JP2020167929A - 搬送システム、可動子、制御装置及び制御方法 - Google Patents

搬送システム、可動子、制御装置及び制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた作業性を確保しつつ、可動子の制御性を損なうことなく可動子を非接触で搬送することができる搬送システム、可動子、制御装置及び制御方法を提供する。【解決手段】搬送システムは、軟磁性材料から構成された受力部を有する可動子と、第1の方向に沿って配置された複数のコイルとを有し、可動子は、複数のコイルによる磁界から受力部が受ける力により、複数のコイルに沿って第1の方向に移動可能である。【選択図】図1C

Description

本発明は、搬送システム、可動子、制御装置及び制御方法に関する。
一般に、工業製品を組み立てるための生産ラインや半導体露光装置等では、搬送システムが用いられている。特に、生産ラインにおける搬送システムは、ファクトリーオートメーション化された生産ライン内又は生産ラインの間の複数のステーションの間で、部品等のワークを搬送する。また、プロセス装置中の搬送装置として使われる場合もある。搬送システムとしては、可動子に永久磁石を使った搬送システムが既に提案されている。
可動子に永久磁石を使った搬送システムでは、リニアガイド等を使った案内装置が多く用いられている。しかしながら、リニアガイド等の案内装置を使った搬送システムでは、リニアガイドの摺動部から発生する汚染物質、例えば、レールやベアリングの摩耗片や潤滑油、あるいはそれが揮発したもの等が生産性を悪化させるという問題があった。また、高速搬送時には摺動部の摩擦が大きくなってリニアガイドの寿命を小さくするという問題があった。
そこで、特許文献1及び2には、案内として摺動部を持たない非接触の磁気浮上型の移動装置又は搬送装置が記載されている。特許文献1に記載の移動装置には、可動子の搬送及び姿勢を制御するために合計7列の、特許文献2には合計6列の永久磁石可動型のリニアモータが設置されている。
特開2015−230927号公報 特表2016−532308号公報
特許文献1及び2に記載の装置では、可動子に強力な永久磁石を用いている。このため、特許文献1及び2に記載の装置では、可動子が高温の環境下を通過する場合に永久磁石が減磁することで可動子の搬送制御や姿勢制御の能力が失われることがありうる。また、特許文献1及び2に記載の装置では、装置のメンテナンス時やキャリアを移動させる際に、可動子の永久磁石が周囲の磁性体を引き付けうるため、作業者の怪我を防止する安全確保のための措置等が必要となる結果、作業性が悪化することがありうる。このため、特許文献1及び2に記載の装置では、可動子の制御性を損なうことなく、優れた作業性で可動子を非接触で搬送することは困難である。
本発明は、優れた作業性を確保しつつ、可動子の制御性を損なうことなく可動子を非接触で搬送することができる搬送システム、可動子、制御装置及び制御方法を提供することを目的としている。
本発明の一観点によれば、軟磁性材料から構成された受力部を有する可動子と、第1の方向に沿って配置された複数のコイルとを有し、前記可動子は、前記複数のコイルによる磁界から前記受力部が受ける力により、前記複数のコイルに沿って前記第1の方向に移動可能であることを特徴とする搬送システムが提供される。
本発明の他の観点によれば、軟磁性材料から構成された受力部を有し、第1の方向に沿って配置された複数のコイルによる磁界から前記受力部が受ける力により、前記複数のコイルに沿って前記第1の方向に移動可能であることを特徴とする可動子が提供される。
本発明のさらに他の観点によれば、軟磁性材料から構成された受力部を有し、第1の方向に沿って配置された複数のコイルによる磁界から前記受力部が受ける力により、前記複数のコイルに沿って前記第1の方向に移動可能である可動子を制御する制御装置であって、前記電磁力を制御することにより、前記第1の方向への前記可動子の搬送を制御する搬送制御手段を有することを特徴とする制御装置が提供される。
本発明のさらに他の観点によれば、軟磁性材料から構成された受力部を有し、第1の方向に沿って配置された複数のコイルによる磁界から前記受力部が受ける力により、前記複数のコイルに沿って前記第1の方向に移動可能である可動子を制御する制御方法であって、前記電磁力を制御することにより、前記第1の方向への前記可動子の搬送を制御することを特徴とする制御方法が提供される。
本発明によれば、可動子の制御性を損なうことなく、優れた作業性で可動子を非接触で搬送することができる。
本発明の第1実施形態による搬送システムの構成を示す概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムの構成を示す概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムの構成を示す概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおいて可動子を搬送する方法を説明するための概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおいて可動子を搬送する方法を説明するための概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおいて可動子を搬送する方法を説明するための概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおいて可動子を搬送する方法を説明するための概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおいて可動子の姿勢が安定化される原理を説明するための概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムにおいて可動子の姿勢が安定化される原理を説明するための概略図である。 本発明の第1実施形態による搬送システムを制御する制御システムを示す概略図である。 本発明の第2実施形態による搬送システムの構成を示す概略図である。 本発明の第2実施形態による搬送システムにおける可動子に印加される力を示す概略図である。 本発明の第2実施形態による搬送システムの構成を示す概略図である。 本発明の第2実施形態による搬送システムの構成を示す概略図である。 本発明の第2実施形態による搬送システムにおける可動子のヨーク板に働く力の大きさを模式的に示すグラフである。 本発明の第3実施形態による搬送システムの構成を示す概略図である。 本発明の第3実施形態による搬送システムの構成を示す概略図である。 本発明の第3実施形態による搬送システムの構成を示す概略図である。 本発明の第4実施形態による搬送システムの構成を示す概略図である。 本発明の第5実施形態による搬送システムの構成を示す概略図である。
[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態について図1A乃至図5を用いて説明する。
まず、本実施形態における搬送システムの構成について図1A乃至図1Cを用いて説明する。図1A乃至図1Cは、本実施形態による搬送システムの構成を示す概略図である。図1A乃至図1Cは、本実施形態による搬送システムの主要部分を抜き出して示すものである。図1Aは搬送システムを後述のZ方向から見た図、図1Bは搬送システムを後述のY方向から見た図、図1Cは搬送システムを後述のX方向から見た図である。
図1A乃至図1Cに示すように、本実施形態による搬送システム1は、台車、スライダ又はキャリッジを構成する可動子101aと、搬送路を構成する固定子108とを有している。固定子108は、可動子101aの上方に配置されている。搬送システム1は、ヨーク板102を含む可動子101aを搬送する可動ヨーク型リニアモータによる搬送システムである。さらに、搬送システム1は、複数のコイル109を含む固定子108の各部と非接触で可動子101aを搬送する磁気浮上型の搬送システムとして構成されている。
搬送システム1は、例えば、固定子108により可動子101aを搬送することにより、可動子101aに載置されたワーク107を、ワーク107に対して加工作業を施す工程装置に搬送する。なお、図1A乃至図1Cでは、固定子108に対して1台の可動子101aを示しているが、これに限定されるものではない。搬送システム1においては、複数台の可動子101aが固定子108により搬送されうる。以下の説明では、可動子101aのほか、可動子101b等のように可動子101aの符号のアルファベットを変更した符号を用いて可動子を参照することがあるが、当該可動子の構成は、特段の説明のないかぎり可動子101aの構成と同様である。
ここで、以下の説明において用いる座標軸、方向等を定義する。まず、可動子101aの搬送方向である水平方向に沿ってX軸をとり、可動子101aの搬送方向をX方向とする。また、X方向と直交する方向である鉛直方向に沿ってZ軸をとり、鉛直方向をZ方向とする。また、X方向及びZ方向に直交する方向に沿ってY軸をとり、X方向及びZ方向に直交する方向をY方向とする。さらに、X軸周りの回転方向をWx方向、Y軸周りの回転方向をWy方向、Z軸周りの回転方向をWz方向とする。さらに、各方向において正の方向及び負の方向を区別する場合には、例えば、「Y+方向」、「Y−方向」等のように、それぞれ「+」及び「−」を「方向」の直前に付して区別する。なお、可動子101aの搬送方向は必ずしも水平方向である必要はないが、その場合も搬送方向をX方向として同様にY方向及びZ方向を定めることができる。
図1A乃至図1Cに示すように、可動子101aは、ヨーク板102と、ワーク置き台104と、リニアスケール207とを有している。可動子101aは、例えば、ワーク107に対して加工作業を施す工程装置にワーク107を搬送するための台車、スライダ又はキャリッジとして機能する。可動子101aは、以下に述べるように、固定子108の複数のコイル109に電流を流すことにより形成される磁場(磁界)からヨーク板102が受ける力(電磁力)により、Z方向に浮上するとともに姿勢が制御されつつ、X方向に移動可能になっている。可動子101aは、永久磁石が使用されずに構成されている。
ヨーク板102は、可動子101aの上面に取り付けられている。
ヨーク板102は、ヨーク板突極部103を有している。具体的には、ヨーク板102のY方向における両端部には、それぞれヨーク板突極部103が形成されている。各ヨーク板突極部103は、固定子108の複数のコイル109の側に向かって上方に突出したヨーク板102の部分である。すなわち、ヨーク板突極部103は、複数のコイル109の側に向かって突出した突極部である。2つのヨーク板突極部103は、可動子101aの搬送方向であるX方向と直交するY方向に沿って配置されている。なお、ヨーク板突極部103は、3つ以上の複数であってもよい。また、複数のヨーク板突極部103は、Y方向等の搬送方向と交差する方向に沿って配置することができる。
ヨーク板102は、固定子108のコイル109に電流を流すことにより形成される磁場から力(電磁力)を受ける受力部として機能する。ヨーク板102は、コイル109により電磁力を受ける部分として、ヨーク板突極部103を有している。ヨーク板102には、少なくとも、コイル109が常に2つ以上対向することが必要である。つまり、ヨーク板102の搬送方向(X方向)の長さは、搬送方向(X方向)に並ぶ、コイル109の2つ以上の長さであることが好ましい。
受力部として機能するヨーク板102は、比透磁率の大きい物質、具体的には、軟磁性材料から構成されている。軟磁性材料とは、外部磁場をかけると磁化されるが、外部磁場を除くと磁化が消える磁性材料である。具体的には、ヨーク板102は、例えば積層された珪素鋼板から構成されている。なお、ヨーク板102の材料としては、特に限定されるものではなく、珪素鋼のほか、鉄、パーマロイ、センダスト等の種々の軟磁性材料を用いることができる。
ワーク置き台104は、例えば、可動子101aの下面に取り付けられている。ワーク107は、ワーク置き台104の上に載置されて搬送される。例えば、ワーク置き台104は、可動子101aの下面に吊設された棚部を有している。この場合、ワーク107は、ワーク置き台104の棚部に載置されて搬送される。なお、ワーク置き台104の取り付け位置及び形状は、特に限定されるものではなく、ワーク107の大きさ、形状等により適宜設計することができる。
リニアスケール207は、可動子101aのX方向に沿った側面にX方向に沿って取り付けられている。リニアスケール207は、後述するX方向センサ204により可動子101aのX方向の位置を検出するために読み取られるパターンを有している。
固定子108は、複数のコイル109を有している。複数のコイル109は、可動子101aの搬送方向であるX方向に沿って架設された梁106に連結部材112により固定されている。複数のコイル109は、搬送方向であるX方向に沿って列状に配置されている。列状に配置された複数のコイル109は、可動子101aの上方に配置されている。こうして、固定子108は、可動子101aの上方に列状に配置された複数のコイル109を含むコイル列を1列有している。
また、固定子108は、X方向センサ204と、Z方向センサ206とを有している。X方向センサ204は、対向する可動子101aのX方向の位置を検出することができる。Z方向センサ206は、対向する可動子101aのZ方向の位置を検出することができる。X方向センサ204及びZ方向センサ206は、それぞれブラケット205及び不図示の部材を介して梁106に固定されている。
X方向センサ204は、可動子101aの側面に取り付けられたリニアスケール207のパターンを読み取ることにより、X方向センサ204に対するリニアスケール207の相対的な位置を検出することができる。これにより、X方向センサ204は、可動子101aのX方向の位置を検出することができる。
Z方向センサ206は、可動子101aに取り付けられた不図示のリニアスケールを読み取ることにより又は可動子101aに取り付けられた不図示のターゲットとの間の相対距離を検出することにより、可動子101aのZ方向の位置を検出することができる。
X方向センサ204及びZ方向センサ206は、それぞれ可動子101aの搬送方向であるX方向に沿って複数配置されている。X方向センサ204及びZ方向センサ206は、それぞれ可動子101aが搬送路上のどの位置にあっても検出できるような間隔で配置されている。
コイル109は、図1Cに示すように、鉄心113と、巻線部110と、永久磁石111とを含んでいる。鉄心113には、巻線部110と永久磁石111とがY方向に沿って並ぶように設けられている。コイル109は、後述する制御システム3により、印加される電流、すなわち、その巻線部110の電線に流れる電流が制御されるようになっている。
コイル109は、電流が制御されることにより、可動子101aのヨーク板102との間で電磁力を発生させて可動子101aに対して力を印加することができる。コイル109とヨーク板102との間に働く電磁力は、可動子101aをZ方向に浮上させる浮上力及び可動子101aをX方向に推進させる推進力となる。
巻線部110は、Y方向に沿った軸を中心軸として鉄心113に巻かれた電線を有している。巻線部110の電線に流れる電流は、後述のように制御システム3により制御される。
永久磁石111は、Y方向において巻線部110に隣接するように鉄心113に組み込まれ又は鉄心113の一部と置換されている。永久磁石111は、互いに極性が異なる磁極がY方向に並ぶようにコイル109の磁気回路内に配置されている。なお、コイル109に含まれる永久磁石111は、そのコイル109の磁気回路内に含まれるように鉄心113に設けられていればよい。永久磁石111がコイル109に含まれていることにより、コイル109により可動子101aに力を印加する際に、コイル109の通電による消費電力を抑制することができる。ただし、永久磁石111は、必ずしもコイル109に含まれている必要はない。
鉄心113は、コイル突極部141を有している。具体的には、鉄心113のY方向における両端部には、それぞれ巻線部110及び永久磁石111の外側に位置するようにコイル突極部141が形成されている。各コイル突極部141は、可動子101aのヨーク板突極部103に対向可能なように下方に突出した鉄心113の部分である。すなわち、コイル突極部141は、可動子101aの側に向かって突出した突極部である。各コイル突極部141は、ヨーク板突極部103とXY平面同士が対向可能に構成されている。なお、XY平面は、X軸とY軸とがなす平面と平行な平面である。
コイル109における永久磁石111及び巻線部110の起磁力による磁束140は、主に次のように磁路を通過する。すなわち、磁束140は、鉄心113を通過し、コイル突極部141とヨーク板突極部103との間の空間を通過して、ヨーク板102を通過する。さらに、磁束140は、ヨーク板102を通過し、ヨーク板突極部103とコイル突極部141との間の空間を通過して、鉄心113を通過する。こうして、コイル109及びヨーク板102には、コイル突極部141とヨーク板突極部103との間の空間を介して、磁束140の磁気回路が形成される。
コイル109とヨーク板102との間には、可動子101aをZ方向に浮上させる浮上力となる吸引力が働く。以下に、コイル109とヨーク板102との間の吸引力の変化の大きさが、巻線部110の電流に対して線形の関係であることを示す。
コイル109の起磁力Fm[A]は、永久磁石111の保磁力をHm[A/m]、永久磁石111の長さをlm[m]、巻線部110の電線に流れる電流をI[A]、巻線部110の巻数をN[回]として、次式(1)で表される。なお、以下に示す式では、”*”を乗算の記号として用いるが、数値と記号との乗算では”*”を適宜省略する。
Fm=Hm*lm+N*I −−式(1)
また、磁束140の経路中の磁気抵抗Rm[A/Wb]は、次式(2)で表される。ただし、ヨーク板突極部103とコイル突極部141の間のギャップをg[m]とし、永久磁石の長さをlm[m]、真空の透磁率をμ0、磁路の断面積をSm[m]とする。また、鉄心113の比透磁率が十分に大きく磁束140の漏れが十分に小さいと仮定し、コイル突極部141とヨーク板突極部103との間の空間のギャップgが2回現れることに注意する。
Rm=(lm+2g)/(Sm*μ0) −−式(2)
すると、磁路を通過する磁束Φ[Wb]は、次式(3)で表される。
Φ=Fm/Rm
=(Hm*lm+N*I)*Sm*μ0/(lm+2g) −−式(3)
また、磁束密度B[Wb/m]は、次式(4)で表される。
B=Φ/Sm
=(Hm*lm+N*I)*μ0/(lm+2g) −−式(4)
また、ヨーク板突極部103とコイル突極部141の間に働く吸引力の大きさFzは、次式(5)及び(6)で表される。
Fz=(1/2)*Sm*B/μ0 −−式(5)
=(1/2)*Sm*μ0*(Hm*lm+N*I)/(lm+2g) −−式(6)
さらに、巻線部110が作る起磁力より永久磁石111が作る起磁力のほうが十分に大きい場合、すなわち次式(7)を満足する場合を考える。
N*I<<Hm*lm −−式(7)
この場合、C0及びC1を定数とすれば、式(6)で表されたFzは、さらに次式(8)で表される。
Fz=(1/2)*Sm*μ0*(Hm*lm+N*I)/(lm+2g)
=C0*(Hm*lm)*{1+N*I/(Hm*lm)}
≒C1*{1+2N*I/(Hm*lm)} −−式(8)
したがって、可動子101aに対して働くZ方向の力(Fz)の変化ΔFz、すなわち電流Iの場合のFzと電流Iが0の場合のFzとの差は、C2を定数とすれば次式(9)で表される。
ΔFz≒C2*I −−式(9)
式(9)により、コイル109とヨーク板102との間の吸引力の変化の大きさであるΔFzが、電流値Iに対して線形な関係があることが示された。
同様に、ギャップgの変動の大きさΔgがlm+2gに対して十分小さい、すなわち次式(10)を満足する場合を考える。
Δg<<lm+2g −−式(10)
この場合、C3及びC4を定数とすれば、式(6)で表されたFzは、さらに次式(11)で表される。
Fz=(1/2)*Sm*μ0*(Hm*lm+N*I)/{lm+2(g+Δg)}
=C3/{lm+2(g+Δg)}
=C3*(lm+2g+2Δg)−2
=C3*{(lm+2g)*[1+2Δg/(lm+2g)]}−2
≒C4*{1−4Δg/(lm+2g)} −−式(11)
したがって、吸引力Fzの変化の大きさΔFzは、次式(12)に示されるようにギャップgの変動Δgに対して線形な関係があることが示された。
ΔFz=−4*C4*Δg/(lm+2g) −−式(12)
したがって、図1Cに示される可動子101aの運動方程式は、重力と永久磁石の吸引力が釣り合う平衡点の近傍では次式(13)で表される。ただし、可動子101aの質量をm[kg]、Ks及びKiを定数、dZ/dtを位置Zに対する2階の時間微分記号とする。なお、可動子101aの質量mは、可動子101aにワーク107が搭載されていれば、そのワーク107の質量をも含む。
m*dZ/dt=Ks*Δg+Ki*I −−式(13)
また、可動子101aの浮上高さが検出可能であれば、制御可能であることが制御理論上一般に知られている。本実施形態による搬送システム1では、Z方向センサ206により可動子101aの浮上高さを検出することができる。
したがって、図1A乃至図1Cに示す搬送システム1では、コイル109の巻線部110の電線に流す電流Iの大きさを制御することで、可動子101aのZ方向における位置を制御することが可能である。
一例として、Sm、lm、Hm及びgがそれぞれ次に示す値である場合を考える。
Sm=30[mm]*30[mm]=0.0009[m
lm=0.02[m]
Hm=900[kA/m]
g=0.01[m]
この場合、吸引力の大きさFzは約110Nと計算できるので、コイル109の吸引力で約10kgの質量の可動子101aを磁気的に吊り下げ可能であることがわかる。
また、ギャップgの変動の大きさΔgが仮に1mm程度だとすると、吸引力Fzの変化の大きさの割合Pfは、式(11)によれば次式(14)に従って2.5%と計算される。
Pf=Δg/(lm+2g)
=1.0[mm]/(20[mm]+2*10[mm])
=0.025=2.5[%] −−式(14)
一方、電流Iによる吸引力の変化の大きさの割合Pfは、式(8)から次式(15)で表される。
Pf=2N*I/Hm*lm −−式(15)
仮に巻き数Nを100回とすれば、式(14)及び(15)より、次式(16)が成り立つ。
2*100*I/(900[kA/m]*0.02[m])=0.025 −−式(16)
式(16)より、電流Iは、次式(17)に従って2.25[A]と計算される。
I=0.025*900*1000*0.02/(2*100)=2.25[A] −−式(17)
このように計算された程度の電流であれば、可動子110aのZ方向の位置を制御可能であることがわかる。
次に、可動子101aを搬送方向であるX方向に移動制御する方法についてさらに図2A及び図2Bを用いて説明する。
図2Aは、可動子101a及びコイル109をY方向から見た図である。図2Aにおいて、3つのコイル109には、それぞれ番号j−1、j、j+1が付与されている。以下の説明では、番号j−1のコイル109を「コイルj−1」、番号jのコイル109を「コイルj」、番号j+1のコイル109を「コイルj+1」と称する。図2Aにおいて、可動子101aはコイル番号jの直下に位置している。また、コイルj−1、j、j+1により可動子101aのヨーク板102に働く力をそれぞれF1、F2、F3で示している。また、可動子101aに働く重力をmgで示している。
図2Bは、横軸に可動子101aの位置を、縦軸にコイル番号j−1、j、j+1に対して電流を印加した場合に発生するX方向及びZ方向の電磁力の大きさを模式的に表した図である。図2B及び後述の図3Bにおいて、Fx及びFzは、それぞれ単位電流を印加した場合に発生するX方向及びZ方向の電磁力を示している。また、Fx(i)は、単位電流を印加した場合におけるコイルiと可動子101aとの間に働くX方向の力を意味する。また、Fz(i)は、単位電流を印加した場合におけるコイルiと可動子101aとの間に働くZ方向の力を意味する。ただし、iは、j−1、j、j+1のいずれかである。図2Bは、図2Aに示す位置に可動子101aがある場合におけるFx(i)及びFz(i)をそれぞれ黒丸及び白丸で示している。
図2Aに示す場合において、コイル109の永久磁石111が発生する磁束により、可動子101aとコイル109との間には、常に吸引力が働いている。このとき、巻線部110の電線に流れる電流Iが永久磁石111の作る磁束を強める方向に働けば、吸引力が大きくなる。一方、電流Iが永久磁石111の作る磁束を弱める方向に働けば、吸引力を弱めることになり、相対的には斥力としてみなすことができる。
ここで、コイルjに正の電流を印加すると吸引力を強め、負の電流を印加すると吸引力が弱まるとする。すると、例えば、図2Aの位置に可動子101aがある場合、コイルj−1に負の電流を、コイルj+1に正の電流を印加すれば、可動子101aには、X方向に正の力が働く。
コイルj−1、j、j+1のそれぞれに印加される電流により発生する力は、コイル毎に独立している。このため、可動子101aに働くX方向の力Fx及びZ方向の力Fzは、コイルiに印加される電流をI(i)とし、Σをiについての積分記号として、次式(18A)及び(18B)で表される。ただし、Fx(i)、Fz(i)及びiは、上述したとおりである。
Fx=ΣFx(i)*I(i) −−式(18A)
Fz=ΣFz(i)*I(i) −−式(18B)
可動子101aの姿勢に応じて必要なトルクが決定された場合に、電流I(i)を適当に選択してFx、Fzを決定することにより、可動子101aの姿勢を制御することができる。なお、電流I(i)は、例えば、次式(19)で表される条件を追加することにより、式(18A)及び(18B)とあわせて一意に決定することができる。
ΣI(i)=0 −−式(19)
図2Bに示す位置から正のX方向に可動子101aを移動させると、各コイル109による力を表す黒丸及び白丸は、Fx及びFzを示す各プロファイルの上を正のX方向に移動していく。
図3Aは、可動子101aがコイルjとコイルj+1との中間に位置している場合における可動子101a及びコイル109をY方向から見た図である。図3Bは、図2Bと同様に、横軸に可動子101aの位置を、縦軸にコイル番号j−1、j、j+1に対して電流を印加した場合に発生するX方向及びZ方向の電磁力の大きさを模式的に表した図である。図3Bは、図3Aに示す位置に可動子101aがある場合におけるFx(i)及びFz(i)をそれぞれ黒丸及び白丸で示している。
図3A及び図3Bに示す場合も、式(18A)、(18B)及び(19)からFx及びFzを決定することができる。したがって、可動子101aの姿勢を制御することが可能である。
このように、可動子101aの移動に応じて対象となるコイル109を切り替えながら各々のコイル109と可動子101aとの間に働く力の大きさを求めて、各々印加する電流値Iを制御することができる。これにより、可動子101aの搬送方向であるX方向への力を可動子101aに印加することができる。
また、Z方向への制御と同様に、可動子101aのX方向への変位が検出可能であり、X方向への力の印加が電流値に対して線形で制御可能な場合(式(18A)参照)、可動子101aのX方向の位置の制御が可能であることが制御理論上知られている。本実施形態による搬送システム1では、X方向センサ204により可動子101aのX方向への変位を検出することができる。したがって、搬送システム1では、可動子101aの搬送方向であるX方向における位置の制御が可能である。
また、本実施形態による搬送システム1において、ヨーク板突極部103とコイル突極部141との間には、コイル109による電磁力により常に吸引力が働いている。このため、可動子101aに対するY方向の変位、及びWz方向(Z軸周りの回転方向)の変位には、ヨーク板突極部103とコイル突極部141とが対向する面積を大きくするような磁気的な復元力が働く。これにより、本実施形態では、可動子101aの姿勢を制御して安定化しつつ、可動子を搬送することができる。この点について図4Aを用いて説明する。図4Aは、Z方向から見た可動子101b、101cを示している。可動子101b、101cは、可動子101aと同様の構成を有している。
図4Aに示すように、可動子101bは、Wz+方向に僅かに回転している。この場合、ヨーク板突極部103とコイル突極部141との間に働く吸引力のため、可動子101bには、Wz−方向に回転させようとするモーメント力Twzが働く。この結果、可動子101bの姿勢は復元される。
一方、可動子101cは、Y+方向に僅かに移動している。この場合、ヨーク板突極部103とコイル突極部141との間に働く吸引力のため、可動子101cには、Y−方向の力Fyが働く。この結果、可動子101cの姿勢は復元される。
また、上記のほか、Wx方向(X軸周りの回転方向)、Wy方向(Y軸周りの回転方向)の変位に対しては、可動子101aに働く重力に伴うモーメント力が復元力として可動子101aに働く。この点について図4Bを用いて説明する。図4Bは、Y方向から見た可動子101dを示している。可動子101dは、可動子101aと同様の構成を有している。
図4Bに示すように、可動子101dは、Y方向に沿った軸P1を回転軸としてWy−方向に僅かに回転している。この場合、ヨーク板突極部103はコイルj−1に近く、コイルj+1からは遠くなるため、吸引力のバランスから軸P1周りにWy−方向の回転モーメントが可動子101dに生じる。
ここで、Wy−方向への回転角度をθ、軸P1から可動子101dの重心Gまでの距離をL、可動子101dの重心Gに働く重力をmgとする。また、回転角度θの回転によりコイルj−1、j、j+1により可動子101dのヨーク板102に働く力F1、F2、F3が作る回転モーメントの大きさをT(θ)とする。このとき、次式(20)を満足するようにコイルj−1、j、j+1に印加する電流を制御する。
T(θ)<L*θ*mg −−式(20)
これにより、可動子101dの重心Gに働く重力mgと軸P1から重心Gまでの距離LによりWy+方向に生じる回転モーメント(L*θ*mg)がT(θ)を上回り、その結果、可動子101dの姿勢が復元される。可動子101dがWx方向に回転した場合も同様にして可動子101dの姿勢が復元される。
また、Wy方向に振動成分が残る場合は、Wyの回転量が検出できるようにZ方向センサ206の間隔を狭めて常時2個以上のZ方向センサ206が可動子101dを検出できるように構成することができる。この場合、検出されたWy方向の回転量に基づき、コイルj−1、j、j+1により可動子101dのヨーク板102に働く力F1、F2、F3の大きさを制御することで、Wy方向の振動を抑制又は除去することができる。
以上のようにして、本実施形態による搬送システム1では、コイル109に印加する電流、すなわちコイル109の巻線部110に流す電流を制御することにより、永久磁石を含まない可動子101aを浮上させて非接触で搬送することができる。可動子101aが永久磁石を含まないため、可動子101aが高温の環境下を通過する場合、永久磁石の減磁を原因として可動子101aの搬送制御や姿勢制御の能力が失われることはない。また、搬送システム1のメンテナンス時や可動子101aを移動させる際に、可動子101aの周囲の磁性体が可動子101aに引き付けられることもないため、優れた作業性を確保することができる。したがって、本実施形態によれば、優れた作業性を確保しつつ、可動子101aの制御性を損なうことなく可動子101aを非接触で搬送することができる。
以下、コイル109に印加する電流を制御して搬送システム1を制御する制御システムについてさらに図5を用いて説明する。図5は、搬送システム1を制御する制御システム3を示す概略図である。なお、図5では、2台の可動子101a、101bを示しているが、可動子の台数はこれに限定されるものではなく、1台であっても複数台であってもよい。
図5に示すように、制御システム3は、統合コントローラ301と、コイルコントローラ302と、センサコントローラ304とを有し、搬送システム1を制御する制御装置として機能する。統合コントローラ301には、コイルコントローラ302及びセンサコントローラ304がそれぞれ通信可能に接続されている。
コイルコントローラ302には、複数の電流コントローラ303が通信可能に接続されている。各電流コントローラ303には、対応するコイル109が接続されている。電流コントローラ303は、接続されたコイル109に印加する電流の大きさを制御することができる。
コイルコントローラ302は、接続された各々の電流コントローラ303に対して目標となる電流値を指令する。電流コントローラ303は、コイルコントローラ302により指令された電流値に従って、接続されたコイル109に印加する電流量を制御する。
複数の電流コントローラ303は、可動子101a、101bの搬送方向に沿って配置された複数のコイル109に対応して、搬送方向に沿って取り付けられている。
センサコントローラ304には複数のX方向センサ204及び複数のZ方向センサ206が通信可能に接続されている。
複数のX方向センサ204は、可動子101a、101bの搬送中、そのうちの1つが必ず1台の可動子101a又は可動子101bの位置を測定できるような間隔で配置されている。また、複数のZ方向センサ206は、可動子101a、101bの搬送中、そのうち1つが必ず1台の可動子101a又は可動子101bの位置を測定できるような間隔で配置されている。
統合コントローラ301は、複数のコイル109に印加する電流の電流指令値を決定して制御することにより、可動子101aの姿勢を制御しつつ、可動子101aの非接触での搬送を制御する。すなわち、統合コントローラ301は、可動子101の搬送を制御する搬送制御手段として機能し、複数のコイル109によりヨーク板102が受ける電磁力を制御することにより、可動子101aの非接触での搬送を制御する。また、統合コントローラ301は、可動子101aの姿勢を制御する姿勢制御手段として機能し、複数のコイル109によりヨーク板102が受ける電磁力を制御することにより、可動子101aの姿勢を制御する。なお、制御装置としての統合コントローラ301の機能の全部又は一部は、コイルコントローラ302その他の制御装置により代替されうる。
搬送システム1における可動子101a、101bは、制御システム3によりコイル109に印加される電流が制御されることにより、Z方向に浮上しつつ非接触でX方向に搬送される。可動子101a、101bは上述のようにWx方向、Wy方向、Wz方向及びY方向の復元力が働きながら搬送されるため、搬送中の可動子101a、101bの姿勢を維持することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について図6A乃至図8を用いて説明する。図6A、図7A及び7Bは、本実施形態による搬送システムの構成を示す概略図である。図6Bは、本実施形態による搬送システムにおける可動子に印加される力を示す概略図である。図8は、本実施形態による搬送システムにおける可動子のヨーク板に働く力の大きさを模式的に示すグラフである。なお、上記第1実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
図6A、図7A及び図7Bは、本実施形態による搬送システムの主要部分を抜き出して示すものである。図6Aは、搬送システムをZ方向から見た図である。図7A及びBは、搬送システムをX方向から見た図である。
複数のコイル109を含むコイル列が1列であった図1A乃至図1Cに示す第1実施形態とは異なり、本実施形態による搬送システム10では、図6Aに示すように、複数のコイル列、具体的には2列のコイル列114L、114Rが互いに並ぶように配置されている。コイル列114L、114Rは、それぞれ搬送方向であるX方向に列状に配置された複数のコイル109を含んでいる。コイル列114L、114Rにそれぞれ含まれるコイル109は、第1実施形態によるコイル109と同様の構成を有している。制御システム3は、コイル列114L、114Rの複数のコイル109に印加する電流を制御することにより、可動子101eの搬送を制御することができる。
また、本実施形態による搬送システム10は、可動子101eに6個のヨーク板102−lb、102−lc、102−lf、102−rb、102−rc、102−rfが設けられている点で、第1実施形態とは異なっている。
ヨーク板102−lb、102−lc、102−lfは、コイル列114Lに対応するように設けられている。ヨーク板102−lb、102−lfは、X方向に沿って並んで配置されている。ヨーク板102−lcは、ヨーク板102−lbとヨーク板102−lfとの間にヨーク板102−lb、102−lfよりも可動子101eの外側に位置するように配置されている。
ヨーク板102−rb、102−rc、102−rfは、コイル列114Rに対応するように設けられている。ヨーク板102−rb、102−rfは、X方向に沿って並んで配置されている。ヨーク板102−rcは、ヨーク板102−rbとヨーク板102−rfとの間にヨーク板102−rb、102−rfよりも可動子101eの外側に位置するように配置されている。
ヨーク板102−lbとヨーク板102−rbとは、Y方向に沿って並んで配置されている。また、ヨーク板102−lcとヨーク板102−rcは、Y方向に沿って並んで配置されている。また、ヨーク板102−lfとヨーク板102−rfとは、Y方向に沿って並んで配置されている。
ヨーク板102−lb、102−lfは、図7Bに示すように、それぞれ第1実施形態と同様にヨーク板突極部103がコイル109のコイル突極部141とXY平面同士が対向可能なように構成されている。同様に、ヨーク板102−rb、102−rfも、図7Bに示すように、それぞれ第1実施形態と同様にヨーク板突極部103がコイル109のコイル突極部141とXY平面同士が対向可能なように構成されている。
一方、ヨーク板102−lcは、図7Aに示すように、ヨーク板突極部103がコイル109のコイル突極部141とXZ平面同士が対向可能なように構成されている。同様に、ヨーク板102−rcも、図7Aに示すように、ヨーク板突極部103がコイル109のコイル突極部141とXZ平面同士が対向可能なように構成されている。なお、XZ平面は、X軸とZ軸とがなす平面と平行な平面である。ヨーク板102−lc、102−rcにおいて、ヨーク板突極部103の内側のXZ平面は、コイル突極部141の外側のXZ平面と対向可能になっている。また、ヨーク板102−lc、102−rcにおいて、ヨーク板突極部103の外側のXZ平面は、コイル突極部141の内側のXZ平面と対向可能になっている。
また、本実施形態による搬送システム10では、可動子101eの姿勢、具体的にはY方向及びWz方向の各々の方向の変位をも検出するため、図6Aに示すように、Y方向センサ209が追加されている。Y方向センサ209は、可動子101eの位置に関わらず常に2個以上のY方向センサ209が可動子101eのY方向の位置を検出できる間隔で配置されている。
統合コントローラ301は、可動子101eのY方向の位置を検出した2個以上のY方向センサ209の出力値を使って、例えば最小二乗法により可動子101eのY方向及びWz方向の変位の大きさを算出することができる。
また、Z方向センサ206は、可動子101eの位置に関わらず常に3個以上のZ方向センサ206が可動子101eのZ方向の位置を検出できる間隔で配置されている。
統合コントローラ301は、可動子101eのZ方向の位置を検出した3個以上のZ方向センサ206の出力値を使って、例えば平面の最小二乗法により可動子101eの基準面に対する検出面の高さ及び傾きを算出することができる。すなわち、統合コントローラ301は、可動子101eのZ方向、Wx方向及びWy方向の各々の方向の変位を算出することができる。
制御システム3は、以上の方法により、Y方向センサ209及びZ方向センサ206によって可動子101eの姿勢、具体的にはY方向、Z方向、Wx方向、Wy方及びWz方向の各々の方向の変位を検出することができる。なお、各方向の変位の算出は、統合コントローラ301が行うほか、センサコントローラ304が行ってもよい。
次に、本実施形態による搬送システム10において可動子101eに力を印加する方法について図6B乃至図8を用いて説明する。図6Bは、図6Aに示す可動子101eにおいて各ヨーク板に印加される力を示している。図7A及び図7Bも、可動子101eにおいて各ヨーク板に印加される力を示している。各図において双方向の矢印で示される力は、いずれの方向にも働きうることを示している。
図7Aは、ヨーク板102−lc、102−rcに印加される力を説明する図である。図7Aに示すように、ヨーク板102−lcとコイル109とは、それらのXZ平面同士が対向するように構成されている。このようにヨーク板102−lc、102−rcを構成することにより、磁束140を強める方向にコイル109に電流Iを印加すれば、ヨーク板突極部103とコイル突極部141との間隔をより小さくする方向にヨーク板102−lcに力が働く。また、磁束140を弱める方向にコイル109に電流Iを印加すれば、ヨーク板突極部103とコイル突極部141の間隔をより大きくする方向に力が働く。
例えば、図7Aにおいて、ヨーク板102−lcに対向するコイル109には正方向の電流(磁束140を強める方向)を印加し、ヨーク板102−rcに対向するコイル109には負方向の電流(磁束140を弱める方向)を印加する。この場合、可動子101eに働く力として、Y+方向への力を生成することができる。
図8は、図2Bや図3Bと同様、ヨーク板102−lc近傍のコイル109に単位電流を印加した場合にヨーク板102−lcにY方向に働く力の大きさを模式的に示すグラフである。なお、ヨーク板102−rcにY方向に働く力についても同様に考えることができる。図8において、コイルiとヨーク板102−lcとの間に働くY方向の力F(i)を白丸で示している。ただし、iは、j−2、j−1、j、j+1、j+2のいずれかである。
このとき、I(i)をコイルiに印加する電流の大きさとし、Σをiについての積分記号として、ヨーク板102−lcに働く力Fyは、次式(21)で表される。
Fy=ΣFy(i)* I(i) −−式(21)
ここで、Cを定数として、次式(22)を満足するようにヨーク板102−lc及びコイルiを設計する。
I(i)=C*Fy(i) −−式(22)
すると、式(21)及び(22)から次式(23)が成立する。
Fy=ΣFy(i)*C*Fy(i) −−式(23)
式(23)から定数Cを計算することができ、コイルiに印加する電流を一意に決定することができる。
このようにヨーク板102−lc、102−rcを構成することで、コイル109に印加する電流を使って可動子101eに働くY方向への力を制御することが可能になる。ヨーク板102−lc、102−rcは、複数のコイル109により、搬送方向であるX方向及び可動子101eが浮上する方向であるZ方向と交差する方向であるY方向の電磁力を受ける受力部として機能する。
図7Bは、ヨーク板102−lb、102−lf、102−rb、102−rfに印加される力について説明した図である。これらのヨーク板102−lb、102−lf、102−rb、102−rfには、第1実施形態と同様の原理でX方向及びZ方向への力の印加を行うことができる。ヨーク板102−lb、102−lf、102−rb、102−rfは、複数のコイル109により、搬送方向であるX方向及びX方向と交差するZ方向の電磁力を受ける受力部として機能する。
図6Bは、図6Aに示す6個のヨーク板102−lb、102−lc、102−lf、102−rb、102−rc、102−rfで生成できる力を模式的に図示したものである。なお、図6Bに示すように、ヨーク板102−lb、102−lfは、可動子101eの中心OからそれぞれY方向に距離rx3だけY方向の互いに同じ側に離れた位置に配置されている。また、ヨーク板102−lb、102−lfは、可動子101eの中心OからそれぞれX方向に距離ry3だけX方向の互いに反対側に離れた位置に配置されている。同様に、ヨーク板102−rb、102−rfは、可動子101eの中心OからそれぞれY方向に距離rx3だけY方向の互いに同じ側に離れた位置に配置されている。また、ヨーク板102−rb、102−rfは、可動子101eの中心OからそれぞれX方向に距離ry3だけX方向の互いに反対側に離れた位置に配置されている。
ヨーク板102−lbでは、Z方向の力FzbL及びX方向の力FxbLが生成できる。また、ヨーク板102−lfでは、Z方向の力FzfL及びX方向の力FxfLが生成できる。また、ヨーク板102−lcでは、Y方向の力FycLが生成できる。
同様に、ヨーク板102−rbでは、Z方向の力FzbR及びX方向の力FxbRが生成できる。また、ヨーク板102−rfでは、Z方向の力FzfR及びX方向の力FxfRが生成できる。また、ヨーク板102−rcでは、Y方向の力FycRが生成できる。
搬送システム10において、可動子101eを搬送するためには、センサ群から得られた可動子101eの姿勢や位置に関する情報から必要な力及びトルクを適切な制御器で生成して印加すればよい。制御器としては、例えばPID制御器を用いることができる。
ここで、可動子101eに対して印加される力をトルクベクトルT及び力ベクトルFとして、次式(24)及び(25)でそれぞれ定義する。
T=(Tx,Ty,Tz,Twx,Twy,Twz) −−式(24)
F=(FzfL,FzbL,FzbR,FzfR,FxfL,FxbL,FxbR,FxfR,FycL,FycR) −−式(25)
すると、次式(26)−(31)が成立する。
Tx=FxbL+FxfL+FxbR+FxfR −−式(26)
Ty=FycL+FycR −−式(27)
Tz=FzbL+FzfL+FzbR+FzfR −−式(28)
Twx={(FzbL+FzfL)−(FzbR+FzfR)}*rx3 −−式(29)
Twy={(FzbL+FzbR)−(FzfL+FzfR)}*ry3 −−式(30)
Twz={(FxbR+FxfR)−(FxbL+FxfL)}*rx3 −−式(31)
これら6つの式(26)−(31)を満足する力ベクトルFは無数に存在するが、次式(32)−(35)で表される条件を導入することにより、力ベクトルFを一意に決定することができる。
FxbL=FxfL −−式(32)
FxbR=FxfR −−式(33)
FycL=FycR −−式(34)
FzfL−FzbL=FzfR−FzbR −−式(35)
このように、本実施形態では、可動子101eに働くX方向、Y方向、Z方向、Wx方向、Wy方向及びWz方向の6軸の力成分又はモーメント成分の大きさを検出することができる。可動子101eに働く6軸の力成分又はトルク成分は、制御システム3により、コイル109の電流に対して線形に制御することが可能である。したがって、本実施形態によれば、制御システム3によりコイル列114L、114Rの複数のコイル109に印加する電流を制御することにより、可動子101eの姿勢を6軸で制御しながら可動子101eをX方向に搬送することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態について図9A、図9B、及び図9Cを用いて説明する。図9A、図9B、及び図9Cは、本実施形態による搬送システムの構成を示す概略図である。なお、上記第1及び第2実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
図9Aでは、本実施形態における可動子に印加されるY方向の力を示している。図9Aに示すように、本実施形態では、可動子101cにおいて、上記第2実施形態においてY方向の力を発生させるヨーク板102−lc、102−rcに代えて、永久磁石群161−myが設置されている。永久磁石群161−myは、2個の永久磁石161−mya、161−mybのセットと、ヨーク板102とを有している。
永久磁石群161−myでは、2個の永久磁石161−mya、161−mybがそれぞれコイル109のコイル突極部151、152に対向するようにヨーク板102上に設置されている。コイル突極部151、152は、それぞれ鉄心113におけるコイル突極部141と同様に形成された部分である。なお、図9Aでは、内部に永久磁石を含まないタイプのコイル109を示している。
永久磁石161−mya、161−mybは、それぞれ互いに極性が異なる磁極がY方向に並ぶように設置されている。永久磁石161−mya、161−mybの互いに向き合った磁極は、互いに極性が同じになっている。図9Aでは、永久磁石161−myaのN極と永久磁石161−mybのN極とが互いに向き合っている。こうして、可動子101cにおいて、永久磁石161−mya、161−mybがY方向に沿って配置されている。
図9Aに示す構成において、コイル109に対してコイル突極部151がN極側に、コイル突極部152がS極になるように励磁する場合を考える。この場合、コイル突極部151に対して、永久磁石161−myaはY+側に力を受ける。同様に、コイル突極部152に対して、永久磁石161−mybもY+側に力を受ける。そのため、永久磁石群161−myは、Y+側に力を受けることになる。
コイル109に対して上記の場合とは逆方向に励磁するように電流を印加すれば、永久磁石群161−myはY−側に力を受ける。このため、コイル109に印加する電流量を制御して励磁する方向を制御することにより、永久磁石群161−myに対するY方向の力を制御することができる。
なお、コイル109は、図9Aに示す内部に永久磁石を含まないタイプのものに限定されるものではない。コイル109は、図9Bに示すように、内部に永久磁石を含むタイプのものであってもよい。その場合、コイル109に電流を印加しない場合でも、永久磁石群161−myに対して、Y方向に一定の大きさの力FyM0が印加されることになる。
これに対しては、図9B及び図9Cに示すように、コイル109と永久磁石群161−myとをY方向にもう一対設け、2組の永久磁石群161−myのうち、一方の永久磁石群161−mylと他方の永久磁石群161−myrとする。なお、図9BはX方向から見た図、図9CはZ方向から見た図である。永久磁石群161−mylと永久磁石群161−myrとでは、永久磁石161−mya、161−mybにおける磁極の並びを互いに逆にする。これにより、永久磁石群161−mylと永久磁石群161−myrとでは、印加される力FyM0の方向が互いに逆方向となる。これにより、コイル109に電流を印加しない場合において、Y方向の力を互いに打ち消し合わせることができる。こうして、図9Bに示す場合でも、コイル109に電流を印加することにより、図9Aに示す場合と同様にY方向に力を発生させることができる。
本実施形態のように、第2実施形態においてY方向の力を発生させるヨーク板102−lc、102−rcに代わり、永久磁石群161−my又は永久磁石群161−myl、161−myrを使うことによりY方向の力を制御することができる。このような永久磁石群161−my又は永久磁石群161−myl、161−myrを第2実施形態に組み込むことができる。この場合においても、第2実施形態と同様に可動子の姿勢を6軸で制御しつつ可動子101cを搬送することができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態について図10を用いて説明する。図10は、本実施形態による搬送システムの構成を示す概略図である。なお、上記第1乃至第3実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
図10に示すように、本実施形態では、可動子101cにおいて、上記第2実施形態におけるヨーク板102−lb、102−lf、102−rb、102−rfに代えて、永久磁石161−mxzが設置されている。永久磁石161−mxzは、Y方向に沿って配置され、互いに極性が異なる磁極がY方向に並ぶようにヨーク板102上に設置されている。ヨーク板102−lb、102−lf、102−rb、102−rfに代えて永久磁石161−mxzを使用することにより、コイル109に電流を印加しない場合の吸引力をより大きく取ることができる。
本実施形態においても、X方向及びZ方向への力の印加方法については第2実施形態と同様であるから、第2実施形態と同様に可動子101cの姿勢を6軸で制御しつつ可動子を搬送することができる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態について図11を用いて説明する。図11は、本実施形態による搬送システムの構成を示す概略図である。なお、上記第1乃至第4実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
図11に示すように、本実施形態では、第1実施形態の構成において、Y方向制御用のコイル402及びヨーク401が設置されているとともに、Y方向検出用のY方向センサ209が設置されている。
ヨーク401は、可動子101aのX方向に沿った両側面にそれぞれ設置されている。コイル402は、固定子108に複数設置されている。複数のコイル402は、固定子108において、可動子101aの両側面のヨーク401に対向可能なように可動子101aの両側にX方向に沿って列状に配置されている。
Y方向センサ209は、可動子101aに取り付けられた不図示のターゲットとの間の相対距離を検出することにより、可動子101aのY方向の位置を検出することができる。
コイル402についても、例えば、コイルコントローラ302により目標となる電流値を電流コントローラ303に対して指令し、電流コントローラ303によりコイル402に印加する電流の大きさを制御するように構成することができる。コイル402に電流を印加することによりヨーク401との間に吸引力が働くため左右両側のコイル402の電流の大きさを制御することにより、可動子101aに対するY方向の力の大きさを制御することができる。
本実施形態では、ヨーク401及びコイル402をさらに含む構成により、第1実施形態1と比較してY方向の力を積極的に制御することができる。したがって、本実施形態では、可動子101aの姿勢を一層安定させながら可動子101aを搬送することが可能になる。
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、可動子101aを浮上させる浮上力として、コイル109により可動子101aが受ける電磁力のみを利用する場合を例に説明したが、これに限定されるものでなない。例えば、可動子101aの質量又は可動子101a上に置かれるワーク107の質量が大きく鉛直方向へ印加すべき浮上力が大きい場合には、別途、空気等の流体による静圧を浮上用に使って浮上力を補助してもよい。
また、上記実施形態では、複数のコイル109が1列又は2列に配置されている場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。可動子101aに配置されたヨーク板102の数に応じて、複数のコイル109を複数列に配置することもできる。
また、本発明による搬送システムは、電子機器等の物品を製造する製造システムにおいて、可物品となるワークに対して各作業工程を実施する工作機械等の各工程装置の作業領域にワークを可動子とともに搬送する搬送システムとして利用することができる。作業工程を実施する工程装置は、ワークに対して部品の組み付けを実施する装置、塗装を実施する装置等、あらゆる装置であってよい。また、製造される物品も特定のものに限定されるものではなく、あらゆる部品であってよい。
このように、本発明による搬送システムを用いてワークを作業領域に搬送し、作業領域に搬送されたワークに対して作業工程を実施して物品を製造することができる。上述のように、本発明による搬送システムでは、優れた作業性を確保しつつ、可動子の制御性を損なうことなく可動子を非接触で搬送することができる。
したがって、本発明による搬送システムをワークの搬送に採用した物品の製造システムは、優れた作業性を確保しつつ、ワークを安定して搬送することができる。
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために以下の請求項を添付する。
1、10 搬送システム
3 制御システム
101a、101b、101c、101d、101e 可動子
102 ヨーク板
103 ヨーク板突極部
104 ワーク置き台
106 梁
107 ワーク
108 固定子
109 コイル
110 巻線部
111 永久磁石
112 連結部材
113 鉄心
114L コイル列
114R コイル列
140 磁束
141 コイル突極部
161 永久磁石群
204 X方向センサ
205 ブラケット
206 Z方向センサ
209 Y方向センサ
207 リニアスケール
301 統合コントローラ
302 コイルコントローラ
303 電流コントローラ
401 ヨーク
402 コイル

Claims (19)

  1. 軟磁性材料から構成された受力部を有する可動子と、
    第1の方向に沿って配置された複数のコイルとを有し、
    前記可動子は、前記複数のコイルによる磁界から前記受力部が受ける力により、前記複数のコイルに沿って前記第1の方向に移動可能である
    ことを特徴とする搬送システム。
  2. 前記受力部は、前記複数のコイルの側に向かって突出した突極部を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の搬送システム。
  3. 前記受力部は、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って配置された複数の前記突極部を有する
    ことを特徴とする請求項2記載の搬送システム。
  4. 前記可動子は、前記力により浮上しつつ前記第1の方向に移動可能である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の搬送システム。
  5. 前記可動子は、前記力により姿勢が制御されつつ前記第1の方向に移動可能である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の搬送システム。
  6. 前記複数のコイルのそれぞれは、鉄心を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の搬送システム。
  7. 前記鉄心は、前記可動子の側に向かって突出した突極部を有する
    ことを特徴とする請求項6記載の搬送システム。
  8. 前記複数のコイルのそれぞれは、その磁気回路内に配置された永久磁石を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の搬送システム。
  9. 前記可動子は、前記受力部として第1の受力部及び第2の受力部を有し、
    前記第1の受力部は、前記複数のコイルにより、前記第1の方向の力及び前記第1の方向と交差する第2の方向の力を受け、
    前記第2の受力部は、前記複数のコイルにより、前記第1の方向及び前記第2の方向と交差する第3の方向の力を受ける
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の搬送システム。
  10. 前記複数のコイルは、前記可動子の上方に配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の搬送システム。
  11. 前記可動子は、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って配置された永久磁石を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の搬送システム。
  12. 軟磁性材料から構成された受力部を有し、
    第1の方向に沿って配置された複数のコイルによる磁界から前記受力部が受ける力により、前記複数のコイルに沿って前記第1の方向に移動可能である
    ことを特徴とする可動子。
  13. 前記受力部は、前記複数のコイルの側に向かって突出した突極部を有する
    ことを特徴とする請求項12記載の可動子。
  14. 前記受力部は、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って配置された複数の前記突極部を有する
    ことを特徴とする請求項13記載の可動子。
  15. 前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って配置された永久磁石をさらに有する
    ことを特徴とする請求項12記載の可動子。
  16. 軟磁性材料から構成された受力部を有し、第1の方向に沿って配置された複数のコイルによる磁界から前記受力部が受ける力により、前記複数のコイルに沿って前記第1の方向に移動可能である可動子を制御する制御装置であって、
    前記力を制御することにより、前記第1の方向への前記可動子の搬送を制御する搬送制御手段を有する
    ことを特徴とする制御装置。
  17. 前記力を制御することにより、前記可動子の姿勢を制御する姿勢制御手段を有する
    ことを特徴とする請求項16記載の制御装置。
  18. 軟磁性材料から構成された受力部を有し、第1の方向に沿って配置された複数のコイルによる磁界から前記受力部が受ける力により、前記複数のコイルに沿って前記第1の方向に移動可能である可動子を制御する制御方法であって、
    前記力を制御することにより、前記第1の方向への前記可動子の搬送を制御する
    ことを特徴とする制御方法。
  19. 前記力を制御することにより、前記可動子の姿勢を制御する
    ことを特徴とする請求項18記載の制御方法。
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