方向の位置である。
こうして、Zセンサ103dの検出値Ddによる可動子301の位置情報である相対距離Vdは、他のZセンサ103a、103b、103cの検出値Da、Db、Dcによる可動子301の位置情報である相対距離Va、Vb、Vcに基づき補正される。したがって、本実施形態では、Zリニアスケール306を検出するZセンサ103が切り替わる際にエンコーダの初期値が不定となることはなく、可動子301の位置及び姿勢を広範囲かつ高精度に検出することができる。
なお、上記の例では、Zセンサ103dの検出値が、Zセンサ103a、103b、103cで検出された相対距離から算出される回帰平面上の値に変換されるようにZセンサ103dの補正値を設定したが、これに限定されるものではない。例えば、Zリニアスケール306R、306Lのいずれか一方のみを検出するZセンサ103の相対距離から算出される回帰直線上の値に検出値が変換されるように補正値を設定してもよい。このとき、可動子301の傾きも考慮する場合は、片側のZリニアスケール306は少なくとも2個のZセンサ103で検出されていることが望ましい。
また、上記では、R側のZリニアスケール306Rを新たにZセンサ103dのみが検出し始める例で説明したが、これに限定されるものではない。L側のZリニアスケール306Lを新たに別のZセンサ103が検出し始める場合や、R側及びL側のそれぞれにおいて複数のZセンサ103がZリニアスケール306R、306Lを同時に検出し始める場合も、同様に補正値を得ることができる。これにより、これらの場合も、Zセンサ103の可動子301との相対距離が算出可能である。
可動子補正処理関数502は、上述のようにYセンサ102及びZセンサ103について設定した補正値を用いてYセンサ102及びZセンサ103の検出値を可動子301との相対距離に変換することができる。なお、可動子補正処理関数502は、必要に応じてYセンサ102及びZセンサ103のいずれか一方に補正値を設定してその検出値を相対距離に変換することもできる。
次に、可動子姿勢算出関数503による処理について図10乃至図11Bを用いて説明する。図10乃至図11Bは、可動子姿勢算出関数503による処理を説明する概略図である。可動子姿勢算出関数503は、上述のように得られた可動子301のX方向の位置X、並びにYセンサ102及びZセンサ103の可動子301との相対距離を用いて可動子301の位置及び姿勢を算出する。
図10には、可動子301として可動子301cが搬送され、Yセンサ102としてYセンサ102a、102b、102cが配置されている場合を示している。可動子301cのYリニアスケール305cには、3つのYセンサ102a、102b、102cが対向している。ここで、3つのYセンサ102a、102b、102cが出力する検出値をそれぞれYa、Yb、Ycとする。また、図中黒丸でYセンサ102a、102b、102cの検出値を換算した可動子301cとの相対距離を示す。すると、可動子301cのY方向の位置Y及びZ軸周りの回転量Wzは、回帰直線の切片及び傾きと考えることができる。
可動子位置情報(Y,Wz)を示す回帰直線Y=a*X+bの各パラメータa、bは、例えば、最小二乗法を用いて、次式(4)に示す荷重有りの二乗誤差E1を最小化するa,bとして算出することができる。この場合、回帰直線の傾きaがtan(Wz)、切片bが位置Yとなる。式(4)中、Pa、Pb、Pcは、それぞれX方向の位置PosXcに位置する可動子301cの中心から見たYセンサ102a、102b、102cのX方向の位置である。
E1=(Ya-(a*Pa+b))^2+(Yb-(a*Pb+b))^2+(Yc-(a*Pc+b))^2 …式(4)
なお、少なくとも2つのYセンサ102がYリニアスケール305に対向すれば可動子301の可動子位置情報(Y、Wz)は算出できるが、上述のように可動子301の位置によっては3つ以上のYセンサ102が対向する場合もありうる。その場合も、同様に最小二乗法等を使ってYリニアスケール305の傾き、すなわち可動子301のZ軸周りの回転量Wzと、可動子301のY方向の位置Yとを算出することができる。
また、図11A及び図11Bには、可動子301として可動子301dが搬送され、Zセンサ103としてZセンサ103d、103e、103fが配置されている場合を示している。可動子301dのZリニアスケール306には、3つのZセンサ103d、103e、103fが対向している。すなわち、Zセンサ103d、103eはR側のZリニアスケール306Rに対向し、Zセンサ103fはL側のZリニアスケール306Lに対向している。ここで、3つのZセンサ106d、106e、106fが出力する検出値をそれぞれZd、Ze、Zfとする。また、図中黒丸でZセンサ106d、106e、106fの検出値を換算した可動子301dとの相対距離を示す。すると、可動子301のZ方向の位置Z、Y軸周りの回転量Wy及びX軸周りの回転量Wxは、それぞれ回帰平面の各パラメータとして求めることができる。
可動子位置情報(Z,Wx,Wy)を示す回帰平面Z=d*X+e*Y+fの各パラメータd,e,fは、例えば、最小二乗法を用いて、次式(5)に示す荷重有りの二乗誤差E2を最小化するd,e,fとして算出することができる。この場合、dがtan(Wy)、eがtan(Wx)、fが位置Zとなる。式(5)中、PdX、PeXは、それぞれX方向の位置PosXdに位置する可動子301dの中心から見たZセンサ103d、103eのX方向の位置である。また、PdY、PfYは、それぞれY方向の位置PosYdに位置する可動子301dの中心から見たZセンサ103d、103fのY方向の位置である。
E2=(Zd-(d*PdX+e*PdY+f))^2+(Ze-(d*PeX+e*PeY+f))^2+(Zf-(d*PfX+e*PfY+f))^2 …式(5)
なお、可動子301の位置によっては4つ以上のZセンサ103がZリニアスケール306に対向する場合もありうる。その場合も、同様に最小二乗法等を使ってZリニアスケール306の傾き、すなわちX軸周りの回転量Wx及びY軸周りの回転量Wyと、可動子301のZ方向の位置Zとを算出することができる。
また、Zセンサ103は、可動子301の姿勢検出精度の観点から、少なくともR側及びL側の一方には1個、他方には2個、搬送方向であるX方向に沿ってZリニアスケール306を検出可能に設置されていることが望ましい。本実施形態では、Zセンサ103がR側に少なくとも2個、L側に少なくとも1個設置されている例を示したが、Zセンサ103がL側に少なくとも2個、R側に少なくとも1個設置されていてもよい。
可動子姿勢算出関数503は、上述のようにして、可動子301の姿勢情報としてY方向の位置Y及びZ方向の位置Z、並びに各軸周りの回転量Wx、Wy,Wzを算出することができる。
上述で算出された可動子情報506を用いて、可動子姿勢制御関数504は、可動子301に印加する力Tを算出する。コイル電流算出関数505は、可動子301に力Tを印加する際に各永久磁石303に働く力から、各コイル202に印加する電流量を決定する。
次に、コイル電流算出関数505による処理について図2Bを用いて説明する。なお、以下で用いる力の表記において、X方向、Y方向及びZ方向の力が働く方向をそれぞれx、y、zで示し、図2BにおけるY-側であるR側をR、Y+側であるL側をL、X+側をf、X-側をbで示す。
図2BにおいてR側及びL側の各永久磁石303に働く力をそれぞれ次のように表記する。各永久磁石303に働く力は、電流が印加された複数のコイル202により永久磁石303が受ける電磁力である。永久磁石303は、電流が印加された複数のコイル202により、可動子301の搬送方向であるX方向の電磁力のほか、X方向とは異なる方向であるY方向及びZ方向の電磁力を受ける。
R側の永久磁石303に働く力の表記は、それぞれ次のとおりである。
FzfR:R側の永久磁石303bRのZ方向に働く力
FxfR:R側の永久磁石303bRのX方向に働く力
FyfR:R側の永久磁石303aRのY方向に働く力
FxbR:R側の永久磁石303cRのX方向に働く力
FybR:R側の永久磁石303dRのY方向に働く力
FzbR:R側の永久磁石303cRのZ方向に働く力
L側の永久磁石303に働く力の表記は、それぞれ次のとおりである。
FzfL:L側の永久磁石303bLのZ方向に働く力
FxfL:L側の永久磁石303bLのX方向に働く力
FyfL:L側の永久磁石303aLのY方向に働く力
FxbL:L側の永久磁石303cLのX方向に働く力
FybL:L側の永久磁石303dLのY方向に働く力
FzbL:L側の永久磁石303cLのZ方向に働く力
また、可動子301に対して印加される力Tを次式(6)により表記する。なお、Tx、Ty、Tzは、力の3軸成分であり、それぞれ力のX方向成分、Y方向成分及びZ方向成分である。また、Twx,Twy、Twzは、モーメントの3軸成分であり、それぞれモーメントのX軸周り成分、Y軸周り成分及びZ軸周り成分である。本実施形態による搬送装置1は、これら力Tの6軸成分(Tx,Ty,Tz,Twx,Twy,Twz)を制御することにより、可動子301の姿勢を6軸で制御しつつ、可動子301の搬送を制御する。
T=(Tx,Ty,Tz,Twx,Twy,Twz)…式(6)
すると、Tx、Ty、Tz、Twx、Twy、Twzは、それぞれ次式(7a)、(7b)、(7c)、(7d)、(7e)及び(7f)により算出される。
Tx=FxfR+FxbR+FxfL+FxbL …式(7a)
Ty=FyfL+FyfR+FybL+FybR …式(7b)
Tz=FzbR+FzbL+FzfR+FzfL …式(7c)
Twx={(FzfL+FzbL)-(FzfR+FzbR)}*rx3 …式(7d)
Twy={(FzfL+FzfR)-(FzbL+FzbR)}*ry3 …式(7e)
Twz={(FyfL+FyfR)-(FybL+FybR)}*rz3 …式(7f)
このとき、永久磁石303に働く力については、次式(7g)、(7h)、(7i)及び(7j)により表される制限を導入することができる。これらの制限を導入することにより、所定の6軸成分を有する力Tを得るための各永久磁石303に働く力の組み合わせを一意に決定することができる。
FxfR=FxbR=FxfL=FxbL …式(7g)
FyfL=FyfR …式(7h)
FybL=FybR …式(7i)
FzbR=FzbL …式(7j)
次に、コイル電流算出関数505が、各永久磁石303に働く力から各コイル202に印加する電流量を決定する方法について説明する。
まず、N極及びS極の極性がY方向に交互に並んだ永久磁石303a、303dにZ方向の力を印加する場合について説明する。なお、コイル202は、そのZ方向の中心が永久磁石303a、303dのY方向の中心に位置するように配置されている。これにより、永久磁石303a、303dに対してX方向及びZ方向に働く力は、殆ど発生しないようになっている。
Xを可動子301の位置、jを列に並んだコイル202の番号として、単位電流当たりのコイル202(j)のY方向に働く力の大きさをFy(j、X)とし、コイル202(j)に印加する電流をi(j)とする。なお、コイル202(j)は、j番目のコイル202である。この場合、電流i(j)は、次式(8)を満足するように決定することができる。なお、次式(8)は、永久磁石303dRについての式である。他の永久磁石303aR、303aL、303dLについても同様にしてコイル202に印加する電流を決定することができる。
ΣFy(j、X)*i(j)=FybR …式(8)
なお、複数のコイル202が永久磁石303に力を及ぼす場合には、各コイル202が及ぼす力に応じて単位電流当たりの力の大きさで電流を按分することにより、永久磁石303に働く力を一意に決定することができる。
また、図2Bに示すように、永久磁石303は、可動子301のL側及びR側に対称に配置されている。このような永久磁石303の対称配置により、永久磁石303に働く多成分の力、例えば永久磁石303a、303dに働くWxの力、すなわちX軸周りのモーメント成分をL側及びR側の力で相殺することが可能になる。この結果、より高精度な可動子301の姿勢の制御が可能になる。
次に、N極、S極及びN極の極性がX方向に交互に並んだ永久磁石303bに対してX方向及びZ方向に対して独立に力を印加する方法について説明する。図12は、永久磁石303bに対してX方向及びZ方向に独立に力を印加する方法を説明する概略図である。コイル電流算出関数505は、以下に従って、永久磁石303bに対してX方向及びZ方向に対して独立に力を印加するためにコイル202に印加する電流指令値を決定する。なお、永久磁石303cについても、永久磁石303bと同様にX方向及びZ方向に対して独立に力を印加することができる。
Xを可動子301の位置、jを列に並んだコイル202の番号として、単位電流当たりのコイル202(j)のX方向及びZ方向に働く力の大きさを、それぞれFx(j、X)及びFz(j、X)とする。また、コイル202(j)の電流の大きさをi(j)とする。なおコイル202(j)は、j番目のコイル202である。
図12中の上段の図は、横にX軸、縦にY軸を取り、永久磁石303bRに対向する6個のコイル202を抜き出して示す図である。図12中の中段の図は、図12中の上段の図をY方向から見た図である。コイル202には、X方向に並んだ順に1から6までの番号jを付与し、以下では例えばコイル202(1)のように表記して各コイル202を特定する。
図12中の上段及び中段の図に示すように、コイル202は、距離Lのピッチでされている。一方、可動子301の永久磁石303は、距離3/2*Lのピッチで配置されている。
図12中の下段のグラフは、図12中の上段及び中段の図に示す各々のコイル202に対して単位電流を印加した際に発生するX方向の力Fx及びZ方向の力Fzの大きさを模式的に示したグラフである。
簡単のため、図12では、コイル202のX方向の位置の原点Ocをコイル202(3)とコイル202(4)の中間とし、永久磁石303bRのX方向の中心Omを原点としている。このため、図12は、OcとOmとが合致した場合、すなわちX=0の場合を示している。
このとき、例えばコイル202(4)に対して働く単位電流当たりの力は、X方向にFx(4,0)、Z方向にFz(4,0)の大きさである。また、コイル202(5)に対して働く単位電流当たりの力は、X方向にFx(5,0)、Z方向にFz(5,0)の大きさである。
ここで、コイル202(1)~202(6)に印加する電流値をそれぞれi(1)~i(6)とする。すると、永久磁石303bRに対して、X方向に働く力の大きさFxfR及びY方向に働く力の大きさFzfRは、それぞれ一般的に次式(9)及び(10)で表される。
FxfR=Fx(1,X)*i(1)+Fx(2,X)*i(2)+Fx(3,X)*i(3)+Fx(4,X)*i(4)+Fx(5,X)*i(5)+Fx(6,X)*i(6) …式(9)
FzfR=Fz(1,X)*i(1)+Fz(2,X)*i(2)+Fz(3,X)*i(3)+Fz(4,X)*i(4)+Fz(5,X)*i(5)+Fz(6,X)*i(6) …式(10)
上記式(9)及び(10)を満足する電流値i(1)~i(6)をそれぞれコイル202(1)~202(6)に印加されるように電流指令値を決定することにより、永久磁石303bRに対してX方向及びZ方向に独立に力を印加することができる。コイル電流算出関数505は、永久磁石303に対してX方向及びZ方向に独立に力を印加するために、上述のようにしてコイル202(j)に印加する電流指令値を決定することができる。
より簡単のため、図12の場合において、永久磁石303bRに対してコイル202(1)~202(6)のうちのコイル202(3)、202(4)、202(5)だけを使い、さらにこれら3つの電流値の総和が0となるように制御する場合を例に考える。この例の場合、永久磁石303bRに対してX方向に働く力FxfR及びZ方向に働く力FzfRは、それぞれ次式(11)及び(12)により表される。
FxfR=Fx(3,X)*i(3)+Fx(4,X)*i(4)+Fx(5,X)*i(5) …式(11)
FzfR=Fz(3,X)*i(3)+Fz(4,X)*i(4)+Fz(5,X)*i(5) …式(12)
また、コイル202(1)~202(6)の電流値は、次式(13)及び(14)を満足するように設定することができる。
i(3)+i(4)+i(5)=0 …式(13)
i(1)=i(2)=i(6)=0 …式(14)
したがって、永久磁石303bRに対して必要な力の大きさ(FxfR、FzfR)が決定された場合、電流値i(1)、i(2)、i(3)、i(4)、i(5)及びi(6)を一意に決定することができる。こうして決定される電流指令値により可動子301にX方向及びZ方向に力が印加される。可動子301に印加されるX方向の力により、可動子301は、X方向に移動する推進力を得てX方向に移動する。また、こうして決定される電流指令値により可動子301に印加されるX方向及びZ方向の力により、可動子301はその姿勢が制御される。
こうして、統合コントローラ401は、複数のコイル202に印加する電流を制御することにより、可動子301に印加する力の6軸成分のそれぞれを制御する。
なお、可動子301の搬送により永久磁石303bRの中心Omに対してコイル202の中心Ocが移動した場合、すなわちX≠0の場合は、移動した位置に応じたコイル202を選択することができる。さらに、コイル202に発生する単位電流当たりの力に基づいて、上記と同様の計算を実行することができる。
上述のようにして、統合コントローラ401は、複数のコイル202に印加する電流の電流指令値を決定して制御することにより、固定子201上での可動子301の姿勢を6軸で制御しつつ、可動子301の非接触での固定子201上の搬送を制御する。すなわち、統合コントローラ401は、可動子301の搬送を制御する搬送制御手段として機能し、複数のコイル202により永久磁石303が受ける電磁力を制御することにより、固定子201上における可動子301の非接触での搬送を制御する。また、統合コントローラ401は、可動子301の姿勢を制御する姿勢制御手段として機能し、固定子201上における可動子301の姿勢を6軸で制御する。なお、制御装置としての統合コントローラ401の機能の全部又は一部は、コイルコントローラ402その他の制御装置により代替されうる。
このように、本実施形態によれば、2列に配置された複数のコイル202により、可動子301に対して、3軸の力成分(Tx,Ty,Tz)及び3軸のモーメント成分(Twx,Twy,Twz)の6軸の力を印加することができる。これにより、可動子301の姿勢を6軸で制御しつつ、可動子301の搬送を制御することができる。本実施形態によれば、制御すべき変数である力の6軸成分の数よりも少ない列数である2列のコイル202により、可動子301の姿勢の6軸制御しつつ、可動子301の搬送を制御することができる。
したがって、本実施形態によれば、コイル202の列数を少なく構成することができるため、システムの大型化や複雑化を伴うことなく、可動子301の姿勢を制御しつつ、可動子301を非接触で搬送することができる。さらに、本実施形態によれば、コイル202の列数を少なく構成することができるため、安価に小型の磁気浮上型の搬送装置を構成することができる。
また、本実施形態によれば、可動子301の搬送に伴ってYセンサ102及びZセンサ103を切り替える構成であっても、搬送方向に交差する方向における可動子301の位置及び姿勢を広範囲かつ高精度に検出可能となる。また、その検出範囲もリニアスケールの検出幅を広げるだけで分解能を下げることなく容易に広げることが可能である。
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、可動子301に永久磁石303、固定子201にコイル202のムービングマグネット型のリニアモータにより搬送装置1を構成した場合について説明したが、これに限定されるものではない。搬送装置1は、固定子201に永久磁石303、可動子301にコイル202を配置したムービングコイル型のリニアモータにより構成することもできる。
また、本発明による搬送装置は、電子機器等の物品を製造する製造システムにおいて、物品となるワークに対して各作業工程を実施する工作機械等の各工程装置の作業領域にワークを可動子とともに搬送する搬送装置として利用することができる。作業工程を実施する工程装置は、ワークに対して部品の組み付けを実施する装置、塗装を実施する装置等、あらゆる装置であってよい。また、製造される物品も特定のものに限定されるものではなく、あらゆる部品であってよい。
1 搬送装置
3 生産装置
4 制御部
101 Xセンサ
102 Yセンサ
103 Zセンサ
201 固定子
202 コイル
301 可動子
302 ワーク
303 永久磁石
304 Xリニアスケール
305 Yリニアスケール
306 Zリニアスケール
401 統合コントローラ
402 コイルコントローラ
403 コイルユニットコントローラ
404 センサコントローラ

Claims (11)

  1. 固定子と、
    第1のスケールを有し、前記固定子に沿って第1の方向に対して移動可能な可動子と、
    前記第1のスケールに対向可能に設置され、前記可動子の前記第1の方向に交差する第2の方向の位置を検出する複数の第1の検出器と、
    前記可動子の位置及び/又は姿勢を制御する制御部と、を有し、
    前記第1のスケール及び前記第1の検出器は、インクリメンタル式のエンコーダを構成し、
    前記複数の第1の検出器は、前記固定子において前記第1の方向に沿って所定の間隔を空けて配置され、
    前記制御部は、一の前記第1の検出器の検出値による前記可動子の位置情報を、他の前記第1の検出器の検出値による前記可動子の位置情報に基づいて補正する
    ことを特徴とする搬送装置。
  2. 前記複数の第1の検出器は、前記第1のスケールを検出可能な第2の検出器と、前記第2の検出器が前記第1のスケールを検出している際に前記第1のスケールを検出し始める第3の検出器と、を含み、
    前記制御部は、前記第2の検出器の検出値による前記可動子の位置情報に基づいて、前記第3の検出器の検出値による前記可動子の位置情報を補正する
    ことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
  3. 前記複数の第1の検出器は、前記第1のスケールを検出可能な第4の検出器を含み、
    前記第3の検出器は、前記第4の検出器が前記第1のスケールを検出している際に前記第1のスケールを検出し始めるものであり、
    前記制御部は、前記第2の検出器の検出値による前記可動子の位置情報及び前記第4の検出器の検出値による前記可動子の位置情報に基づいて、前記第3の検出器の検出値による前記可動子の位置情報を補正する
    ことを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。
  4. 前記可動子は、第2のスケールを有し、
    前記搬送装置は、前記第2のスケールに対向可能に設置され、前記可動子の前記第1の方向と前記第2の方向とに交差する第3の方向の位置を検出する複数の第5の検出器を有し、
    前記第2のスケール及び前記第5の検出器は、インクリメンタル式のエンコーダを構成し、
    前記複数の第5の検出器は、前記固定子において前記第1の方向に沿って所定の間隔を空けて配置され、
    前記制御部は、一の前記第5の検出器の検出値による前記可動子の位置情報を、他の前記第5の検出器の検出値による前記可動子の位置情報に基づいて補正する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の搬送装置。
  5. 前記制御部は、前記複数の第1の検出器の少なくとも一つの検出値に基づく前記可動子の位置情報に基づき、前記可動子の姿勢を制御する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の搬送装置。
  6. 前記複数の第1の検出器が前記第1の方向に沿って配置された前記所定の間隔は、前記第1のスケールの前記第1の方向に沿った長さ以下である
    ことを特徴とする前記請求項1乃至5のいずれか1項に記載の搬送装置。
  7. 前記可動子は複数の永久磁石を有し、
    前記固定子は複数のコイルを有し、
    前記制御部は、前記複数の永久磁石と前記複数のコイルとの間に働く力を制御する
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の搬送装置。
  8. 前記可動子は複数のコイルを有し、
    前記固定子は複数の永久磁石を有し、
    前記制御部は、前記複数の永久磁石と前記複数のコイルとの間に働く力を制御する
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の搬送装置。
  9. 固定子と、第1のスケールを有し、前記固定子に沿って第1の方向に対して移動可能な可動子と、前記第1のスケールに対向可能に設置され、前記可動子の前記第1の方向に交差する第2の方向の位置を検出する複数の第1の検出器と、を有し、前記第1のスケール及び前記第1の検出器は、インクリメンタル式のエンコーダを構成し、前記複数の第1の検出器は、前記固定子において前記第1の方向に沿って所定の間隔を空けて配置された搬送装置の制御方法であって、
    一の前記第1の検出器の検出値による前記可動子の位置情報を、他の前記第1の検出器の検出値による前記可動子の位置情報に基づいて補正する
    ことを特徴とする搬送装置の制御方法。
  10. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載された搬送装置と、
    前記可動子により搬送されるワークに対して作業を施す生産装置と
    を有することを特徴とする生産システム。
  11. 請求項10に記載の生産システムを用いて物品を製造する物品の製造方法であって、
    前記可動子により前記ワークを搬送する工程と、
    前記可動子により搬送された前記ワークに対して、前記生産装置により前記作業を施す工程と
    を有することを特徴とする物品の製造方法。
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