JP2021513722A - Liアノード保護のためのコーティング及びそれを含む電池 - Google Patents
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Abstract
少なくとも一部の上に配置された保護単層でコーティングされたリチウム金属アノードであって、該保護単層が、ポリマーと、Al2O3、MnO、MnO2、SiO2、TiO2、ZnO、ZrO2、Fe2O3、CuO、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、及びオキシ塩からなる群から選択される少なくとも1種の無機粒子又は官能基化された前述の無機粒子のいずれか1種とからなり、該保護単層の厚さが0.01〜10μmであり、該無機粒子が、1〜500nmの平均直径を有し、該少なくとも1種の無機粒子が、ポリマーの量に対して0.01〜30重量%の量であるリチウム金属アノードが提供される。保護されたアノードの調製方法、及びそれを含むリチウム金属電池も提供される。
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2018年2月5日に出願の欧州特許出願EP18382060.4号の利益を主張するものである。
本出願は、2018年2月5日に出願の欧州特許出願EP18382060.4号の利益を主張するものである。
本発明は、充電式電池の分野に関する。特に、本発明は、Liアノード保護のためのコーティング、コーティングされたLiアノード及びそれを含む電池に関する。
Li−S、Li−air及び固体などのリチウム金属電池(LMB)は、リチウムイオン電池(LIB)の限界を超える可能性があり、エネルギー貯蔵需要の高いアプリケーション(例えば、長距離移動の電気自動車、グリーンエネルギー貯蔵)など)の新しい分野を切り開いている。ただし、金属Liの固有の特性により、安全性とデバイスの不安定性に関するいくつかの問題が発生し、サイクル寿命が制限される。したがって、LMB技術の現実的な開発には、Liアノードの安定化/保護の成功が必須である。
Liの反応性の高い性質は、電池のサイクル寿命に悪影響を及ぼすさまざまな過程、概して、液体電解質の劣化、固体電解質界面(SEI)の形成、電解質中の微量の水の存在によるLiアノードの腐食、Liデンドライトの形成、Li−S電池のポリスルフィドシャトル効果によるLiの不動態化などを引き起こす。
特に、Li−S電池では、いわゆるシャトル効果が、ポリスルフィドとLiとの間の有害な電気化学的副反応の原因であり、これは、アノード上への絶縁Li2S及びLi2S2の沈殿で終わる。その結果、Li金属界面の不動態化によってデバイスの早すぎる最期が起こる。
Liアノードに関連するすべての欠点に対処するために提案されているさまざまな戦略は、2つの主要なグループ:1)Li+伝導性SEI形成の制御、並びに2)電解質の劣化及びデンドライトの成長を回避するための、さまざまな材料によるLiコーティング、に分類することができる。
Liアノード上に安定したSEIを生成する最も広がったアプローチの1つは、電解質にLiNO3を追加してSEIの生成を誘導することである(非特許文献1を参照されたい)。ただし、SEIは、水分やデンドライトの形成を防ぐほど堅牢ではない。
他方、有機及び/又は無機材料によるLiアノードの制御された保護は、電池の性能に有益な効果をもたらすことが開示されている。デンドライトの形成を回避し、電解質の水分から保護することを目的として、導電性ポリマー及びイオン伝導性ポリマーフィルムと組み合わせたポリマーコーティングに基づくアプローチが開示されている(非特許文献2、特許文献1、及び特許文献2を参照されたい)。さらに、特許文献3及び特許文献4は、ポリビニルアルコールポリマー又はコポリマー保護フィルムに特定の無機粒子を含めると、リチウム金属電極の表面の機械的特性及びデンドライトの形成に効果を有し得ることを開示している。
それでもなお、リチウム電池のより優れた性能を達成する必要が依然としてあり、特に、クーロン効率及びサイクル寿命が改善された、保護されたリチウムアノードを得る必要がある。
上記のことを考慮すると、容量と可逆性の向上を特徴とする、リチウム金属アノードを保護するための新しいコーティングが、次世代エネルギー貯蔵デバイスの開発における大きな前進となると思われる。
Zhang,S.S.、「Role of LiNO3 in rechargeable lithium/sulfur battery」Electrochim.Acta、2012年、70巻、344〜348頁
Hu Z.ら、「Poly(ethyl o cyanoacrylate)−Based Artificial Solid Electrolyte Interphase Layer for Enhanced Interface Stability of Li Metal Anodes」2017年、Chemistry of Materials、29巻、4682〜4689頁
本発明者らは、特定の平均直径を有し、Al2O3、SiO2、TiO2、ZnO、Fe2O3、CuO y BaTiO3、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、及びホウケイ酸塩からなる群から選択される特定量の少なくとも1種の無機粒子を、リチウムアノード上に特定の厚さの保護フィルムを形成する特定のポリマーコーティングであって、LiNO3などの任意の窒素含有添加剤、又はLiTFSIなどの別の金属塩を含まない特定のポリマーコーティングに組み込むことにより、予想外に、上記の窒素含有添加剤を含む保護コーティングと比べてクーロン効率の点で同等の良好な電池性能が実現できることを発見した。特に、上記の保護されたアノードを含む電池は、デンドライトの成長が回避される条件下においても、クーロン効率及びサイクル寿命が改善されている。
本明細書で使用されるように、Li−S技術では、デンドライトの成長が回避される条件は、低い充電/放電率が使用されるようなものである。低い充電/放電率は、2C未満(Cは硫黄の比容量(1672 mAh/gS))、例えば1.0、0.5、0.2若しくは0.1の比率、又は電流密度が1mA/cm2未満、例えば0.75、0.5若しくは0.25mA/cm2でのいずれかであると見なされる。
したがって、本発明の第1の態様は、リチウム金属電池用の保護されたアノードに関し、当該リチウム金属電池用の保護されたアノードは、
−リチウム金属アノードと、
−リチウム金属アノードの少なくとも一部の上に配置された保護単層と、
を含み、
前記保護単層が、
ポリエチレンオキシド(PEO)系ポリマー、架橋PEO系ポリマー(すなわち、架橋官能基を有するポリエチレンオキシド系ポリマーに由来するPEO系ポリマー)、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリペンチルメタクリレート、ポリペンチルアクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリシクロヘキシルアクリレート、ポリヘキシルメタクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリグリシジルアクリレート、ポリグリシジルメタクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルメタクリレート、ポリ(アクリル酸デシル)、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリスチレン、ポリスチレンスルホネート、水素化ポリスチレン、ポリビニルピリジン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイミド、ポリアミン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−ペンテン)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリジメチルシロキサン、ビニル末端ポリジメチルシロキサン、ポリ(C1−C20アルキルカーボネート)、ポリマレイン酸、ポリ(無水マレイン酸)、ポリメタクリル酸、ポリ(tert−ブチルビニルエーテル)、ポリ(シクロヘキシルビニルエーテル)、ポリジビニルベンゼン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリニトリル、ポリホスファジン、ポリジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソブチレン、ポリウレタン、ポリベンゾイミダゾール、ポリピロール、及びそれらのコポリマーから成る群から選択されるポリマーと、
Al2O3、MnO、MnO2、SiO2、TiO2、ZnO、ZrO2、Fe2O3、CuO、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、及び式AxByOzのオキシ塩(式中、Aはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、BはAl、Mn、Si、Ti、Zn、Zr、Fe、及びCuからなる群から選択され、x、y、zは、BaTiO3などのオキシ塩の全電荷が0になるような対応する原子の数である)からなる群から選択される少なくとも1種の無機粒子、又は官能基化された前述の無機粒子のいずれか1種と、
から成り(consists of)、
前記保護単層の厚さが0.01〜10μmであり、
前記無機粒子が1〜500nmの平均直径を有し、
前記少なくとも1種の無機粒子が、0.01〜30重量%の量である。
−リチウム金属アノードと、
−リチウム金属アノードの少なくとも一部の上に配置された保護単層と、
を含み、
前記保護単層が、
ポリエチレンオキシド(PEO)系ポリマー、架橋PEO系ポリマー(すなわち、架橋官能基を有するポリエチレンオキシド系ポリマーに由来するPEO系ポリマー)、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリペンチルメタクリレート、ポリペンチルアクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリシクロヘキシルアクリレート、ポリヘキシルメタクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリグリシジルアクリレート、ポリグリシジルメタクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルメタクリレート、ポリ(アクリル酸デシル)、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリスチレン、ポリスチレンスルホネート、水素化ポリスチレン、ポリビニルピリジン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイミド、ポリアミン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−ペンテン)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリジメチルシロキサン、ビニル末端ポリジメチルシロキサン、ポリ(C1−C20アルキルカーボネート)、ポリマレイン酸、ポリ(無水マレイン酸)、ポリメタクリル酸、ポリ(tert−ブチルビニルエーテル)、ポリ(シクロヘキシルビニルエーテル)、ポリジビニルベンゼン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリニトリル、ポリホスファジン、ポリジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソブチレン、ポリウレタン、ポリベンゾイミダゾール、ポリピロール、及びそれらのコポリマーから成る群から選択されるポリマーと、
Al2O3、MnO、MnO2、SiO2、TiO2、ZnO、ZrO2、Fe2O3、CuO、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、及び式AxByOzのオキシ塩(式中、Aはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、BはAl、Mn、Si、Ti、Zn、Zr、Fe、及びCuからなる群から選択され、x、y、zは、BaTiO3などのオキシ塩の全電荷が0になるような対応する原子の数である)からなる群から選択される少なくとも1種の無機粒子、又は官能基化された前述の無機粒子のいずれか1種と、
から成り(consists of)、
前記保護単層の厚さが0.01〜10μmであり、
前記無機粒子が1〜500nmの平均直径を有し、
前記少なくとも1種の無機粒子が、0.01〜30重量%の量である。
驚くべきことに、実施例及び比較例から分かるように、上記に記載の保護されたリチウム金属アノードを含む電池は、デンドライトの成長が回避される条件下で驚くほど良好なクーロン効率、及びサイクル寿命を示す。予想外に、LiNO3などの窒素含有添加剤、又はLiTFSIなどの別の金属塩が保護コーティングから除外されているにもかかわらず、クーロン効率の改善は少なくとも120サイクルにわたって99%超に維持される。
本発明の第2の態様は、上記に記載のリチウム金属の保護されたアノードを調製するための方法に関し、当該方法は、
a)PEO系ポリマー、架橋官能基を有するPEO系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリペンチルメタクリレート、ポリペンチルアクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリシクロヘキシルアクリレート、ポリヘキシルメタクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリグリシジルアクリレート、ポリグリシジルメタクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルメタクリレート、ポリ(アクリル酸デシル)、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリスチレン、ポリスチレンスルホネート、水素化ポリスチレン、ポリビニルピリジン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイミド、ポリアミン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−ペンテン)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリジメチルシロキサン、ビニル末端ポリジメチルシロキサン、ポリ(C1−C20アルキルカーボネート)、ポリマレイン酸、ポリ(無水マレイン酸)、ポリメタクリル酸、ポリ(tert−ブチルビニルエーテル)、ポリ(シクロヘキシルビニルエーテル)、ポリジビニルベンゼン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリニトリル、ポリホスファジン、ポリジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソブチレン、ポリウレタン、ポリベンゾイミダゾール、ポリピロールからなる群から選択されるポリマー、及びそれらのコポリマーと、
Al2O3、MnO、MnO2、SiO2、TiO2、ZnO、ZrO2、Fe2O3、CuO、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、及び式AxByOzのオキシ塩(式中、Aはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、BはAl、Mn、Si、Ti、Zn、Zr、Fe、及びCuからなる群から選択され、x、y、zは、BaTiO3などのオキシ塩の全電荷が0になるような対応する原子の数である)からなる群から選択される少なくとも1種の無機粒子、又は官能基化された前述の無機粒子のいずれか1種とを、
無水溶媒中に溶解又は分散させることによって、前駆体溶液又は分散液を形成する工程であって、
前記少なくとも1種の無機粒子が、ポリマーの量に対して0.01〜30重量%の量である工程と、
b)工程a)で得られた前駆体溶液又は分散液をリチウム金属アノード上に広げる工程と
c)前記溶媒を蒸発させ、連続的な、オプションで架橋されたフィルムを前記リチウム金属アノード上に形成するために、オプションで架橋反応を行う工程と、
を含む。
a)PEO系ポリマー、架橋官能基を有するPEO系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリペンチルメタクリレート、ポリペンチルアクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリシクロヘキシルアクリレート、ポリヘキシルメタクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリグリシジルアクリレート、ポリグリシジルメタクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルメタクリレート、ポリ(アクリル酸デシル)、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリスチレン、ポリスチレンスルホネート、水素化ポリスチレン、ポリビニルピリジン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイミド、ポリアミン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−ペンテン)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリジメチルシロキサン、ビニル末端ポリジメチルシロキサン、ポリ(C1−C20アルキルカーボネート)、ポリマレイン酸、ポリ(無水マレイン酸)、ポリメタクリル酸、ポリ(tert−ブチルビニルエーテル)、ポリ(シクロヘキシルビニルエーテル)、ポリジビニルベンゼン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリニトリル、ポリホスファジン、ポリジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソブチレン、ポリウレタン、ポリベンゾイミダゾール、ポリピロールからなる群から選択されるポリマー、及びそれらのコポリマーと、
Al2O3、MnO、MnO2、SiO2、TiO2、ZnO、ZrO2、Fe2O3、CuO、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、及び式AxByOzのオキシ塩(式中、Aはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、BはAl、Mn、Si、Ti、Zn、Zr、Fe、及びCuからなる群から選択され、x、y、zは、BaTiO3などのオキシ塩の全電荷が0になるような対応する原子の数である)からなる群から選択される少なくとも1種の無機粒子、又は官能基化された前述の無機粒子のいずれか1種とを、
無水溶媒中に溶解又は分散させることによって、前駆体溶液又は分散液を形成する工程であって、
前記少なくとも1種の無機粒子が、ポリマーの量に対して0.01〜30重量%の量である工程と、
b)工程a)で得られた前駆体溶液又は分散液をリチウム金属アノード上に広げる工程と
c)前記溶媒を蒸発させ、連続的な、オプションで架橋されたフィルムを前記リチウム金属アノード上に形成するために、オプションで架橋反応を行う工程と、
を含む。
本発明の第3の態様は、以下を含むリチウム金属電池に関する:
a)本明細書の上記又は下記に記載の保護されたアノード;
b)カソード;及び
c)前記カソードと前記アノードの間に挿入された適切な電解質。
a)本明細書の上記又は下記に記載の保護されたアノード;
b)カソード;及び
c)前記カソードと前記アノードの間に挿入された適切な電解質。
最後に、本発明の第4の態様は、特にデンドライトの成長が回避される条件下において、リチウム電池のクーロン効率を改善するための、上記に記載のリチウム金属保護アノードの使用に関する。
理解のために、以下の定義が含まれており、本説明、特許請求の範囲、及び図面全体にわたって適用されることが望まれる。
本明細書では、「(メタ)アクリレート」を「アクリレート」及び「メタクリレート」を表す総称として使用する。
本明細書で使用される「粒径」という用語は、実際の粒子形状に関係なく直径に関するものである。本明細書で使用される「直径」という用語は、等価の球の直径、すなわち、レーザー回折によって測定した場合に、粒子と同じ回折パターンを有する球の直径を意味する。ナノ粒子の直径は、透過型電子顕微鏡(TEM)で測定することができる。TEM測定は、200kVの加速電圧で動作するJEOL 2010 Fで実行することができる。ナノ粒子の特性評価は、ヘプタンで高度に希釈された(0.1mg/ml)ナノ粒子分散液を、蒸着カーボンフィルムで安定化されたホルムバールコーティングされたグリッド、Electron Microscopy Science社によるFCF300−Cu−25グリッド上に滴下させることによって行うことができる。ピッチ、穴、バーのサイズはそれぞれ84、61、23μm(300メッシュ)である。この手法でナノ粒子の代表的な量の寸法を測定することにより、平均径及び粒径分布を計算することができる。画像処理ソフトウェアパッケージを使用して、粒径及び粒径分布を定量化する。このようなソフトウェアの例は、Pebblesである(S.Mondiniら、「PEBBLES and PEBBLEJUGGLER:software for accurate,unbiased,and fast measurement and analysis of nanoparticle morphology from transmission electron microscopy(TEM)micrographs」、Nanoscale、2012年、4、5356〜5372頁)。
本明細書で使用されるすべてのパーセンテージは、別段の指定がない限り、組成物全体に対する重量による。
本明細書で使用される場合、不定冠詞「a」及び「an」は、「少なくとも1つ」又は「1又は複数」と同義である。特に明記しない限り、本明細書で使用される「the」などの定冠詞には、名詞の複数形も含まれる。
上記のように、第1の態様は、リチウム金属電池用の保護されたアノードに関し、アノードは、リチウム金属アノードと、リチウム金属アノードの少なくとも一部に配置された保護単層とを含み、前記保護単層は、1種のポリマーと本明細書の上記及び下記に記載の少なくとも1種の無機粒子とからなる。
また、上記のように、本発明の第2の態様は、上記に記載の保護されたリチウム金属アノードの調製方法に関し、本方法は、上記に記載の前駆体溶液又は分散液を形成する工程;それをリチウム金属アノード上に広げる工程;溶媒を蒸発させ、連続的な、オプションで、架橋されたフィルムをリチウム金属アノード上に形成するために、オプションで架橋反応を行う工程、を含む。
フィルム前駆体溶液
リチウム金属アノードの表面にフィルムコーティングを形成するために使用される前駆体溶液又は分散液は、本明細書の上記又は下記に記載のポリマーと、本明細書の上記又は下記に記載の少なくとも1種の無機粒子とを無水溶媒に溶解又は分散させることによって得られる。
リチウム金属アノードの表面にフィルムコーティングを形成するために使用される前駆体溶液又は分散液は、本明細書の上記又は下記に記載のポリマーと、本明細書の上記又は下記に記載の少なくとも1種の無機粒子とを無水溶媒に溶解又は分散させることによって得られる。
ポリマー
上記のように、本発明のコーティングされたリチウムアノードを得るために有用なポリマーは、ポリエチレンオキシド(PEO)系ポリマー、架橋官能基を有するPEO系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリペンチルメタクリレート、ポリペンチルアクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリシクロヘキシルアクリレート、ポリヘキシルメタクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリグリシジルアクリレート、ポリグリシジルメタクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルメタクリレート、ポリ(アクリル酸デシル)、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリスチレン、ポリスチレンスルホネート、水素化ポリスチレン、ポリビニルピリジン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイミド、ポリアミン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−ペンテン)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリジメチルシロキサン、ビニル末端ポリジメチルシロキサン、ポリ(C1−C20アルキルカーボネート)ポリマレイン酸、ポリ(無水マレイン酸)、ポリメタクリル酸、ポリ(tert−ブチルビニルエーテル)、ポリ(シクロヘキシルビニルエーテル)、ポリジビニルベンゼン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリニトリル、ポリホスファジン、ポリジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソブチレン、ポリウレタン、ポリベンゾイミダゾール、ポリピロール、及びそれらのコポリマーである。これらのポリマーは市販されている。
上記のように、本発明のコーティングされたリチウムアノードを得るために有用なポリマーは、ポリエチレンオキシド(PEO)系ポリマー、架橋官能基を有するPEO系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリペンチルメタクリレート、ポリペンチルアクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリシクロヘキシルアクリレート、ポリヘキシルメタクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリグリシジルアクリレート、ポリグリシジルメタクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルメタクリレート、ポリ(アクリル酸デシル)、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリスチレン、ポリスチレンスルホネート、水素化ポリスチレン、ポリビニルピリジン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイミド、ポリアミン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−ペンテン)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリジメチルシロキサン、ビニル末端ポリジメチルシロキサン、ポリ(C1−C20アルキルカーボネート)ポリマレイン酸、ポリ(無水マレイン酸)、ポリメタクリル酸、ポリ(tert−ブチルビニルエーテル)、ポリ(シクロヘキシルビニルエーテル)、ポリジビニルベンゼン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリニトリル、ポリホスファジン、ポリジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソブチレン、ポリウレタン、ポリベンゾイミダゾール、ポリピロール、及びそれらのコポリマーである。これらのポリマーは市販されている。
特に、PEOはLiアノード上に薄膜を形成する魅力的な遮断構築材料である。その固有のイオン伝導性により、PEOバリアを通過するLiイオンの透過が可能になり、PEO界面が溶媒とLi金属との間の接触を防ぐため、電解質の劣化が抑制される。
さらに、材料工学により、PEOに官能基を追加して、さまざまな架橋化学反応を通じて3次元ネットを形成するPEOの改変が可能である。その結果、デンドライトの成長を阻止し、Liめっきを均質化する不溶性で機械的に安定したコーティングを形成することができる。したがって、前駆体溶液に含まれる架橋官能基を有するPEO系ポリマーは、三次元マトリックスを形成する。PEO系ポリマーの多様性を利用して、競争力のある処理方法に適応した、及び/又は追加機能(ポリマーイオン液体特性など)を有する先進材料を設計することができる。
したがって、特定の実施形態では、ポリマーは、PEO系ポリマー、又は架橋PEO系ポリマーである。特に、ポリマーは、メタ(アクリレート)又はビニル官能基を有するPEO系ポリマーであり、より詳細には、ポリマーは、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(PEGDA)、又はポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート(PEGDMA)である。
最終的な架橋PEO系ポリマーを得るために必要な架橋反応は、次のメカニズムで起こる:
1)例えば、メタ(アクリレート)又はビニル基を含むPEO鎖のラジカル重合による連鎖成長重合;
2)付加/縮合反応、又は求核置換反応のいずれかを誘発できる相補的官能基を有するPEO鎖を用いた段階成長重合。
1)例えば、メタ(アクリレート)又はビニル基を含むPEO鎖のラジカル重合による連鎖成長重合;
2)付加/縮合反応、又は求核置換反応のいずれかを誘発できる相補的官能基を有するPEO鎖を用いた段階成長重合。
したがって、本発明のリチウム金属アノードの特定の実施形態では、ポリマーは、メタ(アクリレート)、ビニル、付加又は縮合反応を誘発することができる官能基、及び求核置換反応を誘発することができる官能基からなる群から選択される架橋官能基を有するPEO系ポリマーに由来する架橋PEO系ポリマーである。
特に、付加/縮合反応を誘発することができる基の例は、カルボン酸基及びアルコール基、又はイソシアネート基及びアルコール基である。求核置換反応を誘発することができる基の例は、(C1−C4)アルキルトシレート及びアミン、又はCl、Br又はIなどのハロゲン原子及びアミンである。
本発明のリチウム金属アノードのより特定の実施形態では、架橋PEO系ポリマーは、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(PEGDA)、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート(PEGDMA)、ジ(N、N’−ビニルイミダゾリウム)ジアニオン末端ポリ(エチレンオキシド)、及びトシレート末端ポリ(エチレンオキシド)に由来する。
上記のPEO系ポリマー又は架橋官能基を有するPEO系ポリマーは、本発明の方法の特定の実施形態で使用される。
別の特定の実施形態では、PEO系ポリマーは、PEG単位のMWが、特に214〜2326g/mol(n=2〜50)の、より詳細には550(n=10)のPEGDAである。
別の特定の実施形態では、架橋官能基を有するPEO系ポリマーはPEO系ポリマーイオン液体であり、これにより、LMBにおけるコーティングされたLiアノードの特性を調整し、(イオン伝導性、疎水性、及び無機/炭素材料分散能などの特性を改善することによって)保護性能を最適化することができる。PEO系ポリマーイオン液体の例としては、限定するものではないが、ジ(N、N’−ビニルイミダゾリウム)ジアニオン末端ポリ(エチレンオキシド)、及びトシレート末端ポリ(エチレンオキシド)が挙げられる。
ラジカル架橋基を有するPEO誘導体は、ラジカルスカベンジャーとして作用するため、酸素に感受性である。したがって、特にフィルム形成工程は、酸素及び水分非含有雰囲気下(O2<0.1ppm及びH2O<0.1ppm)でグローブボックスにおいて実行することができる。その結果、溶媒が蒸発し、厚さが制御された連続的な架橋フィルムが残る。
無機粒子
無機粒子は、Al2O3、MnO、MnO2、SiO2、TiO2、ZnO、ZrO2、Fe2O3、CuO、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、及び式AxByOzのオキシ塩(式中、Aはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、BはAl、Mn、Si、Ti、Zn、Zr、Fe、及びCuからなる群から選択され、x、y、zは、BaTiO3などのオキシ塩の全電荷が0になるような対応する原子の数である)からなる群から選択される、又は官能基化された上記の無機粒子のいずれか1種である。予想外に、これらの無機粒子は、アノードを保護するポリマーフィルムの機械的安定性を(例えば、コンポジットの形成により)高めることに加えて、デンドライトの成長を回避する条件下でクーロン効率及びサイクル寿命が改善された電池を得ることを可能にする。
無機粒子は、Al2O3、MnO、MnO2、SiO2、TiO2、ZnO、ZrO2、Fe2O3、CuO、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、及び式AxByOzのオキシ塩(式中、Aはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、BはAl、Mn、Si、Ti、Zn、Zr、Fe、及びCuからなる群から選択され、x、y、zは、BaTiO3などのオキシ塩の全電荷が0になるような対応する原子の数である)からなる群から選択される、又は官能基化された上記の無機粒子のいずれか1種である。予想外に、これらの無機粒子は、アノードを保護するポリマーフィルムの機械的安定性を(例えば、コンポジットの形成により)高めることに加えて、デンドライトの成長を回避する条件下でクーロン効率及びサイクル寿命が改善された電池を得ることを可能にする。
上記のように、無機粒子は、1〜500nmの平均直径を有するナノ粒子である。本発明の保護されたアノードの特定の実施形態では、オプションで上記に記載の特定の実施形態の1又は複数の特徴と組み合わせて、無機粒子は1〜100nm、より詳細には1〜10nmの平均直径を有する。さらに詳細には、粒径分布がシャープである。
上記の粒径範囲内にある無機粒子は市販されている。さらに、上記の粒径範囲内の無機粒子は、粉砕(ミリング)及び/若しくは篩い分けなどの公知の機械的方法、又は沈殿、金属蒸発、レーザー熱分解、気相法、及びプラズマ化学還元法などの化学的方法によって得ることができる。特定の事例では、制御された粒径と形状を有する金属酸化物ナノ粒子は、必要な濃度で塩基性溶液(KOH、NaOH)を金属塩前駆体溶液に添加して、所望の寸法を得ることによって合成することができる。金属カチオンによっては、金属酸化物ナノ粒子を直接得ることができる。しかし、場合によっては、形成された相から金属酸化物ナノ粒子への転移を誘発するために、さらなるアニール処理が必要とされる。これらの方法は広く知られており、一般的に利用可能な機器を使用する。
特定の実施形態では、オプションで上記に記載の特定の実施形態の1又は複数の特徴と組み合わせて、無機粒子はAl2O3である。
別の特定の実施形態では、オプションで上記に記載の特定の実施形態の1又は複数の特徴と組み合わせて、無機粒子はケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、及びホウケイ酸塩である。特に、ケイ酸塩は式SiaObを有し、アルミノケイ酸塩はSiaObとAl2O3との混合物であり、ホウケイ酸塩はSiaObとB2O3との混合物であり、式中a=1〜4及びb=2〜8である。
そのままのナノ粒子を添加することはできるが、ポリマーマトリックスに共有結合できる基を含む分子で官能基化された無機粒子は、この高分子マトリックスに固定でき、電解質中でのそれらの損失を防ぐ。このようにして、官能基化された無機粒子は、ポリマーマトリックスに組み込まれてコンポジットを形成する。したがって、本発明の方法の別の特定の実施形態では、オプションで上記に記載の特定の実施形態の1又は複数の特徴と組み合わせて、無機粒子は官能基化された無機粒子である。特に、無機粒子は官能基化されたAl2O3である。
ナノ粒子は、分散性や伝導性の向上などの物理化学的特性をさらに高めるために、表面にさまざまな有機化合物を固定することによって官能基化することができる。
固定は、通常、限定するものではないが、金属酸化物と、有機分子の一部であるシラン又はホスホネート基などの特定の基との間に生じた共有結合を介して行われる(M.A.Neouze and U.Schubert 「Surface Modification and Functionalization of Metal and Metal Oxide Nanoparticles by Organic Ligands」 Monatsh Chem、2008年、139巻、183〜195頁)。ナノ粒子を官能基化するための典型的な経路の例は、有機化合物を溶媒に溶解し、ナノ粒子をこの溶液に分散させ、この系を一定時間攪拌して、ナノ粒子の表面を有機分子でコーティングすることである。この方法は、最終的な精製された生成物を得るために、濾過、精製及び/又は温度処理などのさらなる手順を必要とする場合がある。ナノ粒子の官能基化は、上記の手順に限定されるものではなく、本技術ではさまざまな経路を見出すことができる(E.Hoqueら、「Alkylphosphonate Modified Aluminum Oxide Surfaces」J.Phys.Chem.B 2006年、110巻、10855〜10861頁;P.H.Mutinら、「Hybrid materials from organophosphorus coupling molecules」J.Mater.Chem.、2005年、15巻、3761〜3768頁)。
上記のように、ポリマー中の無機粒子の量は、0.01〜30重量%である。本発明のアノードの特定の実施形態では、オプションで上記に記載の特定の実施形態の1又は複数の特徴と組み合わせて、保護層中の少なくとも1種の無機粒子の量は、ポリマーの量に対して、0.01〜20重量%、又は0.1〜20重量%、又は0.5〜20重量%、又は1〜10重量%、又は1.5〜5重量%である。
したがって、上記の無機粒子は、本発明のアノードの調製方法で使用される前駆体溶液又は分散液の一部を形成することもできるため、上記の粒子の量、粒径、及び特定の無機粒子もまた、オプションで上記に記載の方法の特定の実施形態の1又は複数の特徴と組み合わせて、本発明の方法の特定の実施形態を定義する。
別の特定の実施形態では、オプションで上記に記載の方法の特定の実施形態の1又は複数の特徴と組み合わせて、ポリマーはポリ(エチレンオキシド)ジアクリレート(PEGDA)であり、少なくとも1種の無機粒子は2〜20重量%、又は2〜5重量%、より詳細には2.4重量%の量である。
無水溶媒
上記のように、前駆体溶液又は分散液は、ポリマーと少なくとも1種の無機粒子とを無水溶媒中に上記に記載の量で溶解又は分散させることによって得られる。
上記のように、前駆体溶液又は分散液は、ポリマーと少なくとも1種の無機粒子とを無水溶媒中に上記に記載の量で溶解又は分散させることによって得られる。
溶媒の例としては、限定するものではないが、ジメトキシエタン(DME)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DEGDME)、1,3−ジオキソラン(DOL)、及び1,4−ジオキサンが挙げられる。蒸発は、室温、又はそれより高温で行うことができる。
上記に記載の保護コーティングを形成する成分の特定の組み合わせにより、効率的で最適化されたLi保護が提供され、デンドライトの成長が回避される条件(Li−S技術で使用される低い充電/放電率)下でクーロン効率及びサイクル寿命が改善されたリチウム金属電池が得られる。
電界放出走査型電子顕微鏡(FE−SEM)による特性評価を使用して、前駆体溶液中のポリマー濃度と形成されたフィルムの厚さとの相関関係を調査した。特に、各測定点におけるフィルムの厚さは、FE−SEM(例えば、ULTRAプラスZEISS電界放出走査型電子顕微鏡)を使用して、コーティングされたアノードの断面図を観察することによって測定することができる。
上記のように、保護単層の厚さは0.01〜10μmである。本発明の保護されたアノードの特定の実施形態では、オプションで上記に記載の特定の実施形態の1又は複数の特徴と組み合わせて、保護単層の厚さは、0.05〜5μm、又は0.1〜1μmである。
したがって、本発明の方法の特定の実施形態では、リチウム金属アノードの表面にフィルムコーティングを形成するために使用される前駆体溶液又は分散液では、オプションで上記に記載の特定の実施形態の1又は複数の特徴と組み合わせて、ポリマーの濃度、特にオプションで架橋官能基を含むポリエチレンオキシド系ポリマーの濃度は、前駆体溶液の質量に対して0.1〜10重量%である。
したがって、例として、前駆体溶液の質量に対して1重量%を超えるPEGDA濃度では、〜100nmの連続した均質なフィルムを得ることができるが、4.2%濃度の溶液からは〜400nmの厚いフィルムが得られる(図3、特にLiアノード上の均一で連続的なPEGDAフィルムの調製の例としての図3bを参照されたい)
上記の方法により得られるアノードもまた、本発明の一部を形成する。
上記に記載のアノードは、リチウム電池の製造に使用することができる。したがって、上記に記載のリチウム金属アノード、カソード、及びカソードとアノードとの間に挿入された適切な電解質を含むリチウム電池もまた、本発明の一部を形成する。特に、カソードは硫黄を含む。
リチウム電池は電解質も含む。そのような電解質は、塩及び溶媒を含む。
一例として、Li−硫黄電池用の電解質は、リチウム塩及び有機溶媒を含み得る。最も広く使用されている溶媒は、ポリ(エチレングリコール)、1,3−ジオキソラン(DOL)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、又はテトラ(エチレングリコール)ジメチルエーテル(TEGDME)などのエーテルである。リチウム塩の例は、とりわけ、LiCF3SO3(LiTfOとしても知られている)、Li(CF3SO2)2N(LiTFSIとしても知られている)、及びLiNO3である。さらに他の実施形態では、電解質は、リチウム塩及びイオン液体、例えば、リチウム塩のLiTFSIとIL(N−メチル−N−プロピルピロリドン)TFSIとを一緒に含む。
電池内では、リチウム金属アノードが電解質の成分を吸収することがある。したがって、本発明の電池の特定の実施形態では、保護単層は、ポリマーの量に対して最大2重量%、最大1.5重量%、最大1重量%、又は0.5重量%の量で保護単層に拡散することができる電解質の1又は複数の成分をさらに含み、保護単層に拡散することができる電解質の成分は、有機溶媒、リチウム塩、イオン液体、及びそれらの混合物から選択される。特に、保護単層に拡散することができる電解質の成分は、上記に記載のリチウム塩、より詳細には、上記に記載のリチウム塩と溶媒との混合物である。
説明及び特許請求の範囲を通して、「含む」という単語及びその単語の変形は、他の技術的特徴、添加物、成分又は工程を除外することを意図するものではない。さらに、「含む」という言葉は、「からなる」という場合も包含する。本発明の追加の目的、利点及び特徴は、説明を検討することにより当業者に明らかになるか、又は本発明の実施により習得することができる。以下の実施例及び図面は例示のために提供されるものであり、本発明を限定することを意図するものではない。図面に関連し、特許請求の範囲の中で括弧内に配置された参照符号は、特許請求の範囲の明瞭度を高めるための試みであり、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。さらに、本発明は、本明細書に記載された特定の好ましい実施形態のすべての可能な組み合わせを網羅する。
A)材料及び設備
電池グレードの1,3−ジオキソラン(DOL)及び1,2−ジメトキシエタン(DME)をBASFから購入し、モレキュラーシーブ3A sigma Aldrichを用いてさらに精製して、含水量を20ppm未満に維持した。含水量は、Hydranal−Coulomat AG反応物を使用して、Schott InstrumentsのKarl Fischer TitroLine KF Trace装置で測定した。モレキュラーシーブをアセトンで数回すすぎ、その後、使用前に200℃で6時間アニーリングしたことに留意が必要である。
電池グレードの1,3−ジオキソラン(DOL)及び1,2−ジメトキシエタン(DME)をBASFから購入し、モレキュラーシーブ3A sigma Aldrichを用いてさらに精製して、含水量を20ppm未満に維持した。含水量は、Hydranal−Coulomat AG反応物を使用して、Schott InstrumentsのKarl Fischer TitroLine KF Trace装置で測定した。モレキュラーシーブをアセトンで数回すすぎ、その後、使用前に200℃で6時間アニーリングしたことに留意が必要である。
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)(>99%)は、Solvionicから購入、硝酸リチウム(LiNO3)、99.99%はAldrichから;アルミナナノ粒子、5nm 99.99%はUS Research Nanoparticles Inc.から、及びポリ(エチレングリコール)ジアクリレート550g/molはSigma−Aldrichから購入した。
B)実験
1.カソードの調製
カソード複合体の調製のために、元素硫黄(Sigma−Aldrich、粒径100メッシュ)、及びカーボンブラック(Ketjenblack EC−600JD、AkzoNobel)を300rpmで3時間ボールミル(Restch、PM100)にかけた。混合物をアルゴン雰囲気下で150℃において6時間加熱した。次に、温度を300℃に上げて3時間保持し、炭素球の外表面にある余分な硫黄を気化させ、完全に細孔内に拡散させた。室温まで冷却した後、硫黄−炭素複合体が得られた。
1.カソードの調製
カソード複合体の調製のために、元素硫黄(Sigma−Aldrich、粒径100メッシュ)、及びカーボンブラック(Ketjenblack EC−600JD、AkzoNobel)を300rpmで3時間ボールミル(Restch、PM100)にかけた。混合物をアルゴン雰囲気下で150℃において6時間加熱した。次に、温度を300℃に上げて3時間保持し、炭素球の外表面にある余分な硫黄を気化させ、完全に細孔内に拡散させた。室温まで冷却した後、硫黄−炭素複合体が得られた。
カソードを、硫黄−炭素コンポジット、導電性カーボンブラック(Super C45、Timcal)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF、BASF)を50:40:10の重量比で混合し、溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP、Sigma−Aldrich)を使用して調製した。得られたスラリーを、ドクターブレードを使用して炭素コーティングアルミニウム箔上にキャストし、60℃で2時間乾燥させた。カソードの量は1.60±0.05mgSulfurcm−2であった。
コインセルのサイクル寿命は、25℃で電池サイクラーのBasytec CTSシステム(BASYTEC GMBH、Germany)を使用して、0.1C(1C=1,672 mA/gS)において1.7 V〜2.6 V vs Li/Li+内で調査した。
2.電解質の調製
電解質は、体積比で1:1のDOL:DME溶媒混合物中、0.38Mの[LiTFSI]及び0.32Mの[LiNO3]の溶液から成った。
電解質は、体積比で1:1のDOL:DME溶媒混合物中、0.38Mの[LiTFSI]及び0.32Mの[LiNO3]の溶液から成った。
3.Liアノード保護
Liアノードのコーティングは、必要な成分:
−溶液の全重量に基づいて2重量%のPEGDA;
−DOL:DME溶媒体積に基づいて0.02MのLiTFSI;
−DOL:DME溶媒体積に基づいて0.05MのLiNO3;
−ポリマーに対して2.4重量%又は20重量%のAl2O3;及び
−ポリマーに対して2.4重量%又は20重量%のMnO2、
のDME中前駆体溶液を使用して実行した。
Liアノードのコーティングは、必要な成分:
−溶液の全重量に基づいて2重量%のPEGDA;
−DOL:DME溶媒体積に基づいて0.02MのLiTFSI;
−DOL:DME溶媒体積に基づいて0.05MのLiNO3;
−ポリマーに対して2.4重量%又は20重量%のAl2O3;及び
−ポリマーに対して2.4重量%又は20重量%のMnO2、
のDME中前駆体溶液を使用して実行した。
コインセルのケースに、面積2.6cm2のリチウム箔アノードを配置した。続いて、100μLの前駆体溶液をLiアノード上全体に広げ、溶媒を蒸発乾固させた。
C)電気化学的特性評価
電気化学的特性評価は、CR2025タイプのコインセル(Hohsen Corp.)をドライルームにおいて組み立てて行った。負極(アノード)としてリチウム箔(厚さ50μm、Rockwood lithium)を使用し、(Liアノードは、前述のように生成された保護コーティングを含むことができる)、ポリエチレン系セパレーター、正極(カソード)を前述のように調製し、電解質50μLを添加した。
電気化学的特性評価は、CR2025タイプのコインセル(Hohsen Corp.)をドライルームにおいて組み立てて行った。負極(アノード)としてリチウム箔(厚さ50μm、Rockwood lithium)を使用し、(Liアノードは、前述のように生成された保護コーティングを含むことができる)、ポリエチレン系セパレーター、正極(カソード)を前述のように調製し、電解質50μLを添加した。
各系について、アプローチの再現性を確保するために、3つのコインセルを試験した。
実施例1及び2
上記で開示された「Liアノード保護」に従って、Li箔上にコーティングを得た。各前駆体溶液について、対応する成分の濃度を示す。
上記で開示された「Liアノード保護」に従って、Li箔上にコーティングを得た。各前駆体溶液について、対応する成分の濃度を示す。
クーロン効率を、
a)2.0重量%のPEGDA及び2.4重量%のアルミナで処理したアノード(PEGDA+Al2O3;実施例1);
b)2.0重量%のPEGDA及び20重量%のアルミナで処理したアノード(PEGDA+Al2O3;実施例2)
を含むセルについて試験した(図4を参照されたい)。
a)2.0重量%のPEGDA及び2.4重量%のアルミナで処理したアノード(PEGDA+Al2O3;実施例1);
b)2.0重量%のPEGDA及び20重量%のアルミナで処理したアノード(PEGDA+Al2O3;実施例2)
を含むセルについて試験した(図4を参照されたい)。
前駆体溶液の質量に対して2.0重量%のPEGDA濃度を有する前駆体溶液から形成されたフィルムの厚さは、約200nmであった。
実施例3及び4
上記で開示された「Liアノード保護」に従って、Li箔上にコーティングを得た。各前駆体溶液について、対応する成分の濃度を示す。
上記で開示された「Liアノード保護」に従って、Li箔上にコーティングを得た。各前駆体溶液について、対応する成分の濃度を示す。
クーロン効率を、
a)2.0重量%のPEGDA及び2.4重量%のMnO2で処理したアノード(PEGDA+MnO2;実施例3);
b)2.0重量%のPEGDA及び20重量%のMnO2で処理したアノード(PEGDA+MnO2;実施例4)
を含むセルについて試験した(図5を参照されたい)。
a)2.0重量%のPEGDA及び2.4重量%のMnO2で処理したアノード(PEGDA+MnO2;実施例3);
b)2.0重量%のPEGDA及び20重量%のMnO2で処理したアノード(PEGDA+MnO2;実施例4)
を含むセルについて試験した(図5を参照されたい)。
前駆体溶液の質量に対して2.0重量%のPEGDA濃度を有する前駆体溶液から形成されたフィルムの厚さは、約200nmであった。
比較例1〜7
実施例1及び2と同様に、クーロン効率を、
a)未処理のアノード(標準、STD;比較例1);
b)2.0重量%のPEGDA前駆体で処理したアノード(PEGDA;比較例2);
c)2.0重量%のPEGDA及び10mM LiTFSIで処理したアノード(PEGDA+LiTFSI;比較例3);
d)2.0重量%のPEGDA及び50mM LiNO3で処理したアノード(PEGDA+LiNO3、比較例4);
f)2.0重量%のPEGDA、50mM LiNO3及び10mM LiTFSIで処理したアノード(PEGDA+LiNO3+LiTFSI;比較例5);並びに
g)2.0重量%のPEGDA、50mM LiNO3、10mM LiTFSI、及び2.4重量%のAl2O3で処理したアノード(PEGDA+LiNO3+LiTFSI+Al2O3;比較例6);並びに
h)2.0重量%のPEGDA及び60重量%のMnO2で処理したアノード(PEGDA+MnO2;比較例7)
を含むセルについても試験した。
実施例1及び2と同様に、クーロン効率を、
a)未処理のアノード(標準、STD;比較例1);
b)2.0重量%のPEGDA前駆体で処理したアノード(PEGDA;比較例2);
c)2.0重量%のPEGDA及び10mM LiTFSIで処理したアノード(PEGDA+LiTFSI;比較例3);
d)2.0重量%のPEGDA及び50mM LiNO3で処理したアノード(PEGDA+LiNO3、比較例4);
f)2.0重量%のPEGDA、50mM LiNO3及び10mM LiTFSIで処理したアノード(PEGDA+LiNO3+LiTFSI;比較例5);並びに
g)2.0重量%のPEGDA、50mM LiNO3、10mM LiTFSI、及び2.4重量%のAl2O3で処理したアノード(PEGDA+LiNO3+LiTFSI+Al2O3;比較例6);並びに
h)2.0重量%のPEGDA及び60重量%のMnO2で処理したアノード(PEGDA+MnO2;比較例7)
を含むセルについても試験した。
形成されたフィルムの厚さは約200nmであった。
図4及び図5から推測できるように、アッセイしたいずれかの保護コーティングによるLiアノードの処理は、保護されていないアノード(標準)と比較して有益である。予想通り、Al2O3及びMnO2の結果は、同じ含有量の無機粒子について同様であった。
LiをPEGDAで処理すると、標準系と比較して、クーロン効率の値が高くなる。ただし、PEGDAフィルムを使用した系では効率が急速に低下することが問題となり、これは堅牢性が低くなることを意味する。
PEGDAとLiTFSIとの組み合わせは特に優れた性能はなく、PEGDA系の中では最も低い性能を示した。さらに、PEGDA、LiNO3、LiTFSI、及びAl2O3で構成される4成分系の性能は、Liアノード保護として実質的に非効率的であった。
PEGDA+LiNO3、及びオプションでLiTFSIの系により、PEGDAセルに対してクーロン効率が改善されたLi保護コーティングを得ることができた。PEGDA+LiNO3及びLiTFSI系の性能に関しては、二成分PEGDA−LiTFSI系の初期結果が優れた性能を示さなかったため、その改善の正当化は明白ではない。
予想外に、PEGDA−AI2O3の挙動はPEGDA−LiNO3と同様であり、特許請求された範囲よりも多い量の無機粒子を組み込むと、保護されていないアノード(標準)と同様の結果になり、有益な効果は観察されない。
引用リスト
特許文献
1.US20050042515A1
2.EP3136475A1
3.EP3093906A1
4.EP3109924A1
非特許文献
1.Zhang,S.S.、「Role of LiNO3 in rechargeable lithium/sulfur battery」 Electrochim.Acta、2012年、70巻、344〜348頁;
2.Hu Z.ら、「Poly(ethyl ocyanoacrylate)−Based Artificial Solid Electrolyte Interphase Layer for Enhanced Interface Stability of Li Metal Anodes」2017年、Chemistry of Materials、29巻、4682〜4689頁;
3.M.A.Neouze及びU.Schubert 「Surface Modification and Functionalization of Metal and Metal Oxide Nanoparticles by Organic Ligands」 Monatsh Chem、2008年、139巻、183〜195頁;
4.E.Hoqueら、「Alkylphosphonate Modified Aluminum Oxide Surfaces」 J.Phys.Chem.B 2006年、110巻、10855〜10861頁;
5.P.H.Mutinら、「Hybrid materials from organophosphorus coupling molecules」J.Mater.Chem.、2005年、15巻、3761〜3768頁。
特許文献
1.US20050042515A1
2.EP3136475A1
3.EP3093906A1
4.EP3109924A1
非特許文献
1.Zhang,S.S.、「Role of LiNO3 in rechargeable lithium/sulfur battery」 Electrochim.Acta、2012年、70巻、344〜348頁;
2.Hu Z.ら、「Poly(ethyl ocyanoacrylate)−Based Artificial Solid Electrolyte Interphase Layer for Enhanced Interface Stability of Li Metal Anodes」2017年、Chemistry of Materials、29巻、4682〜4689頁;
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5.P.H.Mutinら、「Hybrid materials from organophosphorus coupling molecules」J.Mater.Chem.、2005年、15巻、3761〜3768頁。
Claims (15)
- リチウム金属電池用の保護されたアノードであって、
−リチウム金属アノードと、
−リチウム金属アノードの少なくとも一部に配置された保護単層と、
を含み、
前記保護単層が、
ポリエチレンオキシド(PEO)系ポリマー、架橋PEO系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリペンチルメタクリレート、ポリペンチルアクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリシクロヘキシルアクリレート、ポリヘキシルメタクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリグリシジルアクリレート、ポリグリシジルメタクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルメタクリレート、ポリ(アクリル酸デシル)、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリスチレン、ポリスチレンスルホネート、水素化ポリスチレン、ポリビニルピリジン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイミド、ポリアミン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−ペンテン)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリジメチルシロキサン、ビニル末端ポリジメチルシロキサン、ポリ(C1−C20アルキルカーボネート)、ポリマレイン酸、ポリ(無水マレイン酸)、ポリメタクリル酸、ポリ(tert−ブチルビニルエーテル)、ポリ(シクロヘキシルビニルエーテル)、ポリジビニルベンゼン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリニトリル、ポリホスファジン、ポリジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソブチレン、ポリウレタン、ポリベンゾイミダゾール、ポリピロール、及びそれらのコポリマーから成る群から選択されるポリマーと、
Al2O3、MnO、MnO2、SiO2、TiO2、ZnO、ZrO2、Fe2O3、CuO、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、及び式AxByOzのオキシ塩(式中、Aはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、BはAl、Mn、Si、Ti、Zn、Zr、Fe、及びCuからなる群から選択され、x、y、zは、オキシ塩の全電荷が0になるような対応する原子の数である)からなる群から選択される少なくとも1種の無機粒子、又は官能基化された前述の無機粒子のいずれか1種と、
から成り、
前記保護単層の厚さが0.01〜10μmであり、
前記無機粒子が1〜500nmの平均直径を有し、
前記少なくとも1種の無機粒子が、ポリマーの量に対して0.01〜30重量%の量である、
リチウム金属電池用の保護されたアノード。 - 前記少なくとも1種の無機粒子が、ポリマーの量に対して0.01〜20重量%、又は0.1〜20重量%、又は0.5〜20重量%、又は1〜10重量%、又は1.5〜5重量%の量である、請求項1に記載の保護されたアノード。
- 前記ポリマーが、PEO系ポリマー、又は架橋PEO系ポリマーである、請求項1又は2に記載の保護されたアノード。
- 前記ポリマーが、メタ(アクリレート)又はビニル官能基を有するPEO系ポリマーである、請求項3に記載の保護されたアノード。
- 前記ポリマーが、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(PEGDA)、又はポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート(PEGDMA)である、請求項4に記載の保護されたアノード。
- 前記ポリマーが、メタ(アクリレート)、ビニル、付加又は縮合反応を誘発することができる官能基、及び求核置換反応を誘発することができる官能基からなる群から選択される架橋官能基を有するPEO系ポリマーに由来する架橋PEO系ポリマーである、請求項3に記載の保護されたアノード。
- 架橋官能基を有する前記PEO系ポリマーが、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(PEGDA)、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート(PEGDMA)、ジ(N、N’−ビニルイミダゾリウム)ジアニオン末端ポリ(エチレンオキシド)、及びトシレート末端ポリ(エチレンオキシド)からなる群から選択される、請求項6に記載の保護されたアノード。
- 前記無機粒子がAl2O3である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の保護されたアノード。
- 前記無機粒子が官能基化Al2O3である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の保護されたアノード。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のリチウム金属保護アノードを調製するための方法であって、
a)PEO系ポリマー、架橋官能基を有するPEO系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリペンチルメタクリレート、ポリペンチルアクリレート、ポリシクロヘキシルメタクリレート、ポリシクロヘキシルアクリレート、ポリヘキシルメタクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリグリシジルアクリレート、ポリグリシジルメタクリレート、ポリ−2−エチルヘキシルメタクリレート、ポリ(アクリル酸デシル)、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリスチレン、ポリスチレンスルホネート、水素化ポリスチレン、ポリビニルピリジン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイミド、ポリアミン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−ペンテン)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリジメチルシロキサン、ビニル末端ポリジメチルシロキサン、ポリ(C1−C20アルキルカーボネート)、ポリマレイン酸、ポリ(無水マレイン酸)、ポリメタクリル酸、ポリ(tert−ブチルビニルエーテル)、ポリ(シクロヘキシルビニルエーテル)、ポリジビニルベンゼン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリニトリル、ポリホスファジン、ポリジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソブチレン、ポリウレタン、ポリベンゾイミダゾール、ポリピロール、及びそれらのコポリマーから成る群から選択されるポリマーと、
Al2O3、MnO、MnO2、SiO2、TiO2、ZnO、ZrO2、Fe2O3、CuO、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、及び式AxByOzのオキシ塩(式中、Aはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、BはAl、Mn、Si、Ti、Zn、Zr、Fe、及びCuからなる群から選択され、x、y、zは、オキシ塩の全電荷が0になるような対応する原子の数である)からなる群から選択される少なくとも1種の無機粒子、又は官能基化された前述の無機粒子のいずれか1種とを、
無水溶媒中に溶解又は分散させることによって、前駆体溶液又は分散液を形成する工程であって、
前記少なくとも1種の無機粒子が、ポリマーの量に対して0.01〜30重量%の量である工程と、
b)工程a)で得られた前駆体溶液又は分散液をリチウム金属アノード上に広げる工程と、
c)前記溶媒を蒸発させ、連続的な、オプションで架橋されたフィルムを前記リチウム金属アノード上に形成するために、オプションで架橋反応を行う工程と、
を含む方法。 - 前記少なくとも1種の無機粒子が、ポリマーの量に対して0.01〜20重量%、又は0.1〜20重量%、又は0.5〜20重量%、又は1〜10重量%、又は1.5〜5重量%の量である、請求項10に記載の方法。
- 前記無機粒子がAl2O3である、請求項10又は11に記載の方法。
- a)請求項1〜9のいずれか一項に記載の保護されたアノードと、
b)カソードと、
c)前記カソードと前記アノードの間に挿入された適切な電解質、とを含むリチウム金属電池。 - 前記保護単層が、ポリマーの量に対して最大2重量%の量で前記保護単層に拡散することができる電解質の1又は複数の成分をさらに含み、前記保護単層に拡散することができる電解質の成分が、有機溶媒、リチウム塩、イオン液体、及びそれらの混合物から選択される、請求項13に記載のリチウム金属電池。
- リチウム電池のクーロン効率を改善するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載のリチウム金属保護アノードの使用。
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-
2019
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